ウメクリジニウム臭化物

成分名

ウメクリジニウム臭化物

適応症状

慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解

簡易説明

ウメクリジニウム臭化物とは、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療などに使用される吸入薬の成分です。商品名としてはエンクラッセがあり、グラクソ・スミスクライン社から販売されています。

ウメクリジニウムは気管支平滑筋収を抑制します。この薬剤は、長時間作用型の抗コリン薬(LAMA)です。

ウメクリジニウムは、1日1回の投与で、24時間の気管支収縮抑制作用を提供します。ただし、この薬剤は急性の喘息発作には使用できず、緊急時には速効性の気管支拡張剤を使用する必要があります。また、副作用として、頭痛、口渇、吐き気、下痢、喉の痛みなどが報告されています。

処方可能な診療科目

呼吸器内科/内科/呼吸器一般外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~2,000円
薬代1錠あたりの目安:7吸入用1キット約12116.6 円/(薬価)
薬代後発薬1キットの目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2015年10月1日

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

エンクラッセ62.5㎍/7単位/30単位【製薬メーカー:グラクソ・スミスクライン株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

ウメクリジニウム臭化物は、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に用いられる長時間作用型の気管支拡張剤です。単独で含有された製剤について、以下は海外の承認データの一例です。

アメリカ合衆国:2014年にFDAによって承認され、商品名は"Incruse Ellipta"です。COPDの治療に用いられます。
ヨーロッパ連合:2014年に欧州委員会によって承認され、商品名は"Incruse"です。COPDの治療に用いられます。
カナダ:2014年にHealth Canadaによって承認され、商品名は"Incruse"です。COPDの治療に用いられます。
オーストラリア:2015年にTherapeutic Goods Administrationによって承認され、商品名は"Incruse Ellipta"です。COPDの治療に用いられます。

これらの承認データは、ウメクリジニウム臭化物単独含有製剤がCOPDの治療に有効であることを示しています。ただし、製剤名や承認年度など、国や地域によって異なることに注意してください。

効果・作用

ウメクリジニウム臭化物(商品名エンクラッセ)は、2015年10月に発売された長時間作用性吸入気管支拡張薬で、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩和に使用されます。これは、単剤の長時間作用性抗コリン薬(LAMA)の吸入薬としては、スピリーバ、シーブリ、エクリラに続く、4番目の成分です。LAMAはムスカリン受容体へのアセチルコリン結合を阻害することにより、気管支平滑筋の収縮を抑制、その結果気管支を拡張させます。

COPDは、長期間タバコの煙などの有害物質にさらされることで引き起こされる肺の炎症性疾患です。この病気では、コリン作動性神経から放出されるアセチルコリンが末梢気道を刺激し、気管支平滑筋が収縮するため、進行性の気流閉塞が起こります。主な症状には、労作時の息切れや慢性的な咳、痰があります。

治療の中心は、気管支拡張薬であり、患者の病状の重度に応じて段階的に使用されます。日本呼吸器学会の『COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第4版』(2013)では、中等症以上のCOPD患者には、LAMAと呼ばれる長時間作用性気管支拡張薬の定期的な使用が推奨されています。また、単剤での治療が不十分な場合や症状が重症な場合には、LABAとLAMAの併用や、LABAと吸入ステロイドの併用が推奨されています。

使用方法

通常、18歳以上にはエンクラッセ62.5μgエリプタ1吸入(ウメクリジニウムとして62.5μg)を1日1回吸入投与します。

副作用

主な副作用
副作用としては、重大な副作用としては心房細動(頻度不明)、その他は頻脈、咳嗽、口腔内乾燥、便秘(各0.5%以上)などが報告されています。また、重篤かつ即時型の過敏症であるアナフィラキシーなどの過敏症リスクを考慮して、必ず医師の指示に従い、適切な投与量・方法で使用するように注意してください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■閉塞隅角緑内障をお持ちの方
抗コリン作用により、眼圧が上昇し症状を悪化させるおそれがある為、服用できません。
■前立腺肥大等により排尿障害をお持ちの方
抗コリン作用により、尿閉を誘発するおそれがある為、服用できません。
■ウメクリジニウム臭化物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ウメクリジニウム臭化物はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼エンクラッセンの有効成分
ウメクリジニウム臭化物
▼代表薬の添加物
乳糖水和物/ステアリン酸マグネシウム
・妊婦の方、または妊娠している可能性のある女性には治療の有益性が危険性を上回る場合のみ投与してください。
・授乳中の方は、有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討すること。
・18歳未満の方は使用できません。
・有効成分ウメクリジニウム臭化物に対して、過敏症の既往歴がある方は使用できません。

上記にあてはまる方は、ウメクリジニウム臭化物を使用する事が出来ない可能性があります。
ウメクリジニウム臭化物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ウメクリジニウム臭化物に関する
よくある質問
カバーを誤って開けた場合、薬はどうなりますか?

カバーを開ける毎に、1回分の薬がセットされます。そのまま吸入せずにカバーを閉じると、薬は内部に格納されるので、その1回分を再び使用することはできません。次回カバーを開けたときは、新しい薬がセットされるので、一度に2回分を吸入することはありません。

エンクラッセ エリプタ薬の使い方

【上記引用元:グラクソ・スミスクライン株式会社】

吸入を忘れた場合は、どのようにすればよいですか?

通常通りに吸入できなかった場合は、気が付いた時点で、速やかに1回分を吸入してください。次の日からは、通常の時間帯に1日1回1吸入してください。吸入を忘れていた場合でも、1日1回を超えて吸入しない、一度に2回分を吸入しないよう、注意しましょう。

エンクラッセ エリプタ薬の使い方

【上記引用元:グラクソ・スミスクライン株式会社】

参考元一覧

エンクラッセエリプタ吸入用添付文章【グラクソ・スミスクライン株式会社】
エンクラッセエリプタ吸入用患者向薬品ガイド【グラクソ・スミスクライン株式会社】
エンクラッセエリプタ医薬品インタビューフォーム【グラクソ・スミスクライン株式会社】

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。