成分名 |
シクレソニド |
適応症状 |
気管支喘息 |
簡易説明 |
気管支喘息(ぜんそく)やアレルギー性鼻炎の治療に使用される糖質コルチコイドです。糖質コルチコイドは副腎皮質ホルモンのひとつで、副腎皮質ホルモンはステロイドホルモンに属しています。気道の炎症を抑えて、喘息発作の程度、頻度を軽減します。日本では、帝人ファーマから吸入ステロイド喘息治療剤のオルベスコ(オルベスコインヘラー)として販売されています。 |
処方可能な診療科目 |
呼吸器内科/アレルギー科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
オルベスコ50μgインヘラー112吸入用5.6mg6.6gを処方してもらう場合。
診察料などの目安:約1000円~約2000円(保険により3割負担の場合)
薬代1錠あたりの目安:1489(薬価)
病院によって差ががあります。また、診察料・薬代の他に、初診料・検査料などが必要になる場合があります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2007年6月販売開始(新薬:オルベスコ50μgインヘラー112吸入用) |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリックなし |
関連製品(先発薬) |
オルベスコ50μgインヘラー112吸入用
オルベスコ100μgインヘラー56吸入用
オルベスコ100μgインヘラー112吸入用
オルベスコ200μgインヘラー56吸入用 |
関連製品(ジェネリック) |
なし |
効果・作用 |
合成ステロイド剤で、喘息抑制作用、抗炎症作用があり、気道の炎症を抑えて、喘息発作の程度、頻度を軽減します。
通常、気管支喘息の治療に用いられます。すでに起きてしまった発作を速やかに抑える薬ではありません。
近年、喘息は気道の慢性炎症にもとづく病気と考えられるようになりました。気管や気管支が炎症により過敏になり、少しの刺激でけいれん収縮し気道が狭くなります。そして、ゼーゼー・ヒューヒュー呼吸が苦しくなるのです。
この吸入薬の主成分は、ステロイドの一種です。ステロイドには強い抗炎症作用があります。気道の炎症がおさまると、過敏性が低下し発作が起こりにくくなります。普段からステロイド吸入薬により気道の炎症をしずめておくことが、発作を予防する意味で非常に重要です。
ステロイドには組織の反応性を低下させる作用があります。気道における抗炎症作用は、炎症起因物質のサイトカイン、マスト細胞、好酸球などを減少させることによって起きます。そのほか、血管透過性抑制作用や粘液分泌抑制作用もあります。
また本剤は、新型コロナウイルス感染症の治療薬候補として挙げられていましたが、軽症患者を対象とした臨床試験で有効性は示されませんでした。試験方法は、全国の21医療機関の協力を得て、軽症患者約90人を対象にシクレソニドを投与する群と対症療法のみを行う群に無作為に振り分けて比較する方法をとりました。元々、シクレソニドは新型コロナに対する抗ウイルス活性が非臨床試験で報告されており、国内で新型コロナ患者3人に投与し、改善したとの症例報告がありました。米国含む海外で実施されている検証的な臨床試験の結果も踏まえて判断する必要がありますが、今のところ投与は推奨されません。 |
使用方法 |
■成人
通常、成人にはシクレソニドとして100~400μgを1日1回吸入投与します。なお、症状により適宜増減しますが、1日の最大投与量は800μgとして下さい。また、1日に800μgを投与する場合は、朝、夜の1日2回に分けて投与して下さい。
■小児
通常、小児にはシクレソニドとして100~200μgを1日1回吸入投与します。なお、良好に症状がコントロールされている場合は50μg1日1回まで減量できます。
※使用時の注意事項
・使用する時は携帯袋および使用説明書(「オルベスコのご使用にあたって」)をよく読んで使用してください。
・吸入後はできるだけうがいをしてください。うがいができない場合は口をすすいでください。
・この薬の1缶の噴霧回数は決められています。それ以上は使用しないでください。
・1日1回吸入の場合、指示された時間に吸入するのを忘れた場合は、気がついた時点で1回分を吸入してください。1日2回吸入の場合、気づいても吸入せずに次の回から吸入を再開してください。絶対に2回分を一度に吸入してはいけません。
・誤って多く使った場合は医師または薬剤師に相談してください。
・医師の指示なしに、自分の判断で使うのを止めないでください。
・喘息症状の緩解がみられた場合は、治療上必要最小限の用量を投与して下さい。
・1日1回投与の場合には、本剤を夜に投与することが望ましいです。 |
副作用 |
主な副作用
発疹/そう痒/浮腫/咽喉頭症状/咽喉頭不快感/咽喉頭疼痛/嗄声/口渇/口腔カンジダ症/味覚異常/声のかすれ
その他の副作用
AST増加/ALT増加/倦怠感/頭痛/呼吸困難/気管支痙攣/尿中蛋白/胸部不快感/胸痛/気分不快/動悸/血管浮腫/過敏症状/咳嗽/悪心
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症の患者[症状を増悪するおそれがあります。]
・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
使用に注意が必要な方 ・結核性疾患又は感染症(有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症を除く)の患者
→症状を増悪するおそれがあります。
・気管支粘液の分泌が著しい患者
→本剤の肺内での作用を確実にするために、本剤の吸入に先立って、分泌がある程度減少するまで他剤を使用することが望ましいです。
・長期又は大量の全身性ステロイド療法を受けている患者
→本剤投与後の全身性ステロイド剤の減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払って下さい。また、必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行って下さい。これらの患者では副腎皮質機能不全となっていることが考えられます。
・妊婦
→妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与して下さい。本薬は動物実験(ラット、ウサギ)で胎盤通過性が報告されています。また、本薬は動物実験(ウサギ)で副腎皮質ステロイド剤に共通した催奇形作用が報告されています
・授乳婦
→治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討して下さい。本薬は動物実験(ラット)で乳汁中に移行(静脈内投与において投与量の0.044%以下)することが報告されています。
・小児等
→長期間投与する場合には投与量は患者毎に喘息をコントロールできる最少用量に調節することとし、身長等の経過の観察を十分行って下さい。また使用にあたっては、使用法を正しく指導して下さい。全身性ステロイド剤と比較し可能性は低いですが、吸入ステロイド剤を特に長期間、大量に投与する場合に成長遅延をきたすおそれがあります。また、低出生体重児、新生児、乳児又は4歳以下の幼児を対象とした臨床試験は実施していません。
・高齢者
→患者の状態を観察しながら慎重に投与して下さい。高齢者での薬物動態試験で、活性代謝物である脱イソブチリル体の血中濃度が非高齢者に比べて高くなることが認められています。
上記にあてはまる方は、シクレソニドを使用する事が出来ない可能性があります。 シクレソニドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 CYP3A4阻害作用を有する薬剤(イトラコナゾール/リトナビル 等)
→副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性があります。また、CYP3A4による代謝が阻害されることにより、本剤の活性代謝物である脱イソブチリル体の血中濃度が上昇する可能性があります。
上記を使用している方は、シクレソニドを使用する事が出来ない可能性があります。 シクレソニドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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