成分名 |
ビガバトリン |
適応症状 |
点頭てんかんなど |
簡易説明 |
ビガバトリンは、脳内で抑制性の神経伝達物質となるγーアミノ酪酸(GABA)を分解するGABA-T:GABAアミノ基転移酵素の働きを阻害するはたらきがあります。
脳内GABA濃度を増加させて、てんかん(主に点頭てんかん)の発作を抑える作用をあらわす薬で、脳神経の過剰な興奮をしずめることにより、スパズム発作をおさえて、またヒプスアリスミア脳波を改善します。 |
処方可能な診療科目 |
内科/神経内科/脳神経内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1000円~5000円程度
薬代1包あたりの目安:500mg約1515円
※病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要です。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
【サブリル散分包500mg】
薬価基準収載年月 : 2016年5月
販売開始年月 : 2016年7月
国際誕生年月 : 1989年9月 |
国内のジェネリック認可 |
現在国内でのジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
サブリル散分包500mg【サノフィ】 |
関連製品(ジェネリック) |
サブリル【Sanofi Aventis in France】 |
海外での使用実績 | ビガバトリン海外における臨床開発について、ビガバトリンは、小児及び成人の「難治性部分発作の併用療法」に対して 1989 年に最初にイギリスで承認されて、点頭てんかんに対しては 1996 年に最初にイギリスで承認されています。
その後、1997 年に視野狭窄発現が報告されたことにより、当時、既にビガバトリンが販売されていた欧州では、リスク&ベネフィットの再検討がなされ、1999年5月に「成人では他剤無効例に限って最終選択肢としての他剤との併用療法に」、また「小児では点頭てんかん(West 症候群)に対する単独療法に」と限定して使用をすることを厳守することで、本剤の使用を継続することが確認されました。
アメリカでは、同様に視野狭窄が問題視されましたが、最終的にベネフィット・リスクの観点から 2009 年に承認されています。 |
効果・作用 |
ビガバトリンは、脳内で抑制性の神経伝達物質となるγーアミノ酪酸(GABA)を分解するGABA-T:GABAアミノ基転移酵素の働きを阻害するはたらきがあり、脳内GABA濃度を増加させて、てんかん(主に点頭てんかん)の発作を抑える作用をあらわします。
てんかんは脳内で神経の過度な興奮がおこることによって痙攣などの発作があらわれ、てんかんの中でも点頭てんかん(West症候群)は小児期の難治性てんかんの一つで、スパズム(頸部、体幹、四肢の筋肉の短時間の痙縮)やヒプスアリスミア(もともとある脳波のリズムや他のてんかんで認めるリズムのある異常脳波とは異なり、多くの棘波、徐波が色々な場所から不規則に発現している状態)という脳波所見を特徴として、しばしば精神運動発達の退行(遅滞)をきたします。
脳には神経細胞が集積していて、神経伝達物質などの作用により神経細胞が興奮しシグナルが伝わり神経伝達がおこることから、神経伝達物質の中でもγーアミノ酪酸(GABA)は神経細胞の抑制性のシグナルとして作用し、GABAはGABAアミノ基転移酵素:GABAトランスアミナーゼ(GABAーT)という酵素によって分解されます。
本剤はGABAアミノ基転移酵素:GABAトランスアミナーゼ(GABAーT)に結合し、この酵素活性を阻害することでGABAの分解を抑えて、脳内のGABA濃度を増加させることで、てんかん発作を抑える作用をあらわします。 |
使用方法 |
▼用法用量
・一般に、生後4週以上の患者には、ビガバトリンとして1日50mg/kgから投与を開始します。患者の症状に応じて、3日以上の間隔をあけて1日投与量として50mg/kgを超えない範囲で漸増しますが、1日最大投与量は150mg/kg又は3gのいずれか低い方を超えないこととします。また、いずれも1日2回に分けて用時溶解して経口投与します。 |
副作用 |
重大な副作用
▼視野障害、視力障害(いずれも頻度不明)
不可逆的な網膜障害による視野障害、視力障害があらわれることがあります。本剤投与中はSRSPに準拠して定期的に視野検査を含めた眼科検査を実施してください。視野の急激な欠損、中心視野の欠損に伴う視力障害等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼視神経萎縮、視神経炎(いずれも頻度不明))
視神経萎縮、視神経炎があらわれることがあります。患者の状態を十分に観察して異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼てんかん重積状態(5%未満)、ミオクローヌス発作(頻度不明)
てんかん重積状態、ミオクローヌス発作があらわれることがあります。患者の状態を十分に観察して異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼呼吸障害(頻度不明)
呼吸停止、呼吸困難、呼吸不全等の呼吸障害があらわれることがあります。患者の状態を十分に観察して異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼脳症症状(鎮静、昏迷、錯乱、意識障害等)(いずれも頻度不明)
鎮静、昏迷、錯乱、意識障害等の脳症症状があらわれることがあります。患者の状態を十分に観察して異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
▼頭部MRI異常(脳の器質的異常)(頻度不明)
頭部MRI検査において、視床、基底核、脳幹、小脳等に頭部MRI異常(T2強調画像高信号、拡散強調画像異常信号)があらわれることがあります。死亡に至った報告もあるので、定期的に頭部MRI検査を実施するとともに、患者の状態を十分に観察して異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
その他の副作用
軽躁/躁病/精神病性障害/自殺企図/幻覚/会話障害/頭痛/錯感覚/注意力障害/記憶障害/精神的機能障害/思考障害/振戦/協調運動異常/運動失調/運動障害/ジストニア/ジスキネジー/筋緊張亢進/疲労/浮腫/易刺激性/悪心/嘔吐/腹痛/霧視/複視/眼振/発疹/血管浮腫/蕁麻疹/脱毛症/関節痛/貧血/体重増加/AST減少など
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■ビガバトリンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方は、サブリルにアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼サブリルの有効成分
ビガバトリン
▼代表薬の添加物
ポビドン
■SRSPの規定を遵守できない患者
SRSPの規定を遵守できない患者には使用できません。投与しないでください。
使用に注意が必要な方 ■黄斑症、網膜症、緑内障又は視神経萎縮の既往又は合併症を有する患者
黄斑症、網膜症、緑内障又は視神経萎縮の既往又は合併症を有する患者は、視野障害のリスクが増大するおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■網膜症あるいは緑内障を引き起こすおそれがある薬剤を投与されている患者
網膜症あるいは緑内障を引き起こすおそれがある薬剤を投与されている患者は、視野障害のリスクが増大するおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■腎機能障害患者
腎機能障害患者は、腎機能障害のある乳幼児における用量調節方法に関する情報は得られていません。また、脳症のリスクが増大するおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■精神病性障害、うつ病、行動障害の既往歴のある患者
精神病性障害、うつ病、行動障害の既往歴のある患者は、激越、うつ病、異常思考、妄想反応等の精神症状の発現が報告されています。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■妊婦、産婦、授乳婦等
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。妊娠中の投与に関する安全性は確立されていません。
■小児等
低出生体重児及び新生児に対する安全性は確立していません。
上記にあてはまる方は、ビガバトリンを使用する事が出来ない可能性があります。 ビガバトリンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・網膜症を引き起こすおそれがある薬剤(ヒドロキシクロロキン等)
・緑内障を引き起こすおそれがある薬剤(プレドニゾロン等)
・フェニトイン、ホスフェニトインナトリウム水和物
上記を使用している方は、ビガバトリンを使用する事が出来ない可能性があります。 ビガバトリンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬は報告されていません
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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