成分名 |
プレドニゾロン |
適応症状 |
炎症全般、性白血病や悪性リンパ腫、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、移植片拒絶反応、急性炎症、慢性炎症、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、ショック、痛風、メニエール病、突発性難聴、急性白血病、ネフローゼ症候群、移植片拒絶反応 など |
簡易説明 |
プレドニゾロン(英: prednisolone)は、コルチゾールから作製された合成副腎皮質ホルモン製剤、いわゆるステロイドで、プレドニンなどという薬品名で処方されています。最も標準的でよく知られたステロイド薬であり、古くから各診療科で広く処方されています。
抗炎症作用があり炎症反応の抑制に使われる薬で、適応となる疾患が多く、様々な診療科で使われています。
1955年に塩野義製薬とアメリカのシェリング社が技術援助契約を締結する事で、日本国内に初めて導入されたステロイド系抗炎症薬としても知られています。
ステロイドとは、副腎(両方の腎臓の上端にあります)から作られる副腎皮質ホルモンの1つです。
ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症を抑えたり、体の免疫力を抑制したりする作用があり、さまざまな疾患の治療に使われています。
ただ、副作用も多いため、注意が必要な薬でもあります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/小児科/外科/整形外科/産婦人科/泌尿器科/皮膚科/眼科/耳鼻咽喉科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約1,000円~5,000円(保険により3割負担の場合)
薬代1錠あたりの目安:5㎎約9.6円(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1956年3月販売開始:プレドニン錠5mg シオノギ製薬
2011年1月販売開始:プレドニゾロン錠「タケダ」5mg 武田テバ薬品 |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリックなし
※古くからある薬であるため、先発医薬品と後発医薬品(ジェネリック)の区別が明確でなく、便宜上、全て先発医薬品として扱われております。 |
関連製品(先発薬) |
パナフコルテロン 5mg・25mg Aspen Pharmacare/プレドニン錠5mg シオノギ製薬/プレドニゾロン錠「タケダ」5mg 武田テバ薬品/プレドニゾロン錠5mg(旭化成) 旭化成/プレドニゾロン錠5mg「YD」 陽進堂 |
関連製品(ジェネリック) |
なし |
効果・作用 |
炎症の原因に関係なく炎症反応を抑制し、炎症のすべての過程において有効です。
具体的には、以下のような症状に対して効果を発揮します。
■内科・小児科領域
(1)内分泌疾患:慢性副腎皮質機能不全(原発性、続発性、下垂体性、医原性)、急性副腎皮質機能不全(副腎クリーゼ)、副腎性器症候群、亜急性甲状腺炎、甲状腺中毒症〔甲状腺(中毒性)クリーゼ〕、甲状腺疾患に伴う悪性眼球突出症、ACTH単独欠損症。
(2)リウマチ疾患:関節リウマチ、若年性関節リウマチ(スチル病を含む)、リウマチ熱(リウマチ性心炎を含む)、リウマチ性多発筋痛。
(3)膠原病:エリテマトーデス(全身性及び慢性円板状)、全身性血管炎(大動脈炎症候群、結節性動脈周囲炎、多発性動脈炎、ヴェゲナ肉芽腫症を含む)、多発性筋炎(皮膚筋炎)、強皮症。
(4)川崎病の急性期(重症であり、冠動脈障害の発生の危険がある場合)。
(5)腎疾患:ネフローゼ及びネフローゼ症候群。
(6)心疾患:うっ血性心不全。
(7)アレルギー性疾患:気管支喘息、喘息性気管支炎(小児喘息性気管支炎を含む)、薬剤その他の化学物質によるアレルギー・中毒(薬疹、中毒疹を含む)、血清病。
(8)重症感染症:重症感染症(化学療法と併用する)。
(9)血液疾患:溶血性貧血(免疫性又は免疫性機序の疑われるもの)、白血病(急性白血病、慢性骨髄性白血病の急性転化、慢性リンパ性白血病)(皮膚白血病を含む)、顆粒球減少症(本態性、続発性)、紫斑病(血小板減少性及び血小板非減少性)、再生不良性貧血、凝固因子の障害による出血性素因。
(10)消化器疾患:限局性腸炎、潰瘍性大腸炎。
(11)重症消耗性疾患:重症消耗性疾患の全身状態の改善(癌末期、スプルーを含む)。
(12)肝疾患:劇症肝炎(臨床的に重症とみなされるものを含む)、胆汁うっ滞型急性肝炎、慢性肝炎(活動型、急性再燃型、胆汁うっ滞型)(一般的治療に反応せず肝機能の著しい異常が持続する難治性のものに限る)、肝硬変(活動型、難治性腹水を伴うもの、胆汁うっ滞を伴うもの)。
(13)肺疾患:サルコイドーシス(両側肺門リンパ節腫脹のみの場合を除く)、びまん性間質性肺炎(肺線維症)(放射線肺臓炎を含む)。
(14)結核性疾患(抗結核剤と併用する)。肺結核(粟粒結核、重症結核に限る)、結核性髄膜炎、結核性胸膜炎、結核性腹膜炎、結核性心のう炎。
(15)神経疾患:脳脊髄炎(脳炎、脊髄炎を含む)(ただし、一次性脳炎の場合は頭蓋内圧亢進症状がみられ、かつ他剤で効果が不十分なときに短期間用いること。)、末梢神経炎(ギランバレー症候群を含む)、筋強直症、重症筋無力症、多発性硬化症(視束脊髄炎を含む)、小舞踏病、顔面神経麻痺、脊髄蜘網膜炎、デュシェンヌ型筋ジストロフィー。
(16)悪性腫瘍:悪性リンパ腫及び類似疾患(近縁疾患)、多発性骨髄腫、好酸性肉芽腫、乳癌の再発転移。
(17)その他の内科的疾患:特発性低血糖症、原因不明の発熱。
■外科領域
副腎摘除、臓器・組織移植、侵襲後肺水腫、副腎皮質機能不全患者に対する外科的侵襲、蛇毒・昆虫毒(重症の虫さされを含む)。
■整形外科領域】
強直性脊椎炎(リウマチ性脊椎炎)。
■産婦人科領域】
卵管整形術後の癒着防止、副腎皮質機能障害による排卵障害。
■泌尿器科領域】
前立腺癌(他の療法が無効な場合)、陰茎硬結。
■皮膚科領域】
★湿疹・皮膚炎群(急性湿疹、亜急性湿疹、慢性湿疹、接触皮膚炎、貨幣状湿疹、自家感作性皮膚炎、アトピー皮膚炎、乳・幼・小児湿疹、ビダール苔癬、その他の神経皮膚炎、脂漏性皮膚炎、進行性指掌角皮症、その他の手指の皮膚炎、陰部あるいは肛門湿疹、耳介及び外耳道の湿疹・皮膚炎、鼻前庭及び鼻翼周辺の湿疹・皮膚炎等)(重症例以外は極力投与しないこと。)、★痒疹群(小児ストロフルス、蕁麻疹様苔癬、固定蕁麻疹を含む)(重症例に限る。また、固定蕁麻疹は局注が望ましい。)、蕁麻疹(慢性例を除く)(重症例に限る)、★乾癬及び類症〔尋常性乾癬(重症例に限る)、関節症性乾癬、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬、稽留性肢端皮膚炎、疱疹状膿痂疹、ライター症候群〕、★掌蹠膿疱症(重症例に限る)、★毛孔性紅色粃糠疹(重症例に限る)、★扁平苔癬(重症例に限る)、成年性浮腫性硬化症、紅斑症〔★多形滲出性紅斑(重症例に限る)、結節性紅斑〕、アナフィラクトイド紫斑(単純型、シェーンライン型、ヘノッホ型)(重症例に限る)、ウェーバークリスチャン病、皮膚粘膜眼症候群〔開口部びらん性外皮症、スチブンス・ジョンソン病、皮膚口内炎、フックス症候群、ベーチェット病(眼症状のない場合)、リップシュッツ急性陰門潰瘍〕、レイノー病、★円形脱毛症(悪性型に限る)、天疱瘡群(尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、Senear-Usher症候群、増殖性天疱瘡)、デューリング疱疹状皮膚炎(類天疱瘡、妊娠性疱疹を含む)、先天性表皮水疱症、帯状疱疹(重症例に限る)、★紅皮症(ヘブラ紅色粃糠疹を含む)、顔面播種状粟粒性狼瘡(重症例に限る)、アレルギー性血管炎及びその類症(急性痘瘡様苔癬状粃糠疹を含む)、潰瘍性慢性膿皮症、新生児スクレレーマ。
[注意] ★印の適応に対しては、外用剤を用いても効果が不十分な場合あるいは十分な効果を期待し得ないと推定される場合にのみ用いて下さい。
■眼科領域】
内眼・視神経・眼窩・眼筋の炎症性疾患の対症療法(ブドウ膜炎、網脈絡膜炎、網膜血管炎、視神経炎、眼窩炎性偽腫瘍、眼窩漏斗尖端部症候群、眼筋麻痺)、外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法で点眼が不適当又は不十分な場合(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、虹彩毛様体炎)、眼科領域の術後炎症。
■耳鼻咽喉科領域】
急性・慢性中耳炎、滲出性中耳炎・耳管狭窄症、メニエル病及びメニエル症候群、急性感音性難聴、血管運動(神経)性鼻炎、アレルギー性鼻炎、花粉症(枯草熱)、副鼻腔炎・鼻茸、進行性壊疽性鼻炎、喉頭炎・喉頭浮腫、食道の炎症(腐蝕性食道炎、直達鏡使用後)及び食道拡張術後、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法、難治性口内炎及び舌炎(局所療法で治癒しないもの)、嗅覚障害、急性・慢性(反復性)唾液腺炎。 |
使用方法 |
・1日5〜60mgを1〜4回に分けて経口投与して下さい。年齢、症状により適宜増減するのが望ましいです。
・悪性リンパ腫に用いる場合、抗悪性腫瘍剤との併用において、1日量として100mg/㎡(体表面積)まで投与できます。
・川崎病の急性期に用いる場合、1日2mg/kg(最大60mg)を3回に分けて経口投与して下さい。 |
副作用 |
ステロイド系の薬の副作用は、服用量や服用期間によって違いが生じます。多めの量を服用していると様々な副作用が出やすくなるため、長期大量服用時には場合によっては入院が必要となる場合があります
飲み始めに多い副作用は、いらいら感、不眠、消化不良、下痢、吐き気、食欲増進などです。服用が長めになると、にきび、むくみ、生理不順なども起こります。軽い副作用の場合、病気によっては治療を優先して副作用を我慢する必要があります。
長期服用で特異なのが、脂肪の異常沈着で、多めの量を続けると、かなりの頻度で生じます。これは、俗にムーンフェイスと言われ、顔がふっくらしたり、肩やおなかが太る症状のことです。ただ、これは減量すれば治るので、過度に気にする必要はありません。
他には、多くはありませんが、大量もしくは長期の服用において、副腎不全、ウイルス性肝炎を含め各種感染症の誘発、血糖値の上昇、骨が弱る、胃潰瘍、気分の落ち込み、眼圧上昇、動脈硬化、血栓症などに注意が必要です。また、副腎不全の状態で、急に中止すると重い反発症状がでる危険性があります。
具体的な副作用の症状を以下に記します。
【主な副作用】
月経異常/クッシング症候群様症状/下痢/悪心/嘔吐/胃痛/胸やけ/腹部膨満感/口渇/食欲不振/食欲亢進
【重大な副作用】
誘発感染症/感染症増悪/B型肝炎ウイルス増殖による肝炎/続発性副腎皮質機能不全/糖尿病/消化管潰瘍/消化管穿孔/消化管出血/膵炎/精神変調/うつ状態/痙攣/骨粗鬆症/大腿骨頭無菌性壊死/骨頭無菌性壊死/上腕骨頭無菌性壊死/ミオパシー/緑内障/後嚢白内障/中心性漿液性網脈絡膜症/多発性後極部網膜色素上皮症/眼圧上昇/眼のかすみ/視力低下/ものがゆがんで見える/ものが小さく見える/視野の中心がゆがんで見えにくくなる/限局性網膜剥離/広範な網膜剥離/血栓症/心筋梗塞/脳梗塞/動脈瘤/硬膜外脂肪腫/腱断裂/アキレス腱断裂
【上記以外の副作用】
腸管嚢胞様気腫症/縦隔気腫/多幸症/不眠/頭痛/眩暈/易刺激性/筋肉痛/関節痛/満月様顔貌/野牛肩/窒素負平衡/脂肪肝/浮腫/血圧上昇/低カリウム性アルカローシス/網膜障害/眼球突出/白血球増多/ざ瘡/多毛/脱毛/皮膚色素沈着/皮下溢血/紫斑/皮膚線条/皮膚そう痒/発汗異常/顔面紅斑/脂肪織炎/過敏症/発疹/発熱/疲労感/ステロイド腎症/体重増加/精子数増減/精子運動性増減/尿路結石/創傷治癒障害/皮膚菲薄化/皮膚脆弱化/結合組織菲薄化/結合組織脆弱化
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使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
【禁止】
・過敏症
【原則禁止】
・急性心筋梗塞
・結核性疾患
・血栓症
・高血圧症
・後嚢白内障
・最近行った内臓の手術創
・消化性潰瘍
・精神病
・全身の真菌症
・単純疱疹性角膜炎
・電解質異常
・有効な抗菌剤の存在しない感染症
・緑内障
【相対禁止(有益性が危険性を上回る場合にのみ使用)】
・妊婦・産婦
・新生児(低出生体重児を含む)
【慎重投与】
・感染症
・甲状腺機能低下
・骨粗鬆症
・脂肪肝
・脂肪塞栓症
・腎不全
・糖尿病
・高齢者の方
【注意】
・B型肝炎ウイルスキャリア
・投与開始前にHBs抗原陰性
上記にあてはまる方は、プレドニゾロンを使用する事が出来ない可能性があります。 プレドニゾロンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
抗けいれん薬のフェノバルビタールやフェニトイン、結核の薬のリファンピシンなどと併用すると、この薬の効きめが弱くなる可能性があります。他には、抗凝血薬のワルファリン、アスピリンなどサリチル酸誘導体、糖尿病の薬、利尿薬などと相互作用を起こす可能性があります。また、長期もしくは大量服用中あるいは中止後6カ月以内の人は「生ワクチン」の接種を控えるのが望ましです。
より具体的な併用禁忌・併用注意薬と措置などを以下に記します。
■バルビツール酸誘導体:フェノバルビタール、フェニトイン、リファンピシン
本剤の作用が減弱することが報告されているので,併用する場合には用量に注意して下さい。
■サリチル酸誘導体:アスピリン,アスピ、リンダイアルミネート、サザピリン等
併用時に本剤を減量すると,サリチル酸中毒を起こすことが報告されているので,併用する場合には用量に注意して下さい。
■抗凝血剤:ワルファリンカリウム
抗凝血剤の作用を減弱させることが報告されているので,併用する場合には用量に注意して下さい。
■経口糖尿病用剤:ブホルミン塩酸塩、クロルプロパミド、アセトヘキサミド等インスリン製剤
経口糖尿病用剤,インスリン製剤の効果を減弱させることが報告されているので,併用する場合には用量に注意して下さい。
■利尿剤(カリウム保持性利尿剤を除く):フロセミド,アセタゾラミド,トリクロルメチアジド等
低カリウム血症があらわれることがあるので,併用する場合には用量に注意して下さい。
■活性型ビタミン D3 製剤:アルファカルシドール等
高カルシウム尿症,尿路結石があらわれることがあるので,併用する場合には,定期的に検査を行うなど観察を十分にして下さい。また,用量にも注意して下さい。シクロスポリン他の副腎皮質ホルモン剤の大量投与で,シクロスポリンの血中濃度が上昇するとの報告があるので,併用する場合には用量に注意して下さい。
■エリスロマイシン
本剤の作用が増強されるとの報告があるので,併用する場合には用量に注意して下さい。
■非脱分極性筋弛緩剤:パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物
筋弛緩作用が減弱又は増強するとの報告があるので,併用する場合には用量に注意して下さい。 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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