フェンタニルクエン酸塩

成分名

フェンタニルクエン酸塩

適応症状

癌患者における突出痛の鎮痛

簡易説明

フェンタニルクエン酸塩は、強い痛みを抑制する薬です。主に、癌患者における突出痛の鎮痛などに使用されます。錠剤、注射液、テープなどの形状があり、症状や使用場所によって使い分けられてます。有効成分のフェンタニルは、オピオイドと呼ばれる鎮痛薬で、そのなかでもとくに強力な麻薬系の強オピオイド鎮痛薬になります。

処方可能な診療科目

内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:100μg約549円/200μg約773.9円/400μg約966.3円
薬代1管あたりの目安:0.1mg約261円/0.25mg約588円
薬代1枚あたりの目安:0.5mg約278.5円/1mg約514.8円/2mg約957.2円/4mg約1783.1円/6mg約2661.7円/8mg約3435.8円
薬代後発薬1管あたりの目安:0.1mg約175円/0.25mg約421円/0.5mg約824円
薬代後発薬1枚あたりの目安:1mg約246.1円/2mg約473.9円/4mg約882.9円/6mg約1275.1円/8mg約1648.2円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月 : 2013年12月

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

アブストラル舌下錠100μg/200μg/400μg【製薬メーカー:協和キリン】
イーフェンバッカル錠50μg/100μg/200μg/400μg/600μg/800μg【製薬メーカー:帝國製薬】
フェンタニル注射液0.1mg「第一三共」/0.25mg「第一三共」【製薬メーカー:第一三共プロファーマ】

関連製品(ジェネリック)

フェンタニル注射液0.1mg「テルモ」 /0.25mg「テルモ」/0.5mg「テルモ」【製薬メーカー:テルモ】
フェンタニルクエン酸塩1日用テープ1mg「第一三共」/2mg「第一三共」/4mg「第一三共」/6mg「第一三共」/8mg「第一三共」
フェンタニルクエン酸塩1日用テープ0.5mg「テイコク」 /1mg「テイコク」/2mg「テイコク」/4mg「テイコク」/6mg「テイコク」/8mg「テイコク」

効果・作用

持続する鈍痛に効果が高いです。一般的な鎮痛薬が効きにくい各種がん痛や慢性疼痛に有効です。皮膚からゆっくり吸収され、持続痛をおさえる定時薬として使用されます。

▼特徴
強力な麻薬系の強オピオイド鎮痛薬になります。有効限界がない完全作動薬とされ、用量増加とともに作用も増強します。
WHO方式疼痛治療法で第3段階に位置づけられ、中等度から高度の疼痛に適します。
同類の代表薬である【モルヒネ】を超える鎮痛効果が期待できます。モルヒネに比べ、便秘や眠気、うとうと、せん妄などの副作用が少ないのも特徴です。
脂溶性が高く、おもに肝臓で代謝されます。
腎臓の悪い人でも比較的安全に使用できます。
成人にくわえ小児がん疼痛に対する有効性と安全性が確認されており、小児がん疼痛の適応をもつ国内初の強オピオイド経皮吸収型製剤です。

▼作用機序
中枢神経や末梢神経にあるオピオイド受容体は鎮痛作用など多くの作用に関係しています。
オピオイド受容体の中でも、μ受容体は最も鎮痛作用に関係してるとされ、鎮痛作用に関わるオピオイド受容体に作用することで高い鎮痛効果をあらわす医療用麻薬製剤です。
各種がんにおける疼痛に使用や、薬剤によっては(中等度から高度の)慢性疼痛などに使用するものもあります。

▼薬理作用
オピオイドとは、中枢神経や末梢神経にあるオピオイド受容体への作用により、モルヒネの様な作用をあらわす物質の総称です。
オピオイド受容体にはμ、δ、κという種類があり、μのオピオイド受容体は鎮痛作用に最も関与するとされてます。
オピオイドの中でもモルヒネ、オキシコドン、フェンタニルなどはμ受容体に対して強い作用をあらわし、脊髄をはじめとして脳、末梢神経などのμ受容体への作用などにより鎮痛効果をあらわします。

▼他のオピオイド鎮痛薬(麻薬)
デュロテップMTパッチ ワンデュロパッチ
フェントステープ
イーフェンバッカル錠 アブストラル舌下錠
オキシコンチン
オキノーム散
オキファスト注
MSコンチン錠
オプソ内服液
ナルサス錠

使用方法

1回の突出痛に対して、フェンタニルとして100μgを開始用量として舌下投与してください。
用量調節期に、症状に応じて、フェンタニルとして1回100、200、300、400、600、800μgの順に一段階ずつ適宜調節し、至適用量を決定してください。
なお、用量調節期に1回の突出痛に対してフェンタニルとして1回100~600μgのいずれかの用量で十分な鎮痛効果が得られない場合には、投与から30分後以降に同一用量までの本剤を1回のみ追加投与できます。
至適用量決定後の維持期には、1回の突出痛に対して至適用量を1回投与することとし、1回用量の上限はフェンタニルとして800μgとします。
但し、用量調節期の追加投与を除き、前回の投与から2時間以上の投与間隔をあけ、1日あたり4回以下の突出痛に対する投与にとどめてください。

副作用

主な副作用
傾眠、便秘、悪心、嘔吐、口内炎、口渇、食欲減退、腹痛、眩暈、頭痛、幻覚

重大な副作用
呼吸抑制、無呼吸、呼吸困難、呼吸異常、呼吸緩慢、不規則呼吸、換気低下、薬物依存、退薬症候、過量投与、意識障害、意識レベル低下、意識消失、ショック、アナフィラキシー、痙攣

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
妊婦/授乳者
過敏症
ナルメフェン塩酸塩水和物投与中止後1週間以内
ナルメフェン塩酸塩水和物投与中

下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、アブストラルはアレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼アブストラルの有効成分
フェンタニルクエン酸塩
▼代表薬の添加物
黄色三二酸化鉄、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、D-マンニトール

使用に注意が必要な方
高齢者
意識障害
肝機能障害
口腔内出血
口内炎
呼吸機能障害
昏睡
腎機能障害
喘息
脳器質的障害
徐脈性不整脈
脳腫瘍
慢性肺疾患
薬物依存
頭蓋内圧亢進
CYP3A4阻害作用を有する薬剤を併用
口腔粘膜欠損

上記にあてはまる方は、フェンタニルクエン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
フェンタニルクエン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
薬物代謝酵素<CYP3A4>を阻害する薬剤
ナルメフェン塩酸塩水和物
中枢抑制剤
フェノチアジン系薬剤
バルビツール酸誘導体
ベンゾジアゼピン系化合物
吸入麻酔剤
三環系抗うつ剤
オピオイド薬
骨格筋弛緩剤
エタノール摂取
鎮静抗ヒスタミン薬
モノアミン酸化酵素阻害剤
アミオダロン
ジルチアゼム
フルボキサミンマレイン酸塩
イトラコナゾール
クラリスロマイシン
リトナビル
セロトニン作用薬
選択的セロトニン再取り込み阻害剤
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
キニジン
リファンピシン類
フェニトイン
肝薬物代謝酵素<CYP3A4>を誘導する薬剤
アルコールを含むもの
グレープフルーツジュース

上記を使用している方は、フェンタニルクエン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
フェンタニルクエン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

フェンタニルクエン酸塩に関する
よくある質問
舌下錠の場合、舌で溶けて小さくなったら噛んでも大丈夫ですか?

)本剤は舌下の口腔粘膜より吸収されて効果を発現するため、そのまま飲み込んだり、なめたり、噛み砕いたりしないこと。口腔粘膜からの吸収が低下し、バイオアベイラビリティが低下する可能性がある。

アブストラル舌下錠 添付文書

【上記引用元:協和キリン株式会社】

舌下錠は水を飲んでも大丈夫ですか?

水なしで服用すること。ただし、口腔内乾燥がある患者では、本剤服用前に口腔内を水で湿らせてもよい。

アブストラル舌下錠 添付文書

【上記引用元:協和キリン株式会社】

参考元一覧

アブストラル舌下錠 添付文書【協和キリン株式会社】

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