トリロスタン

成分名

トリロスタン

適応症状

クッシング症候群のアルドステロン分泌過剰状態の改善
クッシング症候群のアルドステロン分泌過剰状態の諸症状の改善
クッシング症候群のコルチゾール分泌過剰状態の改善
クッシング症候群のコルチゾール分泌過剰状態の諸症状の改善
原発性アルドステロン症のアルドステロン分泌過剰状態の改善
原発性アルドステロン症のアルドステロン分泌過剰状態の諸症状の改善
原発性アルドステロン症のコルチゾール分泌過剰状態の改善
原発性アルドステロン症のコルチゾール分泌過剰状態の諸症状の改善
特発性アルドステロン症のアルドステロン分泌過剰状態の改善
特発性アルドステロン症のアルドステロン分泌過剰状態の諸症状の改善
特発性アルドステロン症のコルチゾール分泌過剰状態の改善
特発性アルドステロン症のコルチゾール分泌過剰状態の諸症状の改善

簡易説明

トリロスタンは、クッシング症候群、コン症候群、閉経後乳癌などの治療に使用されている経口投与のお薬です。
日本では2021年現在でも人への使用が認められているが、米国では1990年代に人への使用が中止されております。しかし、その後2000年代に犬のクッシング症候群の治療薬として獣医学的に使用が承認されています。

処方可能な診療科目

内分泌代謝科/内分泌内科 など

健康保険の適応

健康保険適応
クッシング病は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約3000円~20000円程度
新薬1錠あたりの目安:デソパン錠60mg 535.5円(60mg1錠)(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

【発売開始年月日】1986年2月

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

デソパン錠60mg 【製薬メーカー:持田製薬】

関連製品(ジェネリック)

なし

効果・作用

副腎皮質ホルモンの合成を抑える作用により、過剰なホルモンによって起こる症状を改善します。
通常、アルドステロン症やクッシング症候群の治療に用いられます。

トリロスタンは、アルドステロンやコーチゾールなどの副腎皮質ホルモンの生合成を阻害する薬剤です。その作用点は、3β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素を拮抗的に阻害するものであり、その作用は可逆的です。このような性質から、トリロスタンは原発性アルドステロン症、クッシング症候群の治療薬として1980年より英国において使用されています。最近、日本においても、基礎研究、臨床研究が進み、上記疾患でアルドステロン、コーチゾールの分泌過剰状態、低カリウム血症や高血圧が改善され、それに伴う種々の症状の軽快も認められ、有用な治療薬であることが認められています。

クッシング症候群やコン症候群におけるトリロスタンの作用機序は、副腎におけるコルチゾールやアルドステロンなどの副腎皮質ホルモンの産生を阻害する事にあります。また、トリロスタンは、プロゲステロンの合成を阻害する事から、人工妊娠中絶薬としても使用されています。

トリロスタンはアロマターゼ阻害剤ではないので、アンドロステンジオンやテストステロンなどのアンドロゲンがエストロンやエストラジオールなどのエストロゲンに変換されるのを阻害しません。しかし、トリロスタンは、それにも拘わらず、アンドロゲン合成を阻害する事でエストロゲン合成を阻害する可能性があります。

ステロイド合成阻害に加えて、トリロスタンは、エストロゲン受容体との直接的かつ推定上のアロステリックな相互作用を介して、非競合的な抗エストロゲン薬として作用する事が判明しています。閉経後の乳癌に対するトリロスタンの有効性は、この明らかな抗エストロゲン活性に関連していると考えられます。また、トリロスタンはアンドロゲン受容体の作動薬として作用する事が知られている為、男性の前立腺癌患者への使用には注意が必要です。
■クッシング病とは、副腎から分泌される「コルチゾール」というホルモンが慢性的に過剰分泌されることで、全身にさまざまな症状を起こす病気です。
■アルドステロン症は、アルドステロンの過剰産生が原因で、体液貯留による血圧の上昇、脱力感、まれに周期的な麻痺が起きる病気です。

使用方法

通常、成人には初期投与量として1日240mg(4錠)を3~4回に分割投与する
維持量として1日240mg~480mg(4~8錠)を3~4回に分割投与する
なお、年齢、症状により適宜増減する

副作用

主な副作用
AST上昇/ALT上昇/Al−P上昇/γ−GTP上昇/過敏症/発疹/紅斑/潮紅/そう痒感/悪心/嘔吐

重大な副作用
なし

その他の副作用
食欲不振/胃部不快感/腹部不快感/胸やけ/下痢/口渇/倦怠感/眠気/脱毛/関節痛

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・妊婦・産婦

使用に注意が必要な方
・下垂体性ACTH過剰分泌によるクッシング症候群
・クッシング病
・重篤な肝障害
・重篤な腎障害
・副腎皮質機能低下
・授乳婦
・新生児(低出生体重児を含む)
・乳児
・幼児・小児
・高齢者
・生殖能を有する(11歳〜)
・小児等(0歳〜14歳)
・高齢者

上記にあてはまる方は、トリロスタンを使用する事が出来ない可能性があります。
トリロスタンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
ミトタン:副腎皮質機能抑制作用の増強

上記を使用している方は、トリロスタンを使用する事が出来ない可能性があります。
トリロスタンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
副作用は強く出るお薬ですか?

トリロスタンは、重大な副作用がより少ないとされているお薬です。もし、食欲元気がなくなる、嘔吐、下痢などの症状が見られたら休薬してかかりつけ医にご相談ください。何らかの症状は基礎疾患悪化のせいかもしれません。薬の量の調節があるので早めにかかりつけ医にご相談ください。

人間用のトリロスタンを犬が飲んでもいいですか?

成分は同じなので大丈夫ですが、投与量によって効果が出すぎることがあり、副腎皮質機能低下症を引き起こす可能性もあります。
体調の変化に注意し、医師の指導の元、適切に服用することをお勧めします。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。