ジファミラスト

成分名

ジファミラスト

適応症状

アトピー性皮膚炎

簡易説明

ジファミラストはアトピー性皮膚炎に使用されるお薬になります。
今までアトピー性皮膚炎の治療として、ステロイド外用薬が中心となっていましたが
ジファミラストはステロイド剤ではなく、ホスホジエステラーゼ-4阻害薬に分類される
新しい外用薬「第4の塗り薬」となります。
発売も2022年と新しく、今後アトピー性皮膚炎の治療薬として選択肢が増えるようになりました。

処方可能な診療科目

皮膚科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~5,000円
薬代1本あたりの目安:0.3%1本約1420円/1%1本約1502円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

モイゼルト軟膏0.3%【2022年6月発売開始】
モイゼルト軟膏1%【2022年6月発売開始】

国内のジェネリック認可

ジェネリックなし

関連製品(先発薬)

モイゼルト軟膏0.3%【製薬メーカー:大塚製薬】
モイゼルト軟膏1%【製薬メーカー:大塚製薬】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

ジファミラストはアトピー性皮膚炎に使用されるお薬になります。
国内で30年の期間を経て研究開発がされ、2022年6月に発売が開始されました。日本初となるホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤の外用薬です。
アトピー性皮膚炎が起こってしまう原因は様々ですが体質や遺伝、ダニ、ホコリ、ストレスなどが要因で引き金となり皮膚に炎症が起きてしまいます。
幼少期に発症することが多く、大人になるにつれ症状は改善していきますが一部の方は大人になっても炎症が続くことがあります。
主な症状として湿疹と痒みがあり、皮膚を掻きすぎてしまうと皮がむけたり皮膚がごわついて硬くなってしまう場合があります。
またアトピー性皮膚炎は状態によって軽微・軽傷・中等症・重症の4段階に区別されそれぞれの状態によって治療法が異なってきます。
中心となっている治療方法は薬物療法になり、今まではステロイド外用薬を中心とした治療が代表的でした。
ステロイド外用薬は作用が強力なため炎症をすぐに抑えることがメリットですが、長期にわたって使用していると皮膚萎縮や毛細血管拡張などの
副作用が起きてしまう点がデメリットでした。

ジファミラストはこれまでのステロイド外用薬とは異なる作用機序でアトピー性皮膚炎に対して有効な安全性の高いお薬と言われています。
アトピー性皮膚炎は細胞内に存在している「サイクリックAMP(cAMP)」という物質が少なくなっています。
サイクリックAMPを分解している酵素が「ホスホジエステラーゼ(PDE)」という酵素になります。
このホスホジエステラーゼはPDE1~PDE11までの型がありますが、その中でホスホジエステラーゼ4(PDE4)という免疫細胞がアトピー性皮膚炎に
関連しています。
そのため、免疫細胞の活性化を抑制するためにはホスホジエステラーゼ4を阻害することが重要となってきます。
このジファミラストは選択的ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤となっているため、炎症反応を促進する働きを持つサイトカイン(タンパク質)などの
化学伝達物質の産生を抑制して炎症を抑えることができます。

使用方法

通常、成人には1%製剤を1日2回、適量を患部に塗布してください。
通常、小児には0.3%製剤を1日2回、適量を患部に塗布してください。
症状に応じて、1%製剤を1日2回、適量を患部に塗布してください。

※1%製剤で治療開始4週間以内に症状の改善が認められない場合は、使用を中止してください。
※症状が改善した場合には継続投与の必要性について検討し、漫然と長期にわたって使用しないでください。
※小児に1%製剤を使用し、症状が改善した場合は、0.3%製剤への変更を検討してください。
※万が一、目に入ってしまった場合はすぐに流水で洗い流すようにしてください。
※粘膜、潰瘍、明らかに局面を形成しているびらん等への塗布は避けるようにしてください。
※見た目で症状が完治しているように見えても、皮膚の下では炎症が残っている場合があります。
自分の判断で使用は中止せず使用期限についてはかかりつけの医師の指示に従うようにしてください。
※妊娠可能な女性は、ジファミラスト使用中止後2週間程度の避妊を行ってください。

副作用

主な副作用
色素沈着障害/毛包炎/そう痒症/膿痂疹/ざ瘡/接触皮膚炎など

ジファミラストには、副作用が起こる可能性があります。
ジファミラストを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

重大な副作用
現在重度の副作用の報告はありません。

重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ジファミラストを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(モイゼルト軟膏0.3%の場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼モイゼルト軟膏0.3%の添加物
・白色ワセリン
・流動パラフィン
・サラシミツロウ
・パラフィン
・炭酸プロピレン

・妊娠中の方など

使用に注意が必要な方
・授乳中の方
・小児の方
・皮膚感染症を伴っている方など

上記にあてはまる方は、ジファミラストを使用する事が出来ない可能性があります。
ジファミラストを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬の報告はありません。

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ジファミラストを塗り忘れてしまったときはどうすればいいでしょうか?

塗り忘れた場合は、気づいた時に1回分を塗ってください。
ただし、次に塗る時間が近い場合は忘れた分は塗らず、次の予定時間に1回分を塗ってください。
2回分を一度に塗らないようにして下さい。

ジファミラストを顔に塗っても大丈夫ですか?

顔への使用は可能です。
ただし粘膜、潰瘍、明らかに局面を形成しているびらん等への塗布は避けるようにしてください。

ジファミラストを長期使用したら副作用が強くでたりしますか?

ジファミラストはステロイド外用薬とは異なるので、長期使用しても副作用は少ないと
言われていますが個人差があるので心配な場合は医師や薬剤師の方に相談をするようにしてください。

他のお薬(飲み薬や塗り薬)との併用は可能ですか?

基本的に内服薬との併用についての制限はありません。
しかし、他の外用薬(塗り薬)との併用(重ね塗りなど)は保湿剤以外は現段階では
併用可能か否かのエビデンスは発表されていません。
現在、何か薬を服用している、外用薬を使用しているなどの場合はジファミラストを使用する前に
必ず医師や薬剤師の方へ申告をするようにしてください。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。