成分名 |
アミノフィリン水和物 |
適応症状 |
喘息/呼吸困難/うっ血性心不全など |
簡易説明 |
アミノフィリン水和物は1907年にHeinrichによって開発されたテオフィリンの一種です。テオフィリンは心臓の血管(冠動脈)を拡張させる作用が強く、中枢神経興奮作用や骨格筋刺激作用は弱いとされています。また呼吸促進作用も併せ持つことから、心疾患や喘息の治療薬として広く用いられています。
アミノフィリン水和物を主成分とするネオフィリン(以下、本剤)は新しい(NEO)テオフィリンという意味から命名され、錠剤、原末をサンノーバ株式会社が製造し、エーザイ株式会社が販売しています。 |
処方可能な診療科目 |
内科/呼吸器内科/循環器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約130円(原末300㎎×14日)~約330円(錠剤4錠×14日)
薬代1錠あたりの目安:5.90円/原末 10.70円(g)
薬代後発品1錠の目安:後発品なし
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
本剤は血中濃度を測定しながら使用することがあります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:1950年10月1日 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ネオフィリン(錠100mg/原末)【製薬メーカー:サンノーバ株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 | アミノフィリン水和物製剤は世界各国で使用されています(2015年11月現在) |
効果・作用 |
本剤は、直接心筋を刺激し、心拍出量を増やす働き、腎臓の血流を増やす作用による尿量を増やす働き、気管支の筋肉を弛緩させる作用による気管支を拡張させる働きを持っています。カフェイン水和物やテオプロミンなどのキサンチン系薬剤の中で、心筋刺激作用、利尿作用、気管支拡張作用が最も強い薬です。
この作用により気管支喘息などによる咳や痰がからむ、息苦しさなど、心不全などによる息苦しさなどの諸症状を改善します。
本剤は、小児、特に乳幼児が発熱時に使用すると副作用があらわれやすくなるので、お子様の状態を十分に観察し、異常があればすぐに医師、薬剤師に連絡をしてください。
また、本剤(テオフィリン)の副作用は血中濃度の上昇が原因になる場合が多く、そのため使用中は血中濃度を測定しながら、個別に投与量を決めていきます。血中濃度に影響を与える併用薬が多く、また小児、高齢者など血中濃度に影響を与えやすい方などに投与する際は慎重な対応が必要となってきます。なお、有効な血中濃度が8~20μg/mLと狭く、最高血中濃度到達時間が約1.4時間と速いことも慎重な対応が必要となる要因となっています。
本剤には原末製剤もありますが、配合変化をおこす薬も多いため、基本的には他の成分と混ぜずに単独で投与します。 |
新型コロナウイルス感染症予防・治療に関して | 本剤には併用に注意すべき薬がありますので、予防接種や治療を受ける場合は、医師や薬剤師に相談してください。 |
使用方法 |
(錠100mg)
1日3~4錠(小児の場合は、1日2~4mg/kg)を3~4回に分けて飲みます。
(原末)
1日300mg~400mg(小児の場合は、1日2~4mg/kg)を3~4回に分けて飲みます。
※錠100mg、原末ともに年齢や症状により用量を適宜増減します。 |
副作用 |
重大な副作用
・ショック、アナフィラキシーショック:頭痛、じんましん、顔面蒼白、汗をかく、めまい、脱力感、立ちくらみ、息苦しい、息切れ
・痙攣:部分的または全身の筋肉が痙攣する
・意識障害、急性脳症:意識の低下、考えがまとまらない
・横紋筋融解症:手足のこわばり、手足のしびれ、脱力感、筋肉の痛み、赤褐色尿
・消化管出血:血の混ざった便、黒色便、吐き気、嘔吐、血を吐く、腹痛
・赤芽球癆:からだがだるい、動悸、めまい、息切れ
・肝機能障害、黄疸:皮膚が黄色くなる、白目が黄色くなる、尿が黄色、褐色になる、吐き気、嘔吐、食欲不振、かゆみ、からだがだるい
・頻呼吸:呼吸が荒い、呼吸が速い
・高血糖症:からだがだるい、脱力感
その他の副作用
過敏症:発疹、掻痒感、じんましん等
精神神経系:頭痛、不眠、不安、めまい、耳鳴り等
循環器:動悸、頻脈、顔面紅潮・蒼白等
消化器:嘔吐、食欲不振、腹痛、下痢、しゃっくり等
泌尿器:蛋白尿、頻尿
代謝異常:血清尿酸値、CKの上昇等
肝臓:AST、ALT、Al-P、LDH、γ-GTPの上昇等
血液:貧血、好酸球増多
その他:むくみ、関節痛、発汗、鼻出血等
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■本剤や他のキサンチン系薬剤で重篤な副作用を経験している方は、再びおこる可能性がある為、服用できません。
■アミノフィリン水和物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ネオフィリン錠はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ネオフィリン錠の有効成分
アミノフィリン水和物
▼ネオフィリン錠の添加物
カルメロースカルシウム、ステアリン酸カルシウム、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポピドン
※ネオフィリン原末は添加物を使用していません。
使用に注意が必要な方 ・てんかんの方:てんかん発作をおこすことがあります。
・甲状腺機能亢進症の方:代謝亢進、カテコールアミンの作用(血管収縮、発汗、心拍増加など)を増強することがあります。
・急性腎炎の方:腎臓に対する負荷が高まり、尿蛋白が増加するおそれがあります。
・肝障害のある方:本剤の血中濃度が増加する(作用が増強する)ことがあります。
・高齢者:血中濃度が増加するとの報告があります。
・妊婦、妊娠している可能性のある方:動物実験で胎児への悪影響が報告されています。また新生児に悪影響があらわれることがあります。
・授乳婦;母乳に移行し、乳児が神経過敏をおこすことがあります。
・小児:痙攣をおこしやすいため慎重に投与します。特にてんかん・痙攣の経験のある小児、発熱している小児、生後6ヵ月未満の乳児は痙攣等の副作用があらわれることがあります。なお、新生児・低出生体重児に使用した報告はありません。
※うっ血性心不全の方に使用する場合は、本剤の血中濃度が上昇することがあります。
上記にあてはまる方は、アミノフィリン水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 アミノフィリン水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ※本剤は主に肝薬物代謝酵素(CYP1A2)で代謝されるので、CYP1A2に影響を与える薬剤と併用する場合は注意が必要となります。
・副作用があらわれやすくなる薬
(中枢神経刺激作用)他のキサンチン系薬剤、中枢神経興奮薬、(頻脈、不整脈等)交感神経刺激剤、ハロタン、(痙攣)ケタミン塩酸塩、
・本剤の副作用(中毒症状)があらわれやすくなる薬
シメチジン、メキシレチン塩酸塩、プロパフェノン塩酸塩、アミオダロン塩酸塩、エノキサシン水和物、ピペミド酸水和物、塩酸シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、トスフロキサシントシル酸塩水和物、パズフロキサシンメシル酸塩、プルリフロキサシン、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、チアベンダゾール、チクロピジン塩酸塩、ベラパミル塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩、フルボキサミンマレイン酸塩、フルコナゾール、ジスルフィラム、デフェラシロクス、アシクロビル、バラシクロビル塩酸塩、インターフェロン、イプリフラボン、シクロスポリン、アロプリノール、ザフィルルカスト、タバコ
・本剤の効果が減弱する薬
リファンピシン、フェノバルビタール、ランソプラゾール、リトナビル、セイヨウオトギリソウ含有食品
・フェイトニン、カルバマゼピン:両剤の作用が減弱することがあります。
・ジピリダモール:ジピリダモールの作用が減弱することがあります。
・ラマトロバン:ラマトロバンの血中濃度が増加することがあります。
・リルゾール:リルゾールの作用が増強するおそれがあります。
上記を使用している方は、アミノフィリン水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 アミノフィリン水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
よくある質問 |
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