ノルエチステロン

成分名

ノルエチステロン

適応症状

月経困難症/生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整 など

簡易説明

「ノルエチステロン」は、女性ホルモン(卵胞ホルモン及び黄体ホルモン)を補充し卵胞の成熟を抑え排卵を抑えることで月経困難症や月経周期異常などを治療する薬で、月経困難症、生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整の治療に用いられます。
日本では、ノーベルファーマがルナベルの商品名で販売しており、また、あすか製薬がフリウェルの商品名で販売しています。
「ノルエチステロン」は、少量の女性ホルモン配合薬で、女性ホルモンの体内分泌をなだらかにする作用があり、排卵をおさえ卵巣や子宮を休ませることで、生理が軽くなり、月経困難症の痛みが緩和されます。
また、子宮内膜症においては病巣の活動が低下し、病巣の拡大・悪化を防ぐ効果も期待できます。

処方可能な診療科目

内科/産婦人科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
ルナベル配合錠LD 204円/錠(薬価)
ルナベル配合錠ULD 213.1円/錠(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2008年7月認可

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

ルナベル配合錠LD 【製薬メーカー:ノーベルファーマ】
ルナベル配合錠ULD【製薬メーカー:ノーベルファーマ】

関連製品(ジェネリック)

フリウェル配合錠LD「あすか」【製薬メーカー:あすか製薬】
フリウェル配合錠ULD「あすか」【製薬メーカー:あすか製薬】

効果・作用

「ノルエチステロン」は、女性ホルモン(卵胞ホルモン及び黄体ホルモン)を補充し卵胞の成熟を抑え排卵を抑えることで月経困難症や月経周期異常などを治療する薬です。
子宮内膜は受精が不成立なら剥がれ落ちて、その際に下腹部の強い痛み、吐き気やそれに伴う抑うつなどがあらわれることがありますが、これが月経困難症の症状となります。
適正に月経が起こるには卵胞ホルモンと黄体ホルモンの働きが必要で、これらのホルモンが脳に指令を与えることで卵胞の成熟が止まります。
「ノルエチステロン」は、卵胞ホルモン・黄体ホルモンの混合剤で、脳にこれらを認識させることで卵胞の成熟を抑え排卵を抑えます。

使用方法

▼用法用量
[月経困難症]
・1日1錠を毎日一定の時刻に21日間経口投与して、その後7日間休薬します。以上28日間を投与1周期とし、出血が終わっているか続いているかにかかわらず、29日目から次の周期の錠剤を投与し、以後同様に繰り返します。

[生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整]
・1日1錠を毎日一定の時刻に、通常、14日間から21日間経口投与します。

副作用

重大な副作用
▼血栓症(四肢、肺、心、脳、網膜等)(頻度不明)
下肢の急激な疼痛・腫脹、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、四肢の脱力・麻痺、構語障害、急性視力障害等の症状があらわれることがあります。このような症状があらわれた場合は直ちに投与を中止して、適切な処置を行ってください。

▼アナフィラキシー(頻度不明)
呼吸困難、蕁麻疹、血管浮腫、そう痒感等があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。

その他の副作用
・発疹、薬疹、顔面浮腫
・貧血
・浮腫、体重増加、体重減少、高プロラクチン血症
・高脂血症
・頭痛
・倦怠感、めまい、いらいら感、ふらつき、感覚鈍麻、嗅覚錯誤、眠気、不眠症、感情不安定、顔面感覚鈍麻、片頭痛、異常感、知覚過敏、睡眠障害
・神経過敏、頭重、しびれ感、振戦、抑うつ
・霧視
・視覚障害(視力低下、視野欠損等)
・血圧上昇、動悸、ほてり、末梢性浮腫、起立性低血圧
・悪心、上腹部痛
・嘔吐、腹痛、下痢、便秘、胃痛、腹部膨満、鼓腸、胃炎、過敏性腸症候群、胃不快感、歯痛、排便痛、消化管運動障害、口内炎、食欲不振、痔核、腸炎、腹部不快感、消化不良、胃腸炎
・口渇、胸やけ、食欲亢進
・肝機能異常
・黄疸
・ざ瘡、湿疹、蕁麻疹、多形紅斑、アトピー性皮膚炎、女性陰部そう痒症、紅斑、そう痒症、皮膚乾燥、紫斑
・色素沈着、脱毛症、結節性紅斑
・背部痛
・四肢痛、筋痙縮、筋骨格硬直
・尿道炎、尿中蛋白陽性
・出血性卵巣嚢胞、卵巣新生物、卵巣嚢胞、卵巣血腫、卵巣出血
・ 不正性器出血(破綻出血、点状出血)(LD:60.0%、ULD:81.1%)、希発月経(LD:14.1%、ULD:35.8%)、月経過多、下腹部痛、過少月経、頻発月経
・無月経、不規則月経、性器分泌物、子宮肥大、消退出血不規則、性交出血、子宮類線維腫の変性、子宮平滑筋腫、子宮頸管ポリープ、月経前症候群、子宮出血
・経血量の変化、帯下の増加
・乳房痛、乳房不快感
・乳房緊満感、乳房萎縮、乳汁分泌、乳癌、乳房腫瘤、乳汁漏出症、線維嚢胞性乳腺疾患、乳腺線維腺腫
・AST増加、ALT増加、γ-GTP増加、プラスミノーゲン増加、血中トリグリセリド増加、血中コレステロール増加、血中フィブリノゲン増加、血中鉄減少、血小板数増加、血中ビリルビン増加、血中鉄増加、子宮頸部スミア異常
・フィブリンDダイマー増加
・性欲減退、熱感、胸部不快感、炎症性疼痛、帯状疱疹、副鼻腔炎、齲歯、カンジダ症、鼻炎、髄膜腫、発熱、耳鳴、外陰腟乾燥、アレルギー性鼻炎
・多汗

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・本剤の成分に対し過敏性素因のある患者。
・エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば乳癌、子宮内膜癌)、子宮頸癌及びその疑いのある患者は、腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがあります。
・診断の確定していない異常性器出血のある患者は、性器癌の疑いがある。出血が性器癌による場合は、癌の悪化あるいは顕性化を促すことがあります。
・血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患又はその既往歴のある患者は、血液凝固能が亢進され、これらの症状が増悪することがあります。
・35歳以上で1日15本以上の喫煙者は、心筋梗塞等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。
・前兆(閃輝暗点、星型閃光等)を伴う片頭痛の患者は、前兆を伴う片頭痛の患者は前兆を伴わない患者に比べ脳血管障害(脳卒中等)が発生しやすくなるとの報告があります。
・肺高血圧症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の患者、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の患者は、血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。
・血管病変を伴う糖尿病患者(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症等)は、血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。
・血栓性素因のある患者は、血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。
・抗リン脂質抗体症候群の患者は、血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。
・手術前4週以内、術後2週以内、産後4週以内及び長期間安静状態の患者は、血液凝固能が亢進され、心血管系の副作用の危険性が高くなることがあります。
・重篤な肝障害のある患者。
・肝腫瘍のある患者は、症状が増悪することがあります。
・脂質代謝異常のある患者は、血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。また、脂質代謝に影響を及ぼす可能性があるため、症状が増悪することがあります。
・高血圧のある患者(軽度の高血圧の患者を除く)は、血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。また、症状が増悪することがあります。
・耳硬化症の患者は、症状が増悪することがあります。
・妊娠中に黄疸、持続性そう痒症又は妊娠ヘルペスの既往歴のある患者は、症状が再発するおそれがあります。
・妊婦又は妊娠している可能性のある患者。
・授乳婦。
・骨成長が終了していない可能性がある患者は、骨端の早期閉鎖を来すおそれがあります。

使用に注意が必要な方
・子宮筋腫のある患者は、定期的に内診や画像診断等の検査を行うなど慎重に投与してください。筋腫の腫大を促すことがあります。
・40歳以上の患者(ただし、1日15本以上の喫煙者には投与しないこと)は、一般に心筋梗塞等の心血管系の障害が発生しやすくなる年代であるため、これを助長するおそれがあります。
・乳癌の既往歴のある患者は、乳癌が再発するおそれがあります。
・乳癌の家族歴又は乳房に結節のある患者は、定期的に乳房検診を行うなど慎重に投与してください。エストロゲン投与と乳癌発生との因果関係についてその関連性を示唆する報告もあります。
・喫煙者(ただし、35歳以上で1日15本以上の喫煙者には投与しないこと)は、心筋梗塞等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。
・肥満の患者は、血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。
・血栓症の家族歴を持つ患者は、血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。
・前兆を伴わない片頭痛の患者は、脳血管障害(脳卒中等)が発生しやすくなるとの報告があります。
・心臓弁膜症の患者(ただし、肺高血圧症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の患者、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の患者には投与しないこと)は、血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。
・軽度の高血圧(妊娠中の高血圧の既往も含む)のある患者は、血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。また、症状が増悪することがあります。
・耐糖能の低下している患者(糖尿病患者及び耐糖能異常の患者)は、十分コントロールを行いながら投与すること。耐糖能が低下することがあります。
・ポルフィリン症の患者は、症状が増悪することがあります。
・心疾患又はその既往歴のある患者は、ナトリウム又は体液の貯留により症状が増悪することがあります。
・てんかん患者は、症状が増悪することがあります。
・テタニーのある患者は、症状が増悪することがあります。
・腎疾患又はその既往歴のある患者は、ナトリウム又は体液の貯留により症状が増悪することがあります。
・肝障害のある患者(重篤な肝障害の患者を除く)は、代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがあります。
・生殖能を有する者は、本剤の投与に際しては、問診、内診、基礎体温の測定、免疫学的妊娠診断等により、妊娠していないことを十分に確認してください。また、服用中に消退出血が2周期連続して発来しなかった場合、投与継続に先だって妊娠していないことを確認してください。妊娠を希望する場合には、本剤の服用を中止後に月経周期が回復するまで避妊させることが望ましいです。
・小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していません。

上記にあてはまる方は、ノルエチステロンを使用する事が出来ない可能性があります。
ノルエチステロンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・副腎皮質ホルモン
 プレドニゾロン等
・三環系抗うつ剤
 イミプラミン等
・セレギリン塩酸塩
・シクロスポリン
・テオフィリン
・オメプラゾール
・チザニジン
・リファンピシン
・リファブチン
・バルビツール酸系製剤
 フェノバルビタール等
・ヒダントイン系製剤
 フェニトインナトリウム等
・カルバマゼピン
・ボセンタン
・モダフィニル
・トピラマート
・テトラサイクリン系抗生物質
 テトラサイクリン等
・ペニシリン系抗生物質
 アンピシリン等
・テルビナフィン塩酸塩
・Gn-RH誘導体
 ブセレリン酢酸塩等
・血糖降下剤
 インスリン製剤
 スルフォニル尿素系製剤
 スルフォンアミド系製剤
 ビグアナイド系製剤等
・ラモトリギン
・モルヒネ
・サリチル酸
・HIVプロテアーゼ阻害剤
 ネルフィナビルメシル酸塩
 ホスアンプレナビル(リトナビル併用時)
・HIVプロテアーゼ阻害剤
 リトナビル
 ダルナビル(リトナビル併用時)
・HIVプロテアーゼ阻害剤
 ロピナビル・リトナビル配合剤
・非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
 ネビラピン
・HIVプロテアーゼ阻害剤
 アタザナビル
・非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
 エトラビリン 
・アプレピタント
・ホスアプレピタント
・フルコナゾール
・ボリコナゾール
・アセトアミノフェン
・ルフィナミド
・セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

上記を使用している方は、ノルエチステロンを使用する事が出来ない可能性があります。
ノルエチステロンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
「ノルエチステロン」はどういった効果がある薬ですか?

生理の痛みを軽くする薬で、月経困難症の治療に用います。

「ノルエチステロン」を使用するにあたって気をつけることはありますか?

医師の指示に従い、決められた服薬スケジュールを守って服用してください。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。