成分名 |
ジノプロストン |
適応症状 |
妊娠末期における陣痛の誘発および陣痛の促進 |
簡易説明 |
ジノプロストンは「PGE2受容体」と呼ばれる部位に作用して陣痛の誘発および陣痛の促進を引き起こします。PGE2受容体はEP1、EP2、EP3、EP4と呼ばれる4種類のタイプがあり、EP1とEP3はおもに子宮の収縮に、EP2は子宮の弛緩に、EP4は子宮頸管の熟化に関する働きを持ちます。服用開始から約1時間でジノプロストンの血液中濃度が最大になることからも、服用中は細心の注意を払ってモニタリングする必要があります。 |
処方可能な診療科目 |
産婦人科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約,1000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:0.5mg約265円
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:1984年3月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
プロスタグランジンE2錠0.5mg「科研」【製薬メーカー:科研製薬株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
ジノプロストンは「PGE2受容体」と呼ばれる部位に作用しますが、PGE2受容体はEP1、EP2、EP3、EP4と呼ばれる4種類のタイプがあり、EP1とEP3はおもに子宮の収縮に、EP2は子宮の弛緩に、EP4は子宮頸管の熟化に関する働きを持ちます。これら受容体の各タイプは妊娠の経過で活性化度合いに差がみられ、お互いが陣痛の制御に関与しあっています。
また、子宮収縮の中心的役割を担うホルモンのオキシトシンは、妊娠の初期から母体血液中のエストロゲンと呼ばれるホルモンの影響で増加していき、妊娠の中期から胎動の刺激や胎児下垂体からの分泌もさらに加わって分泌が増加していきます。また、エストロゲン以外にもプロスタグランジン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、カルシウムイオンなどによってもオキシトシンの分泌は亢進します。分娩の直前においてはオキシトシンのしげきを受け取るオキシトシン受容体が急激に増加され、子宮体の上部で強く短い収縮が連続的に起こります。以上のことから、分娩はプロスタグランジンを含む様々なホルモンの影響を受けながら子宮頸管熟化と子宮収縮を繰り返しながら進行していきます。
服用開始から約1時間でジノプロストンの血液中濃度が最大になることからも、服用中は細心の注意を払ってモニタリングする必要があります。 |
使用方法 |
通常、1日トータル6錠(ジノプロストンとして3ミリグラム を1回1錠1時間ごとに6回)を1クールとして服用します。体重や症状および状況に応じ医師の判断のもと適宜増量、減量できます。
※ジノプロストンの服用開始後、陣痛の誘発、分娩の進行効果が認められたとき、服用を中止します。
※1日総量ジノプロストンとして1クール3ミリグラム(6錠)を服用しても効果が認められない場合、ジノプロストンの服用を中止して翌日かそれ以降に服用を再開します。 |
副作用 |
重大な副作用
以下の重大な副作用があらわれる可能性があるので、経過観察を十分に行い、異常がおきた場合には服用を中止して医師の指示のもと適切な処置を行ってください。
・過強陣痛
※過強陣痛があらわれる可能性があります。またそれに伴い頸管裂傷、子宮破裂を引き起こす可能性があります。
・羊水の混濁、胎児の機能不全
※胎児の機能不全(徐脈、仮死、頻脈など)、羊水の混濁をきたす可能性があります。ジノプロストンの服用を中止しても症状が続いてしまう場合には、急速遂娩などの適切な処置が必要です。
その他の副作用
・循環器系:顔面潮紅、頻脈、血圧上昇
・精神神経系:めまい、頭痛、ふらつき
・消化器系:嘔吐、嘔気、下痢
・その他:呼吸異常、胸部の不快感、熱感、異常な発汗
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・前置胎盤の方
※過度な出血によって、母体および胎児へ悪影響を及ぼす可能性があります。
・児頭骨盤不均衡、骨盤狭窄、胎位異常をお持ちの方
※正常な経腟分娩の進行が起こらず、母体および胎児への悪影響を及ぼす可能性があります。
・胎児に機能不全のある方
※子宮の収縮によって胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。
・常位胎盤早期剥離の方
※緊急な胎児娩出が必要なため、ジノプロストン服用よりも外科的処置の方が、確実性が高く推奨されます。
・過強陣痛の方
※子宮破裂、胎児機能不全、胎児死亡のリスクが高まる可能性があります。
・帝王切開または子宮切開など経験のある方
※子宮の状態が脆弱になっている可能性があり、過強陣痛が生じた場合子宮の破裂リスクがあります。
※過強陣痛が引き起こされる可能性があります。
・オキシトシン、ジノプロスト(PGF2α)、ジノプロストン(PGE2(腟用剤))の使用終了後1時間以上経過していない方
※過強陣痛が引き起こされる可能性があります。
・吸湿性頸管拡張材(ラミナリア等)を挿入中の方またはメトロイリンテル挿入後1時間以上経過していない方
※過強陣痛が引き起こされる可能性があります。
・ジノプロストンに対して過敏症の経験がある方
使用に注意が必要な方 ・ぜんそくまたはその経験ある方
※気管支が収縮し副作用がおこる可能性があります。
・眼圧亢進状態、緑内障をお持ちの方
※動物実験(ウサギ)において眼の圧力が上昇したというデータがあります。
・多胎妊娠の方
※胎位胎勢異常がおこる可能性があります。
・多産の方
※子宮が弱くなっている可能性があり、過強陣痛が生じた場合子宮破裂のリスクが上昇します。
・妊娠末期以外の妊婦
※動物実験(マウス)において奇形の発生が認められています。
・児頭骨盤不均衡の疑いのある方
※経腟分娩が困難であり、過強陣痛が起こる可能性が高まります。
上記にあてはまる方は、ジノプロストンを使用する事が出来ない可能性があります。 ジノプロストンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・ジノプロストン(腟用剤)
※子宮収縮作用が前後して使用することにより過強陣痛が起きやすいので、ジノプロストン(腟用剤)の使用終了後に1時間以上の間隔をあけ、十分な分娩監視を行った後で慎重に服用してください。
・陣痛誘発、促進剤(オキシトシン、ジノプロスト)
※子宮収縮作用が前後して使用することにより過強陣痛が起きやすいので、前の薬の服用が終了した後で1時間以上経過してから次の薬の服用をし、十分な分娩監視を行ったうえで慎重に服用してください。
上記を使用している方は、ジノプロストンを使用する事が出来ない可能性があります。 ジノプロストンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・ジノプロスト(プロスタルモン・F注射液)、オキシトシン(アトニン-O注)、ジノプロストン(プロウペス腟用剤)
※これらの薬剤と同時に服用することによって子宮収縮作用が増強され、過強陣痛が引き起こされる可能性があります。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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参考元一覧 |
プロスタグランジンE2錠0.5mg「科研」 【プロスタグランジンE2錠0.5mg「科研」 添付文書】
医薬品マスター検索 【診療報酬情報提供サービス】 |
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