成分名 |
ツロブテロール塩酸塩 |
適応症状 |
喘息/呼吸困難など |
簡易説明 |
ツロブテロール塩酸塩を主成分としたホクナリンは1971年にマイランEPD合同会社によって合成されたβ2受容体刺激剤と呼ばれる気管支拡張剤です。ツロブテロール塩酸塩は同時にベラチンの製品名で田辺製薬も発売しています。※どちらも先発品です(1成分2ブランドとも呼ばれます)。
ホクナリン/ベラチンは1975年に臨床試験がスタートし、1981年に承認取得・発売となりました。また、両剤は1989年に最新の知見に基づく承認内容の再確認(再審査)の結果、承認内容の変更なしとする旨の結果を得ました。また両剤は1989年に急性気管支炎の効能効果を追加承認されました。
なお、ホクナリンには経皮吸収型テープ製剤の「ホクナリンテープ」がありますが、テープ剤の成分は塩酸基のないツロブテロールです。 |
処方可能な診療科目 |
内科/呼吸器内科など |
健康保険の適応 |
下記疾患の気道閉塞性障害にもとづく呼吸困難など諸症状の緩解
気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎、喘息性気管支炎、肺気腫、珪肺症、塵肺症 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:【成人】350円(後発品30日分)~710円(ベラチン30日分)
薬代1錠あたりの目安:【ホクナリン錠】1mg 11.20円/ドライシロップ0.1% 12.90円(1gあたり)、【ベラチン】1mg 11.80円/ドライシロップ 0.1% 13.20円
薬代後発品1錠の目安:錠1mg 5.90円/ドライシロップ0.1% 6.50円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1981年9月1日 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
ホクナリン(錠1mg、ドライシロップ0.1%小児用)【製薬メーカー:ヴィアトリス製薬株式会社】
ベラチン(錠1mg、ドライシロップ小児用0.1%)【製薬メーカー:ニプロESファーマ株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
ツロブテロール塩酸塩「オーハラ」(錠1mg、DS0.1%)【製薬メーカー:大原薬品工業株式会社】、ツロブテロール「トーワ」(錠1mg、DS小児用0.1%)【製薬メーカー:東和薬品株式会社】、ツロブテロール「タカタ」(DS小児用0.1%)【製薬メーカー:高田製薬株式会社】 |
海外での使用実績 |
外国では販売していません。
※ツロブテロール塩酸塩を主成分としたシロップ剤をAbbott社がドイツなどで販売しています(販売名:Brelomax Sirup)。(2017年10月改定 ベラチン インタビューフォームより) |
効果・作用 |
ホクナリン/ベラチンは交感神経アドレナリンβ2受容体(以下、β2受容体)刺激薬と呼ばれる気管支拡張剤です。気管支はβ2受容体にノルアドレナリンが働き、サイクリックAMPを増加させることで拡張しますが、ホクナリン/ベラチンはこのサイクリックAMPを増加させる働きがあり、この働きにより気管支拡張作用を発揮します。
この作用による治療効果は国内の各種臨床試験で確認されています。
(慢性気管支炎、肺気腫、珪肺症、塵肺症)
本疾患の患者57例を対象に、ホクナリン/ベラチンを1日1錠、2錠、無投薬の3群に分けて頓服効果、連用効果を確認しました(中等度以上改善を基準とした治療効果)。
・頓服効果:服用後、60分、120分の効果
1錠 17.7%、2錠 21.0% 無投薬 5.6%
・連用効果:服用後、1週間の効果
1錠 21.1%、2錠 36.8%、無投薬 5.6%
(気管支喘息)
本疾患の患者178例を対象に、ホクナリン/ベラチン(本剤群)、メタブロテレノール製剤(比較薬群)、無投薬の3群に分けて頓服効果、連用効果を確認しました(中等度異常改善を基準とした治療効果)
・頓服効果:服用後30分、60分の効果(無投薬なし)
本剤群 50.8%、比較薬群 38.3% 無投薬 10.2%
・連用効果:服用後1週間の効果
本剤群 26.9%、比較薬群 27.6%
(急性気管支炎)
中等度以上改善率 72.8%
(気管支喘息、急性気管支炎、喘息性気管支炎)
※小児を対象としたドライシロップの試験(中等度以上改善率)
気管支喘息 62.2%、急性気管支炎 61.8%、喘息性気管支炎 69.4% |
使用方法 |
・錠剤(成人)
1回1錠1日2回を飲みます。
・ドライシロップ(小児)
1回40mg/kgを1日2回、用時溶解して飲みます。
標準投与量
0.5歳~3歳未満:0.25~0.5g
3歳~9歳未満:0.5~1g
9歳~15歳:1~2g
※錠剤、ドライシロップ共、年齢、症状等により飲む量が変わることがあります。 |
副作用 |
主な副作用
副作用発現率
・錠剤 5.18%(603例/11,634例)
主な副作用:振戦 2.85%(332件)、心悸亢進 2.15%(250件)、めまい 0.28%(33件)、口喝 0.25%(29件)、嘔気・悪心 0.23%(27件)、胃不快感 0.22%(26件)、顔面紅潮 0.22%(26件)等
ドライシロップ 0.85%(101例/11,924例)
主な副作用:振戦 0.30%(36件)、心悸亢進 0.29%(35件)、嘔気・悪心 0.13%(16件)、めまい 0.08%(9件)、顔面紅潮 0.07%(8件)、下痢 0.06%(7件)等
重大な副作用
重篤な血清カリウム値の低下:キサンチン誘導体、ステロイド剤、利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意が必要です。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■ホクナリン/ベラチン及びツロブテロール塩酸塩を配合した医薬品の添加物にアレルギーをお持ちの方
下記、ホクナリン、ベラチン及び添加物にアレルギーをお持ちの方、ホクナリン、ベラチンはアレルギー反応を起こしていしまう為、服用できません。
▼ホクナリン/ベラチンの有効成分
ツロブテロール塩酸塩
▼ホクナリン/ベラチンの有効成分
(錠剤)
乳糖水和物、トウモロコシデンプン、アラビアゴム、ステアリン酸マグネシウム、カルメロースカルシウム
(ドライシロップ)
白糖
※(気管支喘息で使用する場合)気管支喘息治療の長期管理の基本は、抗炎症剤(吸入ステロイド剤等)であり、抗炎症剤により症状の改善が得られない場合や抗炎症剤との併用が適切と医師が判断した場合のみ、ホクナリン/ベリチンと抗炎症剤を併用して使用します。
使用に注意が必要な方 ・甲状腺機能亢進症の方:症状が増悪するおそれがあります。
・高血圧症の方:血圧が上昇することがあります。
・心疾患のある方:心悸亢進、不整脈等があらわれることがあります。
・糖尿病の方:糖代謝が亢進し、血中グルコースが増加するおそれがあります。
・低酸素血症の方:心リズムに及ぼす作用が増強することがあります。
・妊婦:使用症例数が少なく、安全性が確立していません。
・授乳婦:動物実験で乳汁への移行が報告されています。
・高齢者:一般に生理機能が低下しています。
上記にあてはまる方は、ツロブテロール塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ツロブテロール塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・カテコールアミン製剤:心不全、場合によっては心停止をおこすおそれがあります。
・キサンチン誘導体、ステロイド、利尿剤:低カリウム血症による不整脈をおこすおそれがあります。
上記を使用している方は、ツロブテロール塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ツロブテロール塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ツロブテロール塩酸塩に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
ホクナリン/ベラチン 【PMDA 医療用医薬品 情報検索】 |
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