成分名 |
イストラデフィリン |
適応症状 |
パーキンソン病 |
簡易説明 |
パーキンソン病は、ドーパミンが減ることで身体症状を呈する病気です。
ドーパミンは抑制型のシグナルですが、これが減ると興奮性のシグナルが増え、神経細胞を過剰に興奮させます。
その興奮を抑えるためにGABAが過剰に分泌されるために身体症状としてあらわれますが、本剤は興奮性のシグナルと抑制型のシグナルのバランスを取り、手足の震えやこわばり、体が動かしにくいなどの身体症状を改善する薬です。
なお、レボドパ等の抗パーキンソン病薬の服用をしていてもウェアリングオフ現象が起きてしまう場合に処方され、併用薬として使用されることが多いです。 |
処方可能な診療科目 |
内科/脳神経内科/脳神経外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適用 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料の目安:1,000~2,000円
薬代の目安:ノウリアスト錠20mg/796.9円(協和キリン)
病院によって差があり、薬代の他に初診料・診察料・検査料などが必要になります。
指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2013年5月発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリックはありません。 |
関連製品(先発薬) |
ノウリアスト錠20mg(協和キリン) |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリックはありません。 |
効果・作用 |
パーキンソン病はドーパミンが減少し、相対的にアセチルコリンが増えることによって脳内で情報伝達が円滑に進まなくなり、身体症状として手足の震えやこわばり、体が動かしにくいなどの症状があらわれます。パーキンソン病の中心となる治療薬は、レボドパと呼ばれる薬です。外的要因でドーパミンの量を増やす治療になります。またはドーパミン受容体を刺激してドーパミンの放出を促進する薬もあります。
これらの薬の難点として、長期的に服用していると体が薬に慣れて効きにくくなってしまうという点があります。薬が効きにくくなってくると、薬を飲んだ後は効果が出て症状が治まっていますが、効果がない時間にパーキンソン病の症状があらわれてしまいます。これを繰り返すことをウェアリングオフ現象といいます。これらの問題を解決するために、作用時間の長い薬やドーパミン合成を促進させる薬も開発されましたが、それらを使用してもウェアリングオフ現象が起きてしまう方もいるため、異なる作用機序を示す薬の開発が期待されていました。
ドーパミンは、シグナルとしては抑制型です。しかしドーパミンが減ると、アデノシンA2A受容体によって興奮性のシグナルが下流にある神経に届き、神経を過剰に興奮させます。このとき、過剰に興奮した神経を抑えるためにたくさんのGABAが分泌され、これによって正常な運動機能が低下してしまいまうために、身体症状として手足の震えやこわばり、体が動かしにくいなどの症状があらわれるようになります。
本剤はこのアデノシンの働きを阻害することによって過剰にGABAが分泌されるのを防ぎ、身体症状を改善させる働きを持ちます。
自己判断で服用量を増減した場合、ジスキネジー(意思に反して舌を動かしたり出し入れする、絶えず噛むような口の動き、勝手に体が動き自分の意思では止められない、または止めてもすぐに出現するおかしな動き)や幻覚(実際には存在しないものが存在するように感じる)などの症状があらわれることがあります。したがって自己判断での断薬・減薬・増量はせず、医師の処方通りに服用を進めるようにしてください。 |
使用方法 |
レボドパ含有製剤と併用します。通常、成人にはイストラデフィリンとして20mgを1日1回経口投与します。なお、症状により40mgを1日1回経口投与することができます。 |
副作用 |
主な副作用
便秘・ジスキネジー・不安・上質性期外収縮・心房細動・動悸・心筋梗塞・心室性期外収縮・悪心・胃食道逆流性疾患・胃炎などがみられます。
重大な副作用
精神障害・幻視・幻覚・妄想・せん妄・不安障害・うつ悪化・抑うつ・被害妄想・幻聴・体感幻覚・躁病・激越・衝動制御障害がみられることがあります。
その他の副作用
胃潰瘍・消化不良・腹部膨満・嘔吐・上腹部痛・胸部不快感・倦怠感・末梢性浮腫・口渇・歩行障害・肝機能異常・気管支炎・挫傷・体重減少・血中CK増加・血中トリプシン増加・リパーゼ増加・尿中血陽性・尿中蛋白陽性・血中ブドウ糖増加・尿中ブドウ糖陽性・血中尿素増加・血中Al-P増加・血中アミラーゼ増加・AST増加・ALT増加・γ-GTP増加・LDH増加・血中ビリルビン増加・血圧上昇・心電図T波逆転・白血球数減少・食欲減退・四肢痛・背部痛・変形性脊椎症・姿勢異常・傾眠・体位性めまい・浮動性めまい・頭痛・失神・ジストニー・振戦・不眠症・睡眠障害・頻尿・神経因性膀胱・咳嗽・蕁麻疹・湿疹・発疹・起立性低血圧・高血圧などがみられることがあります。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■イストラデフィリンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ノウリアスト錠20mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ノウリアスト錠20mgの有効成分
イストラデフィリン20mg
▼ノウリアスト錠20mgの添加物
黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ、クロスポビドン、結晶セルロース、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、トリアセチン、乳糖水和物、ヒプロメロース、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、マクロゴール4000
■他に使用できない方
・本剤の成分に対して既往歴のある方
・妊婦または妊娠している可能性のある女性
・重度の肝障害のある方
使用に注意が必要な方 ・虚血性心疾患のある方
・ジスキネジーのある方
・肝障害のある方(重度の場合を除く)
・授乳婦
・小児等
・高齢者
上記にあてはまる方は、イストラデフィリンを使用する事が出来ない可能性があります。 イストラデフィリンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・CYP3Aを強く阻害する薬剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン等)
・CYP3Aを阻害する薬剤(エリスロマイシン、フルコナゾール等)
・CYP3Aを誘導する薬剤(リファンピシン、カルバマゼピン等、セイヨウオトギリソウ含有食品)
・CYP3Aの基質となる薬剤(ミタゾラム、アトルバスタチン、ロミタピドメシル酸塩等)
・P糖蛋白の基質となる薬剤(シゴキシン、アトルバスタチン等)
・タバコ(喫煙)
・エンタカポン
上記を使用している方は、イストラデフィリンを使用する事が出来ない可能性があります。 イストラデフィリンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬は報告されていません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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