フルチカゾンプロピオン酸エステル

成分名

フルチカゾンプロピオン酸エステル

適応症状

アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎

簡易説明

フルチカゾンプロピオン酸エステルは、アレルギー性鼻炎や血管運動性鼻炎の治療に使用される点鼻の局所ステロイド薬です。グルココルチコイド受容体を刺激することで鼻腔内において起こっているアレルギー反応によって引き起こされる炎症をピンポイントに抑えるとともに、すでに起こっている鼻粘膜の浮腫や鼻汁、くしゃみ、鼻づまりなどの症状も緩和します。

処方可能な診療科目

内科/小児科/アレルギー内科/耳鼻咽喉科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約,000円~,000円
薬代1瓶あたりの目安:28噴霧用約508円/56噴霧用約913円/小児用約470円
薬代後発薬1瓶の目安:28噴霧用約342円/56噴霧用約587円/小児用約334円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:1994年9月(28噴霧用)、2006年7月(56噴霧用)

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

フルナーゼ点鼻液50μg28噴霧用/56噴霧用(グラクソ・スミスクライン)

関連製品(ジェネリック)

フルチカゾン点鼻液50μg「サワイ」28噴霧用/56噴霧用(沢井製薬)、フルチカゾン点鼻液50μg「NikP」28噴霧用/56噴霧用(日医工ファーマ)、フルチカゾン点鼻液50μg「杏林」28噴霧用/56噴霧用(キョウーリンメディオ)、フルチカゾン点鼻液50μg「武田テバ」28噴霧用/56噴霧用(武田テバ薬品)、フルチカゾン点鼻液50μg「三和」28噴霧用/56噴霧用(三和化学)、フルチカゾン点鼻液50μg「イセイ」28噴霧用/56噴霧用(コーアイセイ品)、フルチカゾン点鼻液50μg「CEO」28噴霧用/56噴霧用(セオリアファーマ)、フルチカゾン点鼻液50μg「DSP」28噴霧用/56噴霧用(東興薬品工業)、フルチカゾン点鼻液50μg「トーワ」28噴霧用/56噴霧用(東和薬品)、フルチカゾン点鼻液50μg「日本臓器」28噴霧用/56噴霧用(日本臓器)、フルチカゾン点鼻液50μg「JP」28噴霧用/56噴霧用(長生堂製薬)

効果・作用

フルチカゾンプロピオン酸エステルは、アレルギー性鼻炎や血管運動性鼻炎の治療に使用される点鼻の局所ステロイド薬であり、グルココルチコイド受容体を刺激することで鼻腔内において起こっているアレルギー反応によって引き起こされる炎症をピンポイントに抑えるとともに、すでに起こっている鼻粘膜の浮腫や鼻汁、くしゃみ、鼻づまりなどの症状も緩和します。
具体的な抗炎症効果としては、フルチカゾンプロピオン酸エステルがおもにインターロイキン(IL-4、IL-5、IL-13)などの炎症性物質の放出を抑えることによって、局所的に鼻腔内で抗炎症効果を発揮します。また、抗アレルギー効果としては、鼻粘膜において血管透過性が高まる現象をブロックする作用があげられます。
季節性のアレルギーにおいて、フルチカゾンプロピオン酸エステルは現在発症している鼻炎の症状を緩和するだけでなく、長期的な予防でも効果を発揮します。効果は治療開始後数時間から数日で現れ、治療を続けることで効果が継続します。治療効果を感じてもすぐに中止せず継続的な使用をすることで抗炎症作用、抗アレルギー作用どちらも安定します。
局所投与でのフルチカゾンプロピオン酸エステルの強さは、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル、ベタメタゾン吉草酸エステルよりも強いのが特徴です。

使用方法

成人(15歳以上)の場合:通常1回あたり各鼻腔に1噴霧(フルチカゾンプロピオン酸エステルとして50マイクログラム)を1日2回使用します。
年齢や症状によって医師の判断のもと適宜増量、減量できますが、1日の最大使用量は、8噴霧が限度になっています。

副作用

重大な副作用
・アナフィラキシー
※全身潮紅、呼吸困難、蕁麻疹、血管性浮腫などのアナフィラキシーが引き起こされる可能性があります。使用中は副作用の観察を十分に行って、異常がみられた場合には使用を中止するなど適切な処置を行ってください。

その他の副作用
・鼻腔:疼痛、乾燥感、鼻出血、刺激感、不快臭、鼻潰瘍、鼻中隔穿孔などの名は症状
・過敏症:発疹、浮腫、むくみ
・精神神経系:頭痛、頭重感、ふるえ、睡眠障害
・口腔およびに呼吸器系:刺激感、乾燥感などの咽喉頭症状、味覚障害
・その他:眼圧の上昇

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・有効な抗菌薬が存在していない感染症や全身の真菌症を患っている方
※それらの症状が増悪する可能性があります。
・フルチカゾンプロピオン酸エステルに対して過敏症の経験のある方

使用に注意が必要な方
・(有効な抗菌薬の存在しない感染症、または全身の真菌症以外で)鼻咽喉感染症を患っている方
※それらの症状が悪化する可能性があります。
・鼻出血が反復的に起こっている方
※出血が悪化する可能性があります。
・鼻茸や重症な肥厚性鼻炎を治療中の方
※フルチカゾンプロピオン酸エステルが鼻腔内で作用を確実に発揮するために、これらの症状が減少するように他の療法も併用する必要があります。
・長期間または大量の全身性ステロイド療法で他の疾患の治療をされている方
※副腎皮質の機能が落ちている可能性があるので、全身性ステロイド剤の減量中や中止後も副腎皮質の機能検査を定期的に行い、ケガ、手術、重症感染症などの罹患には十分に注意してください。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※動物実験(ラット、ウサギ):奇形の発生、胎児の発育が遅れる現象がみられました。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら使用してください。

上記にあてはまる方は、フルチカゾンプロピオン酸エステルを使用する事が出来ない可能性があります。
フルチカゾンプロピオン酸エステルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・CYP3A4阻害作用をもっている成分(リトナビルなど)
※CYP3A4による分解が阻害されることにより、フルチカゾンプロピオン酸エステルの血液中濃度が上昇してしまう可能性があります。それによって副腎皮質ステロイド剤を全身投与(経口投与)した場合と同レベルの症状が引き起こされる可能性があります。
とくに、フルチカゾンプロピオン酸エステル製剤とリトナビルとの併用によって、副腎皮質機能抑制やクッシング症候群などが起きたと報告されています。治療上のメリットがこれらの副作用発現のデメリットを上回ると医師が判断した場合に限ってリトナビルと併用してください。

上記を使用している方は、フルチカゾンプロピオン酸エステルを使用する事が出来ない可能性があります。
フルチカゾンプロピオン酸エステルを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

フルチカゾンプロピオン酸エステルに関する
よくある質問
アレルギー性鼻炎に使っていてかなり症状が良くなりましたがいつまで続ければよいですか?

フルチカゾンプロピオン酸エステルはステロイド剤であり、短期的な効果というよりは持続性の効果を期待して使用します。季節性のアレルギーに対しては、その季節を鑑みて初期治療をスタートし、アレルギーの原因となる物質との接触がなくなるまで続けることが重要です。症状がよくなってもアレルギーの収まる季節の間は、医師の指示通りの用法で使用を続けてください。
フルナーゼ点鼻駅 【フルナーゼ点鼻液 添付文書】

点鼻薬だとしてもステロイドと聞くと全身性の副作用が心配です。反復していても全身の副作用は心配ないでしょうか?

フルチカゾンプロピオン酸エステルの点鼻薬は局所仕様なので全身性の副作用の頻度は低いです。具体的には、フルチカゾンプロピオン酸エステル200マイクログラムを1日2回14日間連続で使用した場合でも、体内におけるフルチカゾンプロピオン酸エステルの血液中濃度は検出限界レベル(50ピコグラム/ml)以下であったという報告があります。
フルナーゼ点鼻駅 【フルナーゼ点鼻液 添付文書】

参考元一覧

フルナーゼ点鼻駅 【フルナーゼ点鼻液 添付文書】

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