ジメトチアジンメシル酸塩

成分名

ジメトチアジンメシル酸塩

適応症状

片頭痛・緊張性頭痛

簡易説明

頭痛は機能性である一次性頭痛(片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛等)と、器質的な原因を有する二次性頭痛(くも膜下出血などの経験がない激しい頭痛、鎮痛剤等の薬剤の使用過多による頭痛)に分類されています。
頭痛の診療ガイドライン2021では、本剤は頭痛に対する頓服薬ではなく、予防薬とされる薬剤です。
抗セロトニン作用と抗ヒスタミン作用をもち、片頭痛及び緊張型頭痛の予防及び緩和に効能があると位置付けられています。
そのため頭痛の前駆症状にも使用することができます。予防療法の目的は、片頭痛発作の頻度、重症度、持続時間の軽減を図り、日常生活を改善すること、そして薬剤の使用過多による頭痛を予防することとされています。
本剤は、片頭痛の予防薬として位置付けられています。

処方可能な診療科目

内科/脳神経外科など

健康保険の適応

健康保険適用

病院で処方してもらう時の費用目安

診療代の目安:1,000~2,000円
薬代の目安:ミグリステン錠20/10.8円(共和薬品)
病院によって差があり、薬代の他に診察料・初診料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1972年11月発売

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

ミグリステン錠20(共和薬品)

関連製品(ジェネリック)

なし

海外での使用実績

ミグリステンはローヌ・プーラン社研究所(現サノフィ)で開発されたジメトチアジンメシル酸塩の経口用製剤です。フランスでは1965年に発売され、日本では塩野義製薬が1972年6月に製造承認を得ました。その後2016年12月、塩野義製薬株式会社から共和薬品工業株式会社に販売を委託し、2021年4月、塩野義製薬株式会社から共和薬品工業株式会社に製造販売承認が渡ったという経緯があります。

効果・作用

片頭痛は人口の8.4%が患っていると報告されており、20~40代の女性に多い頭痛であるといわれています。
一般的には片側性で拍動性(脈打つような性状)の頭痛とされていますが、必ずしもそうであるとは断定できません。
一部の患者では閃輝暗点といった視野の症状が頭痛に先行します。
光に対して敏感になったり、吐き気を伴ったりすることもあります。
日常生活に支障をきたすことが多い頭痛であるとされています。
一方で緊張性頭痛は、人口の22%が患っていると報告されており、頭痛は圧迫されるような、あるいは締めつけられるような非拍動性で、両側性で起きることが多いです。
通常では、動作による頭痛の増悪、吐き気の症状はみられないとされています。
原因としては肩こりなど肩や後頚部、頭部の筋肉の緊張が原因で起こることが多く、パソコン作業など長時間同じ姿勢で作業を続けていると頸部、肩の筋肉の緊張が高まり、頭痛が起こりやすくなります。
それが慢性的に起こるようになると頸部・肩の筋緊張に加え、精神的なストレスなどが関与し、脳が痛みに対して過敏になっていると考えられています。
片頭痛のメカニズムは不明な点も多く、明確なメカニズムは示されていません。しかし病態を説明する仮説として、血管説、神経説、三叉神経血管説の3つが提唱されています。
片頭痛患者では血小板の異常があり、血小板がセロトニンを異常放出して頭蓋血管が収縮し、前駆症状があらわれます。
そのあとにセロトニンが代謝されて血中セロトニンは減少し、血管が反跳性に拡張して片頭痛発作が起こる、血管説が濃厚とされています。
本剤のような抗セロトニン作用を有する薬剤は、血小板から過剰に放出されたセロトニンによる血管収縮を抑制することにより、反跳性の血管拡張を抑制し、片頭痛発作を抑制すると考えられています。
片頭痛に対する有効率は61.2%、緊張性頭痛に対する有効率は38.2%となっており、このことから、主に作用する疾患は片頭痛であることがわかります。
また本剤は重篤な副作用はみられず、その他の副作用も少ないことから、多様な年齢層に使用することができます。
片頭痛は発作としてとらえられますが、片頭痛発作の頻度や程度、持

使用方法

通常,成人にはジメトチアジンとして1日60mgを3回に分けて経口投与します。
重症には必要に応じジメトチアジンとして1日120mgまで増量することができます。
年齢,症状により適宜増減します。

副作用

主な副作用
眠気・ふらつき・めまい・倦怠感・不眠・胃不快感・悪心・胃痛・便秘・下痢・過敏症などがあります。

その他の副作用
発疹・光線過敏症・口渇・皮膚色素沈着・振戦・神経過敏・食欲不振・腹痛・軟便・乳房痛・月経異常・熱感などがみられることがあります。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ジメトチアジンメシル塩酸を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ミグリステン錠20はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ミグリステン錠20の有効成分
ジメトチアジンメシル酸塩/24.9mg
▼ミグリステン錠20の添加物
乳糖水和物・トウモロコシデンプン・ヒドロキシプロピルセルロース・ステアリン酸マグネシウム・タルク・白糖・ゼラチン・アラビアゴム末・安息香酸ナトリウム・沈降炭酸カルシウム・低置換度ヒドロキシプロピルセルロース・カルナウバロウ

次に当てはまる方は使用できません。
・フェノチアジン系化合物およびその類似化合物に対して過敏症の既往歴のある方
・昏睡状態にある方
・バルビツール酸誘導体、麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある方

使用に注意が必要な方
・高齢者
・妊婦、産婦、授乳婦

上記にあてはまる方は、ジメトチアジンメシル酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ジメトチアジンメシル酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
中枢抑制剤・エタノール摂取・血圧降下剤・抗コリン作用を有する薬剤・アルコールを含むもの

上記を使用している方は、ジメトチアジンメシル酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ジメトチアジンメシル酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
片頭痛と緊張性頭痛の違いは何ですか?

緊張性頭痛は、乳酸等の老廃物の蓄積が原因の一つとなって起こる頭痛のことを指します。一方で片頭痛は、時間とともに血管が拡張する、または顔面周辺にある三叉神経の刺激のよって起こると考えられているものです。ジメトチアジンメシル塩酸はどちらの頭痛にも作用します。ただし、外傷性の頭痛には効果がないとされていますので、医師に頭痛の種類を聞き、使用する薬を間違えないようにしてください。

混合型頭痛とはなんですか?

片頭痛と緊張性頭痛の両方の側面を持つ頭痛のことを指します。後頭部を中心に頭全体が締めつけられるような重い痛み・毎日のように朝から晩まで一定の鈍い痛みが続く・肩や首のこりを伴う・パソコンを使った後に痛む・軽いめまいを伴うことがある・温めるとラクになるという緊張性頭痛の特徴と、「ズキン、ズキン」という波打つような強い痛み・月に1~2回起きる・頭痛が起きる前にチカチカした光が見えることがある・体を動かすとガンガンと頭に響くという片頭痛の特徴を併せ持っています。このような症状が頻繁に起きると体にも相当負担になりますので、早めに受診して自分に合った薬を処方してもらってください。

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