成分名 |
ブデソニド |
適応症状 |
・気管支喘息
(シムビコートタービュヘイラーの場合)
・慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解
(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合) |
簡易説明 |
この吸入薬の主成分:ブデソニドは、ステロイドの一種です。
ステロイドには強い抗炎症作用があります。
気道の炎症がおさまると、過敏性が低下し発作が起こりにくくなります。
普段からステロイド吸入薬により気道の炎症を抑えておくことが、発作を予防する意味で非常に重要となります。
喘息は「気道の慢性炎症にもとづく病気」と考えられています。
気管や気管支が炎症して過敏になり、少しの刺激でけいれん収縮し気道が狭くなります
そして、ゼーゼーやヒューヒューといった呼吸から苦しくなります。 |
処方可能な診療科目 |
呼吸器内科、アレルギー科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約1000円~3000円程度
【薬価】
新薬 薬価:
新薬吸入液1管の目安:0.25mg 145.4円、0.5mg 196.8円
新薬(パルミコート)吸入剤1瓶の目安:100μg 112吸入1166.8円、ト200μg56吸入1166.8円、200μg112吸入 1471.2円
新薬(シムビコート)吸入剤1キットの目安:30吸入 1,945.6円、60吸入 3,596.1円
後発品 薬価:
後発品吸入液1瓶の目安:0.25mg 60.6円、0.5mg 84.4円
後発品吸入粉末剤11キットの目安:30吸入 969.40円、60吸入 1,758.4円
病院によって差が有り。薬代の他に初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
販売開始年月
・パルミコート吸入液0.25mg/パルミコート吸入液0.5mg 発売年月日:2006年9月
・パルミコート100μgタービュヘイラー112吸入/パルミコート200μgタービュヘイラー56吸入/パルミコート200μgタービュヘイラー112吸 販売開始年月:2002年1月
・シムビコートタービュヘイラー30吸入/シムビコートタービュヘイラー60吸入 販売開始年月:2010年 1月 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
・パルミコート吸入液0.25mg、パルミコート吸入液0.5mg(アストラゼネカ)
・パルミコート100μgタービュヘイラー112吸入(アストラゼネカ)
・パルミコート200μgタービュヘイラー56吸入(アストラゼネカ)
・パルミコート200μgタービュヘイラー112吸入(アストラゼネカ)
・シムビコートタービュヘイラー30吸入(アストラゼネカ)
・シムビコートタービュヘイラー60吸入(アストラゼネカ) |
関連製品(ジェネリック) |
・ブデソニド吸入液0.25mg(武田テバ)
・ブデソニド吸入液0.5mg(武田テバ) |
効果・作用 |
ブデソニドはステロイドの一種です。
ステロイドには強い抗炎症作用があり、気道の炎症が抑えることで、過敏性が低下し発作が起こりにくくなります。
普段からステロイド吸入薬の投与を行い、気道の炎症をしずめておくことが、発作を予防する意味でとても重要になってきます。
ステロイド吸入薬には組織の反応性を低下させる作用があります。
気道における抗炎症作用は、炎症起因物質のサイトカイン、マスト細胞、好酸球などを減少させることによります。
そのほか、血管透過性抑制作用や粘液分泌抑制作用もあります。
ステロイド吸入療法は、喘息治療に第一選択されます。
ブデソニドは局所作用型で、従来品のベクロメタゾンのおよそ2倍の抗炎症作用をあらわし、全身性の副作用がでにくいのが特徴です。
ドライパウダー吸入式のパルミコートタービュヘイラーと、水性懸濁液のパルミコート吸入液の2種類の製剤があります。
パルミコートタービュヘイラーは、携帯可能な吸入器で、中のパルミコート吸入液は、アンプル入り(注射剤を入れる密封容器)の液剤でネブライザーを用いて吸入します。
タービュヘイラーの採用により薬剤肺到達率が向上したことで、従来の加圧式定量噴霧吸入器の2倍以上の到達率が確認できています。
100回分、200回分の薬剤が充填されているので、薬剤の詰め替えなどの手間がありません。
パルミコート吸入液は、1回使用量がポリエチレン製アンプルに充填されており、これを電動式ネブライザーに注入して吸入します。
自然な呼吸で薬剤の吸入ができるので、吸気力の弱い乳幼児にとても有用的な製剤になっています。 |
使用方法 |
・パルミコート吸入液
通常、成人にはブデソニドとして0.5mgを1日2回または1mgを1日1回、ネブライザーを用いて吸入投与してください。
なお、症状により適宜増減するが、1日の最高量は2mgまでとなります。
通常、小児にはブデソニドとして0.25mgを1日2回または0.5mgを1日1回、ネブライザーを用いて吸入投与してください。
なお、症状により適宜増減するが、1日の最高量は1mgまでとなります。
・パルミコート タービュヘイラー
(成人)
通常、成人は、ブデソニドとして1回100~400μgを1日2回吸入します。
なお、症状に応じて増減するが、1日の最高量は1600μgまでとしてください。
(パルミコート100タービュヘイラー:1回吸入量100μg、パルミコート200タービュヘイラー:1回吸入量200μg)
(小児)
通常、小児は、ブデソニドとして1回100~200μgを1日2回吸入します。
なお、症状に応じて増減するが、1日の最高量は800μgまでとしてください。
良好に症状がコントロールされている場合は100μg1日1回まで減量できます。
※症状の緩解がみられた場合は、必ず治療上必要最小限の用量で投与してください。
・シムビコートタービュヘイラー
通常、成人には、維持療法として 1 回 1 吸入(ブデソニドとして160μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として4.5μg)を1日2 回吸入投与します。
なお、症状に応じて増減しますが、維持療法としての 1 日の最高量は1回4吸入1日2回(合計8吸入:ブデソニドとして1280μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として36μg)までとします。
維持療法として1回1吸入あるいは2吸入を1日2回投与している方は、発作発現時に本剤の頓用吸入を追加で行うことができます。
本剤を維持療法に加えて頓用吸入する場合は、発作発現時に1吸入します。
数分経過しても発作が持続する場合には、さらに追加で1吸入します。
必要に応じてこれを繰り返しますが、1回の発作発現につき、最大6吸入までとしてください。
維持療法と頓用吸入を合計した本剤の1日の最高量は、通常8吸入までとしますが、一時的に1日合計12吸入(ブデソニドとして1920μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として54μg)まで増量可能です。
※適用上の注意
・吸入前
ブデソニドは、ネブライザーを用いて吸入する薬剤です。
その使用法、吸入法を十分に説明してください。
泡立てない程度に揺り動かして粒子をよく再懸濁させて使用してください。
吸入時には新しいアンプルを必ず使用し、既に開管したアンプルの残液は絶対に使用しないでください。
・吸入後
口腔カンジダ症又は嗄声の予防のため、本剤吸入後に、うがい、または口腔内をよくすすぎます。
うがい、口腔内のすすぎが困難な方に限り、水分を取らせてください。
フェイスマスクを使用する場合には、口のまわりに薬剤が付着して残ってしまう場合があるので水で顔を洗ってください。
ネブライザー内の残液は使用しないでください。
上記にあてはまる方は、ブデソニドを使用する事が出来ない可能性があります。
ブデソニドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
※重要な基本的注意
ブデソニドは、全身性ステロイド剤並びに気管支拡張剤のように、既に起きている発作を速やかに軽減する薬剤ではありません。毎日規則正しく使用してください。
なお、通常ブデソニドの効果は投与開始から2~8日で認められ、最大効果は4~6週間の継続投与で得られます。
ブデソニドの投与開始前には、患者様の喘息症状を比較的安定な状態にしておくことが重要です。
特に、喘息発作重積状態または、喘息の急激な悪化状態のときには原則としてブデソニドは使用しないでください。
気管支粘液の分泌が著しい患者には、ブデソニドの肺内での作用を確実にするため、ブデソニドの吸入に先立って、分泌がある程度減少するまでの間、他剤を使用することが望ましいとされています。
ブデソニドの投与期間中に発現する急性の発作に対しては、短時間作用性気管支拡張剤等の他の適切な薬剤を使用するよう患者様に注意を促してください。
また、その薬剤の使用量が増加したり、効果が十分でなくなってきた場合には、喘息の管理が十分でないことが考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し治療を求めるように患者様に注意を促すと共に、そのような状態がみられた場合には、生命を脅かす可能性があるので、ブデソニドの増量や気管支拡張剤・全身性ステロイド剤を短期間併用し、症状の軽減に合わせて併用薬剤を徐々に減量してください。
喘息患者の方において、感染を伴う喘息症状の増悪がみられた場合には、ステロイド療法の強化と感染症の治療を考慮してください。
ブデソニドの投与を突然中止すると喘息の急激な悪化を起こすことがあるので、投与を中止する場合には患者の喘息症状を観察しながら徐々に減量してください。
全身性ステロイド剤と比較して可能性は低いですが、ブデソニドの高用量を長期間投与する場合には、副腎皮質機能低下等の全身作用が発現する可能性があるので、定期的に検査を行うことが望ましいです。
また、異常が認められた場合は、患者様の喘息症状を観察しながら徐々に適切な減量するなどの処置を行ってください。
全身性ステロイド剤の減量はブデソニド吸入開始後症状の安定をみて徐々に行ってください。
減量にあたっては一般のステロイド剤の減量法に準じます。
長期または大量の全身性ステロイド療法を受けている方では、副腎皮質機能不全が考えられるので、全身性ステロイド剤の減量中、離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払ってください。
必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行うなど症状の観察をお願いします。
ブデソニドを含む吸入ステロイド剤投与後に、潜在していた基礎疾患である好酸球性多発血管炎性肉芽腫症にみられる好酸球増多症がまれにあらわれることがあります。
この症状は通常、全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って発現しており、ブデソニドとの直接的な因果関係は未だ確立されていません。
ブデソニドの投与期間中は、好酸球数の推移や、他の好酸球性多発血管炎性肉芽腫症症状(しびれ、発熱、関節痛、肺の浸潤等の血管炎症状等)に注意してください。
また上記に伴い、鼻炎、湿疹、蕁麻疹、眩暈、動悸、倦怠感、顔のほてり、結膜炎等の症状が発現・増悪することもあるので、症状があらわれた場合には適切な処置を直ちに行ってください。。
全身性ステロイド剤と比較し可能性は低いですが、吸入ステロイド剤の投与により小児の成長遅延をきたすおそれがあります。
ブデソニドを小児に長期にわたり投与する場合には、身長等の経過の観察を十分に行ってください。
【用法用量に関連する使用上の注意】
症状の緩解がみられた場合は、治療上必要最小限の用量を投与するようお願いします。
本剤を吸入する際には、ジェット式ネブライザーを使用してください。
なお、ネブライザーは機種により使用法・性能が異なるため、患者様に対し、使用法をよく指導し、習熟させてください。
必要に応じて、患者様の保護者やそれに代わり得る適切な方にもその使用法を合わせて指導し、習熟させてください。 |
副作用 |
主な副作用
過敏症:発疹、蕁麻疹、接触性皮膚炎、血管浮腫等の過敏症状
口腔・呼吸器:鼻出血、味覚異常、気管支痙攣、口腔カンジダ症、咽喉頭症状(刺激感、疼痛)、感染、咳嗽、嗄声、
消化器:悪心
精神神経系:不眠、落ち着きのなさ、うつ病、行動障害、神経過敏
その他の副作用
皮膚挫傷
声がかれたり、稀に口内炎や口腔内カンジダができることがあります。
もし、口に白いものができたら、医師に伝えましょう。
これらは、吸入後にうがいや口すすぎをすることで、たいてい予防できます。
局所に作用するので、経口型のステロイドでみられる重い副作用はまずありませんが、長期大量使用時は、副腎皮質機能抑制、子供の成長遅延、骨粗鬆症、白内障、緑内障など全身性の副作用がないとも言えません。
念のため、それらの検査を定期的に受けることでより安心して投与することができます。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・過敏症
・深在性真菌症
・接触性皮膚炎
・有効な抗菌剤の存在しない感染症
原則禁止
・結核性疾患
・喘息の急激な悪化状態
・喘息発作重積状態
使用に注意が必要な方 ・高齢者の方への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。
・妊婦、産婦、授乳婦の方への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。
・小児等の方への投与
低出生体重児、新生児、6ヵ月未満の乳児に対する安全性は確立していません。
・過量投与
過量投与により副腎皮質系機能が低下することがあるので、このような場合には患者様の症状を十分に観察しながら徐々に減量するなどの適切な処置を行ってください。
上記にあてはまる方は、ブデソニドを使用する事が出来ない可能性があります。 ブデソニドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・CYP3A4阻害剤(イトラコナゾール等)
・カテコールアミン/アドレナリン/イソプレナリン等
・キサンチン誘導体(テオフィリン/アミノフィリン等)
・全身性ステロイド剤(プレドニゾロン、ベタメタゾン 等)
・利尿剤(トラセミド等)
・β遮断剤(アテノロール等)
・QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤(抗不整脈剤/三環系抗うつ剤等)
上記を使用している方は、ブデソニドを使用する事が出来ない可能性があります。 ブデソニドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 報告なし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |