成分名 |
オシロドロスタットリン酸塩 |
適応症状 |
クッシング症候群(外科的処置で効果が不十分又は施行が困難な場合) |
簡易説明 |
クッシング症候群の治療に用いられるお薬です。副腎でのコルチゾール合成を阻害することで、体内でのコルチゾールの濃度を低下させます。
クッシング病とは、副腎から分泌される「コルチゾール」というホルモンが慢性的に過剰分泌されることで、全身にさまざまな症状を起こす病気です。日本では2021年3月に承認された新しいお薬です。 |
処方可能な診療科目 |
内分泌代謝科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応
クッシング病は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約4000円~15000円程度
新薬1錠あたりの目安:
イスツリサ錠1mg 3335.9円(薬価)
イスツリサ錠5mg 13249円(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2021年6月【発売開始年月日】 |
国内のジェネリック認可 |
なし |
関連製品(先発薬) |
イスツリサ錠1mg【製薬メーカー:レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン】
イスツリサ錠5mg【製薬メーカー:レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン】 |
関連製品(ジェネリック) |
なし |
効果・作用 |
イスツリサ錠は、クッシング症候群の原因となるコルチゾールの生合成の最終段階を触媒する11β-水酸化酵素(CYP11B1)の阻害剤です。CYP11B1阻害作用により副腎でのコルチゾール生合成を抑制し、高コルチゾール血症を是正すると考えられます。クッシング症候群のいずれの病型に対しても治療効果を発揮することが期待されます。
■クッシング症候群とは
何らかの原因でコルチゾールが過剰になった状態のことを「クッシング症候群」と呼んでいます。そのうち、ACTHの過剰分泌によってコルチゾールが過剰になっているものが「クッシング病」です。
副腎から分泌されるコルチゾールの作用が過剰に分泌され、満月様顔貌や中心性肥満など、特徴的な身体徴候を示します。一般に、30〜50歳代の女性に多いといわれています。
コルチゾールは副腎から分泌されるホルモンの中で最も重要なホルモンであり、下垂体から出てくるACTH(副腎皮質刺激ホルモン)により促進されます。ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)は、さらに上位の脳にある視床下部から分泌されるCRH(コルチコトロピン放出ホルモン)の調節を受けます。副腎のコルチゾールが過剰に産生、分泌されることにより特徴的な症状を示す状態を「クッシング症候群」といいます。
クッシング症候群の中にも、いくつかの原因があります。ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が過剰に分泌され、そのためにコルチゾールが増える状態のことを「ACTH依存性クッシング症候群」。さらにこの中で下垂体に原因がありACTHを過剰に出す病気を「クッシング病」。下垂体以外からACTHが過剰に分泌される病気を「異所性ACTH症候群」と呼びます。一方、副腎の原因でコルチゾールを過剰に分泌する状態のことを「ACTH非依存性クッシング症候群」あるいわ「副腎性クッシング症候群」と呼びます。
■クッシング症候群の原因
原因の多くは、頭部にできた腫瘍が、コルチゾールを生成するホルモンをたくさん出しているか、副腎にできた腫瘍で、コルチゾールをたくさん生成している、のどちらかです。
まれに、頭や副腎以外の場所にできた腫瘍が、コルチゾールを生成するホルモンをたくさん出していることがあります。
また、別の病気の治療で、大量のコルチゾール(ステロイド)を使用している人にも起こることがあります。 |
使用方法 |
通常、成人にはオシロドロスタットとして1回1mgを1日2回経口投与から開始するが、開始用量は患者の状態に応じて適宜減量する。その後は、患者の状態に応じて適宜増減するが、最高用量は1回30mgを1日2回とする。
【重要な基本的注意】
めまい、眠気等があらわれることがあります。自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意するよう。 |
副作用 |
主な副作用
オシロドロスタットリン酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
オシロドロスタットリン酸塩を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
低カリウム血症/食欲減退/浮動性めまい/頭痛/低血圧/悪心/嘔吐/下痢/男性型多毛症/ざ瘡/血中コルチコトロピン増加
■オシロドロスタットリン酸塩の注意すべき副作用
低コルチゾール血症/副腎皮質機能不全/コルチゾール値が基準値を下回った/コルチゾール値が急速に低下/低カリウム血症/食欲減退/浮動性めまい/頭痛/低血圧/悪心
重大な副作用
低コルチゾール血症/副腎皮質機能不全/コルチゾール値が基準値を下回った/コルチゾール値が急速に低下/QT間隔が480msecを超えて延長
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
◇◇
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
その他の副作用
血中テストステロン増加/疲労/浮腫/けん怠感/失神/頻脈/腹痛/発疹/トランスアミナーゼ上昇/心電図QT延長
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 下記、添加物にアレルギーをお持ちの方(イスツリサ錠1mgの場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼イスツリサ錠1mgの有効成分
1錠中オシロドロスタットリン酸塩1.431mg(オシロドロスタットとして1mg)
▼イスツリサ錠1mgの添加物
セルロース/D-マンニトール/ステアリン酸マグネシウム/無水ケイ酸/クロスカルメロースナトリウム/ヒプロメロース/酸化チタン/三二酸化鉄/ポリエチレングリコール/タルク
・本剤成分又は含有成分で過敏症の既往歴のある方
・副腎皮質機能不全
・妊婦・産婦
使用に注意が必要な方 ・QT延長
・高血圧
・低カリウム血症
・低マグネシウム血症
・電解質異常
・徐脈性不整脈
・先天性QT延長症候群
・うっ血性心不全
・コルチゾール需要が増加している状態
・授乳婦
・新生児(低出生体重児を含む)
・乳児
・幼児・小児
・妊娠可能な女性(11歳〜)
・小児等(0歳〜14歳)
【慎重投与】
・中等度<Child−Pugh分類クラスB>の肝機能障害
・重度<Child−Pugh分類クラスC>の肝機能障害
・高齢者
上記にあてはまる方は、オシロドロスタットリン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 オシロドロスタットリン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 リファンピシン/カルバマゼピン/フェノバルビタール等
複数の薬物代謝酵素(CYP3A4/CYP2B6/UGT1A4等)の阻害剤
CYP1A2の基質となる薬剤:
テオフィリン/チザニジン等
CYP2C19の基質となる薬剤:
オメプラゾール等
QT延長を起こすことが知られている薬剤:
抗不整脈剤:
キニジン/プロカインアミド/アミオダロン/ソタロール等/パシレオチドパモ酸塩等
上記を使用している方は、オシロドロスタットリン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 オシロドロスタットリン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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