スチリペントール

成分名

スチリペントール

適応症状

クロバザム(代表薬名マイスタン錠5mg/10mg/細粒1%)及びバルプロ酸ナトリウム(代表薬名デパケン錠100mg/200mg等)で十分な効果が認められないDravet症候群患者における間代発作又は強直間代発作に対するクロバザム(代表薬名マイスタン錠5mg/10mg/細粒1%)及びバルプロ酸ナトリウム(代表薬名デパケン錠100mg/200mg等)との併用療法に対して適応症状を持つ医薬品になります。

簡易説明

スチリペントールはバイオコデックス社が開発した抗てんかん剤になります。
この薬はてんかんの中でも特に治療が困難とされているドラベ症候群の治療に用いられます。
使用方法としては単剤使用ではなく併用療法とされており、その内容はクロパザム(マイスタン)及びバルプロ酸ナトリウム(デパケン)と一緒に飲むことで、けいれん発作の抑制効果が高まるとされております。

処方可能な診療科目

内科/小児科/神経内科/精神科/脳神経外科/産婦人科等

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:カプセル250mg約530円/ドライシロップ分包250mg約530円/ドライシロップ分包500mg薬1,050円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

▽ドラベ症候群は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2012年9月28日製造販売承認
2012年11月22日薬価基準収載
2012年11月27日販売開始

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ディアコミットドライシロップ分包250mg/ドライシロップ分包500mg/カプセル250mg【製薬メーカー:Meiji Seikaファルマ株式会社 】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

1)欧州(2007年1月承認)
販売名:DIACOMIT250mg・500mg powder for oral suspension in sachets
DIACOMIT250mg・500mg hard capsules

2)カナダ(2012年12月承認)
販売名:DIACOMIT Powder for Suspension [250mg・500mg]
DIACOMIT Capsules [250mg・500mg]

3)米国(2018年8月承認)
販売名:DIACOMIT Powder for Oral Suspension [250mg・500mg, Cartons of 60]
DIACOMIT Capsules [250mg・500mg, Bottles of 60]

4)豪州(2019年9月承認)
販売名:DIACOMIT stiripentol 250mg・500mg powder for oral suspension sachet
DIACOMIT stiripentol 250mg・500mg capsule bottle

効果・作用

スチリペントールはクロバザム(マイスタン)及びバルプロ酸ナトリウム(デパケン)で効果不十分なドラベ症候群患者における間代発作又は強直間代発作に対するクロバザム及びバルプロ酸ナトリウムとの併用療法に効果のある医薬品になります。

【作用機序】
スチリペントールは、能における主要な抑制性神経伝達物質であるGABAのシグナル伝達を増強する事により、抗てんかん作用を発揮します。その薬理作用メカニズムとして、①神経終末より放出されたGABAの取り込み阻害作用、②GABA分解酵素の活性抑制作用による脳組織GABA濃度の増加作用、③GABAA受容体のシグナル伝達における促進性アロステリック調節作用が挙げられます。
スチリペントールは、α3あるいはδサブユニットを有するGABAA受容体に、より強い活性を示します。また、スチリペントールはCYP阻害作用に基づく薬物代謝阻害作用により、併用抗てんかん薬の血中濃度を高め、その抗痙攣作用を増強するとされております。

【ドラベ症候群とは?】
ドラベ症候群は指定難病に認定されている疾患になります。別名乳児重症ミオクロニーてんかんとも呼ばれる乳幼児期に発症する難治てんかんになります。それまで健康であった赤ちゃんが、多くの場合は1歳未満で最初の発作が起こり、その後も発作を繰り返し、重積発作となることも度々あります。体温の上昇や光、ある種の模様などによって発作が誘発されます。特に入浴中や入浴後、38度台の発熱により発作を繰り返す場合はドラベ症候群が疑われます。

使用方法

通常、1歳以上の患者においては、成分名スチリペントール(代表薬名ディアコミットカプセル250mg/ドライシロップ分包250mg/ドライシロップ分包500mg)として1日に投与する量としては患者個々の体重を元にし、50mg/kgを1日2~3回に分けて、食事中に若しくは食直後(食後10分以内)に経口投与する事とされております。初回の投与量としては1日20mg/kgから開始する事とされており、1週間以上投与間隔をあけて、次の投与量を10mg/kgずつ増量していく事とされております。
但し、患者の体重が゙50kg以上の場合には、成分名スチリペントール(代表薬名ディアコミットカプセル250mg/ドライシロップ分包250mg/ドライシロップ分包500mg))として1日1000mgから投与を開始する事とされており、同様に1週間以上投与間隔を開けて、次の投与量を500mgずつ増量していく事とされております。
なお、1日に服薬できる最大の投与量としては患者個々の体重を元に50mg/kg又は医薬品成分量として2500mgのいずれか低い方を超えない事とされております。

副作用

重大な副作用
1)好中球減少症、血小板減少症(いずれも頻度不明)

その他の副作用
1)感染症
気管支炎、麦粒腫、肺炎(5%未満)
2)精神神経系
傾眠(79.2%)、運動失調(ふらつき)(58.3%)、振戦(25.0%)
不眠症、激越、筋緊張低下(5~15%未満)
注意欠陥多動性障害、多弁、注意力障害、睡眠期リズム障害、睡眠障害、運動過多(5%未満)
攻撃性、易刺激性、行動障害、敵対行動、興奮性亢進、ジストニー(頻度不明)
3)感覚器
複視(頻度不明)
4)消化器
便秘、下痢(5~15%未満)
悪心、嘔吐(5%未満)
5)皮膚
皮膚乾燥(5~15%未満)
アトピー性皮膚炎、そう痒(5%未満)
発疹、皮膚アレルギー、蕁麻疹(頻度不明)
6)泌尿器
排尿困難(5%未満)
7)生殖器
不規則月経(5%未満)
8)一般・全身障害
食欲減退(66.7%)
体重減少(5~15%未満)
無力症、栄養障害(5%未満)
疲労(頻度不明)
9)肝臓
AST上昇、γ-GTP上昇(37.5%)
Al-P上昇(5~15%未満)
アンモニア増加(5%未満)
肝機能検査異常(頻度不明)
10)血液
好中球減少、血小板減少、白血球減少(5~15%未満)
11)その他
転倒(5%未満)

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■スチリペントールを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ディアコミットドライシロップ分包250mg/ディアコミットドライシロップ分包500mg/ディアコミットカプセル250mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ディアコミットドライシロップ分包250mg/ディアコミットドライシロップ分包500mg/ディアコミットカプセル250mgの有効成分
スチリペントール
▼代表薬の添加物
ポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、デキストリン、赤色3号、酸化チタン、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、カルメロースナトリウムEP、ヒドロキシエチルセルロース、香料、バニリン、ステアリン酸マグネシウム
カプセル本体:ゼラチン、酸化チタン、赤色3号、青色2号

使用に注意が必要な方
1)合併症・既往歴等のある患者
①血液障害のある患者
血液障害を悪化させる恐れがあります。
②呼吸器疾患を有する患者
呼吸機能が抑制される恐れがあります。
③QT炎症のある患者
QT間隔を過度に延長させる恐れがあります。
2)腎機能障害患者
本剤及び本剤の代謝物の血中濃度が上昇すると考えられております。
3)肝機能障害患者
本剤及び本剤の代謝物の血中濃度が上昇すると考えられております。
4)妊婦
5)授乳婦
動物実験において乳汁中に移行する事が報告されております。
6)小児等
7)高齢者

上記にあてはまる方は、スチリペントールを使用する事が出来ない可能性があります。
スチリペントールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
1)麦角アルカロイド
(エルゴタミン酒石酸炎・ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩、エルトメトリンマレイン酸塩等)
2)ピモジド・キニジン硫酸塩水和物・ベプリジル塩酸塩水和物
3)フェニトイン・フェノバルビタール・カルバマゼピン
4)抗てんかん薬
(プリミドン・ニトラゼパム・エトスクシミド・ゾニサミド・トピラマート等)
5)ベンゾジアゼピン系薬剤
(ジアゼパム・ミダゾラム・トリアゾラム・アルプラゾラム・クロラゼプ酸二カリウム等)
6)スタチン系薬剤
(アトルバスタチンカルシウム水和物・シンバスタチン等)
7)免疫抑制剤
(タクロリムス水和物・シクロスポリン等)
8)キサンチン系薬剤
(カフェイン等)
9)テオフィリン
10)カフェイン含有食品
(チョコレート・コーヒー・紅茶・日本茶・コーラ等)
11)プロトンポンプ阻害薬
(オメプラゾール等)
12)非ステロイド性抗炎症薬
(セレコキシブ・ジクロフェナクナトリウム・イブプロフェン等)
13)クマリン系抗血液凝固薬
(ワルファリンカリウム)
14)HIVプロテアーゼ阻害剤
(リトナビル・サキナビルメシル酸塩・ネルフィナビルメシル酸塩等)
クロルフェニラミンマレイン酸塩
カルシウム拮抗薬
(ニフェジピン・ニカルジピン塩酸塩・ニソルジピン等)
15)経口避妊薬
(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール等)
16)マクロライド系抗生物質
(エエリスロマイシン・クラリスロマイシン・テリスロマイシン等)
アゾール系抗真菌剤
(フルコナゾール・イトラコナゾール等)
17)β遮断薬
(プロプラノロール塩酸塩・カルベジロール・チモロールマレイン酸塩等)
抗うつ薬
(パロキセチン塩酸塩水和物・セルトラリン塩酸塩・イミプラミン塩酸塩・クロミプラミン塩酸塩等)
ハロペリドール
コデインリン酸塩水和物
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
トラマドール塩酸塩
18)クロルプロマジン塩酸塩・フルニトラゼパム・オキサゾラム・ロラゼパム・ハロタン・アルコール(飲酒)
19)グリベンクラミド
20)QT延長を起こすことが知られている薬剤

上記を使用している方は、スチリペントールを使用する事が出来ない可能性があります。
スチリペントールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
飲み忘れたときはどうしたらよいか?

飲み忘れたときは、気が付いた時点で飲み忘れたときの1回分のお薬を飲んでください。その場合も、空腹時は避け、少しでも良いので何か食べてから服用してください。また、次の服用までは4時間以上の間隔を開けるようにしましょう。
ディアコミットを服用されている患者さんのご家族へ 【患者向け医薬品ガイド】

お昼はドライシロップを学校で飲ませることになりますがどうしたらよいか?

昼の服薬を家以外で行う場合においては、家での調整同様にその都度調整するようにして下さい。学校などでは先生にあらかじめ相談しておくと良いでしょう。
ディアコミットを服用されている患者さんのご家族へ 【患者向け医薬品ガイド】

服用時間は食事中又は食直後とされているが空腹の服薬でも大丈夫か?

本剤の吸収は食事の影響を受けやすく、空腹時に服薬してしまうと吸収が低下し、作用が減弱する恐れがあります。必ず何か食べてから服薬するようにしましょう。
ディアコミットドライシロップ分包250mg/500mg/カプセル250mgインタビューホーム 【Meiji Seikaファルマ株式会社】

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。