エスモロール塩酸塩

成分名

エスモロール塩酸塩

適応症状

上室性頻脈性不整脈の緊急処置
<補足>
洞性頻脈に対しては、原因の特定と除去が重要であることに留意してください。本剤は心拍数を減少させる作用があるため、緊急時に必要に応じて使用することが適切です。ただし、本剤に頼りすぎず、原因の特定及び適切な治療に努めることが望ましいです。

簡易説明

エスモロール塩酸塩は、主に心臓に存在するβ1受容体を遮断することで、交感神経終末から放出されるノルアドレナリンや副腎髄質から遊離されるアドレナリンによる心拍数の増加を抑制することで、抗不整脈作用を発揮します。

さらに、エスモロール塩酸塩は、心臓の収縮力を低下させることで心拍数を抑える効果もあります。
これにより、心臓の酸素消費量を減らし、心臓の負担を軽減することができます。

ただし、エスモロール塩酸塩は、副作用として低血圧、動悸、めまい、疲れやすさ、頭痛、吐き気、下痢などの症状を引き起こす場合があります。そのため、適切な用量と投与方法を守ることが重要です。また、重篤な副作用を引き起こす可能性もあるため、使用前に医師に相談することが必要です。

処方可能な診療科目

循環器内科/心臓血管外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~2,000円
薬代1錠あたりの目安:10ml1瓶約2950円/(薬価)
薬代後発薬1キットの目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2002年12月1日

国内のジェネリック認可

現在国内ジェネリック医薬品の製造はありません

関連製品(先発薬)

ブレビブロック注100㎎【製薬メーカー:丸石製薬株式会社】

関連製品(ジェネリック)

BREVIBLOC (Baxter Healthcare Corporation), BREVIBLOC (Baxter Healthcare Corporation), BREVIBLOC (Baxter Healthcare Corporation), BREVIBLOC (General Injectables & Vaccines), BREVIBLOC (Henry Schein), ESMOLOL HYDROCHLORIDE (Baxter Healthcare Corporation), ESMOLOL HYDROCHLORIDE (HF Acquisition Co LLC), ESMOLOL HYDROCHLORIDE (Medical Purchasing Solutions), ESMOLOL HYDROCHLORIDE (WG Critical Care)
ESMOLOL HYDROCHLORIDE (Amneal Pharmaceuticals LLC), ESMOLOL HYDROCHLORIDE (AuroMedics Pharma LLC), ESMOLOL HYDROCHLORIDE (AuroMedics Pharma LLC), ESMOLOL HYDROCHLORIDE (Fresenius Kabi USA), ESMOLOL HYDROCHLORIDE (General Injectables and Vaccines), ESMOLOL HYDROCHLORIDE (Gland Pharma Limited), ESMOLOL HYDROCHLORIDE (HF Acquisition Co LLC), ESMOLOL HYDROCHLORIDE (HF Acquisition Co LLC), ESMOLOL HYDROCHLORIDE (HF Acquisition Co LLC), ESMOLOL HYDROCHLORIDE (Henry Schein), ESMOLOL HYDROCHLORIDE (Medical Purchasing Solutions), ESMOLOL HYDROCHLORIDE (Mylan Institutional LLC), ESMOLOL HYDROCHLORIDE (Sagent Pharmaceuticals), ESMOLOL HYDROCHLORIDE (WG Critical Care), ESMOLOL HYDROCHLORIDE IN SODIUM CHLORIDE (Mylan Institutional LLC)

海外での使用実績

エスモロール塩酸塩は、心臓疾患治療薬として世界中で広く使用されています。以下に、主要な国や地域におけるエスモロール塩酸塩の承認情報をまとめました。

アメリカ合衆国:1986年に承認されました。アメリカ食品医薬品局(FDA)は、エスモロール塩酸塩を心房細動や心室性不整脈の治療に使用することを承認しています。

カナダ:1995年に承認されました。カナダ保健省は、エスモロール塩酸塩を心室性不整脈の治療に使用することを承認しています。

オーストラリア:1996年に承認されました、オーストラリア保健省は、エスモロール塩酸塩を心室性不整脈や心房細動の治療に使用することを承認しています。

韓国:2000年に承認されました。韓国保健福祉部は、エスモロール塩酸塩を心房細動の治療に使用することを承認しています。

以上のように、エスモロール塩酸塩は、心臓疾患の緊急処置に広く使用されており、世界中の多くの国や地域で承認されています。ただし、承認条件や使用方法は国や地域によって異なるため、使用する際には医師の指示に従う必要があります。

効果・作用

エスモロール塩酸塩は、心臓のβ1受容体を遮断することで、交感神経から放出されるノルアドレナリンや副腎髄質から遊離されるアドレナリンによる心拍数の増加を抑制することで、抗不整脈作用を発揮します。さらに、心臓の収縮力を低下させることで心拍数を抑える効果もあります。これにより、心臓の酸素消費量を減らし、心臓の負担を軽減することができます。

しかし、エスモロール塩酸塩を使用する場合、副作用として低血圧、動悸、めまい、疲れやすさ、頭痛、吐き気、下痢などの症状を引き起こすことがあります。そのため、適切な用量と投与方法を守ることが非常に重要です。また、重篤な副作用としては、ショック、心不全、心臓麻痺などがあり、投与には慎重になる必要があります。

適切な投与量と投与方法は、年齢や症状によって異なるため、医師の指示に従って使用することが重要です。18歳以上の成人には、通常、1回0.1mL/kg(エスモロール塩酸塩として1mg/kg)を30秒間で心電図の連続監視下に静脈内に投与し、適宜減量します。持続投与を行う場合は、0.9mL/kg/時(150μg/kg/分)の投与速度で持続静脈内投与を開始し、適宜投与速度を調節し、目標とする心拍数を維持します。ただし、単回投与により効果を認めた場合でも、頻脈が再発した場合には、少なくとも5分間の投与間隔を置く必要があります。

褐色細胞腫の患者には、他のβ遮断剤投与により急激に血圧が上昇したとの報告があるため、褐色細胞腫の患者に投与する場合には、α遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与することが推奨されています。また、国内でのエスモロール塩酸塩の主な適応症は、心房細動や上室性頻拍などの不整脈の治療です。特に、心拍数が非常に速くなり、血行不全や心筋梗塞などの合併症がある場合には、迅速かつ効果的な治療が必要となります。そのような場合、エスモロール塩酸塩は、早期に心拍数を抑制することで、重篤な合併症の発生を防ぐことができます。

使用方法

通常、18歳以上には1回0.1mL/kg(エスモロール塩酸塩として1mg/kg)を30秒間で心電図の連続監視下に静脈内に投与されます。なお、年齢や症状により適宜減量する必要があります。持続投与を行う場合は、0.9mL/kg/時(150μg/kg/分)の投与速度で持続静脈内投与を開始し、適宜投与速度を調節し、目標とする心拍数を維持する必要があります。持続投与は、年齢や症状により適宜低用量から開始されます。

以下は用法・用量に関する使用上の注意事項です。

(1)本剤の単回投与により効果が認められた場合でも、その後頻脈が再発し、再投与が必要な場合には、少なくとも5分間の投与間隔を置くようにしてください(「臨床成績」及び「薬物動態」の項を参照してください)。
(2)褐色細胞腫の患者には、他のβ遮断剤の投与により急激に血圧が上昇する報告があるため、褐色細胞腫の患者には、α遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断剤を投与するようにしてください。
(3)国内臨床試験において、本剤150μg/kg/分を超える速度に増量することによる有効性の増強は証明されていません。また、国内臨床試験において、本剤300μg/kg/分を超える速度での投与経験はありません。したがって、用量調節に当たっては、心拍数や血圧などの変化に十分注意するようにしてください。

副作用

主な副作用
プレビプロックは、静脈内投与による治療薬であるが、副作用が報告されています。
■急速静脈内投与 243例中46例(18.9%)
・主な副作用 低血圧
■持続静脈内投与 40例中23例(57.5%)
・主な副作用 低血圧
■製造販売後の使用成績調査
・主な副作用 低血圧
※低血圧が発生した場合には、減量や中止などの適切な処置を行うことが必要です。

重大な副作用
心不全、末梢性虚血、心停止、高度徐脈、房室ブロック、気管支痙攣、呼吸困難、喘鳴、痙攣発作、血栓性静脈炎、肺水腫

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■糖尿病性及び代謝性ケトアシドーシスお持ちの方
アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある為、服用できません。
■洞性徐脈、房室ブロック(Ⅱ/Ⅲ度)、洞房ブロック、洞不全症候群をお持ちの方
これらの症状が悪化するおそれがある為、服用できません。
■心原性ショックの方
心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある為、服用できません。
■肺高血圧による右心不全のある方
心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある為、服用できません。
■うっ血性心不全のある方
心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある為、服用できません。
■未治療の褐色細胞腫の方
他のβ遮断剤投与により急激に血圧が上昇したとの報告があるため、褐色細胞腫の患者に投与する場合には、α遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断剤を投与することが必要です。
■エスモロール塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、エスモロール塩酸塩はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ブレビブロック注の有効成分
エスモロール塩酸塩
▼代表薬の添加物
酢酸ナトリウム水和物/氷酢酸/pH調整剤
・妊婦の方、または妊娠している可能性のある女性には治療の有益性が危険性を上回る場合のみ投与してください。
・授乳中の方は、基本投与を避けてください。やむを得なく投与する場合は授乳を中止してください。
・18歳未満の方は使用できません。
・有効成分エスモロール塩酸塩に対して、過敏症の既往歴がある方は使用できません。

上記にあてはまる方は、エスモロール塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
エスモロール塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

エスモロール塩酸塩に関する
よくある質問
投与後過度の徐脈を起こした場合はどのようにすればよいですか?

アトロピン(1~2㎎)を静注し、更に必要に応じてβ1作動薬であるドブタミン(毎分2.5~10㎍/㎏を静注)を投与する。他のβ遮断剤では、グルカゴン(10㎎を静注)が有効であったとの報告がある。

ブレビブロック注インタビューフォーム

【上記引用元:丸石製薬株式会社】

高齢者への投与に関して注意することはありますか?

高齢者には、次の点に注意、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。(1)高齢者では一般に過度の血圧降下、高度の徐脈が起きた場合には脳梗塞等が起こるおそれがある。(2)高齢者では、エスモロール塩酸塩の消失半減期の延長がみられることがある。(3)高齢者では生理機能が低下していることが多く、本剤の作用が強く発現するおそれがある。

ブレビブロック注インタビューフォーム

【上記引用元:丸石製薬株式会社】

参考元一覧

ブレビブロック注添付文章【丸石製薬株式会社】
ブレビブロック注インタビューフォーム【丸石製薬株式会社】

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