成分名 |
ナブメトン |
適応症状 |
以下の疾患の消炎・鎮痛
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎 |
簡易説明 |
この薬の成分名はナブメトンですが、販売されている薬は1種類のみです。商品名はレリフェン錠です。この記事では市場に流通しているナブメトンの薬がレリフェン錠のみのため、レリフェン錠と記載致します。
レリフェン錠は慢性炎症、急性炎症に有効な薬です。1日の投与回数が少なく、副作用が軽減され、胃腸管刺激作用の少ない薬です。
1日1回の投与で済みます。適応症状とされている関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎の鎮痛、抗炎症作用に優れています。副作用発現率は4.24%です。内訳は下記の「副作用」の項目をご覧ください。 |
処方可能な診療科目 |
膠原病科・リウマチ科・整形外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
関節リウマチの場合 初診 3割負担
受診料(初診料・検査料)5,000~7,000円+処方料(薬学管理料など)1,000円+薬剤費約1,000円=7,000円~9,000円
※あくまでも目安です。実際とは異なる場合があります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
製造販売承認年月日 2007年8月31日(販売名変更による)
薬価基準収載年月日 2007年12月21日(販売名変更による)
発売年月日 2007年12月21日(販売名変更による)
※1990年3月30日に以前の名称で承認されています。 |
国内のジェネリック認可 |
なし |
関連製品(先発薬) |
三和化学研究所 レリフェン錠400mg |
関連製品(ジェネリック) |
なし |
効果・作用 |
●効果
以下の疾患の消炎・鎮痛
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎
※この薬は痛みや炎症を抑える対症療法薬です。原因の疾患の治療はできません。
●作用
痛みや炎症は体内で生合成されるプロスタグランジンによって引き起こされます。このプロスタグランジンの生合成する物質にシクロオキシゲナーゼという物質があります。レリフェン錠はこのシクロオキシゲナーゼの活性化を抑制することによって、プロスタグランジンの生合成を阻害して、鎮痛作用、抗炎症作用を発揮します。
上記の作用の仕組みは他の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs、例:ロキソニン、イブプロフェン、アスピリン(バファリン)、ジクロフェナク(ボルタレン)など)と大体同じです。その中でもレリフェン錠の特徴は、発熱には適応しないものの、胃腸に優しいということです。
レリフェン錠はNSAIDsの中でも種類が限られている、シクロオキシゲナーゼ2(COX-2)選択性があります。そもそも、シクロオキシゲナーゼには主にCOX-1とCOX-2が存在します。前述したプロスタグランジンを生合成するのはCOX-2の方です。COX-2は正常時にはほとんど発現しませんが、炎症などが起こると発現します。よって、痛みや炎症を抑えるにはこのCOX-2の作用を阻害することが重要になります。
ですがCOX-2選択性がないNSAIDs(例:ロキソニン、イブプロフェン、ジクロフェナク、アスピリンなど)は全身の正常な細胞にも発現しているCOX-1もまとめて阻害してしまいます。COX-1を阻害してしまうと、胃腸障害の副作用が起こりやすくなります。レリフェン錠はCOX-2を阻害しやすく、COX-1を阻害しにくいため、胃腸障害などの副作用が起こりにくく、胃にやさしい薬と言われています。
ちなみに、最近市販されているロキソニン等はプロドラッグと呼ばれる胃にやさしい処理がされていることもあります。 |
新型コロナウイルス感染症予防・治療に関して | ワクチン接種後の副反応に対して、山中伸弥先生、厚生労働省やアメリカ疾病予防管理センターなどの見解によれば非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用してもよいとされています。ですが、レリフェン錠は発熱に対しての効果が認められていませんので、ロキソニン、イブプロフェンなどの発熱に適応があるNSAIDsやアセトアミノフェン(カロナール・タイレノール)を使用した方がよいです。特に小児・妊婦・授乳中の方などはアセトアミノフェンを使用すべきとされています。 |
使用方法 |
成人の方は1日1回、1回に800mg(2錠)を飲んでください。
症状、年齢によって医師の指示で適宜増減してください。
いずれの疾患の場合も他の痛み止めと併用しないことが望ましいです。
服用にあたっては、以下の「使用に注意が必要な方・使用出来ない方」の項目をよくご確認ください。
変形性関節症の方は朝食後に飲むことが望ましいとされています。 |
副作用 |
重大な副作用
・ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、じんましん、顔面浮腫等)
・間質性肺炎(発熱、咳、息切れ等)
・中毒性表皮壊死融解症
・皮膚粘膜眼症候群
・肝機能障害、黄疸
・ネフローゼ症候群、腎不全
・血管炎
・光線過敏症
その他の副作用
〇0.1%~5%未満
・発疹
・そう痒感
・胃部不快感
・胃痛
・嘔気
・下痢
・食欲不振
・腹痛
・心窩部痛
・消化不良
・口渇
・便秘
・口内炎
・心窩部不快感
・胃重感
・めまい
・頭痛
・好酸球過多
・浮腫
〇0.1%未満
・嘔吐
・眠気
・血清クレアチニン上昇
〇頻度不明
・消化性潰瘍
・胃腸出血
・白血球減少
・蛋白尿
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ●使用禁忌(使用できない方)
・消化性潰瘍のある方
→消化性潰瘍が悪化します。
・重篤な血液の異常のある方
→血液障害の副作用により症状が悪化する恐れがあります。
・重篤な肝障害のある方
→肝機能障害が悪化する可能性があります。
・重篤な腎障害のある方
→腎機能障害が悪化する可能性があります。
・レリフェン錠の成分に対して過敏症の既往歴のある方
→より重篤な過敏症の症状が発現することがあるので絶対に服用しないでください。
・アスピリン喘息(非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による喘息発作の誘発)やその既往歴のある方
→他の薬剤と同様に喘息発作を誘発する可能性があります。
・妊娠末期の方
→動物実験(ラット)において分娩遅延が起こったとの報告があります。プロスタグランジンが子宮収縮に関わっているので服用は避けてください。
使用に注意が必要な方 ・消化性潰瘍の既往歴のある方
→消化性潰瘍が再発する可能性があります。
・非ステロイド性抗炎症薬の長期投与により消化性潰瘍を起こしている方で、レリフェン錠の長期服用が必要な方。かつ、ミソプロストールによる治療が行われている方
→医師の指示のもと十分な観察を行ってください。
・血液の異常がある方、またその既往歴のある方
→血液障害が発生することがあるので十分に注意してください。
・肝障害のある方、またその既往歴のある方
→肝障害の悪化、再発する可能性があります。
・腎障害のある方、またその既往歴のある方
→腎障害の悪化、再発する可能性があります。
・心機能障害のある方
→レリフェン錠により、心臓に負担がかかり、症状が悪化する可能性があります。
・高血圧症の方
→血圧が上昇する可能性があります。
・気管支喘息のある方
→上記のアスピリン喘息のある方の項目と同じく、症状の悪化の可能性があります。
・潰瘍性大腸炎、クローン病の方
→粘膜保護作用が低下することにより、症状の悪化の可能性があります。
・高齢者の方
→一般的に腎機能、肝機能が低下していることが多いので慎重に服用してください。
・小児の方
→小児に対する臨床試験は行っていないため、安全性が確立していません。やむを得ず投与する場合は観察をよく行ってください。
上記にあてはまる方は、ナブメトンを使用する事が出来ない可能性があります。 ナブメトンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ○クマリン系抗凝血剤
・ワルファリン等
〇スルホニル尿素系血統降下剤
・トルブタミド等
〇チアジド系利尿剤
・ヒドロクロロチアジド等
〇ループ利尿剤
・フロセミド等
〇メトトレキサート
〇リチウム製剤
・炭酸リチウム
上記を使用している方は、ナブメトンを使用する事が出来ない可能性があります。 ナブメトンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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