ゴセレリン酢酸塩

成分名

ゴセレリン酢酸塩

適応症状

・子宮内膜症(1.8㎎デポのみの適応)
・前立腺癌
・閉経前乳癌

簡易説明

ゴセレリン塩酸塩はLH-RHアゴニストであり、下垂体LH-RH受容体に作用します。
初めはゴナドトロピン分泌能を増強させますが、継続的な刺激により受容体がダウン・レギュレーションを起こし、ゴナドトロピン分泌能が低下します。
これにより、精巣からのテストステロン分泌や卵巣からのエストラジオール分泌を抑制し、下垂体-性腺系機能を抑制します。
この作用により、前立腺癌や閉経前乳癌及び子宮内膜症の治療において、効果を発揮することができます。

処方可能な診療科目

婦人科/乳腺外科/泌尿器外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
薬代1筒当たりの目安:1.8㎎デポ1筒約21814円/3.6㎎デポ1筒約26576円/LA10.8㎎デポ1筒45350円/(薬価)
薬代後発薬1筒当たりの目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日
ゾラデックス1.8㎎デポ::2000年10月1日
ゾラデックス3.6㎎デポ:1991年9月1日
ゾラデックスLA10.8㎎デポ:2002年4月1日

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ゾラデックス1.8㎎デポ【製薬メーカー:アストラゼネカ株式会社】
ゾラデックス3.6㎎デポ【製薬メーカー:アストラゼネカ株式会社】
ゾラデックスLA10.8㎎デポ【製薬メーカー:アストラゼネカ株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

米国:1989年にFDAにより承認され、前立腺癌や乳がん、子宮内膜症、子宮筋腫などの疾患に使用されます。また、年齢進行に伴う男性ホルモンの低下による症状改善のためにも使用されます。
欧州連合:1990年代初頭に承認され、前立腺癌、乳がん、子宮内膜症、子宮筋腫、性早熟などの疾患に使用されます。
カナダ:1991年に承認され、前立腺癌や乳がんなどの疾患に使用されます。また、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科疾患にも使用されます。
オーストラリア:1992年に承認され、前立腺癌や乳がんなどの疾患に使用されます。また、子宮内膜症や子宮筋腫、性早熟などにも使用されます。
韓国:1996年に承認され、前立腺癌や乳がん、子宮内膜症、子宮筋腫、性早熟、子宮出血などの疾患に使用されます。
中国:1997年に承認され、前立腺癌や乳がん、子宮内膜症、子宮筋腫などの疾患に使用されます。

効果・作用

ゴセレリン酢酸塩は、イギリスで開発された抗がん剤であり、LH-RHアゴニスト製剤と呼ばれます。主要成分のゴセレリンは、脳の視床下部から分泌されるホルモンに似た物質であり、この薬を連日投与することで、下垂体の反応性が低下し、精巣または卵巣からのテストステロンまたはエストロゲンの分泌が抑制され、抗がん効果が生まれます。この作用により、前立腺がんや乳がんの進行を遅らせることができます。

ゴセレリン酢酸塩は、1回の注射で1ヶ月間(1.8㎎デポ/3.6㎎デポ)もしくは約3ヶ月間(LA10.8㎎デポ)、有効成分がゆっくりと血液中に放出される徐放剤であり、投与は医師によって行われます。進行性の前立腺がんや閉経前乳がん、及び低用量で子宮内膜症の治療に適用されますが、他のがんの治療にも使用されることがあります。
ただし、ゴセレリン酢酸塩は副作用もあります。女性では、多汗、ほてり、発疹、倦怠感、うつ病などの更年期障害に似た症状が現れることがあります。また、月経不順や無月経も報告されています。男性では、排尿障害や性欲減退が見られることがあります。その他、頭痛、めまい、吐き気、筋肉痛、関節痛などの症状も現れることがあります。

重大な副作用としては、骨密度の低下があります。特に、長期間にわたってゴセレリン酢酸塩を使用した場合、骨粗鬆症や骨折のリスクが高くなることが報告されています。そのため、骨密度の低下を防ぐために、カルシウムやビタミンDの摂取や運動をすることが推奨されています。
また、ゴセレリン酢酸塩は妊娠中や授乳中の女性には禁忌とされています。また、過去にアレルギー反応を起こしたことがある人や、重度の肝機能障害を持つ人にも使用できないことがあります。そのため、ゴセレリン酢酸塩を使用する前には、医師に相談することが必要です。

使用方法

<ゾラデックス1.8mgデポ>
通常、成人には本剤1筒(ゴセレリンとして1.8mg含有)を前腹部に4週(28日)ごとに1回皮下投与します。初回は必ず月経中に投与するようにしてください。
<ゾラデックス3.6mgデポ>
通常、成人には本剤1筒(ゴセレリンとして3.6mg含有)を前腹部に4週(28日)ごとに1回皮下投与します。
<ゾラデックスLA10.8mgデポ>
通常、成人には本剤1筒(ゴセレリンとして10.8mg含有)を前腹部に12~13週ごとに1回皮下投与します。

副作用

主な副作用
ほてり(64.3%以上)
肩こり(25.4%以上)
頭痛(5%以上)
めまり/関節痛/乳房緊満感(1~5%未満)

重大な副作用
アナフィラキシーショック(頻度不明))
劇症肝炎/肝障害/黄疸(頻度不明)
血栓塞栓症(頻度不明)

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■診断のつかない異常性器出血の方
異常性器出血の原因疾患を悪化させる可能性があるため投与しないでください。
■ゴセレリン酢酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ゴセレリン酢酸塩はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ゾラデックスデポの有効成分
ゴセレリン酢酸塩
▼代表薬の添加物
乳酸グリコール酸共重合体

・妊婦の方、または妊娠している可能性のある女性には投与しないでください。
・授乳中の方は、投与しないでください。
・18歳未満の方は使用できません。
・有効成分ゴセレリン酢酸塩に対して、過敏症の既往歴がある方は使用できません。

上記にあてはまる方は、ゴセレリン酢酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ゴセレリン酢酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ゴセレリン酢酸塩に関する
よくある質問
ゾラデックス1.8mgデポは、4週(28日)を超える間隔で投与してもよいですか?

4週に1回の用法を遵守してください。ゾラデックス1.8mgデポは1回の投与で4週間効果が持続するように設計された製剤です。従って、投与間隔を延長した場合、臨床症状が悪化する可能性があります。子宮内膜症患者において、ゾラデックス1.8mgデポを、4週を超える投与間隔で投与し、内分泌効果や臨床効果を検討した報告はありません。ゾラデックス1.8mgデポを、4週に1回継続投与すると、血中エストラジオール値は、初回投与時に一過性に上昇した後、ほぼ閉経後レベルで推移しますが、投与中止後には、下垂体機能は回復します。従って、4週を超える間隔でゾラデックス1.8mgデポを投与すると、下垂体-性腺系刺激作用によって、血清エストロゲン濃度が再度上昇する可能性があります。

ゾラデックス1.8㎎Q&A

【上記引用元:キッセイ薬品】

ゾラデックス1.8mgデポの6ヶ月投与により、骨塩量が低下するのはなぜですか?

ゾラデックス1.8mgデポのようなGnRHアゴニストの投与で、血清エストロゲン値は閉経域まで低下し、子宮内膜症病変は萎縮・変性をきたします。その一方で、卵巣摘出後や閉経後に生じる骨塩量減少と同様の、GnRHアゴニストによる持続的な低エストロゲン状態が、骨塩量の減少をもたらすと考えられます。

ゾラデックス1.8㎎Q&A

【上記引用元:キッセイ薬品】

参考元一覧

ゾラデックス1.8㎎デポ注添付文章【アストラゼネカ株式会社】
ゾラデックス3.6㎎デポ注添付文章【アストラゼネカ株式会社】
ゾラデックスLA10.8㎎デポ注添付文章【アストラゼネカ株式会社】
ゾラデックス3.6㎎デポインタビューフォーム【アストラゼネカ株式会社】

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