アルコール依存症【症状・診断テスト・治療薬・お酒の失敗ランキング】

アルコール依存症【症状・診断テスト・治療薬・お酒の失敗ランキング】 禁酒

アルコール依存症とは

アルコール依存症のイメージ画像

アルコール依存症とは、自分で飲酒量をコントロールしたり、我慢したりできなくなる病気です。
飲みすぎたら身体を壊すことや、会社や友人、愛する家族などにも迷惑がかかることを頭では理解していても、自分では禁酒することができなくなります。最終的には周囲との人間関係を壊し、自分自身の身体も壊してしまう恐ろしい病気です。
そんな恐ろしいアルコール依存症ですが、その症状や引き起こされる合併症を理解しておくことは、早期発見、早期治療の観点で非常に役立つでしょう。
この章ではアルコール依存症の基本情報をご紹介します。

アルコール依存症の定義

e-ヘルスネット【情報提供】(厚生労働省)によると、アルコール依存症は以下のように定義づけられています。
長期間多量に飲酒した結果、アルコールに対し精神依存や身体依存をきたす精神疾患。
また、以下の6項目のうち、過去1年間に3項目以上が同時に1カ月以上続いたか、または繰り返し出現した場合に「アルコール依存症」と診断されます。

①渇望

飲酒したいという強い欲望あるいは切迫感

  • 隠れてでも飲んでしまう
  • お酒が手元にないと不安
  • お酒のためなら面倒くさがらずに出かける
  • 仕事中でも酒の事ばかり考えている
  • 仕事が終わったら一人でも必ず飲みに行く
  • 仕事中でも飲んでしまう

②飲酒行動のコントロール

飲酒行動を制御することができない

  • いつも泥酔するまで飲んでしまう
  • 休肝日と決めても飲んでしまう
  • 飲み始めたら止まらない
  • 前もって決めていた量以上に飲んでしまうことがしばしばある

③離脱症状

断酒や節酒による離脱症状の出現、離脱症状の回復・軽減のために飲酒する

  • 頭痛 、イライラする、吐き気をもよおす 、手がふるえる、食欲がない、寝汗をかく、微熱がある、眠れなくなる、脈が速くなる、迎え酒をする等

④耐性の増大

当初得られた酩酊効果を得るために飲酒量が増加する

  • 飲む量が増えている
  • たくさん飲まないと酔えなくなった

⑤飲酒中心の生活

飲酒のために本来の生活を犠牲にする、飲酒に関係した行為やアルコールの影響からの回復に費やす時間が増加する

  • 一日中飲んでいる
  • 一日中酔いが続いている、もしくは酔いからさめるのに多くの時間を使っている
  • 趣味などの活動よりお酒を優先させる

⑥有害な使用に対する抑制の喪失

心身に問題が生じているにもかかわらず飲酒を続ける

  • 医師から、うつがひどくなるために飲酒を止められているのに飲んでしまう
  • 健康診断で指摘されているのに飲んでしまう

アルコール依存症の患者数

2013年に行われた日本の調査によると、先ほど紹介したアルコール依存症の診断基準に該当したことのある方は男性で94万人、女性で13万人、男女合わせて107万人だったと言われています。
この調査から、生涯でアルコール依存症に陥る人は約1%にのぼることが分かります。

100人に1人の割合は少ないのでは?と思われるかもしれません。
しかしアルコール依存症に陥る前段階である「生活習慣病のリスクを高める危険な飲酒をする方」は約1000万人もいると言われています。

アルコール依存症の依存症状

アルコール依存症には、「精神的依存症状」と「身体的な依存症状」の2つの依存症状があります。

精神的依存症状

精神的依存症状は、主にアルコールに対する心理的な依存や欲求です。具体的には以下のような症状が挙げられます。

精神的依存症状の具体例

  • 1日中アルコールのことを考える。
  • アルコールを飲まないとイライラしたり、落ち着かなかったりする。
  • ストレスや不安を和らげるためにアルコールを欲する。
  • 社交的な場やイベントでアルコールを飲まないと楽しめないと感じる。
  • 週末や特別なイベントで過剰にアルコールを摂取してしまう。
  • アルコールがないと不安や欠乏感を感じる。

身体的依存症状

身体的依存症状は、アルコールの摂取を継続しないと起こる身体的な不快感や離脱症状です。具体的には以下のような症状が挙げられます。

身体的依存症状の具体例

  • 頭痛、吐き気、手の震え、発汗、不安感などの症状が起こる(離脱症状)。
  • アルコールを継続的に摂取することで、徐々に耐性がつき、同じ効果を得るためにより多くのアルコールを摂取するようになる(耐性)。
  • アルコールがない状態だと心拍数が上がり、不安や不快感が強まる。

精神的依存症状と身体的依存症状は密接に関係しています。
どちらかの依存症が引き起こされると、それを和らげるためにもう一方の依存症が引き起こされ悪循環に陥ります。

アルコール依存症が引き起こす病気

アルコール依存症で怖いのは依存症状だけではありません。世界保健機関(WHO)の報告によると、多量のアルコール摂取は200以上の病気の原因となるとされています。
<アルコールがもたらす代表的な疾患>

臓器病気
認知症、うつ、不安障害、アルコール依存症、ウェルニッケ脳症
心臓不整脈、高血圧
膵臓膵炎、糖尿病、膵臓がん
肝臓肝硬変、肝炎、脂肪肝、肝細胞がん
大腸大腸がん(直腸がん、結腸がん)
喉・食道咽頭がん、口腔がん、食道がん
その他高コレステロール血症、末梢神経障害、高尿酸血症、乳がん(女性)、胎児性アルコール症候群(妊婦の飲酒の場合)

「アルコール=肝臓」というイメージがありますが、実際は全身へ悪影響を及ぼしていることが分かります。

アルコール依存症のチェック

「もしかしてアルコール依存症かも?」と自分で思っても主観では判断できません。とはいえ、わざわざ病院に行くべきかも迷ってしまいますよね。
そんな時、アルコール依存度の重症度をセルフチェックできたら便利ですよね。
この章では、世界保健機関(WHO)が作成した、アルコールスクリーニングテストの1つAUDITを紹介します。

AUDIT(アルコールスクリーニングテスト)

「AUDIT」は世界保健機関(WHO)が作成した、アルコール依存症のセルフチェックツールです。
以下の1~10までの各項目について、選択した番号を合計することで簡単にあなたのアルコールへの依存度合いをチェックできます。

Q1.あなたはアルコール含有飲料をどのくらいの頻度で飲みますか?

Q2.飲酒するときは通常どのくらいの量を飲みますか?※ただし、日本酒1合=2ドリンク、ビール大瓶1本=2.5ドリンク、ウイスキー水割りダブル1杯=2ドリンク、焼酎お湯割り1杯=1ドリンク、ワイングラス1杯=1.5ドリンク、梅酒小コップ1杯=1ドリンク (1ドリンク=純アルコール9~12g)

Q3.1回に6ドリンク以上飲酒することがどのくらいの頻度でありますか?

Q4.過去1年間に、飲み始めると止められなかったことが、どのくらいの頻度でありましたか?

Q5.過去1年間に、普通だと行えることを飲酒していたためできなかったことが、どのくらいの頻度でありましたか?

Q6.過去1年間に、深酒の後体調を整えるために、朝迎え酒をせねばならなかったことが、どのくらい頻度でありましたか?

Q7.過去1年間に飲酒後罪悪感や自責の念にかられたことが、どのくらいの頻度でありましたか?

Q8.過去1年間に、深酒のため前夜の出来事を思い出せなかったことが、どのくらいの頻度でありましたか?

Q9.あなたの飲酒のために、あなた自身か他の誰かがけがをしたことがありますか?

Q10.肉親や親戚、友人、医師、あるいは他の健康管理にたずさわる人が、あなたの飲酒について心配したり、飲酒量を減らすように勧めたりしたことがありますか?

AUDITの重症度判定

選択した番号を合計し、以下の表と比較してみましょう。

20点以上アルコール依存症疑い群
  • 24点:アルコール依存症患者の平均点
  • 20点:アルコール依存症を疑うレベル
10~19点危険性の高い飲酒者群
  • 17点:月1回以上泥酔、朝酒をする人の平均点
  • 15点:アルコール性肝障害患者の平均点
  • 14点:ほとんどの配偶者が悩みを持つ
  • 10点:過半数が周囲から酒量減量の忠告を受ける
1点~9点危険性の低い飲酒者群
  • 7点:50代男性の平均点
0点非飲酒者群

20点以上はアルコール依存症を疑うレベルとなります。この点数の前後だった場合、病院やクリニックの受診を検討しましょう。
また、最近ではご自身で治療方法を決定する「セルフメディケーション」も積極的に行われています。病院やクリニックの受診に抵抗がある場合はセルフメディケーションを検討しても良いかもしれません。

アルコール依存症の薬物治療

アルコール依存症を根本的に治療するには、お酒を断つ「断酒」を達成し、それを継続する必要があります。
しかしいきなり断酒することは難しく、まずは徐々に飲酒量を減らす「減酒」を達成することから始めるケースもあります。
「断酒」や「減酒」を試してみたけどダメだった…そんなときは医薬品も使用してみるのも手段のひとつです。
この章では、アルコール依存症の治療に用いる有名な医薬品を3種類のタイプに分けて紹介します。

オピオイド受容体拮抗薬

商品名:セリンクロ / 主成分:ナルメフェン
セリンクロは脳内の「オピオイド受容体」と呼ばれる部位に作用することで、飲酒欲求を減らしてくれます。
飲酒する1〜2時間前に服用すると、お酒を飲んでもおいしいと感じられなくなり、結果として徐々に飲酒量が減少していきます。
セリンクロを半年間服用した場合、1日の平均的なアルコール摂取量が約10g減少し、大量飲酒の日数が1ヶ月あたり2~3日減少したというデータがあります。

飲酒欲求軽減薬

商品名:レグテクト / 主成分:アカンプロサート
レグテクトは、脳内の「グルタミン酸受容体」と呼ばれる部位に作用します。
アルコール依存症の方はグルタミン酸受容体が強く活性化していますが、レグテクトはその働きを抑えると言われています。
断酒時は精神的にも身体的にも依存症状が出てしまい、何かしらの飲酒したくなるような刺激によって再飲酒への渇望感が起こります。
しかし、レグテクトを服用することでこの際飲酒への渇望感を抑えることができ、結果として断酒期間を延長することができます。
<関連商品>

商品名レグテクトジェネリックアカンプロサート【レグテクトジェネリック】
画像レグテクトジェネリックアカンプロサート【レグテクトジェネリック】
一般名アカンプロセート(アカンプロサート)アカンプロサートカルシウム
価格1錠あたり55円~1錠あたり61円~
メーカーSun Pharma(サンファーマ)Intas Pharmaceuticals(インタスファーマ)
購入ページレグテクトジェネリックの購入ページはこちらアカンプロサート【レグテクトジェネリック】の購入ページはこちら

抗酒薬

・商品名:ノックビン / 主成分:ジスルフィラム
・商品名:シアナマイド / 主成分:シアナミド

ノックビン、シアナマイドは「アセトアルデヒド」を分解するアルデヒドデヒドロゲナーゼという酵素をブロックすることで、アセトアルデヒドを蓄積させます。
アセトアルデヒドは、悪酔いを引き起こす原因物質であるため、ノックビン、シアナマイドの服用中に少量でも飲酒すれば、頭痛や吐き気などの症状が強く起こります。
あえて積極的に悪酔い症状を引き起こすことで、アルコールを摂取する意欲を無くす効果が期待できます。
<関連商品>

商品名クロノル【ノックビンジェネリック】
画像クロノル【ノックビンジェネリック】
一般名Disulfiram
価格1錠あたり44円~
メーカーCharoon Bhesaj(チャロエンバエサジ)
購入ページクロノル【ノックビンジェネリック】の購入ページはこちら

お酒の失敗ランキング

飲酒は適量を心がけたいところですが、お酒が好きな方であれば一度は失敗エピソードを経験しているのではないでしょうか?自分だったら笑えなくても、他人だったら笑えるというエピソードも多くありますよね。
この章では、「GRAVITY」内のコミュニティで行われたアンケート調査をもとに作成された「酒飲み失敗談TOP10」を紹介します。

酒飲み失敗談TOP10/ GRAVITYランキング

酒飲み失敗談TOP10/ GRAVITYランキング
第1位記憶がない
第2位ひたすら周りを介抱
第3位翌朝寝坊し仕事に遅刻
第4位公衆の面前で盛大に嘔吐
第5位身に覚えのない怪我
第6位恋人以外の人と関係をもった
第7位終電逃しタクシー代が高額に
第8位他人の秘密をバラした
第9位スマホが撮った覚えのない写真でいっぱい
第10位知らない人に絡みまくる
【GRAVITYランキング】GRAVITYユーザー約500人に聞いた!「酒飲み失敗談TOP10」
HiClub株式会社のプレスリリース(2023年4月5日 11時00分)【GRAVITYランキング】GRAVITYユーザー約500人に聞いた!「酒飲み失敗談TOP10」

アルコール依存症に関するよくある質問

よくある質問
Q
アルコールスクリーニングテスト(AUDIT)で19点だった場合治療を開始しなくても大丈夫ですか?
A

アルコールスクリーニングテスト(AUDIT)はあくまで飲酒問題の早期発見・早期介入のツールのひとつであり、アルコール依存症の確定診断にはなりません。
点数に関わらず身体的依存症状、精神的依存症状を感じている場合は治療を検討する余地があります。

Q
アルコール依存症の治療薬はどこで購入できますか?
A

セリンクロ、レグテクト、ノックビン、シアナマイド等は病院やクリニックを受診して医師から処方してもらうことができます。また一部の医薬品は海外から個人輸入することもできます。
弊社メデマートでは安心の正規品個人輸入代行を行っており、こちらでアルコール依存症治療薬の一部を扱っておりますのでご参照下さい。

アルコール依存症のまとめ

アルコール依存症のまとめ

  • アルコール依存症は、精神依存や身体依存をきたす精神疾患(病気)である
  • 多量のアルコール摂取は、200以上の病気の原因となる
  • AUDITの点数が20点以上の場合は「アルコール依存症疑い群」に分類される
  • アルコール依存症治療薬にはセリンクロ、レグテクト、ノックビン、シアナマイド等がある
  • 笑えないエピソードを経験する前に、減酒や薬物治療を始める必要がある
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