チロキサポール

成分名

チロキサポール

適応症状

吸入用呼吸器官用剤の溶解剤

簡易説明

チロキサポールは吸入薬を溶解する際に使用する薬剤です。一緒に飲む薬剤の溶解性を増加させ、吸入療法をより有効的なものにします。1958年に発売されているため、歴史の長い薬剤であり、少ない副作用で投与が可能です。一緒に飲む薬剤と本剤を混ぜるタイミングは使用前です。本剤は弱アルカリ性の水溶液であるため、気道粘膜への刺激性が抑えられている点も特徴です。アレベールという単語は英語で肺胞を指しており、「アレベールで吸入すると肺胞まで到達する」という意味合いで名付けられています。医療事故防止対策に基づき、2007年12月に販売名をアレベールからアレベール吸入用溶解液 0.125%に変更となりましたが、どちらも同じ薬剤です。

処方可能な診療科目

呼吸器内科/呼吸器外科/内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
アレベール吸入用溶解液0.125%【製薬メーカー:アルフレッサファーマ】0.125mg5.2円/mL(薬価)

厚生労働省による認可、または発売年月日

1958年6月発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

アレベール吸入用溶解液0.125%【製薬メーカー:アルフレッサファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

チロキサポールは吸入用呼吸器官用剤の溶解剤です。界面活性剤であり、一緒に混ぜる各種薬剤の溶解性を増加させます。さらに、エアゾル粒子の安定性を保持し、気管末梢への付着性を高めるので吸入療法の基剤として適しています。また、グリセリンを添加しているのでエアゾルの蒸発抑制作用を有し、ネブライザー療法を有効なものにすることが認められています。
チロキサポールは、1948年アメリカで発見されました。元々、エアゾル吸入剤として使用されていましたが、現在の日本では吸入剤の溶解剤という立ち位置になっています。
現在、有効性を検討したデータについて、添付文書に記載はありませんでした。しかし、1958年から発売され、現在に至るまで呼吸器疾患の患者に使われてきた薬剤であるため、医療現場での使用経験は豊富です。

動物を対象にした試験で、血圧、呼吸、心拍数への影響をみたデータがあります。
イヌにアレベール吸入用溶解液 0.125%をエアゾルとして1回5~10分間気管カニューレを通じ、10~15分間隔で繰返し投与しました。結果、アレベール吸入用溶解液を投与したとしても、血圧・呼吸及び心拍数には何も影響を与えないことが認められました。

また、ラットに高濃度(0.1~50%濃度)のチロキサポール溶液を 1日8時間、6日間連続で
吸入投与した実験を行いました。呼吸困難等の呼吸器系障害は認められず、肺の組織
所見に異常はありませんでした。さらに、気管や肺胞にも刺激反応、炎症性反応は認められませんでした。

使用方法

本剤1~5mLに呼吸器官用剤を使用するタイミングで混ぜ、噴霧吸入します。

副作用

主な副作用は軽度の嘔吐、上気道の刺激症状などです。
安全性を検討した臨床試験では、1174例中副作用が発現した件数は22件で、割合1.9%でした。

項目別の発現頻度は以下の通りです。
口腔喉頭・・軽度の嘔吐/上気道の刺激症状等(0.1~5%未満)
過敏症・・皮膚の発疹(0.1%未満)
その他・・気道反応(頻度不明)

最も多い副作用でも5%未満となっています。

気管支喘息患者の一部に、本剤中のグリセリンが気道反応を誘発することがあるので注意をしてください。
また、皮膚の発疹があらわれた際は、投与を中止し近くの医療機関を受診してください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■チロキサポールを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼チロキサポールの有効成分
チロキサポール

▼代表薬の添加物
炭酸水素ナトリウム、グリセリン

・以前、チロキサポールを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・人工呼吸器の呼吸回路呼気側にフィルター(バクテリアフィルター等)を装着し、超音波式ネブライザーを使用中の方は、本剤によりフィルターが目詰まりを起こし、患者が呼吸困難を起こすことがあるので使用できません。人工呼吸器は麻酔器に組み込まれたものも含みます。

上記にあてはまる方は、チロキサポールを使用する事が出来ない可能性があります。
チロキサポールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

チロキサポールに関する
よくある質問
薬剤を使用するときに注意をすることはありますか?

本剤には防腐剤を添加していないので、他の容器に分割して使用しないでください。やむをえず分割使用する場合は、異物混入や細菌汚染がないよう細心の注意をはらってください。また、使用開始後は冷蔵庫内に保存し、なるべく速やかに使用してください。なお、冷凍での保存は不可となっています

薬剤交付時の注意(患者等に留意すべき必須事項等)

【上記引用元:アレベール吸入用溶解液0.125%医薬品インタビューフォーム】

本剤と一緒に服用する薬剤を混ぜるタイミングはいつですか?

服用する前に混合してください。本剤は弱アルカリ性の水溶液であり、混合により他の呼吸器官用剤の成分に変化を起こすことがあるので、速やかに使用してください。なお、使用時に変色、や混濁を生じている場合には使用しないでください。

適用上の注意 ー配合変化ー

【上記引用元:アレベール吸入用溶解液0.125%医薬品インタビューフォーム】

本剤を溶解する以外の方法(例えば、注射や飲用)で服用してもよいですか?

本剤を溶解以外の方法(注射あるいは飲用)では服用しないでください。本剤の成分であるチロキサポールを静脈注射又は皮下注射したところ高コレステロール血症及び高トリグリセライド血症を惹起させる可能性があることが示されています。アレベール吸入用溶解液 0.125%の連続吸入による高脂質血症の発現は認められていないため、安全性の観点から溶解で服用してください。

安全性薬理試験

【上記引用元:アレベール吸入用溶解液0.125%医薬品インタビューフォーム】

参考元一覧

アレベール吸入用溶解液0.125%添付文書

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。