ペントキシベリンクエン酸塩

成分名

ペントキシベリンクエン酸塩

適応症状

気管支喘息や感冒、喘息性(様)気管支炎並びに急性及び慢性気管支炎、上気道炎(咽喉頭炎、鼻カタル)、そして肺結核等の疾患に伴う「咳嗽」

簡易説明

ペントキシベリンクエン酸塩は咳嗽中枢抑制作用を示す非麻薬性の鎮咳剤になります。非麻薬性の鎮咳剤は多数販売されており、エフェドリン塩酸塩や、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、エプラジノン塩酸塩、クロフェダノール塩酸塩、ジメモルファンリン酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、チぺピジンヒベンズ酸塩等が存在します。相互作用する薬がない分ペントキシベリンクエン酸塩は比較的使いやすい鎮咳薬になります。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/皮膚科/耳鼻咽喉科/脳神経外科内科/泌尿器科/消化器内科外科/精神科/など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~5,000円
薬代後発薬1錠の目安:15mg約6円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

ペントキシベリンクエン酸塩錠15mg「ツルハラ」は販売名を変更した後、2015年2月12日に製造販売を承認し、2015年6月19日に薬価基準に収載されました。発売は販売名変更前における1972年2月1日です。

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

先発医薬品の販売はありません。

関連製品(ジェネリック)

ペントキシベリンクエン酸塩錠15mg「ツルハラ」【製薬メーカー:鶴原製薬株式会社】

効果・作用

ペントキシベリンクエン酸塩は気管支喘息や感冒、喘息性(様)気管支炎並びに急性及び慢性気管支炎、上気道炎(咽喉頭炎、鼻カタル)、そして肺結核等の疾患に伴う「咳嗽」にたいして効果のある薬です。

その作用機序は、延髄にある咳中枢に直接作用する事によって、咳反射を抑制する事で、咳を鎮めます。
鎮咳薬は主に乾性咳に用いられ、大きく3種類に分類する事ができます。
1つ目が麻薬性中枢性鎮咳薬、2つ目が非麻薬性中枢性鎮咳薬、そして3つ目が末梢性鎮咳薬です。1つめ、2つ目は延髄にある咳中枢を抑制する事で鎮咳作用を示します。3つ目は肺の伸展受容器(肺の膨張を感知して呼吸中枢に伝達する器官)を抑える事で鎮咳作用を発揮します。

麻薬性と非麻薬性の一番の違いは依存性の有無です。麻薬性は依存性がある為使用には特に注意が必要になります。また効果の強さにおいても一般的には麻薬性鎮咳薬の方が強いと言えます。速効性もある為咳が止まらずに苦しんでいる人に一刻も早く咳を止めたい場合には最適な薬です。しかしデメリットもあり、喘息の人には使用できません。喘息の人は気道が狭くなっている為、咳を止めてしまうと痰の喀出が困難になる為です。

では咳が出る原因にはどのようなものがあるでしょうか。咳は様々な要因によって起こります。その要因によっては実は安易に止めない方がよい咳もあります。
①止めた方が良い咳の特徴として、痰のない乾いた咳(コンコンタイプ)が挙げられます。痰が絡まない、乾性した咳です。この場合は中枢性鎮咳剤等を使用して積極的に咳を鎮めるようにしましょう。
②止めてはいけない咳の特徴として、痰が絡んだ湿った咳(ゼロゼロタイプ)が挙げられます。この場合は末梢性の鎮咳剤を使用する事で、気管支を広げて呼吸を楽にすることができ、咳や喘鳴等の症状を鎮める事ができます。この場合はむしろ咳止めよりも去痰薬を積極咳に使用したほうが良いでしょう。痰を取り除いてあげる事で反射によって起きている咳も鎮める事ができます。

それではなぜ痰は出るのでしょうか?痰が出る理由は生体に不要なもの、例えば細菌やウイルス・異物等を体外に追い出す為に、気道粘膜から過剰に出てくる分泌物です。異物を痰がからめとり線毛で運び出してくれます(粘液線毛輸送)。
また痰の色にも特徴があります。健康な時の痰の色は無色透明です。タバコを吸っている人の痰は灰色っぽい、あるいは半透明の色をしています。そして細菌やウイルスに感染しているときの痰は黄色や緑黄色、時には血の混じった血痰が出る場合もあります。このように痰の色を見るだけでもある程度症状を判断する事ができます。

使用方法

通常成人に使用する場合には、ペントキシベリンクエン酸塩として1日量として15~120mg(1錠~8錠)を2~3回に分けて内服します。なお、患者の年齢及び症状によっては適宜増減する事が認められております。

副作用

その他の副作用
精神神経系、消化器、過敏症、その他の副作用が報告されております。

発生頻度は以下の通りです。
1)精神神経系
眠気、不快、頭痛、頭重、昏迷(頻度不明)
2)消化器
食欲不振、便秘、口渇(頻度不明)
3)過敏症
発疹(頻度不明)
4)その他
尿量減少、喀出困難、瞳孔調節障害(頻度不明)

過敏症発疹等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)閉塞隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある為使用できません。
2)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■ペントキシベリンクエン酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ペントキシベリンクエン酸塩錠15mg「ツルハラ」はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ペントキシベリンクエン酸塩錠15mg「ツルハラ」の有効成分
ペントキシベリンクエン酸塩
▼代表薬の添加物
・乳糖水和物、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、アラビアゴム末、白糖、タルク、酸化チタン、沈降炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、カルナウバロウ

使用に注意が必要な方
1)合併症・既往歴等のある患者
①開放隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある為使用には注意が必要です。
2)妊婦
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する事とされております。
3)授乳婦
母乳中へ移行する事が報告されている為使用には注意が必要です。
4)高齢者
抗コリン作用による便秘、口渇、瞳孔調節障害等が現れやすい為使用には注意が必要です。

上記にあてはまる方は、ペントキシベリンクエン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ペントキシベリンクエン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ペントキシベリンクエン酸塩に関する
よくある質問
車の運転はしても大丈夫ですか?

車の運転など危険を伴う機械の操作に関する記述はありません。しかし副作用として「眠気」の報告がありますので運転する等危険な作業を行う際には普段以上に特に注意をして運転するようにしましょう。
インタビューホーム 【鶴原製薬株式会社】

咳は防御反応と聞いたことがありますが安易に止めても良いのですか?

おっしゃる通り咳は気道の異物を排出しようとする防御システムです。ですので単に止めればよいと言う訳ではありません。咳を止める事でかえって治療を長引かせることにもなりかねません。咳が酷くて夜眠れず体力の消耗が酷い、激しい席込みでろっ骨が折れてしまうなどの場合は悪影響の方が大きい為咳を止める事を優先します。いづれの場合においても主治医の治療方針に従って治療を行うようにしましょう。
インタビューホーム 【鶴原製薬株式会社】

医療用医薬品であるペントキシベリンクエン酸塩は市販薬にも使われていますか?

市販薬ではクミアイ新感冒錠、及び新ルルエースに使用されています。
一般用医薬品の添付文書情報 【PMDA】

参考元一覧

インタビューホーム 【鶴原製薬株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】
一般用医薬品の添付文書情報 【PMDA】

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