クロルヘキシジングルコン酸塩

成分名

クロルヘキシジングルコン酸塩

適応症状

手指・皮膚の消毒/手術部位の皮膚の消毒/皮膚の創傷部位の消毒
結膜嚢の消毒/産婦人科・泌尿器科における外陰・外性器の皮膚消毒(ヒビテン・グルコネート液20%のみ)

簡易説明

皮膚を消毒する際に使用される薬剤です。クロルヘキシジンをグルコン酸塩にすることによって水溶性としたビグアナイド系化合物であり、皮膚に対する刺激が少なく、においほとんどないことが特徴です。100mg/L未満(0.01w/v%)で静菌的に、100~500mg/L(0.01~0.05w/v%)で殺菌的に作用します。
殺菌力に加えて、持続的な抗菌作用を発揮するため、手術時の手洗いや手術部位の皮膚、傷口によく使用されています。
日本では、結膜嚢以外の粘膜への適用は禁忌となっており、また結膜嚢の洗浄後も滅菌水での洗浄が必要とされています。
また、金属製品、繊維製品に対する腐食性も少ないため、医療器具の消毒にも使用されております。

処方可能な診療科目

内科/外科/感染症科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

【5%ヒビテン液】
薬剤あたりの目安:1.94円/mL
薬剤後発薬あたりの目安(参考:ステリクロン液5 健栄製薬):1.94円/mL

【ヒビテン・グルコネート液20%】
薬剤あたりの目安:4.97円/mL
薬剤後発薬あたりの目安(参考:ステリクロン液20 20% 健栄製薬):4.97円/mL

厚生労働省による認可、または発売年月日

【5%ヒビテン液】1963年8月発売
【ヒビテン・グルコネート液20%】1962年2月発売

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

5%ヒビテン液/ヒビテン・グルコネート液20%【製薬メーカー:住友ファーマ】

関連製品(ジェネリック)

<5%ヒビテン液後発品>
5%フェルマジン液【製薬メーカー:シオエ】/5%グルコン酸クロルヘキシジン液「日医工」【製薬メーカー:日医工】/5%クロルヘキシジン液「ヤマゼン」【製薬メーカー:山善】/5%グルクロ液【製薬メーカー:三恵】/「エビス」クリゲン液【製薬メーカー:兼一】/クロヘキシン液5%【製薬メーカー:東洋製薬化成】/グルコン酸クロルヘキシジン5%液「メタル」【製薬メーカー:中北】/5%ヘキザック液【製薬メーカー:吉田】/5%グルコン酸クロルヘキシジン液「東海」5【製薬メーカー:東海製薬】/マスキン液(5W/V%)5%【製薬メーカー:丸石】/ステリクロン液5【製薬メーカー:健栄】/ラポテック消毒液5%【製薬メーカー:日興製薬】/クロルヘキシジングルコン酸塩消毒用液5%「NP」【製薬メーカー:ニプロ】/ネオクレミール消毒液5%【製薬メーカー:サンケミファ】/クロルヘキシジングルコン酸塩消毒液5%「カネイチ」【製薬メーカー:兼一】/クロルヘキシジングルコン酸塩消毒液5%「シオエ」【製薬メーカー:シオエ】/クロルヘキシジングルコン酸塩消毒液5%「カネイチ」【製薬メーカー:日医工】

<ヒビテン・グルコネート液20%後発品>
ステリクロン液20【製薬メーカー:健栄】/クロヘキシン液20%【製薬メーカー:小野】/20W/V%マスキン液20%【製薬メーカー:丸石】/グルコン酸クロルヘキシジン液20%「ヤクハン」【製薬メーカー:ヤクハン】/ヘキザック消毒液20%【製薬メーカー:吉田】

効果・作用

クロルヘキシジングルコン酸塩は、皮膚や医療器具を消毒する際に使用される薬剤であり、クロルヘキシジンをグルコン酸塩とすることによって水溶性としたビグアナイド系化合物です。
作用機序は十分には解明されておりませんが、低い濃度では細菌の細胞膜に障害を与え、細胞質成分の不可逆的漏出や酵素阻害を起こします。一方、濃度が高くなると細胞内の蛋白質や核酸の沈着を起こすことが報告されています。

皮膚に対する刺激が少なく、においもほとんどありません。さらに、持続的な静菌作用を示すことから、皮膚の消毒だけではなく手術前の医療器具の消毒から傷口の消毒まで幅広く使用されていることが特徴です。

0.1%水溶液による手指消毒試験、0.5%水溶液による手術部位(手術野)の皮膚消毒試験、0.5%エタノール溶液による医療機器の消毒試験を行い、いずれもクロルヘキシジングルコン酸塩の消毒効果が認められています。

試験管内での試験からクロルヘキシジングルコン酸塩は広範囲の微生物に作用し、グラム陽性菌には低濃度でも迅速な殺菌作用を示すことが認められています。一方でグラム陰性菌には比較的低濃度で殺菌作用を示すが、グラム陽性菌に比べ抗菌力に幅がみられることがわかっています。

真菌類の多くに抗菌力を示しますが、ウイルスに対する効力は確定していないと添付文書には記載されています。

使用方法

使用用途に合わせた濃度に希釈し、水溶液またはエタノール溶液として処方します。

手指・皮膚の消毒の場合、0.1〜0.5%水溶液(50倍~10倍に希釈)として使用します。
手術部位の皮膚の消毒及び医療機器の消毒の場合、0.1〜0.5%水溶液(50倍〜10倍希釈)又は0.5%エタノール溶液(10倍希釈)として処方します。
皮膚の創傷部位の消毒及び手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒の場合、クロルヘキシジングルコン酸塩として0.05%水溶液(100倍希釈)を用います。

結膜嚢の洗浄・消毒、産婦人科・泌尿器科における外陰・外性器の皮膚消毒はヒビテン・グルコネート液20%でのみ使用が可能です。その場合、クロルヘキシジングルコン酸塩として0.02%水溶液(1000倍希釈)を用います。

副作用

主な副作用
過敏症や発疹などがあげられます。
文献、自発報告等を参考にした発現頻度は、過敏症が0.1%未満でした。
重大な副作用については、0.1%未満の頻度でショックが、頻度不明でアナフィラキシーが起こる可能性がありますので、注意してください。
特に腟、膀胱、口腔等の粘膜面への使用でショック、アナフィラキシーが報告されているため、粘膜には使用しないよう注意喚起がされています。

もし発疹や蕁麻疹等の過敏症が見られた場合には、使用を中止してください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■クロルヘキシジングルコン酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼クロルヘキシジングルコン酸塩の有効成分
クロルヘキシジングルコン酸塩
▼代表薬の添加物(5%ヒビテン液のみ)
グルコノ-δ-ラクトン、 ポリオキシエチレンオレイルエーテル、イソプロパノール、赤色二号、香料
・以前、クロルヘキシジン製剤を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

上記にあてはまる方は、クロルヘキシジングルコン酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
クロルヘキシジングルコン酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

クロルヘキシジングルコン酸塩に関する
よくある質問
ヒビテン液を水道水(常水)で希釈してよいですか?

本剤は、常水や生理食塩液等に含まれる陰イオンにより難溶性の塩を生成することがあるので、希釈水 溶液を調製する場合は、新鮮な蒸留水の使用が望ましいです。

医療関係者向けサイト よくある質問

【上記引用元:住友ファーマ医療関係者向けサイト】

希釈液の滅菌方法について教えてください。

高圧蒸気滅菌では115°C30分、121°C20分、126°C15分で滅菌処理を行うことができます

医療関係者向けサイト よくある質問

【上記引用元:住友ファーマ医療関係者向けサイト】

開封後はいつまで使用できますか。

添付文書の記載どおりに、使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用するようにお願いしま す。開封後の細菌汚染は使用環境により程度が異なるため、いつまでお使いいただけるかをお答えすることは できません

医療関係者向けサイト よくある質問

【上記引用元:住友ファーマ医療関係者向けサイト】

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