成分名 |
チアラミド塩酸塩 |
適応症状 |
1.各科領域の手術後並びに外傷後の鎮痛・消炎
2.下記疾患の鎮痛・消炎
関節炎、腰痛症、頸肩腕症候群、骨盤内炎症、軟産道損傷、乳房うっ積、帯状疱疹、多形滲出性紅斑、
膀胱炎、副睾丸炎、前眼部炎症、智歯周囲炎
3.抜歯後の鎮痛・消炎
4.下記疾患の鎮痛
急性上気道炎(風邪症状) |
簡易説明 |
チアラミド塩酸塩(商品名:ソランタール)はロキソニンやジクロフェナク(商品名:ボルタレン)などが分類される非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一種です。また、NSAIDsの中でも数少ない塩基性NSAIDsです。この塩基性NSAIDsは、ロキソニン等のほかのNSAIDsに比べて作用は弱いものの、NSAIDsの副作用の特徴である消化管潰瘍を起こしにくいことや、生理機能の低下した高齢者の方などにも、比較的安心して服用していただけるお薬です。
効果・作用等はロキソニンやボルタレン等の他のNSAIDsと同様です。
チアラミド塩酸塩は先発医薬品のソランタールのみで、後発医薬品(ジェネリック)は存在しません。ですので、この記事内では分かりやすくするために商品名であるソランタールで記載させていただきます。 |
処方可能な診療科目 |
一般外科、一般内科、整形外科、泌尿器科、歯科など幅広い診療科で使用されています。 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
内科・3割負担の場合の目安
初診料860円+治療費約500円+薬局での費用(薬剤料・薬学管理料など)約800円=約2,100円
※この金額は目安です。実際の金額とは異なる場合があります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
製造販売承認年月日 1974年5月24日
薬価基準収載年月日 1975年1月1日
発売年月日 1975年1月1日 |
国内のジェネリック認可 |
- |
関連製品(先発薬) |
ソランタール錠50mg(LTLファーマ)
ソランタール錠100mg(LTLファーマ) |
関連製品(ジェネリック) |
- |
効果・作用 |
●効果
1.各科領域の手術後並びに外傷後の鎮痛・消炎
2.下記疾患の鎮痛・消炎
関節炎、腰痛症、頸肩腕症候群、骨盤内炎症、軟産道損傷、乳房うっ積、帯状疱疹、多形滲出性紅斑、
膀胱炎、副睾丸炎、前眼部炎症、智歯周囲炎
3.抜歯後の鎮痛・消炎
4.下記疾患の鎮痛
急性上気道炎(風邪症状
各症状に対する有効性はこの作用の項目の下をご覧ください。
●作用
ソランタールはほかの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とは異なり、炎症を起こしている部位にあり、炎症を起こす原因となる物質(起炎因子)であるヒスタミン・セロトニンに強く拮抗することで、痛みなどの炎症の発生を抑えます。
ロキソニン、ボルタレン等の解熱鎮痛剤に分類される薬は名前通り発熱に対して効果がありますが、ソランタールは発熱に対しての効果の記載はありませんのでご注意ください。
またソランタール含めNSAIDsは、痛み、発熱などの症状を一時的に抑える対症療法に用いられる薬であり、疾患の原因は治療できません。原因がわかっているときは、医師、薬剤師にご相談の上、原因に対しての治療を行うようにして下さい。
●ソランタールの症状別の有効性
・症状:有効性(%)
・手術後の疼痛、炎症:84.6%
・外傷後の疼痛、炎症:73.5%
・関節炎:56.3%
・腰痛症:67.5%
・頸肩腕症候群:59.3%
・上気道炎症:75.8%
・骨盤内炎症:62.5%
・軟産道損傷:68.4%
・乳房うっ積:61.9%
・帯状疱疹:93.8%
・多形滲出性紅斑:73.3%
・膀胱炎:86.7%
・副睾丸炎:84.4%
・前眼部炎症:79.6%
・智歯周囲炎:78.2%
・抜歯後の疼痛、炎症:69.6% |
新型コロナウイルス感染症予防・治療に関して | 山中伸弥先生の見解、また厚生労働省、アメリカ疾病対策センター(CDC)の発表によれば、コロナワクチンの副反応に対してソランタールを含む非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用してもよいとされています。
しかし、NSAIDsではなく、抗炎症作用が少ないアセトアミノフェン(カロナールやタイレノールなど)を使用した方がよいとの考えもあるようです。妊娠中の方に対してはアセトアミノフェンの服用が推奨されていますのでご注意ください。 |
使用方法 |
●下記の1から3の場合
1.各科領域の手術後並びに外傷後の鎮痛・消炎
2.下記疾患の鎮痛・消炎
関節炎、腰痛症、頸肩腕症候群、骨盤内炎症、軟産道損傷、乳房うっ積、帯状疱疹、多形滲出性紅斑、
膀胱炎、副睾丸炎、前眼部炎症、智歯周囲炎
3.抜歯後の鎮痛・消炎
成人の方に対して、1回1錠(50mgの錠剤の場合は2錠)110.2mg(チアラミドとして100mg)を1日3回服用してください。なお、年齢、症状などによって増減することもあるので、服用量をしっかりとご確認の上で服用して下さい。
●4.下記疾患の鎮痛の場合
急性上気道炎
成人の方に対して、1回1錠(50mgの錠剤の場合は2錠)110.2mg(チアラミドとして100mg)を頓用(症状がひどいときに服用する)してください。ただし、1日2回まで、1日最大330.6mg(チアラミドとして300mg:100mg錠剤なら3錠、50mg錠剤なら6錠)を限度にして下さい。
なお服用される際は下記の使用に注意が必要な方の項目をよくご覧ください。 |
副作用 |
ソランタール錠の投与例69,408例中、2,280例(3.28%)に副作用が認められました。
その大部分は、食欲不振、胸やけ、悪心などの消化器に関する症状であり、それ以外にも、発疹、頭痛、浮腫などが見られました。
重大な副作用
・ショック(0.1%未満)
ショックを起こすことがあります。観察を十分に行って、異常が認められた場合は速やかに投与を中止し、適切な処置を行ってください。
・アナフィラキシー様症状(0.1%未満)
アナフィラキシーにみられる呼吸困難、じんましん、血管浮腫などが起こる可能性があります。異常が見られた場合は速やかに投与を中止し、適切な処置を行ってください。
ショックやアナフィラキシーの症状の中でも命にかかわるような症状(顔面蒼白、血圧低下、呼吸困難、意識障害など)が見られた場合は迷わず救急車を呼ぶなど、早急に医師による診察・処置を受けることができるように対処してください。
その他の副作用
(・症状:発現割合(%))
◎消化器系
・食欲不振:1.70%
・悪心:0.93%
・胸やけ:0.95%
・腹部膨満感:0.49%
・心窩部痛、胃痛:0.07%
・腹部痛:0.04%
・胃部不快感:0.04%
・腹部不快感:0.01%
・下痢、軟便:0.09%
・便秘:0.03%
・嘔吐:0.02%
・口渇:0.02%
・空腹感:0.004%
・胃腸障害:0.004%
・口内炎:0.001%
・舌あれ:0.001%
◎皮膚系
・発疹、そう痒感:0.28%
◎精神神経系
・頭痛:0.06%
・頭重感:0.01%
・めまい、ふらつき:0.02%
・不眠:0.01%
・眠気:0.01%
◎その他
・浮腫、むくみ:0.04%
・倦怠感:0.01%
・脱力感:0.001%
・気分不快:0.001%
・寒気:0.001%
・視調節異常:0.001%
・鼻出血:0.001%
・鼻部不快感:0.001%
・肝炎:0.001%
・発熱:0.001%
・耳鳴:0.001%
ソランタールはほかの解熱鎮痛剤に比べて比較的副作用の発現頻度が少なく、安全な薬といわれています。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・消化性潰瘍のある方
・重篤な血液の異常のある方
・重篤な肝障害のある方
・重篤な腎障害のある方
・ソランタールで過去に過敏症を起こされた方
・アスピリン喘息を起こされたことある方
使用に注意が必要な方 ・けいれん発作を起こしたことのある方
・消化性潰瘍をの既往歴のある方
・血液の異常またはその既往歴のある方
・肝障害、腎障害の症状のある方、またその既往歴のある方
・過敏症の既往歴のある方
・気管支喘息のある方
・高齢者の方
上記にあてはまる方は、チアラミド塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 チアラミド塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
特にありませんがほかの同じような作用を持つ薬と併用はしないでください。
用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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