クロベタゾン酪酸エステル

成分名

クロベタゾン酪酸エステル

適応症状

アトピー性皮膚炎(乳幼児湿疹を含む)
顔面、頸部、腋窩、陰部における湿疹・皮膚炎

簡易説明

ステロイド外用薬です。
ステロイドには炎症を治癒する強い作用があります。
短期間で皮膚炎をおさえることが可能で、腫れや赤みをすみやかにとり、かゆみや痛みを和らげます。
アトピー性皮膚炎や乾癬(かんせん)をはじめとする、さまざまな湿疹・皮膚疾患に広く使用されています。
この外用薬は、副作用を心配して自己判断で塗る量を控えたり、使用期間を短くすると、かえって症状を長引かせたり悪化させたりすることがあるのでご注意ください。

処方可能な診療科目

皮膚科

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1000円~3000円程度
新薬:キンダベート軟膏0.05% 薬価:16.5円
後発品:クロベタゾン酪酸エステル軟膏0.05% 薬価薬価:8.5円
病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1984年3月19日販売開始

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

キンダベート軟膏0.05%【メーカー:GSK】

関連製品(ジェネリック)

・クロベタゾン酪酸エステル軟膏0.05%【帝國製薬/日医工、陽進堂、岩城製薬、東光薬品/ラクール薬品販売】
・クロベタゾン酪酸エステルクリーム0.05%【岩城製薬】
・クロベタゾン酪酸エステルローション0.05%【岩城製薬】

効果・作用

新薬:キンダベート軟膏0.05% 後発薬:クロベタゾン酪酸エステル軟膏0.05%は
皮膚の炎症をおさえる働きがあり、赤み、はれ、かゆみなどの症状を改善するステロイドの塗り薬です。
【効果的な皮膚疾患】
・アトピー性皮膚炎
・乳幼児湿疹
・陰部における湿疹・皮膚炎
・顔面における湿疹・皮膚炎
・頚部における湿疹・皮膚炎
・腋窩における湿疹・皮膚炎
上記記載のように、アトピー性皮膚炎や顔面、頸部、わきの下、陰部における湿疹・皮膚炎の治療に用いられます。
本剤の有効成分としている「クロベタゾン酪酸エステル」はステロイド剤の一種です。
ステロイドとは、炎症を抑える作用(抗炎症作用)や血管の拡張を抑える作用(血管収縮作用)、過剰な免疫反応を抑える作用(免疫抑制作用)を持っています。
クロベタゾン酪酸エステルは、アトピー性皮膚炎(乳幼児湿疹を含む)、顔面・頸部・陰部・腋窩における湿疹・皮膚炎」に対して使用・有効性が認められています。

また、ステロイドは強さによって5段階で分類されています。
Ⅰ群:strongest 一番強い
Ⅱ群:very strong ↑
Ⅲ群:strong 強さ
Ⅳ群:medium ↓
Ⅴ群:weak 一番弱い
新薬のキンダベート軟膏も後発薬のクロベタゾン酪酸エステル軟膏も【Ⅳ群:medium】に分類される強さです。
人間の皮膚は、その部位によって「皮膚の厚み」が異なります。
例えば、肘(ひじ)内側の皮膚の厚さを1と仮定すると
・手のひらは0.8ほど
・首は6ほど
・頬(ほほ)は13ほど となります。

皮膚は加齢とともに厚さや耐久度が低下してきます。
どれくらいの強さのステロイドを使用するかは症状だけではなく、年齢に応じた処方が必要とされます。

使用方法

通常1日1~数回適量を患部に塗布します。
なお、症状により適宜増減してください。
【使用上の注意】
・治療以外の目的(化粧下、ひげそり後など)には決して使用しないよう注意してください。
・本剤の基剤として使用されている油脂性成分は、コンドーム等の避妊用ラテックスゴム製品の品質を劣化・破損させる可能性があるので、これらと本剤の接触を避けてください。
・乳幼児や小児の手の届かない所に保管してください。

副作用

主な副作用
クロベタゾン酪酸エステルには、副作用が起こる可能性があります。
クロベタゾン酪酸エステルを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
◇眼瞼皮膚への使用に際しては、眼圧亢進、緑内障を起こすことがあるので注意してください。
大量または長期にわたる広範囲の使用は、密封法により緑内障、後嚢白内障等があらわれることがあります。◇
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

その他の副作用
・皮膚の感染症
皮膚の細菌性感染症(伝染性膿痂疹、毛のう炎等)、真菌性感染症(カンジダ症、白癬等)及びウイルス性感染症があらわれることがあります。
・その他の皮膚症状
ステロイドざ瘡、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎(ほほ、口囲等に潮紅、丘疹、膿疱、毛細血管拡張)、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張、紫斑)、魚鱗癬様皮膚変化、多毛及び色素脱失等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には徐々にその使用を差し控え、副腎皮質ステロイドを含有しない薬剤に切り替えてください。
また、一過性の刺激感、乾燥があらわれる場合があります。
・過敏症
塗布部に紅斑、発疹、蕁麻疹、そう痒、皮膚灼熱感、接触性皮膚炎等の過敏症状があらわれた場合は、使用を中止してください。なお、これらの症状は原疾患の症状に類似している場合があります。
・下垂体・副腎皮質系機能
大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、下垂体・副腎皮質系機能抑制を来すことがあるので注意してください。
また、このような場合において、投与中止により急性副腎皮質機能不全に陥る危険性があるため、投与を中止する際は使用者の状態を観察しながら徐々に減量してください。
・中心性漿液性網脈絡膜症
中心性漿液性網脈絡膜症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行ってください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■クロベタゾン酪酸エステルを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方の使用はできません。
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある方
・鼓膜に穿孔(せんこう)のある湿疹性外耳道炎(穿孔部位の治癒が遅れる恐れ または、感染の恐れがあります)
・潰瘍(ベーチェット病は除く)
・第2度深在性以上の熱傷・凍傷(皮膚の再生が抑制され、治癒が著しく遅れる恐れがあるため)
・細菌、真菌、ウイルス皮膚感染症(感染を悪化させるおそれがあるため)

使用に注意が必要な方
・高齢者の方
・妊婦、産婦、授乳婦の方
・小児の方

上記にあてはまる方は、クロベタゾン酪酸エステルを使用する事が出来ない可能性があります。
クロベタゾン酪酸エステルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
目の周りに使用するのは避けた方がいいと書いてあり、患部は目の際なので、心配です。
使用しても大丈夫なのでしょうか。

キンダベートは5段階あるうちの2番目に弱いステロイドになるので、そんな強いステロイドではないです。
ですので強いステロイドに比べたら、副作用も中止した際のリバウンドのリスクも低くなります。
目の中に入らなければ弱いステロイドなので大丈夫なのですが、目に頻繁にステロイドが入ると緑内障を発症してしまう場合があります。
ご心配な方は担当医にご相談ください。

乳児へクロベタゾン酪酸エステルを塗る場合どれくらいの量を塗布すればよいでしょうか?
また、塗布した部分を触って手についた状態でなめたりしても大丈夫でしょうか?

多少でしたら口に入っても問題ありませんので、薄く塗布して1時間ほど経過したらふき取って大丈夫です。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。