成分名 |
エフェドリン塩酸塩 |
適応症状 |
・以下の疾患にともなう咳
かぜ、気管支喘息、急性気管支炎、肺結核、上気道炎、咽喉頭炎、慢性気管支炎、鼻カタル、喘息性気管支炎、
・鼻粘膜の充血、はれ
・麻酔時の血圧降下 |
簡易説明 |
エフェドリン塩酸塩は、交感神経系の「アドレナリン受容体」という部位に影響して作用を発揮します。交感神経のα-アドレナリン受容体、β-アドレナリン受容体のどちらに対しても作用する特性を持ち、それらの興奮性の活動を増強させます。そして神経の伝達の行われる「シナプス前細胞」において、ノルアドレナリン(興奮性の神経伝達物質)に対して、貯蔵されていたシナプス小胞から放出させる働きを持ちます。放出させられたノルアドレナリンは、「シナプス後細胞」の受容体と結合することで最終的に交感神経を活性化させる効果を発揮し、気管支を広げたり、鼻粘膜の充血を取り除いたりします。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/アレルギー科/呼吸器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1000円~2000円
薬代1錠あたりの目安:1錠 9.8円
薬代1管あたりの目安:1管 94円
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※「薬代の目安」はヱフェドリン「ナガヰ」注射液40mg、ヱフェドリン「ナガヰ」錠25mgの薬価で算出しています。
※診察費は3割負担で算出しています。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:2009年2月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ヱフェドリン「ナガヰ」注射液40mg(日医工株式会社)/ヱフェドリン「ナガヰ」錠25mg(日医工株式会社) |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
エフェドリン塩酸塩は、交感神経を刺激することにより充血を取り除く目的(とくに気管支、鼻粘膜)、または麻酔時の血圧低下に対処する目的で処方されます。漢方の領域で生薬として広く用いられているマオウ(麻黄)に由来するアルカロイドという種類の成分です。
具体的には主に交感神経系の一部の「アドレナリン受容体」という部位に影響して作用を発揮します。またエフェドリン塩酸塩は、交感神経のα-アドレナリン受容体、β-アドレナリン受容体のどちらに対しても作用する特性を持ち、それらの興奮性の活動を増強させます。そして神経の伝達の行われる「シナプス前細胞」においてノルアドレナリン(興奮性の神経伝達物質)に対して、貯蔵されていたシナプス小胞から放出させる働きを持ちます。放出させられたノルアドレナリンは、「シナプス後細胞」の受容体と結合することで最終的に交感神経を活性化させる効果を発揮することとなります。
気管支においては、β-アドレナリン受容体に作用して気管支を広げることでゼーゼーする激しい喘息や気管支炎に対して効果を発揮します。鼻粘膜においてはα-アドレナリン受容体に作用しての充血をとり除き鼻の通りをよくするので、鼻づまりにも効果を発揮します。 |
使用方法 |
■ヱフェドリン「ナガヰ」注射液40mg
成人:通常、l-エフェドリン塩酸塩として1回25〜40ミリグラムを皮下注射します。
麻酔時の血圧降下に対しては、通常1回4〜8ミリグラムを静脈内に注射することができます。
年齢や症状により、医師の判断のもと適宜増量、減量することができます。
※麻酔時の血圧降下に対して、予防目的でエフェドリン塩酸塩を使用することはできません。(帝王切開時のエフェドリン塩酸塩の予防的な投与によって、母体の高血圧および頻脈、胎児アシドーシスが発症したというデータがあります。
※静脈内に注射する場合には、血圧の異常な上昇が起きないよう慎重に緩徐に投与してください。
※日本麻酔科学会では、静脈内注射の目安として次のような投与法が推奨されています。
「エフェドリン塩酸塩1管を9ミリリットルの生理食塩液と混ぜて合計10ミリリットルとし、1回1〜2ミリリットルを投与する」
■ヱフェドリン「ナガヰ」錠25mg
成人: 通常、l-エフェドリン塩酸塩として1回12.5~25ミリグラム(1/2~1錠)を1日1~3回服用します。
年齢や症状により、医師の判断のもと適宜増量、減量することができます。 |
副作用 |
重大な副作用
・冠れん縮、心室細動、心室頻拍など
※静脈内の注射により重大な冠れん縮、心室細動、心室頻拍などがあらわれ、心停止を起こしたというデータがあるので、異常が見られた場合、投与をすみやかに中止し適切な処置を行ってください。
・血液中のカリウム値の重大な低下
その他の副作用
・精神神経系:神経過敏、頭重、振戦、頭痛、めまい、発汗、脱力感、不眠など
・循環器系:血圧上昇、心悸亢進、QT間隔の延長、ST上昇・低下などの心電図異常
・泌尿器系:排尿困難(尿がでにくくなる)
・消化器系:食欲不振、悪心、嘔吐、はきけ
・長期連用:幻覚、妄想を伴う精神症状、不安
・過敏症:発疹
・その他:口の渇き
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・カテコールアミンを投与中の方
※不整脈、重症な場合は心停止を起こすおそれがあります。
▼カテコールアミン
アドレナリン,イソプレナリン,ドパミンなど
原則的に使用できない方
・冠れん縮、心室細動、心室頻拍を治療中、または罹ったことのある方
※冠れん縮、心室細動、心室頻拍が悪化、または再発する可能性があります。
使用に注意が必要な方 ・「甲状腺機能亢進症」を治療中の方
※甲状腺機能亢進症が悪化する可能性があります。
・「高血圧症」を治療中の方
※エフェドリン塩酸塩には血圧上昇作用があります。
・「心疾患」を治療中の方
※エフェドリン塩酸塩には心臓を刺激する作用があります。
・「糖尿病」を治療中の方
※血糖値が上昇する可能性があります。
・「緑内障」を治療中の方
※眼圧が上昇する可能性があります。
・「前立腺肥大症」を治療中の方
※排尿障害が悪化する可能性があります。
・高齢者
※一般的な生理機能が低下しているため減量するなど注意してください。
上記にあてはまる方は、エフェドリン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 エフェドリン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・モノアミン酸化酵素阻害剤、甲状腺製剤(レボチロキシン、リオチロニンなど)
※エフェドリン塩酸塩の作用が増強される可能性があります。
・ハロゲン化吸入麻酔剤(ハロタン、セボフルラン、エンフルラン、イソフルランなど)
※心室細動、心室頻拍などの不整脈があらわれる可能性があります。
・オキシトシン
※異常な血圧上昇を起こす可能性があります。
・ジギタリス製剤(ジゴキシン、ジギトキシンなど)
※不整脈をおこす可能性があります。
・キサンチン誘導体(テオフィリン、ジプロフィリンなど)、ステロイド剤(プレドニゾロン、ベタメタゾンなど)、利尿剤(フロセミド、ヒドロクロロチアジドなど)
※血液中のカリウム値が低下する可能性があります。
上記を使用している方は、エフェドリン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 エフェドリン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・アドレナリン(ボスミン)イソプレナリン(プロタノールなど)、ドパミンなどのカテコールアミン
※不整脈、重症な場合は心停止を起こすおそれがあります。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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