フィルゴチニブマレイン酸塩

成分名

フィルゴチニブマレイン酸塩

適応症状

関節リウマチ/中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療/中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法

簡易説明

JAK阻害剤(関節リウマチなどの治療薬)です。
腸の炎症による腹痛、下痢、血便などの症状を改善するお薬です。
また、リウマチによる関節の炎症やはれ、こわばりなどの症状を改善するお薬です。
免疫に関与する細胞に働いて、炎症の原因となる物質の働きをおさえる働きがあります。
既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、
中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)に用いられます。

処方可能な診療科目

内科/膠原病科/リウマチ内科/整形外科/胃腸科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約30000円~50000円程度
先発薬1錠200mg 4893.6円(薬価)
先発薬1錠100mg 2519.9円(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2020年11月【発売開始】

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

ジセレカ錠200mg【製薬メーカー:ギリアド・サイエンシズ/エーザイ】
ジセレカ錠100mg【製薬メーカー:ギリアド・サイエンシズ/エーザイ】

関連製品(ジェネリック)

なし

効果・作用

フィルゴチニブマレイン酸塩は、ヤヌスキナーゼ(JAK)という酵素を阻害することにより、炎症や痛みの発現にかかわっている複数の物質に作用し、関節リウマチや潰瘍性大腸炎の症状を改善する働きがあります。。
通常、既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)の治療や中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療および維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)に用いられます。

ジセレカR錠は、関節リウマチの治療薬として開発された、経口投与可能なヤヌスキナーゼ(Janus Kinase;JAK)に対する阻害剤です。。
関節リウマチの病態生理は多様で、常在型細胞群と浸潤性免疫細胞との細胞接触によって関節の炎症及び破壊が引き起こされると、疾患の主要因となる炎症性サイトカイン反応が惹起及び維持されます。従来、関節リウマチの治療法として慢性炎症の改善に主眼が置かれてましたが、病態生理の解明が進むにつれ、また、腫瘍壊死因子 α(TNFα)及びインターロイキン-6(IL-6)を含む炎症反応の中心的役割を担うサイトカインの同定及び治療の標的化により、関節リウマチの治療法は進歩しました。

■2022年03月28日
JAK阻害剤「ジセレカ(R)錠」について、既存治療で効果不十分な中等症から重症の潰瘍性大腸炎の適応追加承認を取得しました。
ギリアド・サイエンシズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:ケネット・ブライスティング)とエーザイ株式会社(本社:東京都文京区、代表執行役CEO:内藤晴夫)およびEAファーマ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:籔根英典)は、日本において、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤「ジセレカ(R)錠」(一般名:フィルゴチニブマレイン酸塩)について、ギリアドが中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎を有する患者さんの治療薬として適応追加承認を取得したことをお知らせしています。ジセレカは、日本においては、2020年9月に「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」の適応を取得しています

■JAK阻害薬一覧
ゼルヤンツ(一般名:トファシチニブ)
オルミエント(一般名:バリシチニブ)
スマイラフ(一般名:ペフィシチニブ)
リンヴォック(一般名:ウパダシチニブ)
ジセレカ(一般名:フィルゴチニブ)
ジセレカは5番目のJAK阻害薬です。

使用方法

■関節リウマチ
通常、成人にはフィルゴチニブとして200mgを1日1回経口投与します。なお、患者の状態に応じて100mgを1日1回服用に減量されることがあります。
■潰瘍性大腸炎
通常、成人にはフィルゴチニブとして200mgを1日1回経口投与します。なお、維持療法では、患者の状態に応じて100mgを1日1回服用に減量されることがあります。

副作用

主な副作用
ジセレカには、副作用が起こる可能性があります。
ジセレカを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
■ジセレカの主な副作用
尿路感染/上気道感染/浮動性めまい/悪心/好中球減少症/血中クレアチンホスホキナーゼ増加

重大な副作用
感染症/帯状疱疹/肺炎/日和見感染症/肝機能障害/ALT上昇/AST上昇/重篤な感染症/消化管穿孔/好中球数が1000/mm3未満/リンパ球数が500/mm3未満/ヘモグロビン値が8g/dL未満/間質性肺炎/発熱/咳嗽/呼吸困難/呼吸器症状/好中球減少/リンパ球減少/ヘモグロビン減少/静脈血栓塞栓症/肺塞栓症/深部静脈血栓症

極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・活動性結核
・過敏症
・敗血症
・重篤な感染症
・重度肝機能障害
・重度肝機能障害<Child?Pugh分類C>
・末期腎不全
・ヘモグロビン値が8g/dL未満
・リンパ球数が500/mm3未満
・好中球数が1000/mm3未満
・eGFR<15mL/min/1.73㎡
・妊婦・産婦

使用に注意が必要な方
【使用に注意が必要な方】
・B型肝炎
・間質性肺炎
・結核
・易感染性
・C型肝炎
・軽度腎機能障害
・腸管憩室
・中等度腎機能障害
・胸部レントゲン上結核治癒所見
・肺外結核
・B型肝炎ウイルスキャリア
・胸部画像検査で陳旧性結核
・結核患者との濃厚接触歴
・結核既感染
・HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性
・HBs抗原陰性かつHBs抗体陽性
・静脈血栓塞栓症のリスクを有する
・活動性B型肝炎
・感染症<重篤な感染症を除く>
・ヘモグロビン値減少<ヘモグロビン値8g/dL未満を除く>
・リンパ球減少<リンパ球数500/mm3未満を除く>
・好中球減少<好中球数1000/mm3未満を除く>
・30≦eGFR<60mL/min/1.73㎡
・30mL/min/1.73㎡≦eGFR<60mL/min/1.73㎡
・eGFR≧60mL/min/1.73㎡
・活動性C型肝炎
・心血管系事象のリスク因子を有する関節リウマチ
・生物製剤で効果不十分な潰瘍性大腸炎
・生物製剤で不耐容な潰瘍性大腸炎
・授乳婦
・新生児(低出生体重児を含む)
・乳児
・幼児・小児
・生殖可能な男性(11歳~)
・妊娠可能な女性(11歳~)
・小児等(0歳~14歳)

【慎重投与】
・重度腎機能障害
・15≦eGFR<30mL/min/1.73㎡
・15mL/min/1.73㎡≦eGFR<30mL/min/1.73㎡

【投与に際する指示】
・結核
・軽度腎機能障害
・中等度腎機能障害
・肺外結核
・重度腎機能障害
・胸部画像検査で陳旧性結核
・結核患者との濃厚接触歴
・結核既感染
・15≦eGFR<30mL/min/1.73㎡
・15mL/min/1.73㎡≦eGFR<30mL/min/1.73㎡
・30≦eGFR<60mL/min/1.73㎡
・30mL/min/1.73㎡≦eGFR<60mL/min/1.73㎡
・eGFR≧60mL/min/1.73㎡
・高齢者

上記にあてはまる方は、フィルゴチニブマレイン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
フィルゴチニブマレイン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
イムノブラダー膀注用40mg/イムノブラダー膀注用80mg

上記を使用している方は、フィルゴチニブマレイン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
フィルゴチニブマレイン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

よくある質問
コロナの感染が不安ですが治療を続けても大丈夫ですか?

現時点では、特に服用してる人が感染が多いとか重症化しやすいという報告はありません。一方、治療をやめてしまえば、痛みや炎症による発熱などが悪化する可能性が考えられます。現状の治療で体調の安定しているなら、しっかりと治療を継続することが大事だと思います。

運動はしてよいですか?

炎症を起こしている関節や、すでに変形している関節を過度に使用すると、病状を悪化させることになります。しかし、あまり動かさないのも筋力が落ちてしまって余計に関節に負荷がかかりかねます。適度な運動(リウマチ体操、スイミング)をこころがけましょう。

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