スルチアム

成分名

スルチアム

適応症状

精神運動発作

簡易説明

それぞれの薬の効果別に分類された薬効分類において、スルチアムは、抗てんかん剤の1つです。
てんかんの治療には薬物療法、外科治療(脳の手術)、迷走神経刺激療法、食事療法などがありますが、その基本は薬物療法とされています。
まずは薬を服用することで発作の予防を目指すのです。
スルチアムは、様々なてんかん発作の種類の中でも特に、けいれんに対して効果を発揮する抗けいれん薬の1つとされています。
その為、てんかん発作予防を目指すメインの薬(第一選択薬)としてではなく、第一選択薬を服用していてもうまく症状がコントロールできず、てんかん発作を起こしてしまう場合に対して、併用してつかわれる薬です。(2013年時点では、スルチアムのみの単独治療としての国の認可はおりていません。) 
他の抗てんかん薬同様に、正しい用法用量で、飲み忘れに注意しましょう。

処方可能な診療科目

内科/精神科/脳神経内科/脳神経外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :およそ1000円
薬代1錠あたりの目安:オスポロット錠50mg 5.9円/錠、オスポロット錠200mg 19.6円/錠
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
それぞれの病院によって差が有り、薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。
また、それぞれ加入の健康保険の負担額の割合によっても異なります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2001年12月販売開始(50mg,200mgともに同じ)

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

オスポロット錠50mg,オスポロット錠200mg【共和薬品】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

てんかんとは脳における慢性疾患の1つとされています。
脳の神経細胞(ニューロン)に突然激しい電気的な興奮が発生したり、興奮を抑える作用が弱まることなどが原因で発作を繰り返すことを特徴とした病気です。
原因として、交通事故などの頭部外傷や脳梗塞・脳出血、アルツハイマーびょうなどの原因が明らかな「症候性てんかん」と、原因が不明な「特発性てんかん」があります。
発作には、代表的なけいれん発作だけでなく、意識を失う発作、全身の力が抜けて倒れる発作、体のどこか一部がぴくぴくとなる発作などもあります。それぞれの発作に応じて、適した薬の種類も違います。
てんかんの治療の基本は、薬物療法です。具体的にはそれぞれの発作の特徴に応じて、様々な種類の抗てんかん薬の中から1つを選択して服用します。
複数の薬を同時に使わないことを基本としており、およそ60~70%の患者さん場合でその治療は成功すると言われています。
しかしながら、言い換えると残りの30%の患者さんでは、1つの薬だけでは発作をおさえることができないということになります。
これを難治性てんかんといいます。
スルチアムは、この難治性てんかんに対して、複数の薬を併用する際に使われる薬です。
いくつかの薬を併用することで、最初の薬の効かなかった30%の患者さんのうち、半数近くの場合で発作を抑えることができます。
てんかん発作が日常生活におよぼす影響はとても大きく、そのコントロールがなされることは、とても重要な意味があります。
しかし、海外の研究結果より、他の抗てんかん薬とスルチアムを同時に服用した場合、服用しなかった場合と比べて自殺念慮や自殺企図のリスクが薬2倍高まるという計算もあり、服用中の経過の観察は重要です。
てんかん治療では、今起こっている発作を抑えるだけではなく、今後起こりうる発作の予防をしていく必要があり、薬の服用は長期にわたります。
また、薬の効果をしっかりと発現させる為には、血液中の薬の成分濃度を一定に保ち続ける必要があり、用法容量を正しく守ることが大切になります。
正しく守られない場合、重いけいれん発作を起こす恐れもあります。自分の判断で薬の量を調節したり、服用中止しないようにしましょう。
その他日常生活での注意:眠気や集中力の低下、運動機能の低下のおそれがあります。運転や危険な作業は避けてください。

使用方法

成人の場合:1日200~600mgを、2~3回に分けて食後に服用します。
年齢や症状に合わせてその都度薬の量を調節します。

副作用

主な副作用
(5%以上のその他の副作用)
眠気、めまい、感覚の異常、神経炎など

重大な副作用
非常にまれではありますが、重大な副作用として腎不全があります。(0.1%未満)定期的に医師の診察や検査を受け、異常時には薬の服用をちゅうしするなどする必要があります。

その他の副作用
(0.1~5%未満のその他の副作用)
湿疹、貧血、倦怠感、頭痛、体を動かす調子がおかしい、食欲がない、吐き気、便秘や下痢、呼吸が早くなるなど

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・スルチアムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、オスポロット錠はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼オスポロット錠の有効成分
スルチアム
▼代表薬の添加物
トウモロコシデンプン、乳糖、タルク、軽質無水ケイ酸、ヒプロメロース、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、酸化チタン、マクロゴール4000
・腎障害がある方

使用に注意が必要な方
高齢の方:一般的に生理機能が低下しているため、薬の量を減量するなどの注意が必要です。
妊娠中または授乳中の方:妊娠している可能性のある方も含め、薬の服用で得られる効果が危険性を上回ると判断される場合のみ服用することとされています。(スルチアムと他の抗てんかん薬を併用した母親から、胎児に脳の異常、特徴的な顔つき、爪などの体の先の発達不足などの奇形があらわれたとの報告あります。)
これから出産計画を考えている方:薬の必要性については、慎重に検討する必要があります。薬の種類や量など、その選択肢は様々です。医師に相談してください。

上記にあてはまる方は、スルチアムを使用する事が出来ない可能性があります。
スルチアムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
フェニトイン(抗てんかん剤)
フェニトインの血中濃度の上昇の可能性があり、使用にあたっては服用量に注意が必要です。

上記を使用している方は、スルチアムを使用する事が出来ない可能性があります。
スルチアムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
スルチアムを服用しています。どれくらいの血中濃度が保たれればよいですか?

スルチアムの血中濃度の血液検査結果で基準値は、8~15㎍/mlとされています。
高値の場合:薬の量が多い、他の薬の影響を受けている、採決のタイミング、体の中の他の機能の変化があり薬の作用が強く出ているなど。
低値の場合:薬の飲み忘れがある、飲み始めの時期できちんと飲んでいる場合には効果が安定していない、体の中の他の機能の変化があり薬の作用が出にくくなっているなど。
血中濃度を適宜測定し治療の判断のうちの1つとしていますが、実際に起こる発作の状況も大切です。
医師の診察時に質問し、治療方針を確認していきましょう。

スルチアムが睡眠時無呼吸の治療になると聞きました。本当ですか?

現在研究中です。
睡眠時無呼吸症候群とは、その名の通り、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。
医学的には10秒以上の呼吸停止(無呼吸)や、呼吸が弱くなる「低呼吸」が1時間あたり5回以上繰り返される状態のことで、体が低酸素状態となり、様々な障害を引き起こします。
一般的な治療としてはCPAPと呼ばれる薬を使わない治療ほうですが、スルチアムの作用を転用できないかと研究が進んでいます。
海外で中等症~重症の睡眠時無呼吸患者さん68人に対して行った試験では、多くの患者さんで低呼吸・無呼吸ともに1時間あたりの平均回数が減少し、薬の効果があったとされました。
しかし、中にはまったく効果がなかった患者さんもおり、治療法の主流になれるかどうかははっきりとは証明されていません。
現在欧州5カ国で、約400人を対象とした臨床試験を開始しており、新しい治療法につながるかもしれません。

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