タクロリムス水和物

成分名

タクロリムス水和物

適応症状

臓器移植における拒絶反応 /移植片対宿主病 /重症筋無力症 /関節リウマチ/ループス腎炎/活動期潰瘍性大腸炎/多発性筋炎・皮膚筋炎/アトピー性皮膚炎

簡易説明

タクロリムス水和物は、免疫抑制剤のひとつです。
臓器移植または骨髄移植を行った患者の拒絶反応を抑制する医薬品です。
また、アトピー性皮膚炎に対する塗布剤、関節リウマチ治療薬としても効果が期待できます。

処方可能な診療科目

内科/皮膚科/整形外科/眼科/整形外科/消化器内科/呼吸器内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1000円~5000円程度
新薬の目安:点眼液9799.1円(瓶) 軟膏0.003%0.1%51.5~129.8円
カプセル0.5mg1mg5mg371.3~2526円 顆粒0.2mg1mg179.3~6868円
注射液2mg5mg2365~4770円(薬価)
後発薬の目安:軟膏0.1%55円
カプセル0.5mg1mg5mg172~1771.2円 
錠剤0.5mg1mg5mg172~1771.2円(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1999年11月発売開始【プロトピック軟膏0.1%】

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

プロトピック軟膏0.1%「マルホ」/プロトピック軟膏0.03%小児用「マルホ」/プロトピック軟膏0.1%「アステラス製薬」/グラセプターカプセル0.5mg「アステラス製薬」/グラセプターカプセル1mg「アステラス製薬」/グラセプターカプセル5mg「アステラス製薬」/プログラフカプセル0.5mg「アステラス製薬」/プログラフカプセル1mg「アステラス製薬」/プログラフカプセル5mg「アステラス製薬」/プログラフ顆粒0.2mg「アステラス製薬」/プログラフ顆粒1mg「アステラス製薬」/プログラフ注射液2mg「アステラス製薬」/プログラフ注射液5mg/タリムス点眼液0.1%「千寿製薬」

関連製品(ジェネリック)

タクロリムス軟膏0.1%「ニプロ」/タクロリムス軟膏0.1%「高田製薬」/タクロリムス軟膏0.1%「ポーラファルマ」タクロリムス軟膏0.1%「岩城製薬」/タクロリムスカプセル0.5mg「ファイザー」/タクロリムスカプセル1mg「ファイザー」/タクロリムスカプセル5mg「ファイザー」/タクロリムス錠5mg「東和薬品」/タクロリムス錠0.5mg「日医工」/タクロリムス錠1mg「日医工」/タクロリムスカプセル0.5mg「ニプロ」/タクロリムスカプセル1mg「ニプロ」/タクロリムスカプセル5mg「ニプロ」/タクロリムスカプセル0.5mg「サンド」/タクロリムスカプセル1mg「サンド」/タクロリムスカプセル5mg「サンド」/タクロリムスカプセル0.5mg「日本ジェネリック」/タクロリムスカプセル1mg「日本ジェネリック」/タクロリムスカプセル5mg「日本ジェネリック」/タクロリムス錠5mg「あゆみ製薬」/タクロリムス錠0.5mg「東和薬品」/タクロリムス錠1mg「東和薬品」/タクロリムス錠1.5mg「東和薬品」/タクロリムス錠2mg「東和薬品」/タクロリムス錠3mg「東和薬品」/タクロリムス錠0.5mg「あゆみ製薬」/タクロリムス錠1mg「あゆみ製薬」/タクロリムス錠1.5mg「あゆみ製薬」/タクロリムス錠2mg「あゆみ製薬」/タクロリムス錠3mg「あゆみ製薬」

効果・作用

タクロリムス水和物は、藤沢薬品工業(現アステラス製薬)により開発された免疫調整剤の一種です。
日本では、1993 年に肝移植における拒絶反応の抑制に使用され、以降腎臓・心臓・肺・膵臓などの臓器移植後の拒絶反応の抑制に使用されてきました。
最近では、関節リウマチ・重症筋無力症・ループス腎炎などの自己免疫性疾患の治療薬としても使用されています。
ヘルパーT細胞においてFK506結合タンパク質と複合体を形成してカルシニューリンの活性化を阻害し、細胞内情報伝達系を抑制してインターロイキン-2などのサイトカインの産生を抑えます。
軟膏もあり、アトピー性皮膚炎の治療にも使用されています。

使用方法

【軟膏の場合】
成人には1日1~2回、適量を患部に塗布してください。(1回あたりの塗布量は5gまで)
小児用 1日1~2回、適量を患部に塗布してください。(1回あたりの塗布量は5gまでとするが、年齢により適宜減量します。)

【カプセルの場合】
成人1日0.10~20mgを1回服用してください。
なお、症状により適宜増減します。

【顆粒の場合】
成人1日0.03~0.15mgを2回服用してください。
なお、症状により適宜増減します。

【注射の場合】
1回体重1kgあたり0.05~0.10mgを生理食塩液又はブドウ糖注射液で希釈して24時間かけて点滴静注する。
内服可能となった後はできるだけ速やかに経口投与に切り換えてください。
なお、症状により適宜増減します。

【点眼液の場合】
よく振り混ぜ、通常、1回1滴を1日2回点眼してください。

副作用

【主な副作用】
【軟膏】
熱感(灼熱感、ほてり感等)/疼痛(ヒリヒリ感、しみる等)/そう痒感/細菌性感染症(毛嚢炎、伝染性膿痂疹等)/ウイルス性感染症(単純疱疹、カポジ水痘様発疹症等)/真菌性感染症(白癬等)/ざ瘡/ざ瘡様皮疹/丘疹/皮膚乾燥/接触性皮膚炎/紅斑/酒さ様皮膚炎/適用部位浮腫/皮膚以外の感染症(上気道炎、リンパ節炎等)/頭痛/頭重感
【その他】
腎障害(BUN上昇、クレアチニン上昇、クレアチニンクリアランス低下、尿蛋白)/尿量減少/血尿/多尿/頻尿/残尿感/高カリウム血症/高尿酸血症/低マグネシウム血症/CK(CPK)上昇/アシドーシス/高コレステロール血症/高リン酸血症/低リン酸血症/高クロール血症/高カルシウム血症/低カルシウム血症/低蛋白血症/低ナトリウム血症/低カリウム血症/高トリグリセリド血症/尿糖/血圧上昇/浮腫/頻脈/動悸/心電図異常/血圧低下/徐脈/振戦/運動失調/幻覚/しびれ/不眠/失見当識/せん妄/不安/頭痛/感覚異常/めまい/眼振/外転神経麻痺/四肢硬直/傾眠/意識混濁/うつ病/興奮/胸やけ/消化管出血/腸管運動障害/食欲不振/下痢/腹痛/胃潰瘍/十二指腸潰瘍/大腸炎/口内炎/悪心/嘔吐/腹部膨満感/下血/アミラーゼ上昇/肝機能異常/好中球減少/貧血/血小板増多/血小板減少/白血球増多/白血球減少/リンパ球減少/発疹/紅斑/そう痒/脱毛/疼痛/発赤/眼痛/多汗/口渇/冷感/胸痛/胸水/腹水/喘息/発熱/全身倦怠感/体重減少/ほてり/月経過多/咽喉頭異和感/筋肉痛/関節痛/味覚異常

【重大な副作用】
【軟膏】
現在調査中です。

【その他】
急性腎障害/ネフローゼ症候群/心不全/不整脈/心筋梗塞/狭心症/心膜液貯留/心筋障害/可逆性後白質脳症症候群/高血圧性脳症等の中枢神経系障害/脳血管障害/血栓性微小血管障害/汎血球減少症/血小板減少性紫斑病/無顆粒球症/溶血性貧血/赤芽球癆/イレウス/皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)/呼吸困難/間質性肺炎/感染症/進行性多巣性白質脳症(PML)/BKウイルス腎症/リンパ腫等の悪性腫瘍/膵炎/糖尿病/高血糖/肝機能障害/黄疸

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

【使用に注意が必要な方】
▼軟膏
・腎障害、高カリウム血症のある方
・高度の肝障害のある方
・全身に皮疹を認める紅皮症のある方
▼その他
・肝障害のある方
・腎障害のある方
・高齢者の方
・感染症のある方
・関節リウマチに間質性肺炎を合併している方

【使用が出来ない方】
▼軟膏
・潰瘍、明らかに局面を形成しているただれへの使用
・高度の腎障害、高度の高カリウム血症のある方
・魚鱗癬様紅皮症を呈する疾患がある方
・小児等
・PUVA療法等の紫外線療法を実施中の方
▼その他
・シクロスポリン又はボセンタン投与中の方
・カリウム保持性利尿剤投与中の方

上記にあてはまる方は、タクロリムス水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
タクロリムス水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

【併用禁忌薬】
▼軟膏
本剤使用中にPUVA療法等の紫外線療法を行わないでください。

▼その他
生ワクチン/シクロスポリン/ボセンタン/カリウム保持性利尿剤
【併用注意薬】
▼軟膏
現在調査中です。
▼その他
抗生物質/アゾール系抗真菌剤/カルシウム拮抗剤/HIVプロテアーゼ阻害剤/ブロモクリプチン/ダナゾール/エチニルエストラジオール/オメプラゾール/ランソプラゾール/トフィソパム/アミオダロン/テラプレビル/グラゾプレビル/レテルモビル/オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル/抗てんかん剤/抗生物質/腎毒性のある薬剤/不活化ワクチン/免疫抑制作用を有する薬剤/エプレレノン  など
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
グレープフルーツとの相性が悪いですか?

免疫抑制剤は、グレープフルーツジュースを飲むと効果が強く出たり、副作用が現れやすくなるおそれのあることが知られています。この作用はグレープフルーツジュースを飲んだ日だけではなく、数日続く場合もあるとに報告がありますので注意が必要です。

アトピーの症状でプロトピック軟膏0.1%を塗っているのですが、塗った箇所が熱を持ちます。この症状が出た場合は、使うのをやめた方が良いのでしょうか?

この薬の特性ですが、副作用でもあります。プロトピック軟膏0.1%を初めて使用される方の多くが熱を持ったり、刺激を感じたりといった症状があると思います。少しずつ緩和してくると思います。 とても我慢できる状況でない場合は、医師又は薬剤師に相談してください。

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