サルメテロール・フルチカゾン

成分名

サルメテロール・フルチカゾン

適応症状

気管支喘息/慢性閉塞性肺疾患/慢性気管支炎/肺気腫 など

簡易説明

サルメテロール・フルチカゾンの正式名称はサルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステルと言います。
β2アドレナリン受容体刺激薬です。
気管支を拡張する事で、喘息や慢性閉塞性肺疾患の治療に用いられます。
キシナホ酸サルメテロールとプロピオン酸フルチカゾンを同時に配合しています。
別々に使用するよりも、相互作用によって効果が伸びていると言われています。
日本では2007年4月18日にドライパウダーインヘラーのアドエアが厚生労働省から認可を受けました。
2009年1月21日には、COPDおよび小児喘息も適応追加されています。

処方可能な診療科目

呼吸器科/内科 など

健康保険の適応

健康保険適応可

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~10,000円
ディスカス28:薬代の目安:100~500 2918.5円~3823.3(薬価)
ディスカス60:薬代の目安:100~500 6183.2円~8155.6(薬価)
エアゾール120:薬代の目安:50~250 6521.4円~8640.7(薬価)
病院によって差が有り、薬代の他に初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

アドエア 発売年月 2007年6月

国内のジェネリック認可

有り

関連製品(先発薬)

アドエア【製薬メーカー:グラクソスミスクライン】

関連製品(ジェネリック)

セロフロ/セロフロインヘラー

効果・作用

▼サルメテロール・フルチカゾンの作用
サルメテロールとフルチカゾンの2つの成分が1つになっています。
サルメテロールは、長時間作用性β2刺激薬で、気管を拡張させます。
フルチカゾンは、ステロイド剤で炎症を抑えます。
喘息や気管支炎では、気管の炎症や痰などにより通常よりも狭まっている状態です。
気管が細くなっているため、空気の通り道が少なくなってしまい、呼吸が苦しい状態です。
そこで、長時間気管を拡張させる作用を持つサルメテロールと、炎症を抑えるステロイド剤フルチカゾンの相互作用により、単独で使用したときよりも効果を倍増させます。
気管が拡張される事で気道が広がり、炎症が抑えられる事でもタンなどの異物も減り気道も確保できます。

【サルメテロール・フルチカゾンの効果・作用まとめ】
①サルメテロールがβ2受容体と結合し、気管支平滑筋を拡張する。
②ステロイド剤のフルチカゾンが気管の炎症を抑えます。
③2つの相互作用により気道が広がり喘息や気管支炎などの治療効果があります。
気管支の拡張と炎症を抑える同時作用によって、呼吸を楽にします。

使用方法

▼ディスカスの使用方法
①カバーを「カチリ」と音がするまで開けます。
片手でカバーを持ち、もう片方の手の親指をグリップにあて、グリップが止まるところまで回してください(カチリと音がします)。
②レバーを「カチリ」と音がするまで押します。
マウスピース(吸入口)を自分に向けて持ち、レバーをグリップのところまで押し付けてください(カチリと音がします)。
※薬を吸入するとき以外はレバーを操作しないでください。
③息をはき出してから、マウスピース(吸入口)をくわえ強く深く「スーッ」と息を吸い込みます。
無理をしない程度に息をはき出してください。吸入器をたいらに持ち、マウスピース(吸入口)を口にくわえ、強く深く「スーッ」と息を吸い込みます。
口からマウスピース(吸入口)を離し、そのまま3~4秒程度息を止め、その後ゆっくりと静かに息をはき、元の呼吸に戻してください。
※マウスピース(吸入口)に息を吹き込まないでください。
④カバーの閉じ方
グリップに親指をあて、カチリと音がするところまで、回し戻してカバーを閉じてください(レバーもいっしょに元の位置に戻ります)。
吸入後は、のどや口の中に残っている薬を洗い流すために必ずうがいをしてください。
マウスピース(吸入口)を拭く際は、乾いたティッシュペーパーなどを用い、カバーを閉じる前に行ってください。
カバーは、しっかりと閉じてください。

吸入の確認について
薬が吸入されるとわずかな甘みや粉の感覚を口の中に感じます。
しかし、薬の量がごくわずかであるため、甘みを感じない(吸入感を得られない)場合もあります。
また、体調によっても感じない場合があります。
◆吸入できたかどうかの確認:1回吸入した後、カバーを閉じる前に、吸入口の先をテーブルに置いた紙(できれば黒い紙)の上にトントンと叩いて、お薬が出てこなければ正しく吸入できています。
◆お薬が充填されていることの確認:カバーを開けた後レバーを押し、吸入せずにテーブルに置いた紙(できれば黒い紙)にトントンと叩くと、お薬が出てくることを確認できます。
1回分のお薬が無駄になることをご理解の上、この確認作業をしてください。 確認作業終了後は破棄してください。

▼エアゾール使用方法
新しい吸入器を初めて使用するとき
初めて使用するときは、アダプターについているキャップの両端をつまんではずします※。
ボンベの中の薬が均一にまじりあうようによく振り、カウンターの表示が“120”になるまでボンベを押して4回空噴霧してから使用してください。
※使いはじめはキャップがかたく、取りはずしにくい場合があります。
製造時の噴霧検査により、成分が吸入口内側にわずかに付着している場合があります。品質に影響はありません。
①アダプターについているキャップの両端をつまんではずします。
ボンベの中の薬が均一にまじりあうようによく振ってください。
なお、1週間もしくはそれ以上使用しなかった場合は、ボンベを押して2回空噴霧してから使用してください。
②無理をしない程度に息をはき出した後、舌を下げ、のどを広げた状態にしてください。
③口より約4cm吸入口を離す、又は吸入口を唇や歯で軽くくわえます。
息をゆっくり吸い込みながらボンベの底を強く1回押して吸入してください。
④吸入口から唇を離し、そのまま3~4秒程度息を止め、その後ゆっくりと静かに息をはき、元の呼吸に戻してください。
⑤使用後は、アダプターにキャップをつけてください。
医師の指示によりアドエア エアゾールをもう1回吸入する場合は、①~④の操作を繰り返してください。
⑥吸入後は、のどや口の中に残っている薬を洗い流すために必ずうがいをしてください。
※内側のボンベはアダプターからはずさないでください。
また、本吸入器は、落とすとカウンターの数字が変動する場合がありますので、取扱いには十分気をつけてください。
■吸入用補助器具(スペーサー)を使用する場合は、吸入用補助器具に添付されている使用説明書をご参照ください。

・使用上の注意点
この薬は、喘息の発作が起きた時に、速やかに鎮める薬ではありません。
毎日規則正しく使用する薬です。
発作時には、別に処方された喘息薬を使用するか、病院を受診し医師の指示に従って下さい。

副作用

▼サルメテロール・フルチカゾンの副作用
▼全身
冷や汗/倦怠感/ふらつき/脱力感/悪寒/発熱
▼頭部
めまい/意識の薄れ/意識低下/考えがまとまらない
▼顔面
血の気が引く/ほてり/目と唇の周りが腫れる
▼口や喉
しゃがれ声/口渇/咳/痰
▼呼吸器
息切れ/息苦しさ
▼その他
手足の麻痺/蕁麻疹/筋力低下判断力低下など

サルメテロール・フルチカゾンには、副作用が起こる可能性があります。
副作用の出方は、個人差や服用量によっても違ってきます。
サルメテロール・フルチカゾンを安全に使用する為にも、医師や薬剤師に指示された用法・用量を守りましょう。

■サルメテロール・フルチカゾン副作用(重度)
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。

・アナフィラキシーショック
冷や汗、めまい、意識の薄れ、血の気が引く、しゃがれ声、目や唇の周囲の腫れ、蕁麻疹、判断力の低下、動悸、息切れ、息苦しさ、倦怠感、ほてり、ふらつき、意識の低下など、アレルギー過敏症の症状に注意が必要です。

・肺炎
悪寒、発熱、咳や痰がでる、息切れなど、肺炎の症状に注意が必要です。

・重篤な血清カリウム値の低下
β2-刺激剤による血清カリウム値の低下作用は、キサンチン誘導体、ステロイド剤および利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意が必要です。
低酸素血症は、血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがあります。

重篤な副作用の発生率は低いですが、異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

【サルメテロール・フルチカゾンの副作用まとめ】
・アレルギーによる、むくみや蕁麻疹
・頭痛、めまい、悪寒、脱力感、倦怠感など
・口渇や咳、痰、動悸、息切れなど
用法用量を守り、医師の指示に従って正しく服用しましょう。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

▼サルメテロール・フルチカゾンが使用できない方

■サルメテロール・フルチカゾンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
添加物にアレルギーをお持ちの方は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

■有効な抗菌剤のない感染症にかかっている方
■全身の真菌症にかかっている方
■結核にかかっている方

▼サルメテロール・フルチカゾンの慎重投与が必要な方

■感染症にかかっている方
感染症の症状が悪化するおそれがある為。

■甲状腺機能亢進症の方
甲状腺機能亢進症が悪化するおそれがある為。

■高血圧症の方
サルメテロール・フルチカゾンには血圧上昇作用がある為。

■心疾患のある方
サルメテロール・フルチカゾンには心刺激作用がある為。

■糖尿病の方
血糖が上昇するおそれがある為。

■高齢者の方
一般に高齢者では生理機能が低下している為。

■妊娠中・授乳中の方
お腹の赤ちゃんに害を及ぼす可能性がある為、リスクを上回る有効性が無い場合、服用は控えて下さい。

■小児の方
使用方法を正しく指導し、注意して使用する事。

▼重要な基本的注意点
・使用方法を正しく理解し、過剰投与にならない事が確認されている場合に使用する事。
・過剰投与した場合、不整脈などにより心停止を起こす場合がある為、必ず適量を守る事。
・正しく使用しても効果が認められない場合は、過剰投与せずに直ちに適切な処置へ切り替える事。

【サルメテロール・フルチカゾンの使用に注意が必要な方、使用が出来ない方まとめ】
▼サルメテロール・フルチカゾンが使用できない方
・サルメテロール・フルチカゾンや医薬品の添加物にアレルギーをお持ちの方
・有効な抗菌剤のない感染症にかかっている方
・全身の真菌症にかかっている方の方
・結核にかかっている方
▼サルメテロール・フルチカゾンの慎重投与が必要な方
・感染症のある方
・甲状腺機能亢進症の方
・高血圧症の方
・心疾患のある方
・糖尿病の方
・高齢者の方
・妊娠中・授乳中の方
・小児の方
上記にあてはまる方は、サルメテロール・フルチカゾンを使用する事が出来ない可能性があります。
サルメテロール・フルチカゾンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

▼併用注意薬
下記薬剤と併用すると、薬剤の効果を低下させたり、強めたりする恐れがあります。
下記の医薬品と併用する場合は、事前に医師に相談して下さい。
▼CYP3A4阻害剤
・リトナビル など
CYP3A4による代謝が阻害されることで、薬剤の血中濃度が上昇する場合があります。
▼カテコールアミン
・アドレナリン
・イソプレナリン など
アドレナリン作動性神経刺激の増大により、不整脈を起こす場合があります。
▼キサンチン誘導体
・テオフィリン
・ジプロフィリン など
アドレナリン作動性神経刺激の増大により、血清カリウム値の低下を増強する場合があります。
▼ステロイド剤
・プレドニゾロン
・ベタメタゾン など
▼利尿剤
・フロセミド
・ヒドロクロロチアジド など
尿細管でのカリウム排出促進作用、血清カリウム値の低下を増強する場合があります。

よくある質問
アドエアのジェネリックは販売されていないんでしょうか?

サルメテロール・フルチカゾンを配合した先発薬アドエアですが、ジェネリックは日本ではまだ販売されていません。
海外では、セロフロというアドエアと同成分、サルメテロール・フルチカゾンを配合したジェネリック薬があります。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。