ペグビソマント(遺伝子組換え)

成分名

ペグビソマント(遺伝子組換え)

適応症状

先端巨大症(外科的処置、他剤効果不十分、他剤治療が難しい場合)におけるIGF-Ⅰ分泌過剰状態もしくは諸症状の改善

簡易説明

ペグビソマントは先端巨大症という成長ホルモンの過剰分泌によって起こる疾患に使用される薬剤です。日本で初めての成長ホルモン受容体拮抗薬であり、IGF-Ⅰの値を正常化することが認められています。毎日の投与で症状が改善が示されていることに加えて、長期間投与での有効性も示されています。現在40か国以上で使用されています。

処方可能な診療科目

脳神経外科/脳血管内治療科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
ソマバート皮下注用10mg【製薬メーカー:ファイザー】10mg1瓶8851円(薬価)
ソマバート皮下注用15mg【製薬メーカー:ファイザー】10mg1瓶11689円(薬価)
ソマバート皮下注用20mg【製薬メーカー:ファイザー】10mg1瓶11423円(薬価)

厚生労働省による認可、または発売年月日

2007年6月発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ソマバート皮下注用10mg/15mg/20mg【製薬メーカー:ファイザー】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

40か国以上で販売されています。

効果・作用

ペグビソマントは成長ホルモン受容体に結合することで、成長ホルモンのシグナル伝達を抑制します。先端巨大症は成長ホルモンが過剰に分泌されることで発症するため、本剤は症状を改善します。

先端巨大症患者18例を対象とした臨床試験を実施しています。患者は初日40mg、2日目から投与8週後まで10mgを毎日投与し、18例中11例は9週目から15mgへ増量しました。
投与後の血清中IGF-Ⅰ値の変化率は、-54.7±24.72%であり、投与前と比べて有意に減少しました。血清中IGF-Ⅰ値の正常化率は、18例中8例に認められ、44.4%でした。指輪サイズと臨床症状スコアの合計値においても本剤の改善傾向がみられました。

毎日投与試験に参加した患者のうち医師により安全性及び有効性が問題ないと判断された16名に対し、1日量30mgを上限として長期投与試験を行いました。
投与期間の中央値は433.5日でした。最終観測時点の血清中IGF-Ⅰ値の変化率は、-66.7±31.19%であり低下を維持しました。血清中IGF-Ⅰ値の正常化率は16例中13例に認められ、81.3%でした。指輪サイズと臨床症状スコアにおいても毎日投与の時と同じく改善がみられました。

使用方法

初日は40mgを1日1回皮下投与します。翌日以降は1日1回10mgを投与します。なお、血清中IGF-Ⅰ値または症状によって、1日量30mgまで増量可能です。ただし増減するときは、5mgずつとしてください。

副作用

主な副作用は、頭痛や下痢などがあげられます。

項目別の発現頻度は以下の通りです。

過敏症・・アナフィラキシー様反応(頻度不明)
血液・・出血傾向(1~3%未満)、白血球増加症/血小板数減少/白血球数減少(1%未満)
代謝異常・・糖尿病/低血糖症/限局性皮下脂肪貯留/グリコヘモグロビン増加/血中コレステロール 増加/血中トリグリセリド増加(1~3%未満)、高脂血症/血中ブドウ糖増加/肥満(1%未満)
精神・神経系・・頭痛(3%以上)、振戦/浮動性めまい/傾眠/異常な夢/浅眠(1~3%未満)、感覚減退/健忘/突発的睡眠/ナルコレプシー/過眠症/リビドー亢進/錯乱状態/怒り/不眠症/無感情/末梢ピリピリ感(1%未満)
感覚器・・眼痛(1~3%未満)、眼精疲労/眼圧迫感/視力低下/眼球運動異常/メニエール病/耳鳴(1%未満)
循環器・・血圧上昇/高血圧(1~3%未満)、ほてり/不整脈(1%未満)
呼吸器・・低換気(1%未満)
消化器・・下痢(3%以上)、悪心/嘔吐/胃不快感/鼓腸/腹部膨満/腹痛/軟便/便秘(1~3%未満)、口内乾燥/歯間の増大/歯肉腫脹/流涎過多/消化不良/痔核(1%未満)
肝臓・・AST増加/ALT増加/トランスアミナーゼ上昇/肝機能検査値異常(1~3%未満)、肝酵素上昇/血中アルカリホスファターゼ増加(1%未満)
皮膚・・瘙痒症/多汗症(1~3%未満)、顔面腫脹/丘疹/紅斑/紅斑性皮疹/挫傷発生の増加傾向/寝汗/皮膚乾燥/皮膚乾燥・皮膚過敏/皮膚疼痛(1%未満)
筋・骨格系・・関節痛(1~3%未満)、関節炎/筋痛/頚部痛(1%未満)
腎臓・・血尿/尿潜血陽性/多尿/蛋白尿/腎機能障害(1%未満)
全身症状・・疲労(3%以上)、インフルエンザ様疾患/空腹感/末梢性浮腫/無力症/倦怠感(1~3%未満)、異常感/創傷治癒不良/発熱/胸部不快感(1%未満)
注射部位・・注射部位出血/注射部位反応(3%以上)、注射部位紅斑/注射部位疼痛(1~3%未満)、注射部位腫脹(1%未満)
その他・・体重増加(3%以上)、鼻咽頭炎(1~3%未満)、挫傷/乳房腫瘤/総蛋白減少(1%未満)

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
<使用できない方>

■ペグビソマントを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ソマバート皮下注の有効成分
ペグビソマント

▼代表薬の添加物
グリシン 、D-マンニトール 、無水リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム一水和物

・以前、ペグビソマントを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性
・小児
・高齢者

上記にあてはまる方は、ペグビソマント(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
ペグビソマント(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
<インスリン製剤/経口血糖降下剤>
低血糖症状があらわれることがあるので、併用する際は上記の薬剤を減量するなど注意をしてください。

<麻薬>
本剤の血清中IGF-Ⅰ低下作用を減弱させる恐れがあります。

上記を使用している方は、ペグビソマント(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
ペグビソマント(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ペグビソマント(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
過量に投与してしまった場合はどうしたらよいですか?

過量投与をしてしまった場合は、本剤の投与を中止し、IGF-Ⅰ値が正常の範囲以下に回復するまで、再投与はしないでください。海外で1例過量投与の報告があり、投与中に軽度の無力症と口内乾燥感の程度が悪化したとの報告があります。また、過量投与の1週間後に、不眠、疲労の増強、末梢性浮腫、振戦が発現しました。

過量投与

【上記引用元:ペグビソマント 医薬品インタビューフォーム】

注射する際に気を付けることはありますか?

注射部位の出血、紅斑、疼痛、腫脹等が報告されているので、同一の場所に繰返して注射しないでください。連続して注射をする場合は、上腕、太腿、腹部、臀部等、毎度変えてください。また、発赤、湿疹、損傷のある部位は避けてください。

適用上の注意

【上記引用元:ペグビソマント 医薬品インタビューフォーム】

参考元一覧

ペグビソマント 添付文書

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