成分名 |
ブロムヘキシン塩酸塩 |
適応症状 |
気管支造影後の造影剤の排泄促進
手術後の去痰
塵肺症の去痰
肺結核の去痰 |
簡易説明 |
ブロムヘキシン塩酸塩は、粘液分泌促進薬に分類される去痰薬です。痰をうすめて粘りを取り、病原体や異物などを吐き出しやすくする働きがあります。また、肺や気道の分泌液を促進し、気道粘膜の線毛運動をよくすることで、痰の排出を助ける働きもあります。風邪や呼吸器の病気で、痰がからむときに使用されます。また、鼻腔にも同様の作用をあらわすことで、副鼻腔炎などの改善に使用する薬剤もあります。注射液、吸入液、シロップなどの剤型があり、症状によって使い分けられます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/循環器内科/耳鼻咽喉科/小児科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~5,000円
薬代1管あたりの目安:4g約58円
薬代1mlあたりの目安:0.2%約12.8円
薬代後発薬1管の目安:4mg約57円
薬代後発薬1錠の目安:0.2%約6.6円
薬代後発薬1mlの目安:0.08%約1円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売開始年月 : 1976年7月 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
【製薬メーカー:サノフィ】
ビソルボン注4mg
ビソルボン吸入液0.2% |
関連製品(ジェネリック) |
レベルボン錠4mg【製薬メーカー:東和薬品】
ブロムヘキシン塩酸塩注射液4mg「タイヨー/クニヒロ/日医工/サワイ/トーワ」【製薬メーカー:武田テバファーマ/皇漢堂製薬/日医工/沢井製薬/東和薬品】
ブロムヘキシン塩酸塩シロップ0.08%「トーワ/イセイ」【製薬メーカー:東和薬品/コーアイセイ】
ブロムヘキシン塩酸塩シロップ0.2%「タイヨー」【製薬メーカー:武田テバファーマ】
ブロムヘキシン塩酸塩吸入液0.2%「タイヨー」【製薬メーカー:武田テバファーマ】
レベルボンシロップ0.08%【製薬メーカー:東和薬品】 |
効果・作用 |
ブロムヘキシン塩酸塩は、気道分泌促進作用と、粘膜の分解作用を持つ去痰薬です。痰を排泄しやすくすることで、咳や息苦しさ、痰の詰まりを改善します。どろどろとした膿性の痰に効果があります。主に気管支造影後の造影剤の排泄促進や、手術後の去痰、塵肺症の去痰などの症状に使用されます。
▼作用機序
細菌やホコリなどの異物が体内に侵入してくると、体の機能は悪くなります。これでは不都合なため、体には「入ってきた異物を体外へと排泄させる機構」があります。その1つが「痰として排泄させる機能」です。
痰は、気道で分泌された粘液です。気道の粘膜から粘液が分泌され、気道に存在する細菌やホコリなどを絡めて外に出します。粘液の分泌を促進するように作用することで、痰の排泄を促せます。
また、体には異物を排除する「毛」があります。
これらの毛は気道にも存在しており≪線毛≫といいます。線毛が活動することで、異物の除去が促されます。そこで薬によって線毛運動を活性化すれば、気道壁の通りがよくなり、痰の排泄が促されます。
▼病理作用
痰や鼻汁などには「ムコ多糖類」という粘性の分泌物が含まれてます。痰などは、その粘性により「病原体などをからめとり排出する作用」や「粘膜の保護作用」がありますが、この粘性が気道や鼻腔でからんだり、つまることで蓄膿症や咳などを引き起こすことがあります。
ブロムヘキシン塩酸塩の作用は、肺や気道の分泌液を促し、線毛運動を活性化することなどにより、痰や鼻汁などの粘性を下げ、体外へ排出しやすくする作用、痰を体外に排出しやすくする作用などがあります。また鼻腔にも同様の作用をあらわすことで副鼻腔炎などの改善に使用する薬剤もあります。
▼漿液性分泌の増加
漿液性(サラサラ)の分泌物を気道から分泌させるのを促します。漿液性の分泌物がたくさん分泌されると、痰に漿液性成分が混ざるため、粘度が低下してサラサラになり、痰が排出されやすくなります。
▼酸性糖タンパクの溶解・低分子化
痰のネバネバの原因である酸性糖タンパクを溶解し、低分子化するはたらきがあります。これは、気管分泌細胞内でリゾゾームという細胞小器官に含まれる酵素の分泌を促進させるためだと考えられています。
▼気管支の線毛の動き
気管支の壁には「線毛」と呼ばれる毛のようなものがあります。
これは、異物が気管に入ると動きが活性化し、体外に異物を運ぶ作用があり、気管壁にある、線毛の動きを活性化させる事で、痰を体外に排出しやすくする作用があります。
▼痰の産生量を増やす
ブロムヘキシン塩酸塩は、気管支全体に作用します。杯細胞にも働きかけることで、痰の産生量を増やします。ここで先ほどサラサラした痰の産生があえてふえることで、気管支全体が綺麗になります。
▼特徴
痰に水分を含ませ、溶かす事で排出しやすくする作用があります。
剤形は様々あり、シロップ、錠剤、細粒、吸入液、注射剤があり投与の際には、適した剤形を選んで使用します。
シロップの剤型があり、小児に投与しやすい。
副作用が少ないので体に負担が少ない安全性の高い薬です。
▼他の去痰薬
ビソルボン
ムコソルバン
ムコダイン |
使用方法 |
≪錠剤≫
ブロムヘキシン塩酸塩として1回4mgを1日3回経口投与します。
≪注射液≫
通常成人には1回1~2管(ブロムヘキシン塩酸塩として4~8mg)を1日1~2回筋肉内又は静脈内に注射してください。
※なお、年齢、症状により適宜増減してください。
≪吸入液≫
通常、成人には1回2mL(ブロムヘキシン塩酸塩とし4mg)を生理食塩液等で約2.5倍に希釈し、1日3回ネブライザーを用いて吸入してください。
※なお、年齢、症状により適宜増減してください。
≪シロップ≫
1回5mL(ブロムヘキシン塩酸塩として1回4mg)、1日3回経口投与してください。
※なお、年齢・症状により適宜増減してください。 |
副作用 |
主な副作用
ブロムヘキシン塩酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
ブロムヘキシン塩酸塩を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
悪心、胸内苦悶、心悸亢進、頭痛、過敏症、蕁麻疹、下痢、嘔気、嘔吐
重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
アナフィラキシー、発疹、血管浮腫、気管支痙攣、呼吸困難、そう痒感、ショック
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■ブロムヘキシン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ビソルボン注4mgは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ビソルボン注4mgの有効成分
ブロムヘキシン塩酸塩
▼代表薬の添加物
酒石酸、無色注射液
【使用出来ない方】
妊婦/授乳者
過敏症
使用に注意が必要な方 高齢者
新生児/乳児/幼児/小児
上記にあてはまる方は、ブロムヘキシン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ブロムヘキシン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ブロムヘキシン塩酸塩に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
添付文書ビソルボン注4mg【サノフィ株式会社】
インタビューフォームビソルボン吸入液0.2%【サノフィ株式会社】 |
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