成分名 |
アドレナリン |
適応症状 |
アドレナリンを有効成分として用いる医薬品は多々ありますがその中でも「ボスミン注1mg」について、その適応症を紹介致します。
適応症状としては以下6項目が該当しております。
1)百日咳または気管支喘息に基づく気管支痙攣の緩解
2)急性低血圧又はショック時の補助
3)局所麻酔薬を使用する際の作用延長
4)手術時における局所出血の予防及び治療
5)心停止した際における補助
6)虹彩毛様体炎時における虹彩癒着の防止に対し適応症状を持ちます。 |
簡易説明 |
アドレナリンを有効成分とする医薬品は現在9品目販売されております。うち、4品目が歯科用製剤における麻酔薬となります。今回紹介しますボスミンも注射剤と外用液の2種類の剤形が販売されておりますが、適応症状はどちらも同じになります。
アドレナリンは1901年に副腎髄質ホルモンとして単純結晶化され、臨床試験を重ね、交感神経の興奮薬として多岐にわたり使用されるようになりました。
今回ご紹介しますボスミン注1mgは、化学的に合成されたアドレナリンの1,000倍液になります。ボスミン注1mgは交感神経のα、β受容体に作用しその薬理作用を発揮します。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/皮膚科/耳鼻咽喉科/脳神経外科内科/泌尿器科/消化器内科外科/精神科/麻酔科/歯科口腔外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~5,000円
薬代1管あたりの目安:1管約100円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
「ボスミン注」は、1986年2月25日に旧販売名として製造販売が承認され、1950年9月1日に薬価基準に収載されました。
医療事故を防止する為の対策として、「ボスミン注」を「ボスミン注1mg」へと販売名を変更し、名称変更に伴い2009年6月26日に再度製造販売が承認され、2009年9月に新販売名として発売されました。 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ボスミン注1mg【製薬メーカー:第一三共株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
カナダではAnapen(商品名)が、フランスではAnapen(商品名)が、英国ではEpiPen(商品名)が、米国ではAdrenaclick(商品名)が販売されております。 |
効果・作用 |
アドレナリンを主成分とする製品の中で、ボスミン注1mgは1)百日咳または気管支喘息に基づく気管支痙攣の緩解、2)急性低血圧又はショック時の補助、3)局所麻酔薬を使用する際の作用延長、4)手術時における局所出血の予防及び治療、5)心停止した際における補助、6)虹彩毛様体炎時における虹彩癒着の防止にたいして効果のある医薬品になります。
その作用機序は、交感神経節後線維支配下の効果器細胞に直接作用する事により、心筋、平滑筋などに分布するα及びβ受容体と結合し、各種の効果を示します。
α受容体に関連した作用として、血管収縮、散瞳があり、β受容体に関連した作用として血管拡張、心機能亢進、気管支筋弛緩、腸管弛緩等があります。
1)循環器系に対する作用
心臓においては、 洞房結節の刺激発生のペースを速めて心拍数を増加させ、心筋の収縮力を強め、心拍出量を増大する為、強心作用をあらわします。また、血管に対しては、収縮作用と拡張作用の両方を現わし、心臓に対しては、冠動脈を拡張し、皮膚毛細血管を収縮させる事によって末梢抵抗を増加させ、血圧を上昇させます。
2)血管以外の平滑筋に対する作用
気管支筋に対して弛緩作用を現わし、気管支を拡張させて呼吸量を増加させます。また、虹彩筋に対する収縮作用により散瞳がみられます。
3)その他の作用
局所麻酔薬の作用を増強させることにより、効果を持続させます。 |
使用方法 |
1)気管支喘息及び百日咳に基づく気管支痙攣の緩解、急性低血圧またはショック時の補助治療、心停止した際における補助に使用する場合
アドレナリンとして、通常成人に使用する場合には、1回0.2~1mgを用いて、皮下または筋肉内注射します。なお、患者の年齢や症状により適宜増減する事が認められております。
蘇生などの緊急時に使用する場合には、アドレナリンとして通常成人に、1回0.25mgをこえない量を生理食塩液などで希釈し、出来るだけゆっくりと静注します。なお、必要があれば、5~15分ごとに繰り返します。
2)局所麻酔薬の作用延長に使用する場合
アドレナリンの0.1%溶液として、血管収縮薬未添加の局所麻酔薬10mLに1~2滴(アドレナリン濃度1:10~20万)の割合に添加して用います。なお、患者の年齢や症状によって適宜増減する事が認められております。
3)手術時の局所出血の予防と治療に使用する場合
アドレナリンの0.1%溶液として、単剤、または局所麻酔薬を用いて添加し、局所注入します。なお、患者の年齢や症状により適宜増減する事が認められております。
4)虹彩毛様体炎時における虹彩癒着の防止に使用する場合
アドレナリンの0.1%溶液として、点眼するかまたは結膜下に0.1mg以下を注射します。なお、患者の年齢や症状により適宜増減する事が認められております。 |
副作用 |
重大な副作用
1)肺水腫(頻度不明)
2)呼吸困難(頻度不明)
3)心停止(頻度不明)
その他の副作用
循環器、精神神経系、過敏症、消化器、その他の副作用が報告されております。
発生頻度は以下の通りです。
1)循環器
心悸亢進、胸内苦悶、顔面潮紅・蒼白、不整脈、血圧異常上昇(頻度不明)
2)精神神経系
眩暈、頭痛、不安、振戦(頻度不明)
3)過敏症
過敏症状等(頻度不明)
4)消化器
悪心・嘔吐(頻度不明)
5)その他
発汗、熱感、全身症状、結膜充血、結膜・眼瞼・目のまわり等の過敏症状、眼瞼・結膜の色素沈着、鼻涙管の色素沈着による閉鎖、角膜の色素沈着、黄斑部の浮腫、眼痛、微少出血、血管痙攣(頻度不明)
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)ブチロフェノン系・フェノチアジン系等の抗精神病薬、α遮断薬を投与中の患者(ただし、アナフィラキシーショックの救急治療時はこの限りではない)
2)イソプレナリン塩酸塩、ノルアドレナリン等のカテコールアミン製剤、アドレナリン作動薬を投与中の患者(但し、蘇生等の緊急時はこの限りではない)
3)前房や狭隅角が浅いなど眼圧上昇の素因のある患者
使用に注意が必要な方 1)合併症・既往歴等のある患者
①本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■アドレナリンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ボスミン注1mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、使用に注意が必要です。
▼ボスミン注1mgの有効成分
アドレナリン
▼代表薬の添加物
・クロロブタノール、亜硫酸水素ナトリウム、等張化剤、塩酸
②交感神経作動薬に対し過敏な反応を示す患者
③動脈硬化症の患者
④甲状腺機能亢進症の患者
⑤糖尿病の患者
⑥心室性頻拍等の重症不整脈のある患者
⑦精神神経症の患者
⑧コカイン中毒の患者
2)高血圧の患者
3)肺気腫のある患者
4)心疾患のある患者
5)脊椎麻酔を行う患者
6)全身性又は末梢性の血行に障害のある患者、又複数の指趾に対し同時投与を予定している患者
7)妊婦
8)授乳婦
9)小児等
10)高齢者
上記にあてはまる方は、アドレナリンを使用する事が出来ない可能性があります。 アドレナリンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)ハロゲン含有吸入麻酔薬(イソフルラン、セボフルラン、デスフルランハロタン)
2)モノアミン酸化酵素阻害薬
3)三環系抗うつ薬(イミプラミン、アミトリプチリン等)
4)セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(ミルナシプラン等)
5)その他の抗うつ薬(マプロチリン等)
6)メチルフェニデート
7)分娩促進薬(オキシトシン等)
8)麦角アルカロイド類(エルゴタミン等)
9)ジギタリス製剤
10)キニジン
11)甲状腺製剤(チロキシン等)
12)非選択性β遮断薬(プロプラノロール等)
13)血糖降下薬(インスリン等)
14)ブロモクリプチン
15)利尿剤
チアジド系利尿剤(ヒドロクロロチアジド、トリクロルメチアジド等)
チアジド系類似剤(インダパミド等)
ループ利尿剤(フロセミド等)
カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン)
上記を使用している方は、アドレナリンを使用する事が出来ない可能性があります。 アドレナリンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 1)抗精神病薬
ブチロフェノン系薬剤(セレネース、トロペロン等)
フェノチアジン系薬剤(ウインタミン等)
イミノジベンジル系薬剤(クレミン等)
ゾテピン(ロドピン)
セロトニン・ドパミン拮抗薬(リスパダール等)
ドパミン受容体部分作動薬(エビリファイ)
多元受容体標的化抗精神病薬(セロクエル等)
2)α遮断薬
3)カテコールアミン製剤
イソプレナリン塩酸塩(プロタノール等)
ノルアドレナリン(ノルアドレナリン)等
4)アドレナリン作動薬
エフェドリン(エフェドリン)
β刺激薬(ベネトリン等)
メチルエフェドリン(メチエフ等)等
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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参考元一覧 |
インタビューホーム 【第一三共株式会社】
日本薬局方 アドレナリン注射液ボスミン注1mg 【第一三共株式会社】 |
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