ジヒドロコデインリン酸塩

成分名

ジヒドロコデインリン酸塩

適応症状

・各種呼吸器疾患における咳止め、鎮静
・疼痛時における痛み止め
・激しい下痢症状に対する下痢止め

簡易説明

ジヒドロコデインリン酸塩は主に呼吸器疾患における咳止め、鎮静、疼痛時における痛み止め、激しい下痢症状に対する下痢止めに対して効果を発揮します。オピオイド受容体のうち、とくにミュー受容体に作用して中枢神経および消化器系に対する作用を示しますが、デルタ受容体、カッパー受容体に対しても作用します。とくに呼吸中枢を抑制し、咳止め効果を期待して使用するケースが多いです。

処方可能な診療科目

内科/耳鼻咽喉科/アレルギー内科/呼吸器内科/整形外科/消化器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~2,000円
薬代1gあたりの目安:1g約8円
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:1978年5月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

現在先発薬の製造はありません(すべて局方品扱い)。

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

ジヒドロコデインリン酸塩は主に呼吸器疾患における咳止め、鎮静、疼痛時における痛み止め、激しい下痢症状に対する下痢止めに対して効果を発揮します。
私たちの身体の中には。「オピオイド受容体(ミュー、デルタ、カッパー)」という部位があります。オピオイド受容体は、体内に広く存在していて、中枢での感情コントロールや呼吸コントロール、吐き気のコントロール、末梢での消化管運動コントロールなどにも関わっています。ジヒドロコデインリン酸塩の服用によって咳止め、痛み止めや鎮静、下痢止めなど効果を発揮する反面、効果を期待していないオピオイド受容体へも作用してしまうため副作用や、連続的な服用による依存症状には注意が必要です。
ジヒドロコデインリン酸塩は、オピオイド受容体のうち、とくにミュー受容体に作用して中枢神経および消化器系に対する作用を示しますが、デルタ受容体、カッパー受容体に対しても作用します。とくに呼吸中枢を抑制し、咳止め効果を期待して使用するケースが多く、類似薬のコデインよりも強い咳止め作用を持っています。また痛み止め効果に関しては、類似薬である医療用麻薬のモルヒネより弱く、コデインより強い効果を持っています。呼吸抑制に関してはモルヒネより弱いため安全性は担保されています。

使用方法

成人(15歳以上)の場合:1回1グラム、1日3グラムを服用します。
年齢や症状によって医師の判断のもと適宜増量、減量することができます。
※ジヒドロコデインリン酸塩の連続的な服用によって、薬物依存を生じる可能性があります。服用中は状態の観察を十分に行いながら慎重に服用してください。
※めまい、眠気、ふらつきがおこる可能性があります。ジヒドロコデインリン酸塩服用中は、自動車の運転、高所での作業、危険を伴う機械の操作などは実施しないよう注意してください。

副作用

重大な副作用
・次の副作用があらわれる可能性があります。状態を十分に行い、身体の異常を感じた場合には服用を中止するなど適切な処置を行ってください。
・依存性
※連続的な服用によって薬物依存を生じる可能性があります。また、連用中において服用量を急激に減少させたり服用を突然中止したりすると退薬症候があらわれる可能性があります。服用を中止する場合には、1日の服用量をゆっくりと減らすなど注意してください。
・呼吸抑制
※呼吸緩慢、過度な息切れ、不規則な呼吸などの呼吸の異常があらわれた場合、服用を中止するなど適切な処置を行ってください。ジヒドロコデインリン酸塩による呼吸抑制に対しては、麻薬拮抗剤であるナロキソン、レバロルファンなどが有効です。
・無気肺、気管支けいれん、喉頭浮腫
・せん妄、錯乱
・中毒性巨大結腸、麻痺性イレウス

その他の副作用
・循環器系:血圧変動、不整脈、顔面潮紅
・精神神経系:ふらつき、めまい、眠気、発汗、視調節障害
・消化器系:嘔吐、悪心、便秘
・過敏症:かゆみ、発疹
・その他:排尿障害

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・慢性肺疾患による心不全をお持ちの方
※循環不全や呼吸抑制が増強される可能性があります。
・アデノイド切除術後、扁桃摘除術後の鎮痛目的で使用する18歳未満の方
※重篤な呼吸抑制の危険性がさらに増加する可能性があります。
・重篤な呼吸抑制状態にある方
※呼吸抑制状態がさらに増強される可能性があります。
・気管支ぜんそくの発作中の方
※気道中の各種分泌を妨げ気管支ぜんそくを悪化させる可能性があります。
・急性アルコール中毒状態の方
※呼吸抑制がさらに増強される可能性があります。
・破傷風、てんかん重積症、ストリキニーネ中毒などのけいれん状態にある方
※脊髄における刺激効果があらわれる可能性があります。
・出血性大腸炎を治療中の方
※赤痢菌や腸管出血性大腸菌(O157等)などの重篤な細菌性下痢状態の方では、それらの症状のさらなる悪化、治療期間の延長を引き起こす可能性があります。
・12歳未満の小児
・重篤な肝機能障害をお持ちの方
・アヘンアルカロイドに対し過敏症をお持ちの方

使用に注意が必要な方
・閉塞性睡眠時無呼吸症候群、18歳未満の肥満または重篤な肺疾患をお持ちの方
※重篤な呼吸抑制の危険性が高まるため服用しないこととされています。
・細菌性下痢が起きている方
※治療期間が延びる可能性があるため、治療上やむを得ず使用するケースを除、服用しないこととされています。
・代謝性アシドーシス状態の方
※呼吸抑制が引き起こされる可能性があります。
・呼吸機能障害をお持ちの方
※それらの呼吸抑制がさらに増強する可能性があります。
・脳に器質的な障害をお持ちの
※頭蓋内圧の上昇や呼吸抑制が引き起こされる可能性があります。
・心機能障害をお持ちの方
※それらの循環不全がさらに増強する可能性があります。
・ショック状態の方
※呼吸抑制や循環不全が増強される可能性があります。
・アジソン病などの副腎皮質機能低下症を治療中の方
※呼吸抑制作用が起きやすく副作用のリスクが高くなります。
・粘液水腫などの甲状腺機能低下症を治療中の方
※呼吸抑制や昏睡状態が引き起こされる可能性があります。
・前立腺肥大による排尿障害、尿道狭窄、尿路手術術後の患者
※それらの排尿障害がさらに増悪する可能性があります。
・薬物依存の経験のある方
※通常のケースよりも依存性が生じやすい可能性があります。
・衰弱している方
※呼吸抑制作用が起きやすく副作用のリスクが高くなります。
・麻痺性イレウス、器質的幽門狭窄、消化管手術を最近行った方
※ジヒドロコデインリン酸塩が消化管運動を抑制してしまいます。
・胆のう障害および胆石をお持ちの方
※胆道けいれんを引き起こす可能性があります。
・けいれんの経験のある方
※けいれんを誘発する可能性があります。
・腎機能障害をお持ちの方
※ジヒドロコデインリン酸塩の排泄が遅れ、副作用があらわれる可能性が高まります。
・重篤な肝機能障害をお持ちの方
※昏睡に陥る可能性が高まるため服用しないこととされています。
・重篤な炎症性腸疾患を治療中の方
※連続的に服用した場合、巨大結腸症が引き起こされる可能性があります。
・肝機能障害をお持ちの方
※ジヒドロコデインリン酸塩の分解が遅れ、副作用があらわれる可能性が高まります。
・授乳している方
※類似成分(コデイン)で、成分が母乳へ移行し、乳児にモルヒネ中毒(哺乳困難、傾眠、呼吸困難など)が生じたとの報告があります。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は、治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用することができます。
※類似成分(コデイン)の動物実験において奇形が報告されています。
※分娩前に服用した場合、出産後の新生児に神経過敏、多動、ふるえ、不眠などの退薬症候があらわれる可能性があります。
・12歳未満の小児
※呼吸抑制の感受性が高く副作用のリスクが高まります。
・肥満、閉塞性睡眠時無呼吸症候群または重篤な肺疾患をお持ちの小児
※重篤な呼吸抑制の危険性が増加する可能性があります。
・高齢者
※生理機能が成人よりも低下しているため、呼吸抑制の感受性が高く副作用のリスクが高まる可能性があります。

上記にあてはまる方は、ジヒドロコデインリン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ジヒドロコデインリン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・クマリン系抗凝血剤(ワルファリンなど)
※クマリン系抗凝血剤の効果が増強されて出血の危険性が高まる可能性があります。
・抗コリン薬剤
※抗コリン作用が増強されて麻痺性イレウスが引き起こされる可能性があります。
・吸入麻酔剤、中枢神経抑制剤(バルビツール酸系薬剤、フェノチアジン系薬剤など)、三環系抗うつ剤、β遮断剤、モノアミン酸化酵素阻害剤、アルコール
※低血圧、呼吸抑制、および著しい鎮静や昏睡が引き起こす可能性があります。

上記を使用している方は、ジヒドロコデインリン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ジヒドロコデインリン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
連測的な使用で依存症状が起こる可能性があると聞きましたがその初期症状はどのような症状ですか?

けいれん、血圧低下(めまい、ふらつき、ねむけ)、脱力感、皮膚の冷感などが初期症状として挙げられます。ジヒドロコデインリン酸塩散1%「シオエ」 【引用元:ジヒドロコデインリン酸塩散1%「シオエ」 添付文書】

急な服用中止によって「退薬症状」が現れると聞きましたが具体的にはどのような症状ですか?

急な服用中止によって下痢、くしゃみ、全身の筋肉痛、関節痛、あくび、発汗、悪心、嘔吐、腹痛、散瞳、流涙、せん妄、頭痛、不眠、ふるえ、不安などが起こりやすいと言われています。ジヒドロコデインリン酸塩散1%「シオエ」 【引用元:ジヒドロコデインリン酸塩散1%「シオエ」 添付文書】

参考元一覧

ジヒドロコデインリン酸塩散1%「シオエ」 【ジヒドロコデインリン酸塩散1%「シオエ」 添付文書】
医薬品マスター検索 【診療報酬情報提供サービス】

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