クロタミトン

成分名

クロタミトン

適応症状

湿疹/蕁麻疹/神経皮膚炎/皮膚そう痒症/小児ストロフルス乾癬 など

簡易説明

かゆみを止める塗り薬です。湿疹や皮膚炎、虫刺されや水虫に用いられるほか、疥癬の治療にも応用されます。
皮膚に軽い灼熱感を生じさせ、その刺激により「かゆみ」が打ち消されます。また、疥癬の原因になる疥癬虫に対して駆虫作用を示します。
古くからある薬で、かゆみを抑える作用は弱いですが、副作用も殆どなく、安心して使える薬です。

処方可能な診療科目

皮膚科/内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

オイラックスクリーム10%を処方してもらう場合。
診察料などの目安:約1000円~約2000円(保険により3割負担の場合)
薬代1gあたりの目安:約3.86円(薬価)
病院によって差ががあります。また、診察料・薬代の他に、初診料・検査料などが必要になる場合があります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1957年9月販売開始(新薬:オイラックスクリーム10%)

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

オイラックスクリーム10%【製薬メーカー:日新製薬】
クロタミトンクリーム10%【製薬メーカー:武田テバファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

外用薬(塗り薬)にかゆみ止めとして配合されている鎮痒(ちんよう)成分です。患部のかゆみを抑え、炎症を改善します。湿疹や皮膚炎、虫刺され、水虫などに用いられるほか、ダニが皮膚に寄生して起こる疥癬(かいせん)の治療に使われることもあります。(※疥癬は、現在では正式な適応症ではありません。保険の適用外になることも考えられます)。

疥癬はヒゼンダニ(疥癬虫)が皮膚の最外層である角質層に寄生し、人から人へ感染する疾患です。非常に多数のダニの寄生(100万~200万匹)が認められる角化型疥癬(痂皮型疥癬)と、少数寄生(数十匹以下)であるが激しい痒みを伴う普通の疥癬(通常疥癬)とがあります。皮膚だけの病気であり内臓を犯すことはなく、命にかかわるような病気ではありません。近年の日本では病院、高齢者施設、養護施設などで集団発生の事例が増加しています。

クロタミトンの歴史は古く、は1940年代にスイスで疥癬治療薬として開発されました。疥癬の病原寄生虫であるヒゼンダニに対して、クロタミトンが弱い毒性を示すためです。その後、かゆみ止め効果が認められ、鎮痒成分としても用いられるようになりました。

かゆみ止めの製剤によく使われるものには、「抗ヒスタミン薬」、「局所麻酔薬」、などがあります。抗ヒスタミン薬は、かゆみを引き起こすヒスタミンという物質の働きを弱めることでかゆみを抑えるものです。局所麻酔薬は、かゆみの信号が脳に伝えられるのをブロックしてかゆみを感じさせなくします。クロタミトンは、このどちらにも属さず、なぜかゆみに効くのか、詳しいメカニズムは良く分かっていません。一般には、皮膚に軽い灼熱感を生じさせ、この刺激がかゆみを打ち消すのではないかと考えられています。皮膚に塗布すると、クロタミトンは皮膚から吸収されて血中に入り、全身に回ります。

使用方法

通常、症状により適量を1日数回患部に塗布又は塗擦して下さい。

※使用上の注意事項
・外用のみとし、内服しないで下さい。〔誤飲により悪心、嘔吐、口腔・食道・胃粘膜の刺激感、下痢、意識消失、血圧低下、痙攣等の急性中毒症状、メトヘモグロビン血症があらわれるおそれがあります。誤飲した場合は一般的な処置と対症療法を行って下さい。メトヘモグロビン血症の症状は通常、薬剤の中止により消失しますが、重症の場合はメチレンブルーの投与等、適切な処置を行って下さい。)
・炎症症状が強い浸出性の皮膚炎の場合には、適切な外用剤を使用し、その炎症が軽減後もかゆみが残る場合に使用して下さい。
・疥癬治療薬として使用する場合は、毎日全身の皮膚に塗布し、約24時間後に洗い流す事を、数日反復して下さい。
・目やその周囲、口内、また粘膜には使用しないでください。
・口の周りに塗る場合など、舐めたり、誤飲しないようにしてください。とくに、小さい子供、あるいは判断力の弱っている高齢の人に用いる場合、ご家族など付き添いの方も注意しましょう。

副作用

重大な副作用
特になし

その他の副作用
皮膚の刺激感(熱感、ひりひり感等)・接触性皮膚炎(発赤等)/そう痒/発疹/湿疹/紅斑/血管浮腫 など〔このような症状が出た場合には使用を中止して下さい。なお、塗布直後、軽い熱感を生じることがありますが、通常は短時間で消失します。〕

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
次の患者には投与しないで下さい。
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
・クロタミトンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方( オイラックスクリームの場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼オイラックスクリームの有効成分
クロタミトン
▼オイラックスクリームの添加物
・ステアリン酸
・パラフィン
・グリセリン
・サラシミツロウ
・アンモニア
・トリエタノールアミン
・ステアリルアルコール
・ステアリン酸エチレングリコール
・ラウリル硫酸ナトリウム
・パラオキシ安息香酸メチル
・パラオキシ安息香酸プロピル
・硫酸オキシキノリン
・香料
・ベンジルアルコール
・フェニルエチルアルコール

使用に注意が必要な方
・高齢者〔一般に高齢者では生理機能が低下しているので、大量又は長期にわたる広範囲の使用は避けて下さい。〕
・妊婦、産婦、授乳婦等〔妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に対しては、大量又は長期にわたる広範囲の使用は避けて下さいこと(妊婦に対する安全性は確立していません)。〕
・小児等〔乳幼児・小児に使用する場合には広範囲の部位に使用しないで下さい。〕

上記にあてはまる方は、クロタミトンを使用する事が出来ない可能性があります。
クロタミトンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

特になし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
オイラックスクリームとオイラックスHクリームは同じものでしょうか。違いはありますでしょうか。

同じものではありません。オイラックスHクリームは、有効成分としてクロタミトンに加えてヒドロコルチゾンが配合されています。ヒドロコルチゾンは腫れや赤みをとるステロイド剤です。ステロイドと言っても比較的弱い成分であるため、顔などデリケートな患部にも使いやすくなっています。

オイラックスクリームは、かゆみをとる効果以外に、傷を治したり腫れをとるような効果はありますでしょうか。

基本的に、かゆみを止める以外の効果はありません。根本的な治療には、傷薬や抗生物質などの使用を検討して下さい。なお、例外として、疥癬虫に対しては駆虫作用があります。

かゆみが強い場合に、オイラックスクリームは効きますでしょうか。他にもっとかゆみを抑える効力が強いものはありますでしょうか。

オイラックスクリーム(クロタミトン)は、灼熱感を発生させます。痒みを紛らわすだけ、と言ってしまえばそうで、効果は弱めです。強いかゆみ止めを求める場合は、例えば局所麻酔成分であるリドカインの方が効力が強いと思われます。クリームタイプのものがあるので、それを同じように患部に塗ると、局所麻酔効果によって「かゆみ」や「痛み」が沈まります。即効性もあります。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。