グリコピロニウム臭化物

成分名

グリコピロニウム臭化物

適応症状

肺気腫、慢性気管支炎などの慢性閉塞性肺疾患の気道閉塞性障害に基づく各症状の緩解

簡易説明

グリコピロニウム臭化物は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に使用される抗コリン薬の一種であり、気管支を拡張させる作用があります。具体的な作用メカニズムは、ムスカリン受容体と呼ばれるアセチルコリン受容体の一種に結合し、その受容体の刺激をブロックすることで気管支平滑筋の緊張を緩和します。この気管支拡張作用によって長期間にわたって気道が拡張され、呼吸が容易になります。

処方可能な診療科目

内科/小児科/アレルギー科/呼吸器科

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~2,000円
薬代1カプセルあたりの目安:50μg約152円
薬代後発薬1カプセルの目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2012年11月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

シーブリ吸入用カプセル50μg【製薬メーカー:ノバルティスファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

グリコピロニウム臭化物は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に使用される抗コリン薬の一種であり、気管支を拡張させる作用があります。慢性閉塞性肺疾患は、ぜんそくや気管支炎を含む呼吸器疾患の一種であり、気道の炎症と緊張によって気道が狭くなり、呼吸が困難になります。慢性閉塞性肺疾患の発症メカニズムには、主に喫煙による肺損傷、大気汚染、遺伝的素因などが関与しています。喫煙によって引き起こされる肺損傷は、気道壁の炎症と線維化を引き起こし、肺胞の破壊や気道の狭窄を招きます。また、大気汚染によって引き起こされる炎症反応は、気道の狭窄を引き起こし、呼吸器疾患の進行を促進することが知られています。
グリコピロニウム臭化物の具体的な作用メカニズムは、ムスカリン受容体と呼ばれるアセチルコリン受容体の一種に結合し、その受容体の刺激をブロックすることで気管支平滑筋の緊張を緩和します。グリコピロニウム臭化物は長時間作用型のムスカリン受容体ブロッカーであり、すべてのムスカリン受容体(M1〜M5受容体)に対して高い親和性を示すのが特徴です。この気管支拡張作用によって長期間にわたって気道が拡張され、呼吸が容易になりますので症状の有無にかかわらず長期的に使用することになります。

使用方法

成人(15歳以上)の場合:グリコピロニウムとして50μg(1回1カプセル)を1日1回、シーブリ吸入用カプセル50μg付属の専用吸入用器具を使用して吸入します。
※シーブリ吸入用カプセル50μgは吸入用カプセルなので、必ず付属の専用吸入用器具(ブリーズヘラー)を使って吸入してください。カプセルですが、内服はできません。
※シーブリ吸入用カプセル50μgは1日1回かつ一定の時間帯になるべく固定して吸入してください。万が一吸入できなかったケースでは、気が付いた時点で可能な限り速やかに1回分を吸入します。ただし1日1回を超える回数での吸入はできません。

副作用

重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。使用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には使用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・心房細動

その他の副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。
・心臓障害系:息切れ、動悸
・感染症:膀胱炎、鼻炎、鼻咽頭炎
・腎、尿路障害系:尿がでない、排尿困難
・精神障害系:不眠症
・代謝、栄養障害関連:高血糖状態、糖尿病
・全身障害系:無力症、倦怠感
・神経障害系:感覚マヒ
・呼吸器障害系:副鼻腔うっ血、発声障害、のどの刺激感、湿性の咳、気管支けいれん、鼻血
・過敏症系:血管浮腫、発疹、かゆみ
・胃腸障害系:嘔吐、胃腸炎、口腔内の乾燥、消化不良
・筋骨格系障害系:筋骨格痛、四肢の痛み、筋骨格系胸痛、頚部痛

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・グリコピロニウム臭化物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、シーブリ吸入用カプセル50μgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼シーブリ吸入用カプセル50μgの有効成分
グリコピロニウム臭化物
▼代表薬の添加物
乳糖水和物、ステアリン酸マグネシウム

・前立腺肥大などを患っていて排尿障害の症状がある方 
※グリコピロニウム臭化物の抗コリン作用によって尿閉が引き起こされる可能性があります。
・閉塞隅角緑内障を患っている方
※グリコピロニウム臭化物の抗コリン作用によって眼圧が上昇し、上記疾患の症状を悪化させる可能性があります。
・グリコピロニウム臭化物に対し過敏症の経験のある方

使用に注意が必要な方
・前立腺肥大を患っている方(排尿障害がある場合を除く)
※排尿障害を発症する可能性があります。
・心房細動、心不全、期外収縮を患っている方またはそれらの経験のある方
※心房細動、心不全、期外収縮が発現または悪化する可能性があります。
・重度の腎機能障害を患っている方(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)または透析を必要とする末期腎不全の方)
※治療上のメリットとデメリットを鑑みて慎重に使用し、副作用の発現には十分注意してください。グリコピロニウム臭化物の血液中濃度が上昇し、副作用が引き起こされる可能性があります。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※動物実験(ラット):グリコピロニウム臭化物が乳汁中に移行するというデータがあります。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ使用してください。
※動物実験(マウス、ウサギ、イヌ):グリコピロニウム臭化物が胎盤を通過するとの報告がされています。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら使用してください。
・小児
※小児などを対象としている臨床試験が実施されていません。

上記にあてはまる方は、グリコピロニウム臭化物を使用する事が出来ない可能性があります。
グリコピロニウム臭化物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

グリコピロニウム臭化物に関する
よくある質問
最近、咳の症状が良くなく発作もおこります。グリコピロニウム臭化物を発作時のコントロール目的で使用してもよいですか?

グリコピロニウム臭化物は慢性閉塞性肺疾患の症状の長期的なコントロール目的で使用します。つまり、グリコピロニウム臭化物を慢性閉塞性肺疾患の増悪時における急性期的なコントロール目的として使用することはできません。急性期専用の成分は他にありますので、急性期コントロールに関しては別途医師に相談してください。
シーブリ 【シーブリ 添付文書】

グリコピロニウム臭化物は目に良くないと聞きましたがどのような悪影響があるのですか?

グリコピロニウム臭化物が目に入ってしまうと悪影響になります。具体的には、結膜の充血、角膜浮腫に伴う赤色眼、眼の痛み、眼の不快感、霧視など急性閉塞隅角緑内障の徴候がみられる可能性があります。これらの症状が認められた場合には、速やかに医療機関を受診してください。
シーブリ 【シーブリ 添付文書】

参考元一覧

シーブリ 【シーブリ 添付文書】

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