ヨードホルム

成分名

ヨードホルム

適応症状

潰瘍の殺菌・消毒
創傷の殺菌・消毒
歯牙根管の防腐

簡易説明

ヨードホルムは、創傷・潰瘍面の殺菌消毒剤です。歯の根管を消毒する際に使用します。感染のある創傷や、褥瘡のような壊死組織が残存した、感染の恐れのある深い潰瘍に適しています。また、ヨードホルムには長時間にわたる残留効果があり、再度感染する可能性を低くすることができます。エタノールよりも消毒効果が高いのが特徴です。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/皮膚科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
薬代1gあたりの目安:1g約19.3円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月:1992年3月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ヨードホルム【製薬メーカー:アグサジャパン】
タマガワヨードホルムガーゼ【製薬メーカー:玉川衛材】
ハクゾウヨードホルムガーゼ【製薬メーカー:HAKUZO IODOFORM GAUZE】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

ヨードホルムは、創傷・潰瘍面の殺菌消毒で、トリハロメタンと呼ばれるヨウ素を含む化合物の一つです。水にはほとんど溶けず、ジエチルエーテルのような有機溶媒には溶けやすく、エタノールには溶けにくいです。また、常温でわずかに揮散する性質があります。
高い消毒効果があるので、創傷や潰瘍の消毒剤、歯牙根管の防腐剤として使用されています。また、ヨードホルムを塗布したガーゼやオイゲノールセメントに配合して乳歯に充填する使い方が多いです。

▼特徴
ヨードホルムの消毒効果は、エタノールより強く、次亜塩素酸ナトリウムよりも弱い程度です。
ヨウ素原子を3つ持ち、非常に反応性に富んでおり、その反応性の高さから有機化学分野での試薬としても利用されることがあります。

▼性質
ヨードホルムは、血液中でヨウ素を徐々に遊離します。遊離されたヨウ素は酸化作用を持っているため、還元性物質を分泌する破傷風菌や結核菌などに強い消毒作用をしめします。
しかし、血液中のヨウ素濃度が高くなるとヨウ素が体内のタンパク質と結合し、記憶障害、せん妄、睡眠障害、抑うつなどの神経性の中毒症状を引き起こす危険性があります。

▼病理
防腐、制臭、分泌抑制、粘膜に対しては局所麻酔作用などです。ヨードホルムそのものには殺菌作用はなく、血清や分泌液に溶けて徐々に分解し、ヨウ素を遊離して殺菌作用を現すといわれてます。
還元性物質を生成する破傷風菌、結核菌などに鋭敏です。

▼作用
≪細胞膜を破壊する作用≫
微生物の細胞膜に浸透して細胞内のタンパク質や核酸を変性させ、細胞膜を破壊することで微生物を死滅させます。

≪DNAに作用する作用≫
微生物のDNAに結合してDNAの二重らせん構造を崩壊させ、DNAの複製や遺伝情報の伝達を阻害することで微生物を死滅させます。

≪タンパク質に作用する作用≫
微生物のタンパク質に結合して、タンパク質の立体構造を変化させ、微生物の代謝活動を停止させることで微生物を死滅させます。

≪残留効果による作用≫
使用後に微生物を長時間にわたって殺菌し続ける残留効果があるため、再度感染する可能性が低くなります。

使用方法

歯牙の根管充填剤に配合してください。
特に、オイゲノールセメント等に適宜配合して乳歯に充填します。
少量の原末を1日1回散布してください。
また、消毒性包帯材料として、10%のヨードホルムガーゼを用いてください。

副作用

主な副作用
過敏症、そう痒感、ヨード疹、蕁麻疹様発疹、口腔粘膜糜爛、紅斑、丘疹、水疱、皮膚そう痒感、皮膚灼熱感

重大な副作用
ヨード中毒、興奮、譫妄、不穏、見当識障害、記憶障害、抑うつ、昏睡、失神、傾眠、不眠、睡眠障害、食欲不振、頭痛、全身倦怠感、頻脈

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
腎機能低下
心障害
腎障害
ヨード過敏症

使用に注意が必要な方
甲状腺機能異常

上記にあてはまる方は、ヨードホルムを使用する事が出来ない可能性があります。
ヨードホルムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ヨードホルムに関する
よくある質問
使用上の注意はありますか?

1)原末又は溶解液が眼に入らないように注意すること。眼に入った場合には大量の水でよく洗い流すこと。2)長期間又は広範囲に使用しないこと。3)石けん類は、本剤の殺菌作用を弱めるので、石けん分を洗い落としてから使用すること。

ヨードホルム

【上記引用元:アグサジャパン株式会社】

長期間使用しても大丈夫ですか?

本剤はヨウ素含有製剤であるので、多量使用及び長期連用時には甲状腺機能の変動に注意すること。

ヨードホルム

【上記引用元:アグサジャパン株式会社】

参考元一覧

ヨードホルム【アグサジャパン株式会社】

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