成分名 |
バルプロ酸ナトリウム |
適応症状 |
躁病の治療/てんかんの易怒性の治療/てんかんの混合発作の治療/てんかんの焦点発作の治療/てんかんの小発作の治療/てんかんの性格行動障害の治療/てんかんの精神運動発作の治療/てんかんの不機嫌の治療/片頭痛発作の発症抑制/躁うつ病の躁状態の治療など |
簡易説明 |
バルプロ酸ナトリウムは、脳内のγ-アミノ酪酸(GABA)の神経伝達物質促進作用があることから、脳内の神経興奮の抑制作用などをあらわして、てんかん・片頭痛・躁病などの改善作用がある薬で、脳神経の興奮をおさえて、てんかん発作を予防します。
また、怒りやすい・不機嫌といったてんかんにともなう性格行動障害を改善する効果をもたらします。 |
処方可能な診療科目 |
内科/神経内科/脳神経内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1000円~5000円程度
薬代1錠あたりの目安:100mg約9円/200mg約12円
薬代1gあたりの目安:20%約11円/40%約17円
薬代後発薬1錠の目安:100mg約7円/200mg約10円
薬代後発薬1gの目安:20%約11円/40%約15円
※病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要です。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
【デパケンR錠100mg/デパケンR錠200mg】
販売開始年月 : 1991年1月
【デパケン細粒20%】
販売開始年月 : 1987年10月
【デパケン細粒40%】
販売開始年月 : 1984年6月
【セレニカR顆粒40%】
販売開始年月 : 1991年12月
【セレニカR錠200mg】
販売開始年月 : 2004年7月
【セレニカR錠400mg】
販売開始年月 : 2006年7月
【デパケンシロップ5%】
販売開始年月 : 1975年3月 |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリックがあります。 |
関連製品(先発薬) |
【製薬メーカー:協和キリン】
デパケンシロップ5%
デパケン細粒20%
デパケン細粒40%
デパケンR錠100mg
デパケンR錠200mg
デパケンR錠100mg
デパケンR錠200mg
【製薬メーカー:興和】
セレニカR顆粒40%
セレニカR錠200mg
セレニカR錠400mg |
関連製品(ジェネリック) |
バルプロ酸Na錠100mg「フジナガ」【藤永製薬】
バルプロ酸Na錠200mg「フジナガ」【藤永製薬】
バルプロ酸Naシロップ5%「フジナガ」【藤永製薬】
バルプロ酸ナトリウム錠100mg「アメル」【共和薬品工業】
バルプロ酸ナトリウム錠200mg「アメル」【共和薬品工業】
バルプロ酸ナトリウム錠100mg「DSP」【住友ファーマ】
バルプロ酸ナトリウム錠200mg「DSP」【住友ファーマ】
バルプロ酸ナトリウムシロップ5%「DSP」【住友ファーマ】
バルプロ酸Na徐放顆粒40%「フジナガ」【藤永製薬】
バルプロ酸ナトリウム徐放錠A100mg「トーワ」【東和薬品】
バルプロ酸ナトリウム徐放錠A200mg「トーワ」【東和薬品】
バルプロ酸ナトリウムシロップ5%「日医工」【日医工】
バルプロ酸ナトリウム細粒20%「EMEC」【日医工】
バルプロ酸ナトリウム細粒40%「EMEC」【日医工】
バルプロ酸ナトリウムSR錠100mg「アメル」【共和薬品工業】
バルプロ酸ナトリウムSR錠200mg「アメル」【共和薬品工業】
バルプロ酸ナトリウム徐放U顆粒40%「アメル」【共和クリティケア】
バルパリン【Sanofi-Synthelabo (India) Pvt Ltd】 |
海外での使用実績 | バルプロ酸ナトリウムの使用について、片頭痛発作の発症抑制においては、アメリカにおいて片頭痛予防に対するバルプロ酸の適応は、1日500mgから1000mgで承認されて
います。また、欧州神経学会のガイドラインでは、1日 500mgから1800mgが推奨用量とされています。 |
効果・作用 |
バルプロ酸ナトリウムは、脳内のγ-アミノ酪酸(GABA)の神経伝達物質促進作用があります。
脳内の神経興奮の抑制作用などをあらわし、てんかん・片頭痛・躁病などの改善作用があることから、脳神経の興奮をおさえて、てんかん発作を予防するはたらきがあります。
てんかん、片頭痛、躁病などは脳内で神経が異常に興奮することなどによっておこるとされており、脳には神経細胞が集積していて、神経伝達物質などの作用により神経細胞が興奮しシグナルが伝わり神経伝達がおこります。
神経の興奮伝達に関わる物質としてナトリウムイオン(Na+)、カルシウムイオン(Ca2+)、塩化物イオン(Clー)などがあり、その中でもClーは神経の興奮を抑制するシグナルとして作用します。
脳内のγ-アミノ酪酸(GABA)がGABA受容体に結合することで、Clーの通り道であるGABA受容体-BZD受容体-Cl-チャネル複合体へのCl-の流入が促進して、神経興奮が抑制されて、神経伝達物質のGABAはグルタミン酸脱炭酸酵素の働きなどにより合成され、GABAトランスアミナーゼという酵素によって不活性化されます。
本剤はグルタミン酸脱炭酸酵素の活性低下抑制作用やGABAトランスアミナーゼの阻害作用などにより、GABA濃度を上昇させる作用をあらわします。 |
使用方法 |
▼用法用量
[各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療、躁病および躁うつ病の躁状態の治療]
・1日量バルプロ酸ナトリウムとして400mgから1200mgを1日2回から3回に分けて経口投与します。ただし、年齢や症状に応じ適宜増減します。
[片頭痛発作の発症抑制]
1日量バルプロ酸ナトリウムとして400mgから800mgを1日2回から3回に分けて経口投与します。なお、年齢や症状に応じ適宜増減しますが、1日量として1000mgを超えないようにします。 |
副作用 |
重大な副作用
▼劇症肝炎等の重篤な肝障害、黄疸、脂肪肝等(いずれも頻度不明)
肝障害とともに急激な意識障害があらわれることがあらわれることがあります。患者の状態を十分に観察して異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼高アンモニア血症を伴う意識障害(頻度不明)
高アンモニア血症を伴う意識障害があらわれることがあります。患者の状態を十分に観察して異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼血性貧血、赤芽球癆、汎血球減少、重篤な血小板減少、顆粒球減少(いずれも頻度不明)
血性貧血、赤芽球癆、汎血球減少、重篤な血小板減少、顆粒球減少があらわれることがあります。患者の状態を十分に観察して異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼急性膵炎(頻度不明)
激しい腹痛、発熱、嘔気、嘔吐等の症状があらわれることがあります。膵酵素値の上昇が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼間質性腎炎、ファンコニー症候群(いずれも頻度不明)
間質性腎炎、ファンコニー症候群があらわれることがあります。患者の状態を十分に観察して異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあります。患者の状態を十分に観察して異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等の症状があらわれた場合には投与を中止して、適切な処置を行ってください。なお、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意してください。
▼脳の萎縮、認知症様症状、パーキンソン様症状(いずれも頻度不明)
認知症様症状として健忘、見当識障害、言語障害、寡動、知能低下、感情鈍麻等があらわれることがあります。パーキンソン様症状として静止時振戦、硬直、姿勢・歩行異常等があらわれることがあります。なお、これらの症状が発現した例では中止により、ほとんどが1?2ヵ月で回復しています。
▼横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビンの上昇等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群があらわれることがあります。低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム量の増加、高張尿等があらわれた場合には、水分摂取の制限等の適切な処置を行ってください。
▼間質性肺炎、好酸球性肺炎(いずれも頻度不明)
間質性肺炎、好酸球性肺炎があらわれることがあります。咳嗽、呼吸困難、発熱等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺炎、好酸球性肺炎が疑われた場合には投与を中止して、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行ってください。
その他の副作用
夜尿/頻尿/倦怠感/鼻血/貧血/腹痛/振戦/血小板凝集能低下/低フィブリノーゲン血症/めまい/抑うつ/食欲亢進/AST上昇/ALT上昇/Al-P上昇/血尿/尿失禁/多嚢胞性卵巣/歯肉肥厚/体重増加/カルニチン減少/白血球減少/感覚変化/口内炎/下痢/脱毛/月経異常/月経不順/無月経/口渇/浮腫など
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■重篤な肝障害のある患者
重篤な肝障害のある患者には使用できません。投与しないでください。
■カルバペネム系抗生物質を投与中の患者
カルバペネム系抗生物質を投与中の患者には使用できません。投与しないでください。
■尿素サイクル異常症の患者
尿素サイクル異常症の患者は、重篤な高アンモニア血症があらわれることがあることから使用できません。投与しないでください。
■片頭痛発作の発症抑制での妊婦又は妊娠している可能性のある女性
片頭痛発作の発症抑制での妊婦又は妊娠している可能性のある女性には使用できません。投与しないでください。
使用に注意が必要な方 ■薬物過敏症の既往歴のある患者
薬物過敏症の既往歴のある患者には十分に観察をしてから投与を慎重に行ってください。異常が確認された場合は、直ちに薬の使用を止めるなどの適切な処理を行ってください。
■自殺企図の既往及び自殺念慮のある躁病及び躁うつ病の躁状態の患者
自殺企図の既往及び自殺念慮のある躁病及び躁うつ病の躁状態の患者は、自殺企図や自殺念慮が悪化するおそれがあります。十分に観察をしてから投与を慎重に行ってください。異常が確認された場合は、直ちに薬の使用を止めるなどの適切な処理を行ってください。
■尿素サイクル異常症が疑われる患者
尿素サイクル異常症が疑われる患者(原因不明の脳症若しくは原因不明の昏睡の既往のある患者、尿素サイクル異常症又は原因不明の乳児死亡の家族歴のある患者)は、本剤投与前にアミノ酸分析等の検査を考慮するとともに、本剤投与中は、アンモニア値の変動に注意して、十分な観察を行ってください。重篤な高アンモニア血症があらわれるおそれがあります。
■重篤な下痢のある患者
本剤は製剤学的にバルプロ酸ナトリウムの溶出を制御して徐放化させたものであり、服用後一定時間消化管内に滞留する必要があります。また、血中濃度が十分に上昇しない可能性があります。十分に観察をしてから投与を慎重に行ってください。
■虚弱者
虚弱者の各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療では、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど特に注意してください。
■肝機能障害又はその既往歴のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)
肝機能障害又はその既往歴のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)は、肝機能障害が強くあらわれるおそれがあります。十分に観察をしてから投与を慎重に行ってください。異常が確認された場合は、直ちに薬の使用を止めるなどの適切な処理を行ってください。
■生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性に使用する場合には、本剤による催奇形性について十分に説明してください。本剤の使用が適切であるか慎重に判断してください。本剤で催奇形性が認められています。
■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮して、授乳の継続又は中止を検討してください。ヒト母乳中へ移行することがあります。
■小児等
低出生体重児又は新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していません。
■高齢者
高齢者は用量に留意して慎重に投与してください。各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療では投与を中止する場合には、徐々に減量するなど特に注意してください。片頭痛発作の発症抑制では、高齢者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していません。
上記にあてはまる方は、バルプロ酸ナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。 バルプロ酸ナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・バルビツール酸剤
フェノバルビタール等
・フェニトイン
・カルバマゼピン
・エトスクシミド
・アミトリプチリン
・ノルトリプチリン
・クロバザム
・ラモトリギン
・ロラゼパム(注射剤)
・ベンゾジアゼピン系薬剤
ジアゼパム等
・ワルファリン
・サリチル酸系薬剤
アスピリン等
・エリスロマイシン
・シメチジン
・クロナゼパム
上記を使用している方は、バルプロ酸ナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。 バルプロ酸ナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・カルバペネム系抗生物質
パニペネム・ベタミプロン(カルベニン)
メロペネム水和物(メロペン)
イミペネム水和物・シラスタチン(チエナム)
レレバクタム水和物・イミペネム水和物・シラスタチン(レカルブリオ)
ビアペネム(オメガシン)
ドリペネム水和物(フィニバックス)
テビペネム ピボキシル(オラペネム)
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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