成分名 |
スプラタストトシル酸塩 |
適応症状 |
気管支喘息/アトピー性皮膚炎/アレルギー性鼻炎 |
簡易説明 |
スプラタストトシル酸塩はTh2サイトカイン阻害薬の一種です。この薬が効く仕組みは、免疫細胞からアレルギー反応を引き起こす因子となる物質の生成を抑えることで、アレルギー症状を抑える薬です。その物質の1つがサイトカインであり、スプラタストトシル酸塩はサイトカインの生成を抑えるヘルパーT細胞の働きを助けます。
薬はカプセルとドライシロップがあり、カプセルのに関しては後発医薬品(ジェネリック)も発売されています。
薬の名前はアイピーディカプセル(先発品)、アイピーディドライシロップ(先発品)、スプラタストトシル酸塩カプセル(後発品)として販売されています。 |
処方可能な診療科目 |
耳鼻咽喉科/小児科/皮膚科/呼吸器内科/アレルギー科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
3割負担額
初診料846円+処方料150円++薬局での費用(調剤技術料+薬学管理料+医療材料料)1,000円+薬剤料約1,800円=約3,800円
※実際とは異なる場合があります。目安としてください。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
アイピーディカプセル100 1995年4月発売
アイピーディカプセル50 1995年6月発売
アイピーディドライシロップ5% 2001年9月発売 |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリックあり |
関連製品(先発薬) |
アイピーディカプセル100(大鵬薬品)
アイピーディカプセル50(大鵬薬品)
アイピーディドライシロップ5%(大鵬薬品) |
関連製品(ジェネリック) |
●カプセル剤100mg
スプラタストトシル酸塩カプセル100mg「サワイ」(沢井製薬)
スプラタストトシル酸塩カプセル100mg「トーワ」(東和薬品)
スプラタストトシル酸塩カプセル100mg「JG」(日本ジェネリック)
●カプセル剤50mg
スプラタストトシル酸塩カプセル50mg「サワイ」(沢井製薬)
スプラタストトシル酸塩カプセル50mg「トーワ」(東和薬品)
スプラタストトシル酸塩カプセル50mg「JG」(日本ジェネリック)
(ドライシロップに関しては後発医薬品(ジェネリック)は販売されていません。) |
効果・作用 |
スプラタストトシル酸塩はTh2サイトカイン阻害薬の一種です。この薬が効く仕組みは、免疫細胞からアレルギー反応を引き起こす因子となる物質の生成を抑えることで、アレルギー症状を抑える薬です。その物質の1つがサイトカインであり、スプラタストトシル酸塩はサイトカインの生成を抑えるヘルパーT細胞の働きを助けます。
アレルギー反応は原因物質が粘膜や皮膚に触れるなどの原因で、体内の免疫細胞からサイトカインや免疫グロブリンなどの、アレルギー症状を引き起こす原因因子となる物質が放出されることで起こります。免疫反応の中心的な役割を果たすのがリンパ球です。またそのリンパ球の中にヘルパーT細胞があります。ヘルパーT細胞はアレルギー反応を起こしやすくするインターロイキン(IL)4,5の産生に関わります。そして免疫グロブリンであるIgE抗体も生成されアレルギー症状が起こります。
作用の順番は、アレルギーの原因物質→ヘルパーT細胞→インターロイキン4・インターロイキン5→IgE抗体となります。それぞれの物質の役割を下記にまとめておきます。
・ヘルパーT細胞:ヘルパーT細胞はアレルギーの原因となる物質を見つけ出し、その原因物質を体の外に排除するためにインターロイキンなどを生成して、アレルギー症状を起こす引き金となる物質です。
・インターロイキン4:この物質はヘルパーT細胞によって産生され、アレルギーの原因となる物質の体内への侵入を全身に伝えます。またアレルギー症状の原因でもある免疫グロブリンE(IgE)を作り出し、アレルギー症状を引き起こします。
・インターロイキン5:この物質は好酸球を増加させる役割があります。重症の喘息患者さんの約半数は好酸球の値が高い傾向があります。
・免疫グロブリンE(IgE):この物質はインターロイキン4の項目に記載した通り、アレルギー症状を引き起こす物質です。
スプラタストトシル酸塩はこれら4つの物質の働きを抑えることで、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎の症状を緩和します。 |
使用方法 |
服用に関しては薬局から発行された薬の説明の紙など、この項目の下の方に書いてあることをよく確認して、医師、薬剤師の指示の通りに服用してください。
●用法
・スプラタストトシル酸塩カプセル・アイピーディカプセル
成人の方は1回100mgを1日3回、毎食後服用してください。
高齢者の方などは医師、薬剤師から減量して服用することが指示されている可能性もあるので、処方箋などをよくご確認の上服用してください。
・アイピーディドライシロップ5%
小児に対して、1回3mg/kgを1日2回朝食後および夕食後に水などに溶かして投与してください。また水に溶かす場合は、その時必要な分のみ溶かすようにしてください。数回分をまとめて溶かして保存しておくなどのことはしないでください。
また、1日の投与量がドライシロップとして6.0g(スプラタストトシル酸塩として300mg)を超えないようにしてください。
年齢別の標準投与量は以下の通りです。
3歳以上5歳未満→ドライシロップとして0.75g(スプラタストトシル酸塩として37.5mg)
5歳以上11歳未満→ドライシロップとして1.5g(スプラタストトシル酸塩として75mg)
11歳以上→ドライシロップとして2.0g(スプラタストトシル酸塩として100mg)
≪使用に関する注意≫
・この薬は喘息の悪化時だけでなく、喘息が良好にコントロールされているときも服用を継続する必要があります。自己判断での服用の中止はやめてください。
・この薬は気管支拡張剤、ステロイド剤、抗ヒスタミン剤とは異なり、すでに起こっている発作を抑える薬ではありません。気管支喘息の患者の方で、発作が起こった場合は気管支拡張剤やステロイド剤を服用する必要があります。
・長期にわたってステロイド療法を受けられていた方で、スプラタストトシル酸塩の薬を飲むことで、ステロイドの量を減らす場合は、十分な管理下で徐々に行ってください。
・この薬を服用するにあたってステロイド維持量を減らした方は、この薬の服用を中止した際に原疾患が再発する可能性があるので注意してください。
・この薬を飲んでいても効果が表れない場合は、長期にわたって服用せずに、医師、薬剤師にご相談ください。
・この薬を季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)に対して服用するときは、原因物質(スギ花粉など)の飛散シーズン直前からシーズン終了まで飲み続けてください。
・アレルギーの検査を受ける際は、スプラタストトシル酸塩が検査結果に影響する恐れがありますので、医師にご相談の上、一時的な投与中止を検討してください。 |
副作用 |
重大な副作用
・肝機能障害(初期症状:全身倦怠感・食欲不振・発熱・吐き気など)
・ネフローゼ症候群(症状:尿の泡立ち・むくみ・体重増加など)
その他の副作用
(頻度は多くても5%未満ほどです。)
・消化器
胃部不快感・吐き気・腹痛・下痢・口渇・口内炎・食欲不振・嘔吐・腹部膨満感・舌の荒れ
・精神神経系
眠気・頭痛・痙攣・めまい・しびれ
・血液
好酸球増多・白血球減少
・肝臓
肝臓機能低下
・泌尿器
蛋白尿・頻尿
・その他
生理不順・倦怠感・脱力感・浮腫・耳鳴・眼瞼乾燥感・発熱・ほてり・鼻出血・味覚異常・口臭・動悸・咳・胸部圧迫感
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・肝機能障害患者の方
肝障害が悪化する可能性があります。
・低体重出生児・新生児の方
低体重出生児・新生児に対する臨床試験は実施しておりません。
使用に注意が必要な方 ・長期ステロイド療法を受けられている方
ステロイドの減量を行うときには十分な管理下で徐々に行ってください。
・妊婦の方
治療の利益が危険性を上回ると判断された場合のみ服用してください。
・授乳中の方
治療上の利益と母乳への影響を考慮して、授乳の継続、中止を判断してください。ラットによる実験で母乳中にスプラタストトシル酸塩の成分が移行することが確認されています。
・高齢者の方
一般に、生理機能が低下していることが多いので薬局から指示された服用量を厳守してください。
上記にあてはまる方は、スプラタストトシル酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 スプラタストトシル酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
報告なし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
|
サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |