ミゾリビン

成分名

ミゾリビン

適応症状

ステロイド抵抗性の難治性ネフローゼ症候群/ループス腎炎/腎移植における拒否反応の抑制/関節リウマチ

簡易説明

体の免疫をおさえる薬です。臓器移植後の拒絶反応の予防薬として使われるほか、ネフローゼ症候群、ループス腎炎、関節リウマチなどの免疫系の病気にも用いられます。1971年に日本で開発されました。
免疫は人体に備わっている優れた防衛システムですが、それが負の方向に働いて悪い影響をもたらすことがあります。本剤はそれを抑制します。

処方可能な診療科目

内科/リウマチ科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

ミゾリビン錠25mgを処方してもらう場合。
診察料などの目安:約1000円~約2000円(保険により3割負担の場合)
薬代1錠あたりの目安:約48.5円(薬価)
病院によって差ががあります。また、診察料・薬代の他に、初診料・検査料などが必要になる場合があります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1984年3月販売開始(ブレディニン錠50)

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

ブレディニン錠50/25(旭化成ファーマ)

関連製品(ジェネリック)

ミゾリビン錠25mg/50mg(サワイ、ファイザー)

効果・作用

高ぶった免疫の働きを抑える「免疫抑制薬」です。免疫はリンパ球の増殖によってもたらされますが、それを強力におさえる作用があります。

当初は腎移植における拒否反応の抑制を目的として開発されましたが、後に原発性糸球体腎炎を原因とするネフローゼ症候群、ループス腎炎、関節リウマチ等にも効果があることが認められました。関節リウマチにおいては、関節の腫れ、痛み、こわばりなどの症状を和らげます。種類としては、DMARDs(疾患修飾性抗リウマチ薬)の一つとして位置づけられており、DMARDsとしては他の薬剤に比べて効果は弱く、遅効性です。

本来、免疫とは細菌やウイルス、異物などから体を守るための、人体に備わった防衛システムです。その一方で、臓器移植においては、拒絶反応の要因となります。また、自分自身の組織を攻撃してしまう自己免疫病といった、免疫の異常により起こる病気も存在します。こういった免疫がマイナスの要因となるような症状において、本剤は使われます。

本剤は細胞の核酸合成を阻害する「代謝拮抗薬(プリン拮抗薬)」に部類されます。免疫を担当するリンパ球だけでなく、他の細胞にも強く作用するため、骨髄抑制や肝障害などの副作用がでやすいのが欠点ですが、同類薬のなかでは、白血球減少などの血液障害が比較的少ないとされます。

使用方法

■腎移植における拒否反応の抑制
通常、1日に初期量2~3mg/kg、維持量1~3mg/kgを1~3回に分けて経口服用します。ただし、耐薬量や有効量には個人差があるので、最適の治療効果を得るために注意深い増減が必要です。

■ネフローゼ症候群およびループス腎炎
通常、成人は1回2錠(50mg)を1日3回経口服用します。ただし、腎機能の程度により減量を考慮して下さい。

■関節リウマチ
通常、成人は1回2錠(50mg)を1日3回経口服用します。症状により適宜増減して下さい。腎機能の程度によっても減量されます。

※使用時の注意事項
・いずれの症状について使用する場合も、必ず指示された服用方法に従って下さい。
・飲み忘れた場合は、飲み忘れた分を飲まず、次の通常の服用時間に1回分を飲んで下さい。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
・誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談して下さい。
・医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないで下さい。
・乳幼児、小児の手の届かないところで、直射日光、高温、湿気を避けて保管してください。
・薬が残った場合、保管しないで廃棄してください。
・予防接種を希望する場合には、この薬を飲んでいることを医師に必ず伝えてください。

副作用

重大な副作用
骨髄機能抑制/感染症/間質性肺炎/急性腎不全/肝機能障害、黄疸/消化管潰瘍、消化管出血、消化管穿孔/重篤な皮膚障害/膵炎/高血糖、糖尿病

その他の副作用
腎機能異常(蛋白尿、血尿、BUN、クレアチニンの上昇等)/肝機能異常(AST(GOT)、ALT(GPT)、Al‐P、LDH、γ‐GTP、LAP、ビリルビンの上昇等)/食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、腹痛、便秘、口内炎、舌炎、腹部膨満感、軟便、舌苔/発疹、痒感、発熱/尿酸値の上昇、Al‐P上昇、痛風/脱毛/めまい、頭痛、味覚異常、しびれ、眠気、耳鳴、四肢異常知覚/全身倦怠感、浮腫、口渇、ガンマグロブリン低下、動悸、悪寒、ほてり、月経異常、胸痛、眼球充血

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・本剤に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
・白血球数3,000/mm3以下の患者〔骨髄機能抑制を増悪させ、重篤な感染症、出血傾向等が発現するおそれがあります。〕
・妊婦又は妊娠している可能性のある婦人〔催奇形性を疑う症例報告があります。また、授乳中の投与に関する安全性は確立していません。〕

使用に注意が必要な方
■慎重投与
・骨髄機能抑制のある患者〔骨髄機能抑制を増悪させ、重篤な感染症、出血傾向等が発現するおそれがあります。〕
・細菌・ウイルス・真菌等の感染症を合併している患者〔ウイルス性肝炎においては、肝炎を増悪させることがあります。また、骨髄機能抑制により、感染症を増悪させるおそれがあります。〕
・出血性素因のある患者〔骨髄機能抑制により、出血傾向が発現するおそれがあります。〕
・腎障害のある患者〔本剤は主として腎臓から排泄されるため、腎障害のある患者では排泄が遅延し、骨髄機能抑制等の重篤な副作用が起こることがあります。〕

■その他注意事項
・高齢者への投与〔本剤は、主として腎臓から排泄されますが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、排泄が遅延するおそれがあります。、腎機能(血清クレアチニン値等)及び年齢、体重を考慮し適宜減量して下さい。〕
・小児等への投与〔小児等に対する安全性は確立されていません。〕
・免疫抑制剤による治療を受けた患者への投与〔悪性腫瘍(特に悪性リンパ腫、皮膚癌等)の発生率が高いとする報告があります。〕・臨床検査結果に及ぼす影響〔尿中ビリルビン試験で偽陽性を示すことがあります。〕

上記にあてはまる方は、ミゾリビンを使用する事が出来ない可能性があります。
ミゾリビンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
不活化ワクチン(インフルエンザワクチン等)
ワクチンの効果が得られないおそれがあります。

上記を使用している方は、ミゾリビンを使用する事が出来ない可能性があります。
ミゾリビンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン/乾燥弱毒生風しんワクチン/経口生ポリオワクチン/乾燥BCG 等)
ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあります。

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
リウマチへの効果はどの程度でしょうか。

元々リウマチの治療薬として開発された訳ではないこともあり、他の薬剤に比べて効果は弱く、遅効性と言われています。副作用も出やすいため、服用には注意が必要です。

風邪をひきやすい体質なのですが、この薬によって免疫力が強まりますでしょうか。

免疫力を強めるだけの目的で処方される薬ではないため、そういった目的での使用はおすすめできません。詳しくは医師や薬剤師にご相談下さい。

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