アクリジニウム臭化物

成分名

アクリジニウム臭化物

適応症状

慢性閉そく性肺疾患、例えば慢性気管支炎や肺気腫のような疾患が対象であり、気道閉塞性障害を原因とする諸症状の緩解に対し適応を持ちます。

簡易説明

アクリジニウム臭化物は商品名をエクリラ400μgジェヌエア30/60吸入用と言いCOPDの治療を目的として販売されています。アクリジニウム臭化物はそのデバイスを用いて吸入する事により直接肺に到達する事ができます。アクリジニウム臭化物は気道平滑筋のムスカリン受容体M3サブタイプに競合的に結合するによって、気道の収縮を抑制し、呼吸機能を改善します。
また、この吸入デバイスは操作が非常に簡単で、音と信号により吸入が正確にできたことを確認できる新規ドライパウダー吸入器になります。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/耳鼻咽喉科/脳神経外科内科/呼吸器科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:30吸入用約2,690円キット/60吸入用約5,100円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

エクリラ400μgジェヌエアは30吸入用と60吸入用の2規格が販売されています。
30吸入用は2015年3月26日に製造販売が承認され、2015年5月20日に薬価基準へ収載となり同日発売となりました。また60吸入用は2015年3月26日に製造販売が承認となり、2016年5月25日に薬価基準収載し2016年6月1日に発売となりました。

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

エクリラ400μgジェヌエア30/60吸入用【製薬メーカー:杏林製薬株式会社】

関連製品(ジェネリック)

【日本】
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

【海外】
エクリラ ジェヌエア インヘラー 332mg【製薬メーカー:AstraZeneca Made in United Kingdom】

海外での使用実績

EU ではAstra Zeneca(会社名)がEklira Genuair 322 micrograms inhalation powder/●Bretaris Genuair 322 micrograms inhalation powder(販売名)を2012年7月20日に承認
米国ではAstra Zeneca(会社名)がTUDORZA PRESSAIR(販売名)を2012年7月23日に承認

上記を含み、2018年7月20日現在、米国、英国、スペイン等、海外 88 ヵ国で承認されています。
海外での販売名は:EKLIRA GENUAIR、BRETARIS GENUAIR、TUDORZA PRESSAIR、TUDORZA GENUAIR、IMILIRA ZOLOPRESSになります。

効果・作用

アクリジニウム臭化物は慢性閉そく性肺疾患、例えば慢性気管支炎や肺気腫のような疾患が対象であり、気道閉塞性障害を原因とする諸症状の緩解にたいして効果のある医薬品になります。

その作用機序は、アクリジニウム臭化物は長時間作用型のムスカリン受容体拮抗薬であり、気道平滑筋に存在しているムスカリンM3受容体へ競合的に結合する事によってアセチルコリンによる収縮効果を抑制します。その効果は1日2回の投与で終日呼吸機能を改善する事が報告されております。長期管理を目的として使用される為、COPDの急性憎悪期における治療へ使用できません。憎悪時には短時間作用性β2刺激薬を使用する事とされております。
また吸収後は血中で活性のな代謝物に速やかに分解される為安全性も高い事が証明されております。その為併用禁忌薬及び併用注意薬などの該当はありませんので併用を気にせず使用できます。
アクリジニウム臭化物は、ムスカリンM1~M5受容体全てに対して高い親和性を有する拮抗薬です。臨床試験より慢性閉そく性肺疾患の症状を抑制する持続的気管支拮抗薬であり、長時間作業性抗コリン薬として開発されました。抗コリン薬である為前立腺肥大症や閉塞隅角緑内障に対し併用が禁忌とされております。

使用方法

通常、成人には1日2回1回1吸入投与します。

副作用

重大な副作用
1)心房細動(頻度不明)

呼吸器、臨床検査、循環器、消化器、皮膚、その他の副作用が挙げられます。

発生頻度は以下の通りです。
1)呼吸器
鼻咽頭炎、副鼻腔炎、発声障害、鼻炎、口腔咽頭不快感、咳嗽(頻度不明)
2)臨床検査
尿中ブドウ糖陽性、CK増加、血中カリウム増加(頻度不明)
3)循環器
不整脈(頻度不明)
4)消化器
下痢、嘔吐、歯痛、便秘、口内乾燥(頻度不明)
5)皮膚
発疹、掻痒症(頻度不明)
6)その他
眩暈(2%以上)
霧視、転倒、過敏症、尿閉、血管浮腫、頭痛(頻度不明)

頻度不明の副作用が多いです。その中でも眩暈の発生頻度はかなり多いほうですので異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)閉塞隅角緑内障の患者
抗コリン作用により、眼圧が上昇し症状が悪化する恐れがある為使用できません。
2)前立腺肥大症等による排尿障害がある患者
抗コリン作用により、尿閉を誘発する恐れがある為使用できません。
3)本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

■アクリジニウム臭化物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、エクリラ400μgジェヌエア30/60吸入用はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼エクリラ400μgジェヌエア30/60吸入用の有効成分
アクリジニウム臭化物
▼代表薬の添加物
・乳糖水和物

使用に注意が必要な方
1)合併症・既往歴等のある患者
①心不全、心房細動、期外収縮の患者、又はそれらの既往歴のある患者
投与する事によって心不全、心房細動、期外収縮が発現する事がある為使用に注意が必要です。
②前立腺肥大(排尿障害がある場合を除く)のある患者
抗コリン作用により排尿障害が発現する事がある為使用に注意が必要です。
2)妊婦
動物実験(ラット)にて胎児に移行する事が認められている為使用に注意が必要です。
3)授乳婦
動物実験(ラット)にて授乳中に移行する事が認められている為使用に注意が必要です。
4)小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施しておりません。
5)高齢者
高齢者は一般的に生理機能が低下している為使用には注意が必要です。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

アクリジニウム臭化物に関する
よくある質問
吸入するのを忘れたときはどうしたらよいですか?

指示された時間に吸入し忘れた場合は、気が付いた時点で速やかに1回分吸入してください。ただし、次に吸入する時間が近い場合には1回分とばして次の時間より再開するようにしましょう。絶対に2回分を一度に吸入してはいけません。

エクリラは症状憎悪時に使用できますか?

エクリラはCOPDの少女の長期管理に使用する薬剤ですので憎悪時等の急性期治療を目的とした投与はしないでください。
インタビューホーム 【杏林製薬株式会社】

使用しても効果不十分な場合はどうしたらよいでしょうか?

本剤を用法・用量通り継続して治療を行っても改善が認められない場合は、本剤を中止し、他の治療法に切り替えてください。
インタビューホーム 【杏林製薬株式会社】

参考元一覧

インタビューホーム 【杏林製薬株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】
患者向け医薬品ガイド 【杏林製薬株式会社】

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