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メデマートスタッフの、斉藤です。

今回は、ジスロマックやクラビットなどの抗生物質に関連した質問が増えてまいりましたので、抗生物質がどのような効果を発揮するのか?
使用する際の注意点など、詳しく解説していきたいと思います。

■抗生物質とは?
抗生物質とはカビや細菌によって分泌された物質で、病原菌となる細菌や微生物などの成長や増加を抑えたり、殺菌作用によって菌を減らす効果を持つ物質です。
抗生物質の種類によって適応菌種が変わりますが、病原菌の繁殖を抑えたり殺菌する事で、症状が改善されます。

■風邪を引いたら抗生物質をすぐに飲んだほうが治りが早い?
これは勘違いされている方が多い疑問です。
風邪は主にウイルスが原因で、のどや鼻などを炎症させて起こります。
風邪をこじらせた場合、ウイルスが気管支を痛める事で、口の中にいる常在菌が肺の中に入り込みやすくなります。
肺の中で常在菌が増殖すると、肺炎を起こしたりする為、この状態で抗生物質が有効となります。
また、その他に抗生物質が有効なケースとしては、扁桃炎などは細菌が原因で起こる事があります。
この場合は、細菌が原因で扁桃腺が腫れるため、抗生物質によって原因菌を減らし、症状を改善する効果はあります。
風邪=抗生物質という訳ではありませんのでご注意下さい。

オーラルセックスなどにより、クラミジアや淋病なども咽頭へ感染する場合があります。
こういった場合、風邪と症状が似ている為、検査をしないと区別がつかないので、注意が必要です。

■抗生物質を使用する時の注意点
①副作用により腹痛や下痢になりやすい。
これは、腸内の細菌を抗生物質が減らしてしまう為に起こります。
抗生物質の使用をやめる事で、腸内細菌は元に戻りますので、殆どの場合は特に心配は要りません。

②耐性菌を生み出してしまう
抗生物質を使用すると、その抗生物質に対して耐性を持つ菌を生み出しやすくなります。
つまり、菌が抗生物質の攻撃に慣れてきて、抗生物質の効果が効きにくくなってくるわけですね。
こうなると、通常は1週間で完治する所が、2週間かかってしまったりと治療期間が長くなるケースもあります。
一番怖いのが、症状が良くなったからといって自己判断で抗生物質の服用を辞めてしまうケースです。
症状が収まっても菌が潜伏している場合が多々あります。
中途半端に治療を辞めてしまった場合、薬が効きにくい残った菌が増殖して耐性菌となってしまいます。

淋病やクラミジアなど、症状を伴わないケースも多い性感染症ではこういった事がよくおこっています。

治療開始→症状が収まったので抗生物質の投与を辞める→潜伏していた菌が増殖する→症状が出ないため完治したと思い性交を行う→気づかぬうちに耐性菌を移してしまう

この様な流れで、性感染症が広がってしまっています。
性感染症を治療する際は、前後で検査をおこないましょう。
自宅でセルフテストがおこなえる検査キットも出ております。
抗生物質で治療を行う際は、完治するまでしっかりと行いましょう。

■クラミジアや淋病の治療に関して
性感染症で多いのがクラミジアに淋病です。
クラミジアは男女共に自覚症状が乏しいため、上記で説明した様に感染が広がっています。
また、男性は比較的症状が出やすい淋病ですが、女性は自覚症状が乏しく、クラミジアに感染していると他の性感染症も併発しやすくなるので、淋病と同時に発症するケースも増えています。

また、クラミジアと淋病を同時に治療可能な抗生物質に、クラビット(レボフロキサシン)とジスロマック(アジスロマイシン)があります。
歯周病や咽頭炎など、病院でも幅広く処方されている抗生物質です。

▼ジスロマック(アジスロマイシン)の特徴
マクロライド系抗生物質で、15員環マクロライド系抗生物質はアジスロマイシンのみです。
マクロライド系は、細菌が増殖する際に必要なタンパク合成を阻害する事で、菌の増殖を防ぎます。
また、1000mgなど高濃度のアジスロマイシンを使用する事で、殺菌作用がある為、淋病やクラミジアなどの性感染症治療にも用いられます。
他の抗生物質と違い、1000mgでは1回、500mgでは3日間服用すると効果が約7日間続くという特徴を持っています。

淋病やクラミジア治療の場合、1回アジスロマイシン1000mgを服用し、1週間を目安に再検査し完治した事を確認後、治療終了となります。
※耐性菌で1週間では完治しきれなかった場合、使用期間を延長して継続使用します。
再検査し完治した事を確認後、治療終了となります。

▼クラビット(レボフロキサシン)の特徴
ニューキノロン系の抗生物質で、製薬会社の第一三共によって先発薬のクラビットは開発されました。
細菌が増殖する際のDNA複製を阻害する事で、殺菌作用を持ちます。
淋病やクラミジア治療の場合、1日1回レボフロキサシン500mgを服用し、1週間を目安に再検査し完治した事を確認後、治療終了となります。
※耐性菌で1週間では完治しきれなかった場合、使用期間を延長して継続使用します。
再検査し完治した事を確認後、治療終了となります。