イブジラスト

成分名

イブジラスト

適応症状

気管支喘息、脳梗塞後遺症に伴う慢性脳循環障害によるめまいの改善、アレルギー性結膜炎

簡易説明

カプセル剤と点眼薬がある。
ロイコトリエン遊離抑制薬。
プロスタサイクリン(PGI2)の血管弛緩作用を増強して、脳局所血流量を増加させる。ホスホジエステラーゼ活性を阻害して、血小板凝集抑制作用を示す。また、ロイコトリエン遊離抑制作用及びロイコトリエン拮抗作用により気管支収縮抑制するともに、血管透過性の亢進を抑制する。

安全性として気管支喘息、脳血管障害の両方の領域において、総数14968症例にて507例の副作用及び臨床検査値異常が認められた。これは全症例の3.39%にあたる。その中でも多くの症状は食欲不振、嘔気だったが、いずれも1%にも満たなかった。

処方可能な診療科目

内科/呼吸器科/耳鼻科など

健康保険の適応

健康保険の適応あり

病院で処方してもらう時の費用目安

ケタスカプセル10mg 17.3円 (10mg1カプセル)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

ケタスカプセル10mg 販売開始 1989年5月
ケタス点眼液0.01% 販売開始 2000年4月

国内のジェネリック認可

-

関連製品(先発薬)

ケタスカプセル10mg(杏林製薬)

関連製品(ジェネリック)

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効果・作用

▼脳血管障害に対する作用
脳血流量増加/内頸動脈平均血流量改善:慢性脳循環不全症患者において、総頸動脈の平均血流量を増加させ、循環抵抗を低下させる/血小板活性化抑制/血小板凝集抑制/血管内皮保護/ホスホジエステラーゼ阻害/血管拡張/抗炎症/血栓形成阻止/神経保護
多数の脳循環代謝改善薬が1990年代に販売され、高齢者の脳機能改善薬として広範に使用されてきたが、1998年〜2001年にかけて行われた再評価試験にて有効性が証明されなかったため、承認が取り消された。現在使用している脳循環代謝改善薬には、脳血管障害後遺症、頭部外傷後遺症、中毒による脳症、脳炎後遺症などの脳循環障害の慢性期に用いられるほか、脳血管障害急性期の意識障害に適応があるものが含まれる。

脳血管障害後1ヶ月異常経過した慢性期に使用する。効果は穏やかであり、投与開始から効果発現まで4~8週間かかるため、慎重な経過観察が必要。ただし、12週使用して効果がみられない場合は使用を中止する。

▼気管支喘息に対する作用
気道過敏性の改善/抗原吸入誘発による気管支反応の抑制/好酸球及び気道平滑筋ホスホジエステラーゼ阻害/気道反応性亢進の抑制/ロイコトリエン・PAF拮抗/ロイコトリエン遊離抑制


アレルギー性結膜炎
アレルギーは、一般抗体の関与するⅠ〜Ⅲ型と、主にT細胞やマクロファージが関与するⅣ型アレルギー、及びⅤ型アレルギーの5つに分けられる。一般にアレルギー疾患というときにはIgE抗体の関与するⅠ型をいう。蕁麻疹や気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などが代表的疾患である。アレルギー疾患のうち、遺伝的素因の強いアレルギー性疾患をアトピーという。その病的症状の発現は、肥満細胞・好塩基球から遊離されたケミカルメディエーター(ヒスタミンやロイコトリエン)を介し、平滑筋収縮、血管透過性の亢進などをきたすことによる。

肥満細胞からのケミカルメディエーター遊離を阻害する作用がある。アレルゲン吸入前に用いると、Ⅰ型アレルギーは抑制されるため、予防的にも用いることができる。しかし、ケミカルメディエーター遊離抑制作用の効果発現までに2〜3週間ほどかかるとされているため、少なくとも4〜8週は規則正しく使用する必要がある。

IgEあるいはIgG関与のI型アレルギー反応の抑制作用/ケミカルメディエーター遊離抑制作用/好酸球及び好中球遊走抑制作用/好酸球及び好中球活性酸素産生抑制作用

使用方法

ケタスカプセル10mg
気管支喘息に対して使用する場合:成人に対して1日2回 1回1カプセルを内服する。
気管支喘息に対して使用する場合、気管支拡張剤やステロイド剤のようにすでに起こっている発作に対して効果を示す薬剤ではないことを理解しなければならない。
ステロイドを使用中の気管支喘息患者で、本剤を投与することによってステロイドの減量を試みる場合、気管支喘息の症状が変化する可能性もあるため、十分な管理下で行う。

脳血管障害に対して使用する場合:成人に対して1日3回 1回1カプセルを内服する。症状によっては適宜増減する。
脳梗塞後後遺症に対して使用する場合は、12週投与して効果がみられない時は漫然と使用継続せず、使用を中止する。

ケタス点眼液0.01%
1回1〜2滴 1日4回(朝、昼、夕、寝る前)点眼する。
保存剤である塩化ベンザルコニウムによる過敏症が報告されている。

副作用

主な副作用
・血小板減少が現れることがある
本剤による血小板減少が見られた際は投与を中止し、適切な処置を行う。

・肝機能障害・黄疸
肝臓の機能を示す指標であるASTやALTなどの検査値が上昇し、肝機能障害や黄疸などの症状が発現する可能性がある。本剤による肝機能異常などの症状が発現した場合は、本剤の投与を中止し、適切な処置を行う。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
▼頭蓋内出血後、止血が完成していないと思われる人
止血の完成を遅らせる可能性があるため。
▼本剤の成分で過敏症の既往がある人

使用に注意が必要な方
▼脳梗塞急性期の人
脳梗塞の症状が悪化する可能性がある。
▼肝機能障害のある人
▼高齢者の人
本剤は肝臓にて代謝されるため、高齢者では肝機能が低下しているおそれがあるため、注意が必要。
▼妊婦または妊娠の可能性がある人
▼小児

上記にあてはまる方は、イブジラストを使用する事が出来ない可能性があります。
イブジラストを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
点眼薬は開封してどれくらい保存できますか?

ケタス点眼液0.01%は室温保存(1~30°C)の薬ですので、直射日光を避けて暑くなりすぎないところで保存して下さい。
感染のリスクもあるため、開封後1ヶ月以上経過したものは使用しないで下さい。

カプセル剤の保存に注意事項はありますか?

基本的には点眼薬と同様で、直射日光を避けて室温で保存して下さい。有効成分であるイブジラストは、融点が54〜58°Cとなっています。夏場の車の中では50°C以上になると言われているため、そのような場所で保管すると有効成分であるイブジラストの安定性が損なわれる可能性があるため、注意が必要。冷蔵での保管も可能。

カプセルの中身を取り出して飲んでも大丈夫でしょうか?

本剤のカプセル内には、胃で溶ける顆粒と腸で溶ける顆粒の2種類が異なる割合で配合されています。安定性や徐放性の観点からカプセルから取り出さず使用してください。また、胃で溶ける顆粒と腸で溶ける顆粒が1カプセル中に異なる割合で入っていることから脱カプセルして分包することも不可能となっています。嚥下が困難な患者などで脱カプセルを検討する際は、他の薬剤への代替を考慮する必要があります。

現在他の点眼薬も使用していますが、一緒に使っても問題ないですか?

使っている点眼薬にもよりますが、基本的には問題ないと思います。点眼薬を投与する際の注意点として、点眼薬を投与する前にしっかり手指消毒を行なって下さい。眼の中に入る液量は限られているため、1滴で十分です。もし、入らなかったような感覚があれば追加しても大丈夫です。点眼薬の先端を眼や瞼につけないよう注意して下さい。他にも使用している点眼薬がある場合は、5〜10分間隔をあけて使用して下さい。

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