ビラノアとはどんな薬?
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春や秋になると、多くの方を悩ませる花粉症。
毎年毎年くしゃみや鼻水、目のかゆみなど、日常生活に支障をきたす症状で大変な思いをしていませんか?
そのたびに病院を受診してはいろいろな医薬品を試して副作用に悩まされている人は多いのではないでしょうか。
そこで新しい選択肢の一つとして大鵬薬品工業株式会社が開発した医薬品が「ビラノア錠20mg」なんです。
ビラノア錠と聞いて何の薬かすぐわかった人は、きっと長年花粉症で悩んできた人かもしれません。
花粉症治療において理想的な治療薬の条件とは①速効性があり効果が持続する、②副作用が少ない、③服用回数が少なく安全性が高い医薬品が推奨されます。
実は「ビラノア錠」とは、2016年に日本で承認された比較的新しい「抗アレルギー薬」です。
抗アレルギー薬とは簡単に言うと、体内で起こるアレルギー反応を抑える医薬品です。
私たちの多くは花粉やハウスダストなどのアレルゲンに触れることで、体内でヒスタミンという物質が放出され、くしゃみや鼻水、かゆみなどの症状が現れます。
抗アレルギー薬は、このヒスタミンの働きを抑えることによりアレルギー症状を和らげてくれます。
抗アレルギー薬は大きく分けて、眠気が出やすい第1世代と、眠気が少ない第2世代があります。
実はもう少し細かく分けることができて、第2世代の抗ヒスタミン薬は「非鎮静性」、「軽度鎮静性」、「鎮静性」の3つのタイプに分類されます。
最近は第2世代の医薬品が主流で、その中でも非鎮静性の抗ヒスタミン薬を選択することで日中の仕事や学業にも支障が出にくくなっています。
ビラノア錠の有効成分である「ビラスチン」は、非鎮静性の第2世代抗ヒスタミン薬に分類され、従来の抗アレルギー薬で問題となっていた眠気の副作用が少ないことが特徴となっています。
この医薬品の最大の魅力は、1日1回の服用で24時間効果が持続することです。
朝1回服用するだけで、夜までしっかり花粉症の症状を抑えてくれます。
医薬品で大切なことは24時間しっかり有効血中濃度を維持することです。
夜晩酌する人はよく夕食後の服用を忘れてしまいます。
日中忙しい人はお昼を摂るのさえ忘れてしまいます。
服用を忘れてしまうことは血中濃度を維持することができないため症状を抑えることができません。
それゆえ1日1回の服用であるということは多くの患者さんにとって非常に有用な服用方法なんです。
ビラノアの効果と特徴
ビラノア錠は第2世代の抗アレルギー薬であることは分かったと思います。
では実際に服用した際に得られる効果や特徴にはどのようなものがあるのでしょうか?
実際に服用している人であればどういう効果なのか良く知っているかもしれませんが、ビラノア錠は花粉症だけに効果のある医薬品ではないんです。
ではほかにどんな効果が期待できるのでしょうか?
ここからは現在ビラノア錠を服用していない人にも分かりやすく解説してきます。
ビラノアの効果
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まずはビラノア錠20mgの添付文書から効能または効果を見ていきましょう。
ビラノア錠20mgは①アレルギー性鼻炎、②蕁麻疹、③皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に対して効果を示します。
このことからビラノア錠は花粉症一択の医薬品ではないことが分かります。
一つ一つ適応症をわかりやすく解説していきましょう。
これまでビラノア錠は花粉症に効果がある話をしてきました。
これは①のアレルギー性鼻炎の効果を期待して使用されるものです。
花粉症における辛いくしゃみ・鼻水は私たちの体の中で起きているアレルギー反応です。
このアレルギー反応を抑えることにより花粉症の症状を抑えることができます。
またアレルギー反応で起きる症状はくしゃみ・鼻水だけではありません。②の蕁麻疹もまたアレルギー反応の一つなんです。
蕁麻疹ができる原因は多数存在します。
たとえば食物や食品添加物、医薬品によるアレルギーなどがあります。
運動・発汗・疲労・身体的ストレス・精神的ストレスなども蕁麻疹ができる原因の一つです。
とくにひどいのは原因が分からずに起きる蕁麻疹があるということです。
原因が分からなければ治療方法がありませんが、抗アレルギー薬は対処療法として使用することができます。
本来蕁麻疹の原因が分かっているのであれば、原因を除去することで症状は落ち着きます。
それでも落ち着くまでの間我慢していることはできませんよね。
蕁麻疹が出る理由も花粉症同様体内で起きているアレルギー反応です。
それを抑えるためにビラノア錠のような抗アレルギー薬は必要不可欠なんです。
③の皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)もまたアレルギー反応であることは言うまでもありません。
程度としては蕁麻疹とまではいかないまでも局所的に湿疹や痒みが出る場合があります。
湿布を貼ってまけた時赤くなって痒くなりますよね。
虫に刺されて湿疹が出たことがある人は多いと思います。
これらの反応も抗アレルギー薬で抑えることが可能です。
それぞれに特徴があり、一人一人の症状に合わせて医師が医薬品を選択します。
では、ビラノア錠にはどのような特徴があるのでしょうか?
ここからはビラノア錠の特徴について詳しく解説していきます。
ビラノアの特徴
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ビラノア錠の最大の特徴は、眠気が少ないことです。
従来の抗アレルギー薬は、服用すると眠くなってしまい、仕事や車の運転に支障が出ることがありました。
しかし、ビラノア錠は脳への影響が少なく設計されているため、日中の活動を妨げにくい医薬品となります。
また、服用回数も特徴の一つです。
ビラノア錠は、1日1回の服用で24時間効果が持続するのも大きな利点となります。
朝1回の服用で、夜まで効果が持続するため、お仕事中に追加で服用する必要がありません。
ビラノア錠の有効成分であるビラスチンは、くしゃみや鼻水、鼻づまりと言ったアレルギー症状を抑える作用があります。
更に、目のかゆみや蕁麻疹にも効果を発揮します。
ただし、個人差がありますのですべてのかたに適しているという訳ではありません。
ビラノア錠は食事の影響を受ける医薬品です。
そのため服用する場合、「空腹時」の服用を指示されます。
一般的に空腹時と言われれば食前か就寝前が主に指示されます。
食前とは食事を食べる前30分以内を指しますし就寝前はその通り寝る直前を指します。
しかしビラノア錠の場合は服用方法が少し異なります。
ビラノア錠における「空腹時」とは食事1時間前、または食後2時間後を指します。
十分な効果を得るためには食事と一定時間の間隔を持たなければなりません。
仮に食後2時間後に服用した場合、服用後さらに1時間は飲食は避けなければなりません。
ちょっとめんどくさいなと思われるかもしれませんね。
それほど空腹時の服用が最も効果的になるため食事のタイミングには気を付けなければなりません。
非常に効果の優れた医薬品ですが入手するためには病院を受診するかもしくは当サイトのような個人輸入代行により入手するなどどちらかしか方法はありません。
商品名 | ビラザップ |
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画像 | ![]() |
有効成分 | ロラビラスチン20mg |
メーカー | Glenmark(グレンマーク) |
購入ページ | ビラザップの購入はこちら |
他の花粉症治療薬との違い
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ビラノアは強い抗アレルギー効果を持った医薬品で花粉症を治療するには非常に優れていることは紹介してきた通りです。
しかし空腹時に服用しなければならずなかなか飲みにくい服用方法であると感じている人も少なくはありません。
では他の花粉症治療薬に目を向けた場合治療上どのような違いがあるのでしょうか。
同じ第2世代の抗アレルギー薬でルパフィン錠10mgという医薬品があります。
即効性が高く、とくに鼻づまりに効果的です。
ビラノア錠と比べると若干眠気は出やすいものの、食事の影響を受けにくい特徴があります。
ザイザル錠5mgという医薬品は子供から大人まで使いやすい医薬品です。
食事の影響を受けず、シロップもあるため服用しやすいのが特徴です。
ただし、効果の強さはビラノア錠やルパフィン錠より若干劣ります。
市販薬でも有名なアレグラ錠60mgという医薬品は眠気が最も少ない医薬品の一つですが、その分効果はマイルドなので初めて花粉症治療薬を使用する方におすすめです。
そもそもポララミン錠のような第1世代の抗アレルギー薬は、効果は強いうえに眠気も強いためなかなか使い勝手の悪い医薬品になります。
効果が強すぎる医薬品を使いたくない方や副作用を懸念される方には小青竜湯などの漢方薬を使用することも選択肢の一つになります。
とくに鼻水や鼻づまりが強い場合にはステロイドの点鼻薬を併用することで治療効果をさらに上げることができます。
花粉症治療薬はこの他に、リザベンやアレギサール・ペミラストンと言ったメディエーター遊離抑制薬と呼ばれる医薬品や、ラマトロバンのトロンボキサンA2受容体拮抗薬、オノンやキプレス・シングレアと言ったロイコトリエン受容体拮抗薬も販売されています。
作用機序が異なる医薬品ですのでビラノア錠と併用して服用することが可能な点がメリットの一つです。
近年新しい治療法として免疫舌下療法(めんえきぜっかりょうほう)という治療法がとりだたされています。
効果は優れているものの、その効果を感じられるまでに時間がかかるのがデメリットです。
このように選択肢は多く準備されています。
個人差があるため、自分にあった医薬品を見つけることが花粉症治療における第一歩です。
ビラノアの服用方法
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ビラノア錠20mgの服用方法は、「通常、成人にはビラスチンとして1回20mgを1日1回空腹時に経口投与する」となっています。
季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)に使用する場合においては、花粉の飛散が始まる時期を考慮したうえで、その直前から服用を開始し、花粉の飛散時期が終了するまで服用を続けることが望ましいとされています。
スギ・ヒノキ・カモガヤ・ブタクサ・シラカンバなどが代表的な抗原になるわけですが、この花粉がいつから飛散し、いつ終わるのかを毎年把握しておくことが非常に重要になります。
まして地域によって飛散時期に差があります。
九州にいる人と北海道にいる人では服用開始時期も服用終了時期も異なるため注意が必要です。
服用するうえで最も大切なことは、症状が出てから服用するのでは十分な効果を得ることができないということです。
その点を理解したうえで服薬を開始するようにしましょう。
また、通年性アレルギー性鼻炎というものもあります。
主な抗原はダニや家の中のチリです。
抗原が1年中あるため症状も1年中続きます。
その為抗アレルギー薬はいつから服用していつ止めるかと言った考えはなく年中服用し続けなければなりません。
以上を踏まえたうえで服用方法をもう一度見てみましょう。
ビラノア錠は1日1回服用することで24時間効果が持続します。
いつ服用してもかまいませんが空腹時であることが必須要件となります。
効果も即効性があり、服用後約1時間で最高血中濃度を示します。
早く服用することで早く効きます。
自分がどのアレルギー症状なのかを理解したうえで治療を行うようにしていきましょう。
ビラノアの副作用と注意点
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ビラノア錠の重大な副作用に「ショック、アナフィラキシー」が報告されています。
頻度不明ですので服用により気になる症状があるときは直ちに医師に相談するようにしましょう。
その他の副作用では大きく分けて頻度が1%未満のものと頻度不明のものが報告されています。
1%未満のものでは眠気(0.6%)、頭痛(0.3%)、口渇(0.3%)、下痢、腹痛、AST上昇、γーGTP上昇、鼻乾燥が報告されています。
眠気の副作用は出にくい医薬品ですが個人差があるため、初めて服用する際は休日など、様子を見られる日を選択すると良いでしょう。
頻度不明の副作用ではめまい、口内乾燥、悪心、動機、発疹、そう痒症、体重増加、食欲亢進、疲労などが報告されています。
ビラノア錠を服用することでどの副作用が出るかは飲んでみなければわかりません。
気になる場合は別の医薬品に変更するなどして対処すると良いでしょう。
注意点としては飲み合わせに相互作用があるという点です。
アルコールは眠気が強くなる可能性がありますので避けた方が良いでしょう。
グレープフルーツジュースはビラノア錠の吸収に影響し、効果減弱してしまいますのでグレープフルーツの実を含め摂取は避けるようにしましょう。
また眠気が少ないとされていますが、個人差がありますので服用初期は運転や危険を伴う機械の操作に従事しない様注意ください。
腎機能に問題のある方、妊婦、授乳婦、小児、高齢者は服用に注意が必要です。
併用薬がある場合気を付けなければいけない医薬品があります。
それは「エリスロマイシン」と「ジルチアゼム」です。
一緒に服用することでビラノア錠の血中濃度を上昇させると報告されています。
病院を受診する際にはあらかじめ服用している医薬品は医師に伝えておきましょう。
ビラノア錠は比較的安全性の高い医薬品ですが、どんな医薬品にも必ず副作用はあります。
不安な点がある場合は、遠慮なく医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
副作用の早期発見と適切な対応が、安全な服用につながります。
出典
ビラノア錠20mg添付文書
ビラノア錠20mg/OD錠20mgインタビューフォーム
アレルギー性鼻炎ガイド2021年版