成分名 |
ラマトロバン |
適応症状 |
アレルギー性鼻炎 |
簡易説明 |
ラマトロバンは、抗トロンボキサンA2薬の抗アレルギー薬の一種です。花粉症に対して使用されることが多いです。
ラマトロバンは、プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2受容体拮抗薬です。
炎症を起こす細胞にあるプロスタグランジンD2受容体であるCRTH2と、アレルギー症状を引き起こすトロンボキサンA2受容体であるTPの両者をブロックすることで、アレルギー性鼻炎や花粉症のくしゃみ、鼻水などを改善します。
先発医薬品にバイナス錠、後発医薬品(ジェネリック)にラマトロバン錠がありますが、先発医薬品のバイナス錠は販売中止となっています。
ラマトロバンは眠気の副作用による機械操作や運転の注意や制限などはありませんが、臨床試験の結果1.0%に眠気の副作用が認められているので注意してください。 |
処方可能な診療科目 |
耳鼻咽喉科 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
3割負担額
初診料846円+処方料150円+鼻処置36円+副鼻腔開大処置75円+ネブライザー36円+薬局での費用(調剤技術料+薬学管理料+医療材料料)1,000円+薬剤料約1,800円=約3,800円
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
●バイナス錠
薬価基準収載年月 2000年5月
販売開始年月 2000年5月
●ラマトロバン錠
薬価基準収載年月 2018年12月
販売開始年月 2019年1月 |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリックあり |
関連製品(先発薬) |
バイナス錠50mg(バイエル薬品)
バイナス錠75mg(バイエル薬品)
★注意
バイナス錠は需要低下により、2022年8月ごろから出荷を停止しており、2023年3月末には、厚生労働省発行の薬価基準収載リストから削除される予定です。 |
関連製品(ジェネリック) |
ラマトロバン錠50mg「KO」(寿製薬)
ラマトロバン錠75mg「KO」(寿製薬) |
効果・作用 |
●効果
アレルギー性鼻炎
●作用
抗トロンボキサンA2薬は、体内のアレルギー反応を抑えて、アレルギー性鼻炎などの症状を改善します。
トロンボキサンA2(TXA2)は鼻の粘膜や気管支などで、アレルギー症状を引き起こす物質です。血液透過性や気管支収縮に関わります。抗トロンボキサンA2薬は、体内のトロンボキサンA2を阻害することで、効果を発揮する薬です。
プロスタグランジンD2は炎症細胞上などにあるプロスタグランジンD2受容体と結合することで、アレルギー症状に対して抑制作用が働きます。
プロスタグランジンD2はアレルギーを起こすヒスタミンと同時に作られます。薬物によってプロスタグランジンD2の受容体を刺激することでアレルギー症状の特にアナフィラキシーに関する症状を抑えることが近年、東京大学によって発見されました。現在の治療法よりも安全にアナフィラキシーの症状を抑えることが出来る物質として、実用化されることが期待されています。
抗トロンボキサンとプロスタグランジンD2受容体刺激作用が組み合わさることで、アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の鼻水やくしゃみなどの症状を抑えます。
中等症以上の鼻閉(鼻詰まり)に対して処方されることが多いです。
・この薬による臨床試験の結果
アレルギー性鼻炎患者を対象として行われた臨床試験では、279例中186例(66.7%)が「中等度改善」(改善度5段階中4以上)との結果が出ました。
また、鼻閉(鼻詰まり)を伴う中等症、重症の通年性アレルギー性鼻炎患者59例を対象に、ラマトロバン錠を1日当たり50mg、100mg、150mgの3グループに分けて投与したところ、中等度以上の改善の割合は、1日当たり50mgが47.1%、100mgが46.2%、150mgが72.7%と高くなりました。鼻閉の改善率(5段階中3以上の改善)は1日当たり50mgで56.3%、100mgで54.5%、150mgで90.9%と高い数値が得られました。これによって、ラマトロバン錠は通年性アレルギー性鼻炎に対して、高い有効性が確認されました。 |
使用方法 |
成人に対して、1回75mgを1日2回、朝食後と夕食後(または就寝前)に経口投与します。服用する際は下記の使用に注意が必要な方の項目を必ずご確認ください。
なお、高齢者の方に対しては低用量(1日量100mg/1回50mg)から慎重に投与します。高齢者の方は、非高齢者に比べてラマトロバンの血中濃度が高くなることが推定されているためです。
季節性アレルギー性鼻炎に対して服用するときは、その原因となる物質(スギ花粉など)が飛散するシーズンの直前から、シーズン終了まで飲み続けることが望ましいです。 |
副作用 |
主な副作用
総症例1240例中、86例(6.9%)に副作用が認められました。内訳は以下の通りです。
・腹痛15件(1.2%)
・頭痛14件(1.1%)
・眠気12件(1.0%)
・発疹8件(0.6%)
・吐き気8件(0.6%)
・下痢7件(0.6%)
また、6.0%に肝機能検査値の異常変動が認められました。
0.1%未満ではありますが、重大な副作用として、肝炎、肝機能障害、黄疸が報告されています。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・ラマトロバンに対して過敏症の既往歴のある方
・出血傾向のある方→出血を助長するおそれがあります。
・月経期間中の方→出血の助長、月経期間の延長のおそれがあります。
・肝臓に病気がある方→ラマトロバンは肝機能障害を起こすことがあります。
使用に注意が必要な方 ・高齢者の方→ラマトロバンの血液中の濃度が高くなる可能性があります。医師、薬剤師の指示に従って、決められた量を服用してください。
・妊婦の方→妊娠中の母体、胎児の安全性は確立していません。医師、薬剤師の指示に従って必要性があれば服用してください。
・授乳中の方→ラットによる動物実験で、母乳中にラマトロバンの成分が移行することが報告されています。やむを得ず服用する際は授乳はしないでください。
・小児の方→低体重出生児、新生児、乳児、幼児、小児に対しては使用経験が少なく、安全性が確立していないので、投与は避けることが望ましいです。
上記にあてはまる方は、ラマトロバンを使用する事が出来ない可能性があります。 ラマトロバンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
バイエル薬品 バイナス錠50mg/75mg インタビューフォーム
寿製薬 ラマトロバン錠50mg/75mg インタビューフォーム
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
|
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |