デカリニウム塩化物

成分名

デカリニウム塩化物

適応症状

咽頭炎、扁桃炎、口内炎、抜歯創を含む口腔創傷の感染予防

簡易説明

1956年にデカリニウム塩化物が広域な抗菌スペクトルを有する事が発見されました。これを機に外用剤として種々の臨床試験が行われその効果が認められるに至りました。
細胞のタンパク質へ作用する事で、口や喉の細菌を殺す働きが確認され、それ以降デカリニウム塩化物を主剤とするトローチ剤として発売されました。細胞が死滅する事で患部の炎症がひき、炎症が治まれば痛みも消失します。その結果として風邪で喉が痛いときにもよく処方されるようになりました。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/泌尿器科/麻酔科/消化器科/口腔外科/歯科/耳鼻咽喉科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~6,000円
薬代後発薬1錠の目安:約6円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1974年7月31日製造承認取得
2009年6月19日製造販売承認(販売名変更)
1975年1月1日薬価基準収載
2009年9月25日薬価基準収載(販売名変更)
1975年1月販売開始
2009年10月販売開始(販売名変更)

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

現在先発医薬品の製造はありません。

関連製品(ジェネリック)

SPトローチ0.25mg「明治」【製薬メーカー:MeijiSeikaファルマ株式会社】
フルオミジン膣錠10mg(Fluomizin 10mg)【製薬メーカー:Rottendorf Pharma】

海外での使用実績

本剤はマレーシア、インドネシア及びシンガポールで発売されており、その他同一活性成分を含む製剤は、口腔用剤として世界各国で汎用されております。

マレーシア
SP TROCHES MEIJI(販売名)
SOMEDICO(会社名)
1991年(承認)(発売年月)

シンガポール
SP TROCHES MEIJI(販売名)
SG Healthcare(会社名)
発売年月は不明となっております。

インドネシア
SP Troches Meiji(販売名)
P.T.メイジ(会社名)
1985年(承認)(発売年月)

効果・作用

デカリニウム塩化物は咽頭炎、扁桃炎、口内炎、抜歯創を含む口腔創傷の感染予防へ効果のある医薬品になります。薬効を裏付ける試験においてin vitro抗菌作用においてデカリニウム塩化物は、真菌、グラム陽性菌等に抗菌作用を示したとの報告がございます。
また唾液による抗菌力の低下はわずかに認められておりますが、血清による抗菌力の低下はほとんど認められなかったとの報告もございます。

【作用機序】
デカリニウム塩化物の作用機序を検討するため、Staphylococcus aureus CN491 及び Bacillus
megaterium KM にデカリニウム塩化物を与え、電子顕微鏡で形態的観察を行った結果、どの菌も見られた変化は主に細胞内でおこり、原形質は明らかに無秩序化されていたとの報告がございます。また、14C 標識デカリニウム塩化物を与えたときのB. megaterium KM の細胞壁及び原形質への分布は、本剤の原形質内への浸透が見られました。
デカリニウム塩化物の抗菌力と蛋白凝固作用を検討した実験においては、その作用機序には蛋白に及ぼす影響が関連することが推察されました。

【のどの痛みの原因とは】
喉が痛くなる原因には、ウイルスや細菌による「感染」、鼻づまりや口呼吸などによる「喉粘膜の乾燥」、長時間しゃべり続けたりする事による「喉の酷使」、タバコや香辛料などによる「喉への刺激」が考えられます。感染症においては、風邪(ライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、エンテロウイルス)、プール熱(アデノウイルス)、インフルエンザ(インフルエンザウイルス)、ヘルパンギーナ、溶連菌感染症(A群連鎖球菌)等があります。


【喉の炎症とは】
吸い込んだ外気に直接触れる喉には、煙や埃、花粉、細菌やウイルス等の外敵を体内へと侵入させないようにする為の防御機能が備わっています。外敵が入ってくると、喉の粘膜でそれを付着し、外へと追いやります。
ところが喉が乾燥すると、この防御システムが低下し、細菌やウイルスに感染しやすくなります。風邪のウイルスなどに感染すると喉の細胞が破壊され、炎症が生じます。この炎症が痛みや腫れの原因となります。
炎症が起こる原因は細菌やウイルスの感染だけではありません。煙草の煙や花粉、ほこり等へ長時間さらされ続けたり、過度のお酒や香辛料による刺激を受けたりする事でも炎症は起こります。

【症状のタイプ】
①喉全体が痛む
風邪が原因となることが多く、喉風邪とも呼ばれますが、医学的には咽頭炎と言います。過労や温度の変化などによって咽頭粘膜が抵抗力を低下させたときに細菌感染するもので、喉全体に充血・腫れ・痛みなどが生じます。
②扁桃腺が腫れる
一般的に扁桃腺と呼ばれる扁桃は、喉の中において外部から侵入する細菌やウイルスを防ぐ免疫上の役割を果たしております。しかし、アレルギーや過労などを伴ったときには扁桃の免疫力が低下し、扁桃炎を併発して発熱などを伴うことがあります。
③喉がつかえる、声が枯れる
炎症によって喉が腫れると、物を飲み下しにくくなったり、声を出すときに痛みを伴ったりします。炎症が更に咽頭部まで広がっていくと、声が枯れたり、出にくくなったりすることもあります。

新型コロナウイルス感染症予防・治療に関して

デカリニウム塩化物は新型コロナウイルス感染症における咽頭炎・扁桃炎のみならず、風邪症候群、またインフルエンザウイルス感染症、その他の感染症同様に治療及び予防に対して使用されます。

使用方法

デカリニウム塩化物として、通常1回0.25mgSPトローチとして1回1錠を1日6回投与し、口中で徐々に溶解させて使用する事。なお、症状により適宜増減する事とされております。
本剤はトローチ剤であり、かみ砕いて飲み込むことの無い様注意する事。口の中でゆっくり時間をかけて唾液により溶解させて用いるもので、有効成分が口腔内に長時間保たれる事が大切になります。

副作用

主な副作用
1)過敏症
過敏症状(頻度不明)

副作用はほとんどありません。ごくまれに発疹・発赤などのアレルギー症状を起こすことが報告されております。
観察を十分に行い、異常が認められた時は投与を中止する事とされております。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■デカリニウム塩化物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方SPトローチ0.25mg「明治」は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼SPトローチ0.25mg「明治」の有効成分
デカリニウム塩化物
▼代表薬の添加物
白糖、D-マンニトール、ゼラチン、カルメロースナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、パラオキシ安息香酸メチル、カンゾウエキス、青色一号アルミニウムレーキ香料、アラビアガム、デキストリン、プロピレングリコール、緑茶末、l-メントール、エチルバニリン、バニリン

添付文書上禁忌の記載はありません。しかしその他の副作用において過敏症が頻度不明ではありますが記載がある以上できるだけ摂取は避けた方が良いと思われます。

使用に注意が必要な方
添付文書上の記載はありません。

上記にあてはまる方は、デカリニウム塩化物を使用する事が出来ない可能性があります。
デカリニウム塩化物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現時点において禁忌及び注意に該当する医薬品はありません。
外用薬であるトローチの使用において類似の作用を有する医薬品の重複は避けた方が良いでしょう。
よく現場においてうがい薬とトローチは一緒に処方されることが多く見られます。同時に使用したからと言って双方の効果が期待できるわけではないため医師又は薬剤師の指示に従って使用するようにしましょう。

よくある質問
トローチの効果的な使用方法は何か?

トローチが口の中で全部溶けてから30分間は飲食は避けるようにして下さい。

トローチに穴が開いているのはなぜか?

長時間なめている間に間違って飲み込んでしまった場合に、呼吸出来なくならないよう真ん中に穴が開いております。

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