アセチルサリチル酸

成分名

アセチルサリチル酸

適応症状

【効能1】
関節リウマチ/リウマチ熱/変形性関節症/強直性脊椎炎/関節周囲炎/結合織炎/術後疼痛/歯痛/症候性神経痛/関節痛/腰痛症/筋肉痛/捻挫痛/打撲痛/痛風による痛み/頭痛/月経痛

【効能2】
下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)

【効能3】
川崎病(心血管後遺症を含む)

簡易説明

アセチルサリチル酸は、消炎鎮痛剤で「非ステロイド性抗炎症薬」に分類されています。
1世紀に渡り熱と痛みの薬として使用され、今でも解熱鎮痛剤の王座を保っていると言えます。
プロスタグランジンを抑制する効果により、痛みや炎症を鎮める作用があります。
また、このお薬を少量(商品名:バイアスピリン)服用することにより、血液凝固を防ぐ作用があり、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞といった症状にも投与されます。

処方可能な診療科目

内科/整形外科/リウマチ科/産婦人科/歯科/形成外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

約100円~1000円程度(薬価:5.6円)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

・アスピリン「メタル」
販売開始年月:1985年8月
・アスピリン「バイエル」
販売開始年月:2006年3月
・アスピリン原末「マルイシ」
販売開始年月:2008年12月
など

国内のジェネリック認可

ジェネリック有り(低用量)

関連製品(先発薬)

アスピリン「ホエイ」/アスピリン「ヨシダ」/アスピリン原末「マルイシ」/アスピリン「日医工」/「純生」アスピリン/アスピリン「ケンエー」/アスピリンシオエ/アスピリン「メタル」/アスピリン/アスピリン「バイエル」など

関連製品(ジェネリック)

エコスピリン「USV(ユーエスブイ)」/アスピリン錠100「KN」/アスピリン腸溶錠100mg「トーワ」/アスピリン腸溶錠100mg「タイヨー」/アスピリン腸溶錠100mg「日医工」/アスピリン腸溶錠100mg「JG」/アスピリン腸溶錠100mg「ファイザー」/ゼンアスピリン錠100/バイアスピリン錠100mgなど

効果・作用

【解熱・鎮痛作用】
・アスピリン
アセチルサリチル酸の商標名はアスピリンで、薬局などでもよく馴染みのあるバファリンの主成分です。
アスピリンは世界中で処方されており、歴史上最も多く使用されていることから、薬の王様とも呼ばれています。
主成分のアセチルサリチル酸は、ヤナギの樹皮から抽出された成分「サリチル酸」をアセチル化した成分で、解熱、鎮痛効果があります。
この効果は、サリチル酸が、発熱、頭痛、炎症に関与する「プロスタグランジン」と呼ばれる局所ホルモンの合成を阻害することで、痛みが神経を通して脳に伝わりにくくするためであるといわれています。
今現在も医療の現場で最も使われていると言っても過言ではないお薬です。

【血栓・塞栓形成の抑制作用】
・バイアスピリン
バイアスピリンは、アスピリンを小用量配合し、血液凝固、血栓防止などを目的としたお薬です。
バイアスピリンには抗血小板作用があり、血小板内のシクロオキシゲナーゼ1(COX1)を阻害することでトロンボキサン(TXA2)の合成が低下し、血小板凝集が抑えられます。
この作用は血小板の寿命である1週間~10日程度持続します。
そのため、狭心症や心筋梗塞、虚血性脳血管障害、川崎病などに投与されます。

使用方法

【アスピリン】
・効能1
通常、成人はアスピリンとして、1回0.5~1.5g、1日1.0~4.5gを経口服用します。
なお、年齢、疾患、症状により適宜増減します。
上記の最高量までとします。

・効能2
通常、成人はアスピリンとして、1回0.5~1.5gを頓用します。
なお、年齢、症状により適宜増減します。
ただし、原則として1日2回までとし、1日最大4.5gを限度として下さい。
また、空腹時の服用は避けさせることが望ましいとされています。

・効能3
急性期有熱期間は、アスピリンとして1日体重1kgあたり30~50mgを3回に分けて経口服用します。
解熱後の回復期から慢性期は、アスピリンとして1日体重1kgあたり3~5mgを1回経口服用します。
なお、症状に応じて適宜増減して下さい。

【バイアスピリン】
・狭心症(慢性安定狭心症、不安定狭心症)/心筋梗塞/虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA)、脳梗塞)における血栓・塞栓形成の抑制/冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後における血栓・塞栓形成の抑制に使用する場合
通常、成人にはアスピリンとして100mgを1日1回経口投与します。
なお、症状により1回300mgまで増量できます。

・川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)に使用する場合
急性期有熱期間は、アスピリンとして1日体重1kgあたり30~50mgを3回に分けて経口投与します。
解熱後の回復期から慢性期は、アスピリンとして1日体重1kgあたり3~5mgを1回経口投与します。
なお、症状に応じて適宜増減して下さい。

副作用

【アスピリン】
・重い副作用
「ショック、アナフィラキシー」
気持ちが悪い/冷汗/顔面蒼白/手足の冷え・しびれ/じんま疹/全身発赤/顔や喉の腫れ/ゼーゼー息苦しい/めまい/血圧低下/目の前が暗くなり意識が薄れる

「重い出血(消化管出血、肺出血、脳出血、眼底出血)」
出血傾向/血便(赤~黒いタール状便)/吐血/血痰/息苦しい/頭痛/めまい/吐き気・吐く/片側の麻痺/うまく話せない/意識が薄れる

「重い皮膚・粘膜障害」
発疹/発赤/水ぶくれ/うみ/皮がむける/皮膚の熱感や痛み/かゆみ/唇や口内のただれ/のどの痛み/目の充血/発熱/全身けん怠感

「重い血液成分の異常」
発熱/喉の痛み/口内炎/だるい/皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向
「喘息発作の誘発」
咳き込む/ぜいぜい息をする/息をするときヒューヒュー音がする/息切れ/呼吸しにくい

「肝臓の重い症状」
だるい/食欲不振/吐き気/発熱/発疹/かゆみ/皮膚や白目が黄色くなる/尿が茶褐色

「消化管潰瘍・胃腸出血」
胃痛/腹痛/吐き気/嘔吐/吐血(コーヒー色のものを吐く)/下血(血液便、黒いタール状の便)

・その他の副作用
胃痛・腹痛/吐き気/吐く/食欲不振/発疹/じんま疹/むくみ/肝臓や腎臓の働きが落ちる

【バイアスピリン】
・主な副作用
浮腫/出血/食欲不振/胃部不快感/発疹/心窩部痛/鼻炎/耳鳴/難聴/倦怠感/消化管障害

・重い副作用
ショック/アナフィラキシー/呼吸困難/全身潮紅/血管浮腫/蕁麻疹/脳出血/頭蓋内出血/頭痛/悪心/嘔吐/意識障害/片麻痺/肺出血/消化管出血/鼻出血/眼底出血/中毒性表皮壊死融解症/Toxic Epidermal Necrolysis/TEN/皮膚粘膜眼症候群/Stevens-Johnson症候群/剥脱性皮膚炎/再生不良性貧血/血小板減少/白血球減少/喘息発作/肝機能障害/黄疸/著しいAST上昇/著しいALT上昇/著しいγ-GTP上昇/消化性潰瘍/大腸潰瘍/下血/メレナ/胃潰瘍/十二指腸潰瘍/腸管穿孔/小腸潰瘍

・その他の副作用
胃炎/消化管潰瘍/凝血障害/血腫/網膜出血/AST上昇/GOT上昇/ALT上昇/GPT上昇/胃腸障害/腹痛/胸やけ/便秘/下痢/食道炎/口唇腫脹/吐血/吐き気/過敏症/皮膚そう痒/皮疹/膨疹/発汗/眩暈/興奮/血圧低下/血管炎/気管支炎/角膜炎/結膜炎/過呼吸/代謝性アシドーシス/貧血/血小板機能低下/出血時間延長/腎障害/低血糖/精神神経系障害/血液障害

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

【アスピリン】
「慎重投与(次に当てはまる方は慎重に投与すること)」
・消化性潰瘍の既往歴のある患者(消化性潰瘍を再発させることがある)
・血液の異常又はその既往歴のある患者(血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある)
・出血傾向のある患者(効能1、及び2の場合)(血小板機能異常がおこることがある)
・肝障害又はその既往歴のある患者(肝障害を悪化又は再発させるおそれがある)
・腎障害又はその既往歴のある患者(腎障害を悪化又は再発させるおそれがある)
・心機能異常のある患者(腎のプロスタグランジン生合成抑制作用により、浮腫、循環体液量の増加がおこり、心臓の仕事量が増加するため、心機能を更に悪化させるおそれがある)
・過敏症の既往歴のある患者
・気管支喘息のある患者(気管支喘息の患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれており、それらの患者では重篤な喘息発作を誘発させることがある)
・高齢者の方
・妊婦(ただし、出産予定日12週以内の妊婦は禁忌)又は妊娠している可能性のある婦人
・小児
・アルコール常飲者(消化管出血を誘発又は増強することがある)
・手術、心臓カテーテル検査又は抜歯前1週間以内の患者(手術、心臓カテーテル検査又は抜歯時の失血量を増加させるおそれがある)
・非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者(ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので、本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること)

「重要な基本的注意」
・サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告があるので、本剤を15歳未満の水痘、インフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること
(ライ症候群:小児において極めてまれに水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST(GOT)・ALT(GPT)・LDH・CK(CPK)の急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である)
・解熱鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること

・慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること
①長期投与する場合には、定期的に臨床検査(尿検査、血液検査及び肝機能検査等)を行うこと。また、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な措置を講じること
②薬物療法以外の療法も考慮すること

・急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること
①疼痛、発熱の程度を考慮し投与すること
②原則として同一の薬剤の長期投与を避けること
③原因療法があればこれを行うこと
・患者の状態を十分観察し、副作用の発現に留意すること
・過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、特に高熱を伴う小児及び高齢者又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意すること。
・感染症を不顕性化するおそれがあるので、感染による炎症に対して用いる場合には適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること
・他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい
・高齢者及び小児には副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること
・手術前1週間以内にアスピリンを投与した例では失血量が有意に増加したとの報告があるので、術前の投与は慎重に行うこと
・川崎病の急性期に対して投与する場合には、適宜、肝機能検査を行い異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な措置を講ずること
・川崎病患者(川崎病による心血管後遺症を含む)に対して長期間投与する場合には、定期的に臨床検査(尿検査、血液検査及び肝機能検査等)を行うこと
また、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な措置を講ずること

【バイアスピリン】
「慎重投与(次に当てはまる方は慎重に投与すること)」
・消化性潰瘍の既往歴のある患者(消化性潰瘍を再発させることがある)
・血液の異常又はその既往歴のある患者(血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある)
・出血傾向の素因のある患者(出血を増強させるおそれがある)
・肝障害又はその既往歴のある患者(肝障害を悪化又は再発させるおそれがある)
・腎障害又はその既往歴のある患者(腎障害を悪化又は再発させるおそれがある)
・気管支喘息のある患者(気管支喘息の患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれており、それらの患者では重篤な喘息発作を誘発させることがある)
・アルコールを常飲している患者(アルコールと同時に服用すると、消化管出血を誘発又は増強することがある)
・高齢者の方
・妊婦(ただし,出産予定日12週以内の妊婦は禁忌)又は妊娠している可能性のある婦人・小児
・手術、心臓カテーテル検査又は抜歯前1週間以内の患者(手術、心臓カテーテル検査又は抜歯時の失血量を増加させるおそれがある)
・非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者(ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので、本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること)

「重要な基本的注意」
・サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告があるので、本剤を15歳未満の水痘、インフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること(ライ症候群:小児において極めてまれに水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST(GOT)・ALT(GPT)・LDH・CK(CPK)の急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である)
・脳梗塞患者への投与にあたっては、他の血小板凝集を抑制する薬剤等との相互作用に注意するとともに、高血圧が持続する患者への投与は慎重に行い、投与中は十分な血圧のコントロールを行うこと
・川崎病の急性期に対して投与する場合には、適宜、肝機能検査を行い、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な措置を講ずること
・川崎病患者(川崎病による心血管後遺症を含む)に対して長期投与する場合には、定期的に臨床検査(尿検査,血液検査及び肝機能検査等)を行うこと
また、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な措置を講ずること

併用禁忌薬

【アスピリン:併用注意】
クマリン系抗凝血剤/ワルファリンカリウム/血液凝固阻止剤/ヘパリン製剤/ダナパロイドナトリウム/10a阻害剤/リバーロキサバン/抗トロンビン剤/ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩/トロンボモデュリン アルファ/血小板凝集抑制作用を有する薬剤/チクロピジン塩酸塩/シロスタゾール/硫酸クロピドグレル/トロンボキサン合成阻害剤/オザグレルナトリウム/プロスタグランジンE1製剤/プロスタグランジンI2誘導体製剤/ベラプロストナトリウム/サルポグレラート/イコサペント酸エチル/血栓溶解剤/ウロキナーゼ/組織プラスミノゲンアクチベーター製剤/糖尿病用薬/ヒトインスリン/トルブタミド/メトトレキサート製剤/バルプロ酸/炭酸脱水酵素阻害剤/アセタゾラミド/副腎皮質ホルモン剤/ベタメタゾン/プレドニゾロン/メチルプレドニゾロン/ループ利尿剤/フロセミド/リチウム製剤/炭酸リチウム/チアジド系薬剤/ヒドロクロロチアジド/尿酸排泄促進剤/プロベネシド/ベンズブロマロン/ニトログリセリン/乳酸ナトリウムを含有する輸液/インドメタシン製剤/ジクロフェナク/アルミノプロフェン/オキシカム系消炎鎮痛剤/ピロキシカム/スリンダク/イブプロフェン/ナプロキセン/COX-2選択的阻害剤/セレコキシブ/塩酸ドネペジル/β-遮断剤/プロプラノロール/ACE阻害剤/カプトプリル/タクロリムス水和物/シクロスポリン/ザフィルルカスト/プロスタグランジンD2受容体拮抗剤/トロンボキサンA2受容体拮抗剤/セラトロダスト/ラマトロバン/選択的セロトニン再取り込み阻害剤/フルボキサミンマレイン酸塩/塩酸セルトラリン/アルコール<経口>/フェニトイン/ジドブジン製剤

よくある質問
アスピリンを5日間ほど飲めないのですが大丈夫でしょうか?

1週間は効果が持続している可能性がありますので、飲めるようなときになったらすぐ服用するようにしてください。

乳児にアスピリンを飲ませる場合は服用は何時間おきにすればいいでしょうか?

約6時間程度は間隔をあけて下さい。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。