ルフィナミド

成分名

ルフィナミド

適応症状

他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないLennox-Gastaut症候群における強直発作及び脱力発作に対する抗てんかん薬との併用療法に対して適応

簡易説明

ルフィナミドはてんかんに効果のある医薬品として発売されました。
てんかんは脳内神経の異常な興奮などによって起こるとされ、その症状は痙攣や体のこわばり、意識の消失など多岐にわたります。
本剤は主に幼児期に発症するとされる難治性のてんかんであるレノックスガスト症候群における痙攣を伴う発作や四肢や体幹の筋群の力が一瞬が抜けて姿勢が崩れたり倒れる発作を改善する薬剤で、2006年以降に承認された第二世代抗てんかん薬の一つになります。

処方可能な診療科目

内科/小児科/神経内科/精神科/脳神経外科/産婦人科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:100mg約80円/200mg約140円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

▽Lennox-Gastaut症候群は指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

2013年3月25日製造販売承認
2013年5月24日薬価基準収載
2013年5月29日発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

イノベロン錠100mg/200mg【製薬メーカー:エーザイ株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

米国におきましては2009年1月に「BANZEL」という名称で発売しております。
剤形・規格についてはフィルムコート錠として100mg、200mg及び400mgを、また経口懸濁液として40mg/mLがあり、日本とは異なります。

欧州におきましては2007年5月に「Inovelon」という名称でを発売しております。
剤形・規格についてはフィルムコート錠として100mg、200mg及び400mg(販売剤形は欧州内でも国ごとに異なります)を、また経口懸濁液として40mg/mLがあります。

効果・作用

ルフィナミドは他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないLennox-Gastaut症候群における強直発作及び脱力発作に対する抗てんかん薬との併用療法に対して効果のある医薬品になります。

【作用機序】
ルフィナミドの作用機序は確定していないが、in vitro試験結果から、電位依存性ナトリウムチャネルの関与が示唆されております。
ルフィナミドは大脳皮質神経細胞の電位依存性ナトリウムチャネルの不活性化状態を延長する事が挙げられます。
また、脊髄神経細胞におけるナトリウム依存性活動電位の持続性高頻度発火を緩やかに広い濃度範囲で抑制するという特徴を持ちます。
本剤は特に脱分極状態のナトリウムチャネルと結合しやすく、その結合速度は比較的遅いと考えらえております。

【Lennox-Gastaut症候群とは】
小児期に発症する難治性のてんかんを主症状とするてんかん症候群で、
①非定型欠神発作や脱力発作、強直発作を中心とした多種多様なてんかん発作が出現し、②全般性遅棘徐波複合、睡眠時の速律動といった独特な脳波所見が見られます。また③知的障害や失調症状、睡眠障害などを合併することが明らかとされております。
関連する脳症には、大田原症候群、早期ミオクロニー脳症、ウエスト症候群、遊走性焦点発作を伴う乳児てんかんなどがありますが、これらは新生児期から幼児期の年齢依存性で、のちにLennox-Gastaut症候群に移行することもありますが、他の全般・部分てんかんを呈することもあります。
いずれも極めて難治に経過する事が多いようです。

使用方法

【4歳以上の小児における使用方法】
4歳以上の小児に対して投与する場合は小児の体重によって投与量が異なる為注意が必要になります。小児の定義としてはおおむね15歳までを目安にすることが多いです。4歳から見れば大幅な体重変化が認められる為継続して服用する患者には漫然投与にならないよう注意が必要になります。体重別使用方法は以下の通りとなります。
1)体重15.0kg以上30.0kg以下の小児に投与する場合:最初の2日間は、通常1回100mg(イノベロン錠100mg)を1日2回食後に内服する事とされております。3日目以降においては2日毎に200mg/日以下ずつゆっくり増量していく事とされておりますが、維持量としては1日1000mgを2回に分けて食後に内服する事とされております。なお、患者の症状及び状態によっては、1000mg/日以下の範囲で適宜増減していく事ができますが、増量していく場合においては、2日以上の間隔を開けて行い、200mg/日以下ずつ増量していく事とされております。
2)体重30.1kg以上ある小児へ投与する場合:成人における使用方法に準ずる事とされております。

【成人における使用方法】
成人の場合においては体重によって維持量が異なる為注意が必要になります。成人では肥満体質であったりよく間食をする生活習慣であったり、また服用薬の副作用で体重増加等する可能性もある為注意が必要です。体重別維持量は以下の通りとなります。
最初の2日間は1日400mgを2回に分けて食後に内服する事とされております。その後3日目以降においては2日毎に400mg/日以下ずつゆっくりと増量していく事とされておりますが、維持量として、体重が30.1kg以上50.0kg以下の患者には1800mg/日を、また体重が50.1kg以上70.0kg以下の患者には2400mg/日を、そして体重が70.1kg以上の患者には3200mg/日を、1日2回に分けて食後に内服する事とされております。なお、患者の症状や状態によっては維持量以下の範囲で適宜増減する事が可能とされておりますが、増量していく場合においては、2日以上の間隔を開けて行い、400mg/日以下ずつ増量していく事とされております。

副作用

重大な副作用
1)薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱が現れ、更にリンパ節腫脹や肝機能障害等の臓器障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれる事があるとの報告がございます。
2)皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)(頻度不明)
発熱、紅斑、眼充血、水疱・びらん、咽頭痛等が現れる事があるとの報告がございます。

その他の副作用
1)過敏症
発疹(3~10%未満)
2)消化器
食欲減退、嘔吐、便秘(10%以上)
悪心(3~10%未満)
3)精神神経系
傾眠(10%以上)
浮動性眩暈、てんかん重積状態、激越、頭痛(3~10%未満)
精神運動亢進、運動失調、痙攣(3%未満)
攻撃性、嗜眠(頻度不明)
4)その他
体重減少(3~10%未満)
疲労、複視、霧視(頻度不明)

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
本剤の成分又はトリアゾール誘導体に過敏症の既往歴のある患者
■ルフィナミドを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、イノベロン錠100mg/200mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼イノベロン錠100mg/200mgの有効成分
ルフィナミド
▼代表薬の添加物
クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、酸化チタン、三二酸化鉄、ステアリン酸マグネシウム、タルク、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、ヒプロメロース、マクロゴール6000、ラウリル硫酸ナトリウム

使用に注意が必要な方
1)他の抗てんかん薬に対しアレルギー歴または発疹発現の既往歴がある患者
2)肝機能障害のある患者
本剤は肝臓で代謝される為、血中濃度が上昇する恐れがある為使用に注意が必要になります。
3)先天性QT短縮症候群の患者
QT間隔が過度に短縮する恐れがある為使用に注意が必要になります。
4)高齢者
一般に高齢者では生理機能が低下している為使用に注意が必要になります。
5)妊婦、産婦、授乳婦等
6)小児等

上記にあてはまる方は、ルフィナミドを使用する事が出来ない可能性があります。
ルフィナミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
1)バルプロ酸ナトリウム
相手薬剤により代謝酵素であるカルボキシエステラーゼが阻害され、本剤のクリアランスが低下し、血中濃度が上昇する事がある為併用に注意が必要になります。
2)フェノバルビタール・プリミドン・カルバマゼピン
機序は不明ですが本剤の血中濃度が低下する可能性がある為併用に注意が必要になります。
3)フェニトイン
機序は不明ですが本剤の血中濃度が低下する可能性があり、また相手薬剤の血中濃度を上昇させる恐れがある為併用に注意が必要になります。
4)CYP3A4(又はCYP3A)で代謝される薬剤(クロパザム・カルバマゼピン・エトスクシミド・トピラマート・ゾニサミド・トリアゾラム等)
本剤のCYP3A4に対する誘導作用により相手薬剤の代謝を促進し、作用を減弱させる恐れがある為併用に注意が必要になります。
5)経口避妊薬(エチニルエストラジオール・ノルエチステロン)
機序は不明ですが、相手薬剤の代謝を促進し、作用を減弱させる恐れがある為併用に注意が必要になります。

上記を使用している方は、ルフィナミドを使用する事が出来ない可能性があります。
ルフィナミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
食後との用法ですが食事に対する影響はあるのか?

試験結果より空腹時投与では食後投与よりも効果が減弱する為用法も食後服用するよう記載されております。イノベロン錠100mg/200mg インタビューホーム 【エーザイ株式会社】

飲み忘れたときはどうしたらよいか?

飲み忘れた時は、気がついた時点で次に服用するまでに6時間以上の間隔がある場合はすぐに1回分を服薬してください。次に服用するまでに6時間以上の間隔が持てない場合には今回分は服用せずに1回分を飛ばし、次に服薬する時間に次回分として1回分を飲んでください。絶対に2回分を一度に服薬する事のないようにして下さい。医療関係者の皆様へ 【Medical.eisai.jp】

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。