クロバザム

成分名

クロバザム

適応症状

部分発作(単純部分発作、複雑部分発作、二次性全般化強直間代発作)、全般発作(強直間代発作、強直発作、非定型欠神発作、ミオクロニー 発作、脱力発作)

簡易説明

クロバザムはてんかんに使用する薬です。
「てんかん」では脳内で電気信号が異常に発生することによって脳内が混乱してしまい、突然けいれんが起きたり、突然意識消失を伴ったりする病気ですが、クロバザムは、脳内に異常な電気信号が発生しないよう予防する薬なので、てんかんの症状が起きていないときに継続して服用することが非常に重要です。
脳内の電気信号には「興奮性の信号」と「抑制性の信号」の2つがありますが、クロバザムは特に「抑制性の信号」を脳内に発生させることによりてんかん発作の原因となる脳内の異常な興奮状態を抑えます。
クロバザムは様々な種類のてんかんに使用されますが、他のてんかんの薬でも効果がないときに、他のてんかんの薬と一緒に服用しなければなりません。

処方可能な診療科目

小児科(小児のみ)/脳神経内科/脳神経外科/精神科

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約3,000円~15,000円
薬代1錠あたりの目安:5mg 18.1円/10mg 31.7円
薬代1gあたりの目安:1g 28.3円
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
※「薬代1錠あたりの目安」はマイスタン錠10㎎の薬価で算出しています。
※診察費は3割負担で算出しています。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売開始年月:2000年5月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

マイスタン®錠5㎎/マイスタン®10㎎/マイスタン®細粒1%

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

脳は細胞の中でも非常に多くの「神経細胞」が集まっている臓器(器官)です。
私たちが五感で感じている情報は、神経細胞を通じて脳内を伝わっていきますが、これは神経細胞が「興奮」することで起こる生理現象です。
また神経細胞の興奮は「電気信号」が発生することで神経細胞から神経細胞へと情報が伝達していきます。
「てんかん」ではこの電気信号が異常に発生することによって脳内が混乱してしまい、突然けいれんが起きたり、突然意識消失を伴ったりする病気です。
クロバザムは、脳内に異常な電気信号が発生しないよう予防する薬なのでてんかんの症状が起きていないときに継続して服用することが非常に重要です。
電気信号には「興奮性の信号」と「抑制性の信号」の2つがあります。
クロバザムは特に「抑制性の信号」を脳内に発生させることによりてんかん発作の原因となる脳内の異常な興奮状態を抑えます。
また、てんかんには全般発作(てんかん発作が起きてすぐに脳全体が異常な興奮状態となる)や部分発作(てんかん発作が起きてから脳の一部が異常な興奮状態となる)などがあります。
クロバザムはそのうちの全般発作、部分発作とあらゆるてんかん発作に対して効果・作用が認められておりますが、クロバザム単独で処方されることはなく他の抗てんかん薬と併用しなければなりません。

使用方法

・成人にはクロバザムとして1日10mgから始め、症状にあわせて徐々に増量していきます。
増量後は1日10〜30mgを1〜3回に分けて維持していきます。
なお、症状により増減が可能となっており最高1日量は40mgまでとなっています。
・小児に対しては、通常クロバザムとして1日0.2mg/kgから始め、症状にあわせて徐々に増量していきます。
増量後は1日0.2〜0.8mg/kgを1〜3回に分けて維持していきます。
なお、症状により増減が可能となっており、最高1日量は1.0mg/kgまでとなっています。
※その他のてんかんの薬で十分な効果が認められない場合に限り使用することとされています。
※クロバザムは単独での使用経験が少なく、他の抗てんかん薬と併用して使用することとされています。

副作用

重大な副作用
・依存性(頻度不明)
・呼吸抑制(頻度不明)
・中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)
・皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)

その他の副作用
(頻度が5%以上)
・眠気・傾眠(38.6%)
・ふらつき・めまい(10.9%)

(頻度が1~5%)
・精神神経系:構音障害、無気力、不機嫌、失調、情動不安
・眼:複視
・消化器:唾液分泌過多、食欲不振
・血液:白血球減少、好酸球増加
・肝臓(AST・ALT・γ-GTP・ALP上昇等の肝機能検査値異常)
・その他(倦怠感)

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・クロバザムに対しアレルギー歴のある方
・急性閉塞隅角緑内障の方
※眼の圧力が上昇するおそれがあります
・重症筋無力症の患者
※重症筋無力症の症状が悪化する可能性があります

使用に注意が必要な方
・薬を飲んだ後に自動車の運転、危険を伴う機械の操作の予定がある方
※眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こる可能性があります
・心臓に障害のある方
※心障害が悪化するおそれがあります
・脳に障害のある方
※クロバザムの作用が強くあらわれます
・体力が衰えている患者
※クロバザムの作用が強くあらわれます
・呼吸機能の低下している方
※呼吸機能低下が強まるおそれがあります
・腎臓に障害のある方
※クロバザムが体内に蓄積しやすく副作用が起こりやすくなります
・肝臓に障害のある方
※クロバザムが体内に蓄積しやすく副作用が起こりやすくなります
・妊娠している方
※クロバザムと同じ種類の薬で奇形を有する赤ちゃんを出産した例が多数報告されています
・授乳されている方
※母乳中に薬が移行し、新生児に嗜眠、体重減少、肝臓の機能障害等を起こすことが報告されています
・小児等
※新生児、乳児を対象とした臨床試験は実施されていません
・高齢者
※全体的に身体機能が落ちておりクロバザムの効果が強く出る場合があります

上記にあてはまる方は、クロバザムを使用する事が出来ない可能性があります。
クロバザムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
(具体的な薬)
・マイスタン/アルコール/フェニトイン/フェノバルビタール/カルバマゼピン/バルプロ酸/スチリペントール/シメチジン

(薬の種類)
・中枢抑制薬/CYP3A4を阻害する薬/主にCYP3A4によって代謝される薬/CYP2C19を阻害する薬/主にCYP2D6によって代謝される薬
※多くの薬が該当するため、医師からクロバザムが処方された際は必ず飲んでいる薬を医師に伝えてください。

上記を使用している方は、クロバザムを使用する事が出来ない可能性があります。
クロバザムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
てんかんの発作の症状がないのですが薬を中断してもよいですか?

クロバザムはてんかん発作の予防として効果を発揮するので、医師の指示通り用法用量を守って服用を続けてください。
急激な薬の減少や服用の中止により、「てんかん重積状態」という症状があらわれることがあります。

クロバザムを服用し始めてから日中でも眠気があります。中止したほうがよいでしょうか。

服用し始めてから眠気、ふらつき等の症状があらわれることがあります。
しかしながらクロバザムを服用するメリット(てんかん発作の予防)と副作用のデメリットを医師が考えた結果での処方ですので自己判断で中止することはやめましょう。
ただし眠気やふらつきがひどい場合はすぐに医師に相談しましょう。

マイスリーとマイスタンは同じ薬ですか?

マイスリーは不眠症に使用する薬ですが、マイスタンはてんかんに使用する薬です。
名前が似ていますが効果が全く異なります。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。